スイスチャードとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- スイスチャード
- 学名
Beta vulgaris var. cicla
- 英名
- Swiss chard
- 和名
- 不断草(フダンソウ)
- 別名・流通名
- アマナ、トキシラズ、タウヂサ
- 科名
- アカザ科(ヒユ科)
- 属名
- フダンソウ属
- 原産地
- 地中海沿岸
スイスチャードの特徴
スイスチャードの和名である不断草(ふだんそう)という名は、真冬には生育は鈍りますが、ほぼ1年を通して育て収穫できることから名前が付いたといわれています。暑さ寒さに強いスイスチャードは、とても育てやすい野菜です。
スイスチャードの葉の軸は、赤・白・黄色・紫・オレンジなどカラフルな色合いがあり、サラダなどの彩りにもよく使われます。お洒落な野菜として、家庭菜園でも人気となっています。
日本では、まだ馴染みが薄い野菜かもしれませんが、最近では野菜として育てる以外にも、葉色の美しさからガーデニングのカラーリーフとしても育てられ、人気が出ています。
同じアカザ科のほうれん草が少なくなる真夏の時期にも収穫でき、淡白な味わいから、様々な葉物野菜の代用として料理に使われます。また、スイスチャードが小さいうちは、カラフルなベビーリーフとしても重宝します。
スイスチャードの詳細情報
園芸分類 | 野菜 |
---|---|
草丈・樹高 | 20~30cm |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 黄緑色 |
開花時期 | 5月頃 |
スイスチャードの選び方
柄の部分が長く伸び過ぎているスイスチャードは、大きく生長しすぎて、葉が固くなっているため、葉が若くて柔らかそうなものを選びましょう。
小さな葉は、生で食べても柔らかくサラダに向いていますが、大きい葉は生では固いため、茹でたり炒めたりしましょう。
スイスチャードの保存方法
冷蔵保存
湿らせた新聞紙やキッチンペーパーで包み、乾燥しないようにビニール袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。
冷凍保存
スイスチャードを軽く茹でた後、しっかりと水気を絞り、小分けにしてラップにくるみます。その後、密封袋に入れて冷凍庫で保存しましょう。
スイスチャードの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
種まき | ||||||||||||
収穫 |
スイスチャードの栽培環境
日当たり・置き場所
スイスチャードは、日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。
温度
スイスチャードの生育適温は15~20℃ですが、暑さにも寒さにも強いので一年を通して栽培・収穫できます。
用土
スイスチャードは、ホウレンソウと同じく酸性の土ではよく育ちません。
プランター栽培のスイスチャードは、野菜用の培養土で育てましょう。
畑栽培のスイスチャードは、植え付け前に土を耕す準備が必要です。
畑の土が酸性に傾いている場合は、まず植え付けの2週間前位には石灰を入れ、耕しましょう。その1週間後に完熟堆肥と元肥を入れ土になじませます。土の酸度は、市販の酸度測定液などを使うと安価で簡単に調べることができます。
窒素分を含む肥料は、石灰と合わさることで窒素分がアンモニアガスとなって消失してしまうため、同時に使用してはいけません。なお、この場合の石灰とは「消石灰」や「苦土石灰」をさします。牡蠣殻などの「有機石灰」ではそのような化学反応は起きないので、どうしても日数がない場合は「有機石灰」「完熟堆肥」「有機肥料」を使うと同時に混ぜ込むことが可能で、すぐに種まきや植え付けができます。
スイスチャードの育て方のポイント
水やり
発芽までは、土の表面を乾燥させないように管理しましょう。
肥料
元肥のみでかまいません。生育の様子を見ながら追肥を与えましょう。
窒素肥料分が多いと病害虫の被害を受けやすいので、与えすぎには注意します。
病害虫
土が湿り過ぎると立ち枯れ病などの病気にかかりやすくなります。日当たりの良い環境で、乾燥気味に育てましょう。
スイスチャードの詳しい育て方
選び方
スイスチャードは、種か苗で購入することができます。単色とミックスの種があるので、色の好みがある方は単色を選びましょう。
苗は、茎がぐらついていなくて、新しい葉が株元から出ているものを選びましょう。
種まき
溝を作りすじ状にまきます。約1cm位の土をかぶせ、十分に水やりをします。
春の初めのうちはまだ朝晩冷えることがあるので、不織布をかけて育てると生育が良くなります。また、虫よけにもなるため葉がきれいに育ちます。
不織布をする場合は、不織布をしてから水やりをすると、土の中の種が流れにくくなります。種まき後、発芽までの水やりは特にたっぷり行いましょう。
種まきから約1週間後の様子です。
種まきから約2週間後の様子です。
間引き
葉の生長に合わせて順次間引いていきましょう。目安として、本葉1~2枚の頃に3~4cm間隔に、本葉3~4枚の頃に5~6cm間隔に間引きます。
種まきから約3週間後の様子です。株の間を1~2本ずつ間引き、間隔をあけます。
株がぐらつかないように、土寄せをします。虫よけのため、再度不織布をかぶせて水やりをします。
種まきから約4週間後の様子です。間隔をあけるため間引きします。
土寄せをして、不織布をかけてから水やりします。
間引き菜は、サラダなどに使って美味しくいただきましょう。
花
スイスチャードは、5月頃にとうが立って花を咲かせます。花はとても小さくてあまり目立ちません。
このようにとうが立つと葉茎が固くなり、味が落ちてしまいます。
収穫
草丈が20~30cmくらいになったら、株ごと引き抜いて収穫をします。抜かずに葉を外葉から摘み取るように収穫すると、長い期間収穫ができますが、大きく育てすぎると葉が硬くなるので、適度な大きさで順次収穫しましょう。
夏越し
特別な夏越しの必要はありません。
冬越し
特別な冬越しの必要はありません。
スイスチャードは多年草の性質があるので、冬を越せば多年草化します。大株に育つと葉茎が固くなるため、食用よりもカラーリーフとして庭の彩りに使うか、外葉からカットして切り花として楽しむとよいでしょう。