ビカクシダ(コウモリラン)の育て方|植物図鑑

植物名
ビカクシダ(コウモリラン)
学名

Platycerium

英名
Staghorn Fern
和名
麋角羊歯
科名
ウラボシ科
属名
ビカクシダ属
原産地
アフリカ、アジア、オーストラリアなどの熱帯地域

ビカクシダ(コウモリラン)の特徴

ビカクシダは世界中の熱帯地域に分布する着生シダ植物で、「コウモリラン」とも呼ばれています。「コウモリラン」と呼ばれる由来は、垂れ下がる葉を「羽ばたくコウモリ」に例えたものだと言われています。

自生地では樹木に根を張り、くっつくように生きています。栽培する環境に合った品種を選び、育て方のコツを掴めば栽培は難しくありません。葉は着生状態の形を目指して展開するので、板、コルク、ヘゴ等の着生材に仕立てて栽培すると自然で美しい草体に仕上がります。

ビカクシダは変種や交配種などが多く存在し、愛好家も年々増えています。1株だけでもカッコいいのですが、丸く群生にしたビカクシダはとても迫力があります。自生地では樹木に着生しており、大きな群生株が1つの木に複数ついていたり、枝がビカクシダで覆われていることもあるそうです。数十年生きた大型種のビカクシダは人の背丈を超える事もあり、まさにモンスター級のシダ植物です。

ビカクシダ(コウモリラン)の詳細情報

園芸分類 観葉植物
耐寒性 弱い
耐暑性 やや弱い

ビカクシダ(コウモリラン)の構造

独特な容姿が特徴ビカクシダ。葉の一つは株元に張りつくように出た「貯水葉(ちょすいよう)」または「外套葉(がいとうよう)」、もう一つは、鹿の角のような形をしている「胞子葉(ほうしよう)」になります。

貯水葉は水を蓄えておくことだけでなく、木などに絡みつく役割もあります。また、品種によってはこの貯水葉の凹凸が非常に美しく、観賞ポイントになります。

貯水葉

ビカクシダ

スポンジ状の構造で水分を蓄え、新しい葉が古い葉を包み込むように何枚も層を重ねながら生長します。広がりきると徐々に茶色く枯れこみます。枯れこんでも、また新しい緑色の貯水葉が出てくるので心配しないで見守りましょう。

胞子葉

ビカクシダ

日光を求めて飛び出すように広がります。光合成をしたり、成熟した株は胞子をつけます。

 

ビカクシダ 星状毛アップ

ビカクシダの葉の表面は、日光や乾燥から葉を守るための星状毛(せいじょうもう)と呼ばれる細かな毛に覆われています。この星状毛の密度で胞子葉が白くみえる品種や青く見える品種があります。自生地の日照や湿度に影響されていると考えられるので、栽培する場所を決めるときの参考にしましょう。剥がれると戻らないので、葉に触れるときは気をつけましょう。

生長点

ビカクシダ

ビカクシダにとって一番大切な器官で「リゾーム」とも呼ばれます。全ての葉はここから発生し、根は生長点の内側を根元に発生しています。ここを傷つけると命取り。健康状態を見るときもこの生長点がグラつかず、しっかりしているかを確認します。

ビカクシダ(コウモリラン)の育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
植え替え
肥料

ビカクシダ(コウモリラン)の栽培環境

日当たり・置き場所

【日当たり|屋外】
春~秋にかけて屋外で管理することができますが、直射日光を当ててしまうと、刺激が強すぎて葉焼けを起こしてしまうので、30%~75%の遮光をしてください。品種によって遮光率が変わってくるので、管理しながら調整してください。遮光するときに遮光ネットや寒冷紗を使用すると簡単に遮光することができます。遮光ネットと寒冷紗はホームセンターや園芸店だけでなく、100均でも購入することができます。

