ヒメモンステラとは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
ヒメモンステラ
学名

Rhaphidophora tetrasperma

英名
Windowleef
科名
サトイモ科
属名
ラフィドフォラ属
原産地
東南アジア

ヒメモンステラの特徴

独特な葉の形が特徴的で耐陰性、耐寒性があるモンステラよりも葉が小さいヒメモンステラはインテリアグリーンとして人気があります。

ヒメモンステラはしばらく来歴や学名が分かっていませんでした。そのため混同され現在も分類上数種類のものが流通しています。

多いのはモンステラ属ではなくラフィドフォラ属のテトラスペルマです。属は異なりますがモンステラによく似た小型の葉をつけます。

モンステラ・アダンソニー、モンステラ・デリシオサの幼苗をヒメモンステラという名前で販売していることもあります。

このように、ヒメモンステラとは特定の品種のことを指すのではなく、実生などによって発生した小型のモンステラ、またはテトラスペルマの流通名という程度に捉えておいた方が無難です。

※ここでは最も多く流通しているテトラスペルマをヒメモンステラとして紹介します。

ちなみに、ラフィドフォラ属はモンステラよりも寒さに弱く冬場10度以上の温度が必要です。葉が大きくならずにつる状にはって茎がよく伸びます。

ヒメモンステラの詳細情報

園芸分類 観葉植物
草丈・樹高 ~1m程度
耐寒性 やや弱い
耐暑性 強い
花色 白色

ヒメモンステラの茎から何か出ている!?

ヒメモンステラから、ひょろっと出ているのは気根(きこん)です。 
気根は邪魔なら切っても発育に影響はありませんが、ヒメモンステラの特徴の一つなので、そのまま育てるのも面白いと思います。気根は空気中の水分や養分を吸収したり、支柱の役割もしているそうです。

なんでヒメモンステラって言うの!?

まず、モンステラの学名・英名の「Monstera」は、ラテン語の「monstrum(奇怪・異常)」が語源となっていて、葉に大きな切れ込みが入ったり穴があいたりする、独特で不思議な葉の形からきています。

そしてヒメモンステラのヒメは小型という意味を表していると言われているようです。

 

ヒメモンステラの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
植え替え
剪定
肥料

ヒメモンステラの栽培環境

日当たり・置き場所

日光

【屋外】

春~秋にかけて屋外で管理することができますが、直射日光を当ててしまうと、刺激が強すぎて葉焼けを起こしてしまうので、30%~50%の遮光をしてください。

遮光するときに遮光ネットや寒冷紗を使用すると簡単に遮光することができます。遮光ネットと寒冷紗はホームセンターや園芸店だけでなく、100均でも購入することが出来ます。

【屋内】

耐陰性があるので、屋内でも大丈夫です。しかし、日光が当たった方が健康な株になるので、なるべく日光が当たる場所に置いてください。

室内だからと言って直射日光を当ててしまうと葉焼けを起こしてしまうので、レースのカーテン越し程度の日光を当てて下さい。

【置き場所】

高温多湿に強く、耐陰性もあるため、室内の日光が入る場所なら大丈夫です。 ただし、エアコンなどの風が直接当たると葉が傷んでしまうので、直接当たらない場所に移動してください。

