岡井路子先生によるオリーブの上手な育て方~樹形づくり・剪定・緑枝挿し
とまつあつこ
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平和の象徴といわれるオリーブ。庭にオリーブの木はあるけれど、全く花が咲かない。花は咲くけど1つも実がならない。剪定方法がわからないからそのまま。 などなど、もやもやしている方はいませんか?
先日、プロトリーフガーデンアイランド玉川店で、ガーデニングカウンセラー「岡井路子先生」によるオリーブセミナーに参加してきました。岡井先生によると、花が咲かない。実がならない。は、剪定にポイントがあるそうですよ。それではセミナーの様子をご紹介します。
目次
■プロトリーフガーデンアイランド玉川店オリーブセミナー
・ワークショップ&セミナー
・ガーデニングカウンセラー岡井路子先生
■オリーブセミナー ~オリーブの上手な育て方を学ぼう
・オリーブを植える前に大切なこと
・オリーブを育てる時に大切なこと
・オリーブの樹形づくり
・オリーブを剪定する時のポイント
・オリーブの葉が黄色い時には
■番外編~オリーブの植え替えと樹形づくり
・オリーブの植え替え
・オリーブの樹形づくり
プロトリーフガーデンアイランド玉川店オリーブセミナー
ワークショップ&セミナー
プロトリーフガーデンアイランド玉川店では、毎月様々なワークショップやセミナーが開催されていますが、今回は2週にわたって行われた岡井路子先生によるオリーブセミナーに参加させていただきました。
参加されている方は、お家でオリーブを育てているけれど花が咲かない。実がつかない。剪定の方法がわからない。という方が多かったです。皆様、先生のお話にくぎ付けで、育てている方ならではの質問がたくさん飛び交っていました。
ガーデニングカウンセラー岡井路子先生
岡井路子先生は、日本で唯一のガーデニングカウンセラーです。日本各地でオリーブの講習会の講師を務めるほか多くの本を執筆され、2016年には「決定版育てて楽しむオリーブの本」を出版し、雑誌やTVでもご活躍されています。
岡井先生が監修されたオリーブの土も販売されているんですよ。
▼岡井路子先生にインタビューした記事はこちら
オリーブセミナー ~オリーブの上手な育て方を学ぼう
第1週目は、オリーブの育て方を学びました。
オリーブを植える前に大切なこと
岡井先生からのお話です。
オリーブは高木です。4000年生きるものもあります。自分よりも長生きする可能性が高いですし、植える場所をしっかり確保してから買ってくださいね。(笑)
セールだから。とか、お店にせっかく来たから。ではなく、これが欲しい!という気持ちで買って自分のオリーブを可愛がって育ててほしいです。
品種によって、背が高くなるタイプ、横に広がるタイプ、実の大きさや形などの個性が異なるので、自分の庭や目的にぴったりのオリーブを選んでくださいね。
オリーブを育てる時に大切なこと
光・・・日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。
水・・・土が乾いたらたっぷりお水をあげましょう。
土・・・水はけの良い土に植えましょう。水やりの際に水がたまらず、すーっと引く状態が理想です。
肥料・・・花芽が動き出す3月、実が充実する6月、実を収穫したお礼肥の10月の年3回あげましょう。
2品種以上・・・違った品種を2本以上植えた方が実がつく確率がだんぜんアップします。
その他・・・オリーブは酸性土壌が嫌いです。苦土石灰を施して酸度を調節しましょう。
オリーブの樹形づくり
オリーブは、岡井先生によると「自分好みの樹形にできる」そうです。
今回は、この写真のオリーブのように、株元はすっきりさせ、空に向かって両手を広げて光と風をたくさん取り込む樹形を目指すために、どんな作業が必要かを教えていただきました。
ポットサイズのかわいいオリーブを使って樹形をつくります。
自由に伸びている枝を横に広げて形をつくった後に、すべての枝を剪定することで枝数を増やし、枝数が増えた分実も増やす目的だそうです。
参加者の中で希望する方が実際に樹形づくりに挑戦しました。
まず、オリーブのポット苗をスリット鉢に植え替えた後に、麻紐を鉢に二重に巻いてしっかり縛ります。
次に、枝をどの向きに広げていきたいかイメージしてから、枝を1本づつしならせて麻紐をかけて引っ張り、鉢に巻いた麻紐に結び付けました。
次に、枝をどの向きに広げていきたいかイメージしてから、枝を1本づつしならせて麻紐をかけて引っ張り、鉢に巻いた麻紐に結び付けました。
出来上がりは歯の矯正のようにも見えますね。と、先生もおっしゃられていましたが、ちょうど麻紐が朽ちる頃に樹形も定まり、新しい枝が増え、美しく育つそうです。1年後が楽しみですね。
こんなサイズのオリーブも、同じように樹形づくりをして剪定し、枝数を増やすことができるそうです。
オリーブを剪定する時のポイント
大きいサイズのオリーブの剪定も、希望者が挑戦しました。