日当たり|屋内】
ビカクシダは耐陰性があるので、屋内でも大丈夫です。しかし、日光が当たった方が健康な株になるので、なるべく日光が当たる場所に置いてください。室内だからと言って直射日光を当ててしまうと葉焼けを起こしてしまうので、レースのカーテン越し程度の日光を当てて下さい。

【置き場所】
ビカクシダは高温多湿に強く、耐陰性もあるため、室内の日光が入る場所なら大丈夫です。 ただし、エアコンなどの風が直接当たると葉が傷んでしまうので、直接当たらない場所に移動してください。日光の入る浴室などに置くこともできますが、熱いシャワーやカビに注意してください。

温度

ビカクシダは熱帯に分布しているため、暑さには比較的耐性があります。しかし寒さには弱いため冬場15℃程度になったら暖かい室内に取り込むようにします。品種にもよりますが、10℃以下にならないように保温してください。

用土

保水性のある水苔を主に使います。鉢植えの場合、水はけの良い用土がよいでしょう。

ビカクシダ(コウモリラン)の育て方のポイント

水やり

ビカクシダは寒さに弱いので季節や気温(室温)によって水やりのタイミングを変える必要があります。

【気温が10℃以上のとき】
主に春~秋の生長期では用土が乾燥したらたっぷりと水を与えるようにします。葉がしおしおになり弱ってくるようならば水やりの回数を増やしてください。

【気温が10℃以下のとき】
ビカクシダは気温が10℃を切ってくると生長が緩慢になってきます。そのため、水をあまり必要としなくなるので、水やりの回数を減らします。具体的には、1週間に1回程度水やりをしてください。ビカクシダを乾き気味に管理し樹液の濃度を高めることで、耐寒性を上げることができます。

また、小さいビカクシダは乾燥に弱いので冬場は葉水を多めに行ってください。

肥料

基本的に肥料は無くてもよいのですが、与えた方が生長がはやくなります。

冬場の生長が緩慢になるときに肥料を与えてしまうと肥料焼けをする可能性があるので、春~秋の生長期に与えるようにします。

肥料の種類は適切な濃度に希釈した液肥を10日に1回与えるか、緩効性の置き肥を与えてください。有機肥料ではなく、化成肥料を使うことでコバエの発生を予防することができます。

病害虫

ハダニ
黄緑や赤い体色をした0.5mmほどの小さな害虫です。葉の裏側に潜み吸汁します。ハダニに吸汁された箇所は白い斑点状になるのですぐ分かります。そのまま放置しておくと最悪の場合枯れてしまいます。

アブラムシ】アブラムシは2~4mmほどの小さな害虫です。幼虫、成虫ともに葉や蕾を吸汁します。群生していることが多く、早めに対処しないと手遅れになる場合があります。アブラムシはスス病などのウイルス病の媒介者で、吸汁されてしまうとそこからウイルスがビカクシダの中に侵入し、病気を発症させます。また、発症しなくても吸汁されたことで体力がなくなり、そのまま枯れてしまう場合があります。

カイガラムシ
3mmほどの小さな虫で、白い綿毛のようなものを背負っています。吸汁して成長していくと、身体からワックスなどを分泌し、身体を守ろうとします。カイガラムシに吸汁されると株が弱ってしまい、そのまま枯れてしまうことがあります。

ナメクジ
葉や花芽など、食べれる場所ならどこでも食害する性質の悪い害虫です。
外に出していると寄ってくる場合があるので、注意してください。

ビカクシダ(コウモリラン)の詳しい育て方

選び方

ビカクシダを買う時は必ず病害虫に注意してください。ハダニやアブラムシ等が付着している株を買ってしまうと後々ビカクシダが弱ってしまったり、最悪の場合他の植物へ付着してしまう可能性があります。