温度

高温には強い植物ですが、低温には弱いので、10℃以下にならない様に気をつけましょう。

ベランダ等で育てられている方は、外の気温が15℃ぐらいからは室内に取り込んで下さい。

用土

ヒメモンステラは高温多湿を好みますが、水はけの悪い土を使ってしまうと根腐れを起こしてしまう可能性があります。

そのため、出来るだけ水はけの良い土を使うのをおすすめします。

自分でブレンドする場合は、観葉植物用の土2:赤玉土1:鹿沼土1の割合でブレンドし、生育環境に合わせて微調整してください。

また、土の表面を赤玉土や鹿沼土、化粧砂などの無機質の用土で覆うことでコバエの発生を防ぐことが出来ます。

ヒメモンステラの育て方のポイント

日常の管理

ヒメモンステラの葉は広いためホコリが積もりやすいです。そのため、2、3日に一回程度のペースで掃除してください。また、枯れた葉などを取り除いて下さい。

水やり

ヒメモンステラは寒さに弱いので季節や気温(室温)によって水やりのタイミングを変える必要があります。

【気温が10℃以上のとき】

主に春~秋の成長期では土の表面が乾燥したらたっぷりと水を与えるようにします。

【気温が10℃以下のとき】

ヒメモンステラは気温が10℃を切ってくると成長が緩慢になってきます。そのため、水をあまり必要としなくなるので、水やりの回数を減らします。具体的には、表面の土が乾燥してから2~3日経ってから水やりをしてください。

ヒメモンステラを乾燥させて樹液の濃度を高めることで耐寒性を上げる事が出来ます。

【葉水】

葉水は乾燥を防ぐだけでなくハダニやアブラムシなどの害虫を予防する意味もあるので、毎日1回は霧吹きなどでするようにしましょう。

肥料

基本的に肥料は無くても良いのですが、与えた方が成長がはやくなります。

冬場の成長が緩慢になるときに肥料を与えてしまうと肥料焼けをする可能性があるので、春~秋の成長期に与えるようにします。

肥料の種類は適切な濃度に希釈した液肥を10日に1回与えるか、緩効性の置き肥を与えてください。

有機肥料ではなく、化成肥料を使うことでコバエの発生を予防することができます。

病害虫

【ハダニ】

黄緑や赤い体色をした0.5mmほどの小さな害虫です。葉の裏側に潜み吸汁します。ハダニに吸汁された箇所は白い斑点状になるのですぐ分かります。そのまま放置しておくと最悪の場合枯れてしまいます。

【アブラムシ】
アブラムシは2~4mmほどの小さな害虫です。幼虫、成虫ともに葉や蕾を吸汁します。群生していることが多く、早めに対処しないと手遅れになる場合があります。

アブラムシはスス病などのウイルス病の媒介者で、吸汁されてしまうとそこからウイルスがヒメモンステラの中に侵入し、病気を発症させます。

また、発症しなくても吸汁されたことで体力がなくなり、そのまま枯れてしまう場合があります。

【カイガラムシ】

3mmほどの小さな虫で、白い綿毛のようなものを背負っています。吸汁して生長していくと、身体からワックスなどを分泌し、身体を守ろうとします。

カイガラムシに吸汁されると株が弱ってしまい、そのまま枯れてしまうことがあります。

【ナメクジ】

葉や花芽など、食べれる場所ならどこでも食害する性質の悪い害虫です。

外に出していると寄ってくる場合があるので、注意してください。

大食漢でもあるので、梅雨時などナメクジが発生しやすい時期は夜に見回りをしてください。

少し食害された程度なら生長に問題はありませんが、葉の大半を食害されたり、生長点を食害されると枯れてしまう可能性があります。

【ダンゴムシ】

柔らかい花芽や新葉、発芽したての株を食害します。ナメクジより食害される可能性は低いですが、外で管理しており地面の近くにヒメモンステラを置いている場合は注意が必要です。

