あっという間に景色が変わる!野焼きの跡から植物が芽吹くまで
小野寺葉月
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野焼きをご存知でしょうか。山焼きとも言います。草原や野原などに火を入れ、一面焼くのです。実際に焼いているところは見ることができませんでしたが、前後の写真を踏まえてご紹介します。
目次
ある日灰がおちてるのに気が付いた
ある日、家の前に黒い炭?灰?のようなものが落ちているのを見つけました。
どこかの家で焚火でもしているのかしら?と思いました。AM9時前だったのでこんな朝から?と思いましたが、その時はあまり気にせずにいました。
そのあとご近所さんと立ち話をしていると「そういえば今日湖のところで野焼きしてるよ」とのこと。
ああ、さっき見た黒いのはそこから飛んできたのか!と思いましたが、直線距離でも結構あるのですが・・・風に乗って山を越えて飛んできたようです。
野焼きとは
山焼き、ともいいます。春先の新芽が出てこない時期に、野原の枯れ草を焼くことです。対象は草原ですが、日本の草原は自然の状態では草原から森林へと植生が遷移(せんい)していきます。野焼きをすると、この遷移が止まり、リセットされます。
また、有機物の蓄積を減らし無機質の状態に戻すことで、春先新しく出てくる芽や若草のための肥料にしたり、害虫を一度に焼き殺す効果も期待できます。
ちなみに、遷移という言葉を辞書で引いてみるとより野焼きの意味が深まり面白いです。
野焼き前の草原
色がすこし褪せていますが黄金色のきれいな山肌です。青い空に映えますね。
笹やススキが多く、風が吹くと草原が布のように波打ってきれいです。雪がとけてからはずっとこの景色だったのでこの色味に目が慣れていました。
たしかに、ここから同景色が変化して新芽が出ていくのかなあ、と思っていたのですが・・・
目の前に広がる真っ黒な山
「うわ!わ!わ!すごい!真っ黒だ。うわああ、すごい!こんなに燃やしちゃうの?!すごい広さ!!すごい!!」
運転しながら騒いでいたら子どもに「ママうるっさい。静かにして」と怒られてしまうほど。。。それぐらい驚いたのです。運転しながら思わず大きな声で騒ぐほどに。
いつも見ている景色が一変する体験は、例えば一晩で雪がたくさん降って一面雪景色になること、建物が取り壊されて更地になること、一面に花が咲くこと・・・しかし、一晩でこんなに変化することはあまりないのではないでしょうか。
真っ黒な山肌の迫力。迫ってくるようです。ハワイ島の溶岩が流れた後の山を連想しました。
枝が残っている部分がありますが、葉や茎部分が焼け野原に残っています。
あっという間に若草が生え揃っていた
一か月ぶりに車山高原に行ったらきれいに若草が生えそろっていました。
生えそろった若草が滑らかな山肌を引き立てます。シダの群生やイタドリの群生の合間にワラビもたくさん出ています。路肩に車を止めて観光客の方にお話を聞いてみると、「毎年来ていてワラビを取ったりします。ここのワラビは山焼きしてから生えてくるからとてもいいわらびが取れますよ」とのこと!
もしお近くで野焼き(山焼き)をしている、という場所があれば、春先に出かけてみてくださいね。来年は焼いているところを見たいなと思います。
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