岡井先生からお話がありました。
実がつく、つかないは剪定しだい。木を若返らせるには強剪定が効果的です。光も風も良く通る、小鳥がすり抜けられるくらいの枝ぶりを目指しましょう。
オリーブは、その年の春から初夏に伸びた新梢に翌年花を咲かせて実をつけます。そのため、剪定の時になるべく新梢を残しつつ混み合ったところを中心に剪定すことが大切です。
切る枝は、重なり合っている枝、下向きの枝、内側向きの枝、平行に出ている枝、ひこばえ(根元から脇芽のように出だ枝)は、必ず切りましょう。
花が咲かない。実がならないで悩んでいるのなら、失敗を恐れずに、剪定にチャレンジしてみてくださいね。
オリーブの葉が黄色い時には
秋冬に葉が何枚か黄色い場合は、常緑樹の葉の世代交代なので気にしなくて大丈夫だそうです。
葉の先が黄色い場合は、微量要素が足りない場合があります。
すべての葉が黄色い場合は、根に問題がありそうなので植え替えてみましょう。土の中にコガネムシの幼虫がたくさん住んで根を食べていることもあります。
番外編~オリーブの植え替えと樹形づくり
セミナー終了後、岡井先生に私は、「庭が狭いのですがオリーブを育ててメープルシロップ漬けを作ることを目指したいです…。」と、無理な相談をしました。
先生は、「剪定をして小さく育てて楽しめばいいのよ!」と明るく答えてくださり、初心者にも育てやすいネバディロ ブランコを選んで植え替えと樹形づくりまで優しくレクチャーしてくださりました。
オリーブの植え替え
準備するもの
・オリーブのポット苗
・植え替え用のスリット鉢
・麻紐
・水はけの良い土(オリーブ専用の土以外を使う時は、培養土に赤玉の小粒やパーライトをミックスすると良いそうです。)
・土入れ
小さい鉢なので、鉢底の石は使わずに土を鉢の1/4くらい入れます。
苗をポットからはずして、苗の肩の部分の土や枯れ葉などを取り、根を少し崩します。
苗を鉢の真ん中に置き、周りに土を入れます。
今回は岡井先生が監修された「PROTOLEAFオリーブの土」を使わせていただきました。川砂が入っていて水はけが良く、根の安定も良く、アルカリ性で、オリーブに最適な環境の土です。
手のひらを下向きにまっすぐに立て、土を下の方までしっかり入れて、苗がぐらつかないように安定させます。
水やりの際、水があふれ出ないようにするため、ウォータースペースを深さ2cmほどとります。
オリーブの樹形づくり
鉢の周りに二重に麻紐を巻き付けてしっかりと結びます。
写真に写っているオリーブの幹の下の方についている葉は、取り除きます。
3本の枝を均等に広げて麻紐をかけて引っ張り、鉢に巻いた麻紐に結び付けます。
目立って長く伸びている枝、重なっている枝、下向きや内側向きの枝などのいらない枝をカットします。
特に切る必要のない枝も先の方を少しでもカットしておくと、枝数が増えて花も実もつきやすくなるそうです。
名札を付けると、さらに愛着がわきますね。
完成です。
麻紐が朽ちる頃、新しい枝が増えて美しい樹形になっていることを想像するとわくわくします。
帰宅後、下から流れ出るくらいたっぷりとお水をあげました。日当たりと風通しの良い場所で育てます。
番外編~オリーブを増やす緑枝挿し
オリーブの緑枝挿しの成功率はあまり高くないそうですが、オリーブセミナーでお土産にいただいた剪定枝を使って、ダメもとでチャレンジしてみました。緑枝挿しは6月に行うと成功率が高いそうですよ。
ルッカ、ネバディロ ブランコ、マンザニロ、シプレッシーノなどの萌芽力が強い品種を選ぶことも大事だそうです。
枝を10cmほどに切り取ります。切り口を斜めにすると、水分を吸収しやすくなります。
下の方の葉を取り、葉を2~3枚残します。
枝を2時間ほど水に浸けておきます。
清潔な土に葉が重ならないように間隔をあけて挿し込みます。今回は鹿沼土を使いました。
しばらくは直射日光があたらない明るい日陰に置き、常に土がしめっている状態を保ちます。肥料は絶対にあげません。根が出るまで心配ですが、引っ張って抜いてしまったりせずに我慢しましょう。根よりも芽が先に出るそうですよ。
オリーブセミナーのまとめ
今回のオリーブセミナーは無料で、混雑時は立ち見となる場合があると事前に聞いていました。
買い物途中から立ち寄られている方もいたり、セミナー終了後にはその場で先生に苗を選んでいただき麻紐で形をつくり、剪定まで完了してお持ち帰りされる方が何件もいました。私も岡井先生にレクチャーしていただいたオリーブからいつか実を収穫してメープルシロップ漬けを作る日が楽しみです。
セミナーの中で教わった「緑枝挿し」を自宅でチャレンジしましたが、おそらく根がついた様子です。
次回は、2週目に教わった「収穫後の楽しみ方」をご紹介しますね。
皆様もぜひ、プロトリーフガーデンアイランド玉川店のワークショップやセミナーに参加してみてください。訪れただけで植物に癒される素敵な場所です。
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