【バッタ】

イナゴなどのバッタは葉の硬さに関係なく食害します。また、食害する量も多いので気付かないでいると手遅れになっていることがあります。

割り箸などで見つけ次第捕殺してください。防虫ネットも有効です。

ヒメモンステラの詳しい育て方

選び方

ヒメモンステラを買う時は必ず病害虫に注意してください。

ハダニやアブラムシ等が付着している株を買ってしまうと後々ヒメモンステラが弱ってしまったり、最悪の場合他の植物へ付着してしまう可能性があります。

病害虫以外では葉が大きく、茎がしっかりしているものを選ぶと良いです。

種まき

ヒメモンステラの種を入手したらピートモスや種まき用の土を使って種をまきます。

種まきをする時期は4月~6月の暖かい時期がおすすめです。常に土の表面が湿ってるようにして半日陰の風通しの良い場所に置いて下さい。

植え付け

植え付けは5月~9月の暖かい時期に行ってください。挿し木(茎伏せ)は湿度の高い6月頃がおすすめです。 8月以降に植え付けを行う場合は猛暑日は避けるようにします。

根が出ていない場合は、根が出るまで常に土が湿っているようにしてください。

剪定・切り戻し

ヒメモンステラもモンステラと同じく生長が早いため、剪定が必要になってくる場面が出てくると思います。

ヒメモンステラの剪定方法は簡単で、葉の付け根から切れば剪定できます。

また、茎が長く伸びるタイプのヒメモンステラは茎ごと好きな長さに切ってしまって構いません。

この様に最初の方に出た葉に切れ目が入っていない葉は剪定してしまってよいと思います。

葉の付け根からハサミやナイフを使って切り取ります。

ヒメモンステラは非常に強健なので、邪魔な葉は切ってしまって構いません。

しかし、全部の葉を切ってしまうと光合成が出来なくなってしまうので、数枚は残しておいてください。

葉ではなく、茎を直接切る方法もありますが、こちらはヒメモンステラの増やし方で紹介します!

植え替え・鉢替え

ヒメモンステラは成長がはやいので、植え替えをしないでいると鉢が根でパンパンになってしまい根詰まりを起こしてしまいます。

そのため、環境にもよりますが1~2年に1度1回り大きい鉢に植え替えをする必要があります。

水はけの良い土を使って植え替え、鉢底にはしっかりと鉢底石を入れてください。

植え替え時期は5~9月頃が最適ですが、猛暑日は避けましょう。

ヒメモンステラは中々開花しませんが、成長すると極まれに白い花を咲かせることがあります。
ヒメモンステラの花の形はサトイモ科の花の形そのもので、肉穂花序(にくすいかじょ)を包む仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる襟を持っています。
この仏炎苞を花の本体だと思われている方も多いのですが、実は仏炎苞に包まれている円柱状の肉穂花序がいわゆる花の本体になります。
花は芳香性のようで、甘酸っぱい香りを漂わせるようです。また、雌雄同株なため、結実することがあります。

収穫

開花後に結実することがあります。そのまま放置しておくと実を収穫することができます。
ヒメモンステラの実は食べることができ、結実後約1年経つと完熟し、甘酸っぱい香りを漂わせます。
ヒメモンステラの実は中々販売されていませんが、屋久島などの南の島では通常のモンステラの実が販売されているようです。モンステラの実は徐々に完熟していき、表面の硬い皮の部分を剥がして中身の柔らかい部分を食します。
サトイモ科の実にはシュウ酸カルシウムが含まれているそうなので、あまり大量に食さない方がよさそうです。

夏越し

屋外で、気温が40℃以上になった場合は日陰に移動してください。30~50%程度の遮光をすると葉焼けを防止することが出来ます。

水やりは土の表面が乾いたら夕方~夜にたっぷり与えてください。

午前中に行うと暑くなり煮えてしまいます。 活力剤を1000倍に希釈して水やりの2~3回に一度のペースで行うと夏バテを防止できます。

冬越し

気温が5℃以下になったら生長が止まるので、水やりを2週間に1度に減らします。

気温が5℃を切ると枯れてきてしまうので、切らないように室内に入れるか、温室内でファンヒーターなどを使って保温してください。

ファンヒーターなど暖房器具を使う場合は火事に注意してください。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