ビカクシダは下記の3点を意識して選びましょう。

・生長点がしっかりしている
・葉にハリがある
・新しい葉が生長している

育てたい品種の好む環境や自生地を調べてみましょう。オセアニア系の品種は丈夫で、日本の環境で育てやすいものが多いので初めての方に向いています。株分け直後や輸入直後のものは環境の変化で生長が停滞してしまう事があります。心配な場合は株分け後、輸入後にしばらく国内で栽培されていたものか、国内で生産されたものを選ぶと安心です。専門店に聞けばその株がどんなものかを教えてくれるでしょう。

種まき

シダ植物なので種はありませんが、胞子を湿らせたミズゴケなどにまくことで発芽する場合があります。

胞子をまく場合はなるべく高湿度を保つようにしてください。また、発芽したての株は乾燥に極端に弱いので注意してください。

植え付け

へゴ板やコルクなどにミズゴケを使って活着させてください。素焼き鉢に水はけの良い土で植え込むこともできます。

剪定・切り戻し

基本的に剪定は必要ありませんが、古くなり枯れてきた葉は切り取ってしまった方がよいです。

風通しを良くすることでカビの発生等を予防することができます。

植え替え・鉢替え

よほど大きくならない限りあまり植え替えはしませんが、板に活着させる板付け方法が人気です。

夏越し

屋外で、気温が40℃以上になった場合は日陰に移動してください。30~75%程度の遮光をすると葉焼けを防止することができます。

真夏は午前中に水やりを行うと株の温度が上昇し煮えてしまいます。土の表面が乾いたタイミングで夕方~夜にたっぷり与えてください。活力剤を1000倍に希釈して水やりの2~3回に一度のペースで行うと夏バテを防止できます。

冬越し

気温が10℃以下になったら生長が緩慢になるので、水やりを少なめにし、昼間の暖かい時間帯に葉水をするようにします。

品種にもよりますが、気温が5℃を切ると枯れてきてしまうので、室内に入れるか、温室内でファンヒーターなどを使って保温してください。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

株分けで増やします。子株ができたら、親株からはずして増やしましょう。

ビカクシダの板付け

ビカクシダの板付けは、生長期である暖かい時期に行いましょう。

必要なもの

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・板
・水苔
・水苔を浸すもの(ボールなど)
・釘(ハンマ―)
・麻ひも

1.水苔を使える状態に

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ビカクシダを板に張り付けるため、保水性のある水苔を使用します。水苔は乾燥した状態で売っているので、水に浸してふやかします。この時に、沸騰したお湯で水苔をふやかすと水苔が殺菌できます。10~20分ほど浸しておきましょう。

 

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熱湯でふやかしたら、水苔を必ず冷ましてから使いましょう。温度が高いまま使用すると、ビカクシダの根や株を傷めてしまう可能性があります。

2.ビカクシダを株分けする

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大きく育ったビカクシダを株分けしていきます。なるべく土は取って、根が傷まないように優しく行います。

3.ビカクシダの向きを決めていく

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板の上に置いて、雰囲気をみてみましょう。この時点で壁にぶら下げたときのイメージをみたり、向きを決めましょう。

 

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大体の位置が決まったら、周りに釘を打っていきます。今回は大きさに合わせて6本の釘を打ちました。

4.水苔を巻いていく

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釘を打ち終わったら、先ほどのビカクシダを真ん中に置いてから、水苔で周りを包んでいきます。水苔を軽く絞って巻いていきましょう。  

5.麻ひもでしっかり固定

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先ほど打った釘に麻ひもをかけていきます。最初の場所は1本の釘に結んで、ぐるっと一周させます。

 

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そのあとに交差するように、ひっかけていきます。水苔が落ちないようにすれば大丈夫です。

 

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水苔が落ちず、しっかり包まれてているか確認しましょう。

 

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最後に立ててみて外れたり、崩れないかを確認します。壁にかけれるように板の上部にフックを付ければ完成です!

 

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あとは貯水葉(ちょうすいよう)という葉が板に張り付いてくれると、しっかり着生します。

 

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  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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