春菊(シュンギク)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- 春菊(シュンギク)
- 学名
Glebionis coronaria
- 英名
- Crown daisy
- 和名
- シュンギク
- 別名・流通名
- キクナ
- 科名
- キク科
- 属名
- シュンギク属
- 原産地
- 地中海沿岸
春菊(シュンギク)の特徴
春菊(シュンギク)は地中海沿岸地域原産のキク科の植物で、独特の香りがあり、鍋料理によく使われる緑黄色野菜です。ほうれん草に匹敵するほど栄養価が高いのですが、シュウ酸は少ないのであく抜き不要で生でも食べられます。
春菊(シュンギク)は葉の切れ込みの程度によって大葉種、中葉種、小葉種に分類されます。中葉種がもっとも多く栽培されていますが、その中でもあまり分枝せず茎が伸びやすい品種と、株元からよく分枝する品種に分かれます。四国や九州では葉に切れ込みの少ない大葉品種、それ以外の地域では切れ込みのある中葉品種が栽培されています。関西では菊菜とも呼ばれます。
株ごと収穫せずに順次わき芽を収穫できる摘み取り型の春菊(シュンギク)は、長い期間楽しめるため家庭菜園に向いています。
原産地のヨーロッパでは、食用ではなく主に観賞用として栽培されるほど、春に咲く黄色い花は美しく、春菊(シュンギク)という名前がぴったりです。
春菊(シュンギク)の詳細情報
園芸分類 | 野菜 |
---|---|
草丈・樹高 | 30cm |
耐寒性 | やや強い |
耐暑性 | やや弱い |
花色 | 黄色 |
開花時期 | 4月~6月頃 |
春菊(シュンギク)の種類
摘み取り種
茎が立ち上がり、則枝がよく伸びて摘み取り収穫に向くタイプ。
大葉春菊など。
株張り種
生長しても茎が立たず、株が横に張るタイプ。株ごと収穫します。
菊次郎など。
スティック春菊
葉が上部に集中し、椰子の木のような草姿になります。
春菊特有の香りやクセが少なく、サラダなどの生食におすすめの春菊。長い茎も美味しく食べられます。
春菊の花言葉
コンパニオンプランツとしての春菊(シュンギク)栽培
春菊(シュンギク)はマリーゴルドなどと同じキク科の植物です。モンシロチョウやヨトウムシ、コナガを寄せつけづらいと言われています。白菜やキャベツ、チンゲンサイ、コマツナなどと混植して、害虫予防のためにも春菊(シュンギク)を育ててみてはいかがでしょうか。
春菊(シュンギク)の苦みを感じない食べ方
春菊(シュンギク)の独特な香りや苦みが苦手、という人も多いですが実は苦味成分は茎にはなく、葉を加熱すると出てきます。
苦味のもとはポリフェノールの一種と考えられていて、そのポリフェノールに熱が加えられ、細胞が壊れるとどんどん苦味成分が出てきます。そのため、苦味を感じさせない調理方法はまず葉と茎をわけて、茎は柔らかくなるまで加熱し、その後葉を入れて10~20秒を目安に加熱すれば苦味成分を出さずに調理する事ができます。
また品種で区別すると、葉がとがったものより、丸い葉の方が苦味は少ないようです。加熱せずに生で食べれば苦味はほとんど感じないのですが、春菊(シュンギク)は傷みやすいので家庭菜園などで自分で作って新鮮なうちにサラダで食べるのがおすすめです。
春菊(シュンギク)の保存方法
春菊(シュンギク)は、乾燥しないように濡れた新聞紙でくるみ、ポリ袋に入れて冷蔵庫に立てておきましょう。寝かせると上に伸びようと茎が曲がり、傷みも早くなります。
さっとゆでて冷凍保存もできます。塩を入れた熱湯で30秒ほど茹で、冷水におとしてから水気をよく切ってラップに包み冷凍します。使うときは自然解凍するか、汁物などには凍ったまま鍋に入れても問題ありません。
春菊(シュンギク)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき | ||||||||||||
収穫 |
春菊(シュンギク)の栽培環境
日当たり・置き場所
春菊(シュンギク)は、日当たりを好みます。風通しの良い場所で育てましょう。
温度
春菊(シュンギク)は生育適温が15~20℃と冷涼な気候を好むため、春と秋が栽培適期となります。
ただし春まきの春菊(シュンギク)は生長が早く、とう立ちしやすいので、まき時期、収穫時期に注意が必要です。
用土
春菊(シュンギク)をプランターで栽培する場合は、野菜用の培養土で育てましょう。
畑栽培の春菊(シュンギク)は、植え付け前に土を耕す準備が必要です。
畑の土が酸性に傾いている場合は、まず植え付けの2週間前位には石灰を入れ、耕しましょう。その1週間後に完熟堆肥と元肥を入れ土になじませます。土の酸度は、市販の酸度測定液などを使うと安価で簡単に調べることができます。
窒素分を含む肥料は、石灰と合わさることで窒素分がアンモニアガスとなって消失してしまうため、同時に使用してはいけません。なお、この場合の石灰とは「消石灰」や「苦土石灰」をさします。牡蠣殻などの「有機石灰」ではそのような化学反応は起きないので、どうしても日数がない場合は「有機石灰」「完熟堆肥」「有機肥料」を使うと同時に混ぜ込むことが可能で、すぐに種まきや植え付けができます。
春菊(シュンギク)の育て方のポイント
水やり
発芽時や生育途中で乾燥すると生育が悪くなるので、水やりはこまめに行いましょう。
肥料
本葉が3~4枚になった2回目の間引きの頃から、2週間に1回追肥をします。
病害虫
アブラムシ等が発生する事がありますが、他の野菜に比べて、病気にはあまりかかりません。
春菊(シュンギク)の詳しい育て方
選び方
主に種から育てます。
春菊(シュンギク)は、葉の切れ込みの程度によって大葉種、中葉種、小葉種に分類されます。摘み取って長い期間収穫するタイプと、株ごと収穫するタイプもあります。好みの品種の種を用意しましょう。
種まき
1cm間隔ほどにすじまきにします。春菊(シュンギク)の種は好光性種子のため、発芽には光が必要です。覆土はごく薄くかけましょう。
間引き
葉が生長して、混み合ってきたら順次間引きましょう。間引き菜もサラダなどで美味しく食べられます。
摘芯(摘心)・摘果
摘み取り種の場合、草丈が20cmほどになったら株元の葉を下から4枚~5枚残して主枝の先を摘芯します。その後、わき芽に栄養がいきわたり側枝が生長するので、次々と収穫できるようになります。
花
黄色い花を咲かせますが、通常は花が咲く前に収穫します。
収穫
春まきの春菊(シュンギク)は、とう立ちしやすいので株ごと抜いて収穫します。
摘み取り種の春菊(シュンギク)を秋にまくと、摘芯後にわき芽が伸びてきて何度も収穫することができます。
冬越し
冬は気温が0度近くになると、春菊(シュンギク)の生育が止まります。防寒のため、トンネル栽培にすることで冬越し栽培も可能です。