ヒメモンステラは茎の部分を土や水に入れることで増やすことができます。

茎挿し(挿し木の一種)と茎伏せという少し変わった2通りの増やし方があるのですが、ヒメモンステラは茎挿しにする機会の方が多いので、茎挿しの方法をご紹介します。

まずはじめに、ヒメモンステラの茎を切り取ります。今回は剪定の意味合いが強いので、根元から切ってしまいます。

赤い線の辺りでハサミやナイフを使って切ります。

ヒメモンステラは細く柔らかいのですんなり切ることが出来ます。

優しく引き抜くと根が付いている場合があります。傷つけないように丁寧に扱ってください。

根が付いていない場合はここで葉をすべて切り落としてください。葉が残っていると蒸散(葉から水が出る事)によって茎が乾燥してしまいます。

次に、植え込むための土を用意します。

ヒメモンステラは高温多湿を好みますが、水切れにも強いです。

あまり保水性の高い土を使ってしまうとカビやコバエが発生する原因にもなるので、排水性と保水性を兼ね備えている土がおすすめです。

今回は観葉植物の土2に鹿沼土1、赤玉土1を混ぜたものを使用します。

土を作ったら鉢に鉢底石を入れます。鉢底石を入れないと通気性が悪くなってしまうので、必ず入れてください。

ヒメモンステラをバランスがいいように配置して、周りに土を入れていきます。

最後に水をたっぷりかければ完成です!

茎挿し後は根がしっかり張るまで土が乾燥しないようにしてください。

これでヒメモンステラの茎挿しは終わりです!

病害虫の駆除

ハダニアブラムシナメクジカイガラムシダンゴムシはLOVEGREEN内の記事で詳しく紹介されているのでご覧ください!

バッタは見つけ次第割りばしなどを使い捕殺するか、防虫ネットをお使いください。

 

ヒメモンステラの剪定方法

ヒメモンステラもモンステラと同じく生長が早いため、剪定が必要になってくる場面が出てくると思います。ヒメモンステラの剪定方法は簡単で、葉の付け根から切れば剪定できます。

また、茎が長く伸びるタイプのヒメモンステラは茎ごと好きな長さに切ってしまって構いません。

この様に最初の方に出た葉に切れ目が入っていない葉は剪定してしまってよいと思います。

 

葉の付け根からハサミやナイフを使って切り取ります。

ヒメモンステラは非常に強健なので、邪魔な葉は切ってしまって構いません。しかし、全部の葉を切ってしまうと光合成が出来なくなってしまうので、数枚は残しておいてください。

 

ヒメモンステラの増やし方

ヒメモンステラは茎の部分を土や水に入れることで増やすことができます。

茎挿し(挿し木の一種)と茎伏せという少し変わった2通りの増やし方があるのですが、ヒメモンステラは茎挿しにする機会の方が多いので、茎挿しの方法をご紹介します。

 

まずはじめに、ヒメモンステラの茎を切り取ります。今回は剪定の意味合いが強いので、根元から切ってしまいます。赤い線の辺りでハサミやナイフを使って切ります。

 

ヒメモンステラは細く柔らかいのですんなり切ることが出来ます。

 

優しく引き抜くと根が付いている場合があります。傷つけないように丁寧に扱ってください。

根が付いていない場合はここで葉をすべて切り落としてください。葉が残っていると蒸散(葉から水が出る事)によって茎が乾燥してしまいます。

 

次に、植え込むための土を用意します。

ヒメモンステラは高温多湿を好みますが、水切れにも強いです。

あまり保水性の高い土を使ってしまうとカビやコバエが発生する原因にもなるので、排水性と保水性を兼ね備えている土がおすすめです。

 

今回は観葉植物の土2に鹿沼土1、赤玉土1を混ぜたものを使用します。

 

土を作ったら鉢に鉢底石を入れます。鉢底石を入れないと通気性が悪くなってしまうので、必ず入れてください。

 

ヒメモンステラをバランスがいいように配置して、周りに土を入れていきます。

 

最後に水をたっぷりかければ完成です!茎挿し後は根がしっかり張るまで土が乾燥しないようにしてくださ

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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