ビーツ(テーブルビート)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- ビーツ(テーブルビート)
- 学名
Beta vulgaris
- 英名
- table beet, beetroot, red beet
- 和名
- 火焔菜(カエンサイ)、錦大根
- 別名・流通名
- テーブルビート、ガーデンビート
- 科名
- アカザ科(ヒユ科)
- 属名
- フダンソウ属
- 原産地
- 地中海沿岸
ビーツ(テーブルビート)の特徴
ビーツはロシアの家庭料理で有名な赤いシチュー「ボルシチ」に欠かせない野菜で、根がカブのように肥大する野菜です。日本へは18世紀に渡来しましたが、根菜類として他に大根やカブがあったこともあり、ほとんど普及することはありませんでした。
形はアブラナ科のカブにとてもよく似ていますが、全く違う種類のアカザ科(ヒユ科)の野菜です。ビーツと同種の野菜は、葉を食するスイスチャードと砂糖などの原料になる甜菜などがあります。
ビーツの料理方法として、葉はサラダや炒め物などに使い、根は煮込み料理や茹でて甘酢漬けなどにして美味しく食べることができます。根は生でも食べられますが、下茹でしてから料理に使った方が土の香りが抜けて甘味が増します。
ビーツの真っ赤な色は、ブルーベリーなどに含まれているアントシアニンとは違う成分「ベタシアニン色素」という栄養素が含まれています。
赤いビーツのほか、渦巻き、黄色、白などの品種もあります。
ビーツ(テーブルビート)の詳細情報
園芸分類 | 野菜 |
---|---|
草丈・樹高 | 40cm前後 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 弱い |
ビーツ(テーブルビート)の種類
デトロイト・ダークレッド
強健で育てやすい品種。表皮も中も深紅色です。ボルシチなどに使われます。
ゴルゴ
表皮は赤色で、輪切りにすると紅白の年輪模様が美しい品種。
ルナ
表皮は濃いオレンジ色で、断面は黄色い品種。
ビーツのレシピ
品種によって固さがさまざまです。包丁を入れやすいものは、生食で食べやすいビーツです。
根の活用
生食では、ビーツの皮をむいて、薄くスライスしたものをサラダの彩りに使用します。茹でる時は綺麗な赤い色素が抜けださないように、皮ごと茹でます。茹でた後、皮をむき、味つけをして食べます。牛乳やヨーグルトなどと合わせてミキサーにかけるときれいなピンク色のスムージーができます。
他にも、ビーツを丸ごとオーブンで焼いたり、蒸したり、炒めたりして美味しくいただくことができます。ビーツの赤い色素を利用してスープにするときは、皮をむいて好みのサイズに切り、一緒に煮込みましょう。
丸ごと50分ほど茹でて、皮をむいた様子です。茹でると皮は手でするっとむけます。
葉の活用
間引きした柔らかいビーツの葉は、生食のサラダなどで美味しく食べることができます。葉と茎の色合いがきれいなため、サラダに入れると美しい彩りになります。品種によって、茎が緑のものと茎も赤いものがあり、赤い茎のものは茎だけをスープに使っても赤いスープになります。
生長してきた茎葉は生食には硬いため、さっと茹でてから味付けしたり、バターなどで炒めるなどして食べた方がよいでしょう。
ビーツ(テーブルビート)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき | ||||||||||||
収穫 |
ビーツ(テーブルビート)の栽培環境
日当たり・置き場所
ビーツは日当たりを好みます。風通しの良い場所で育てましょう。
温度
ビーツの生育適温は15~20℃です。
用土
プランター栽培のビーツは、野菜用の培養土で育てましょう。
畑栽培のビーツは、植え付け前に土を耕す準備が必要です。畑の土が酸性に傾いている場合は、まず植え付けの2週間前位には石灰を入れ、耕しましょう。その1週間後に完熟堆肥と元肥を入れ土になじませます。土の酸度は、市販の酸度測定液などを使うと安価で簡単に調べることができます。
窒素分を含む肥料は、石灰と合わさることで窒素分がアンモニアガスとなって消失してしまうため、同時に使用してはいけません。
なお、この場合の石灰とは「消石灰」や「苦土石灰」をさします。牡蠣殻などの「有機石灰」ではそのような化学反応は起きないので、どうしても日数がない場合は「有機石灰」「完熟堆肥」「有機肥料」を使うと同時に混ぜ込むことが可能で、すぐに種まきや植え付けができます。
ビーツ(テーブルビート)の育て方のポイント
水やり
発芽するまで土の表面を乾燥させないように管理しましょう。
生育後期のビーツは、畑の土の保水力によっては降雨のみで育つ場合もあります。多湿にならないよう注意し、土が乾くようなら与えるようにしましょう。
肥料
元肥のみでもかまいませんが、生育の様子を見ながら追肥を与えましょう。
病害虫
病害虫には比較的強い野菜です。
ビーツ(テーブルビート)の詳しい育て方
種まき
条間を20cmほどあけ、2cm程度の深さにすじまきにします。または、移植ごての柄の部分で穴を作って1つの穴に数粒まく、点まきの方法でまきましょう。
間引き
すじまきの場合は、葉が5cm程度に伸びたら、株間10cm前後に間引きます。最終的な株間は15cm~20cm程度の間隔をとりましょう。
ビーツはスイスチャードの仲間なので、間引いた葉はベビーリーフとして生で食べることができ、彩りが美しいサラダになります。
点まきの場合は、一か所から数本の芽が出てくるので、間引いて強い株を1本残します。
花
ビーツは気温の上昇と長日条件で花芽ができ、春にとう立ちして初夏に花が咲きます。
収穫
根元の肥大がはっきりと見えて、直径が5~6cm程になり、草丈も30cm位になったときがビーツの収穫の目安です。
品種によって種まきから収穫の目安は若干変わり、60~100日程度です。種をまく時に、種の袋で収穫までの期間を確認しておきましょう。