ブルーベリーとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- ブルーベリー
- 学名
Vaccinium
- 英名
- blueberry
- 別名・流通名
- 沼酸塊(ヌマスグリ)、沼酢の木(ヌマスノキ)
- 科名
- ツツジ科
- 属名
- スノキ属
- 原産地
- 北アメリカ
ブルーベリーの特徴
ブルーベリーは、ツツジ科スノキ属に分類される北アメリカ原産の落葉低木で、種類は200~300種あると言われています。初夏に白やピンクの花が咲き、6月~8月頃に紫色の小さな実が収穫できます。秋には美しい紅葉も楽しめる丈夫な樹木であることから、庭木としても人気があります。鉢植でコンパクトに育ててベランダなどでも十分に収穫が楽しめます。地植えにすると大きく育って収穫量も増えます。虫が付きにくく無農薬栽培がしやすいことも魅力のひとつです。
ブルーベリーの種類は、大きく分けると「ハイブッシュ系」「ローブッシュ系」「ラビットアイ系」の3つに分類され、さらに「ハイブッシュ系」のブルーベリーは、寒冷地向き(ノーザンハイブッシュ系)と温暖な地域向き(サザンハイブッシュ系)の2種類に分けられます。育てる場所の気温や湿度に適応する種類の中から選びましょう。
ブルーベリーは一株でも実をつけるものと、そばに他の品種を植えた方がよく実がなるものがあります。確実に実を収穫したいときは、同一系統の2品種を近くで育てるとよいでしょう。実が黒みがかった紫色になると食べ頃です。収穫期の実はやわらかいので、下から手を添えてやさしく摘み取りましょう。
ブルーベリーの詳細情報
園芸分類 | 庭木、果樹 |
---|---|
草丈・樹高 | 20cm~3m ローブッシュ(20㎝~40㎝)、ハイブッシュ(1.5m~3m)、 ラビッドアイ(1m~2m) |
耐寒性 | 品種によって違う。 ノーザンハイブッシュ(強い)、サザンハイブッシュ(普通)、ローブッシュ(強い)、ラビットアイ(普通) |
耐暑性 | 品種によって違う。 ノーザンハイブッシュ(弱い)、サザンハイブッシュ(強い)、ローブッシュ(弱い)、ラビットアイ(強い) |
花色 | 白、ピンク |
開花時期 | 4月 |
ブルーベリーの種類
ノーザンハイブッシュ系
蒸し暑さには弱く、関東より北のりんごが育つ地域など、比較的涼しい地域でよく育つ系統です。果実が大粒で甘みと酸味のバランスが良く、世界的にはブルーベリーといえば、ノーザンハイブッシュ系を中心に品種改良が進められています。
サザンハイブッシュ系
ノーザンハイブッシュ系を改良した暖地向きの品種。耐寒性はそれほど強くないため、東北南部~沖縄で栽培可能です。
比較的暑さに強く、蒸し暑い地域でも育てられるブルーベリーです。ノーザンハイブッシュ系と同様に美味しい品種が多くあります。
ローブッシュ系
ローブッシュは、北アメリカからカナダにかけて自生している野生種のブルーベリーで草丈は20cm~40cm程で低く、株元からたくさんの枝が出てこんもりと育ち、果実は小さめで凝縮した味わいです。
この品種は基本的には日本の高温多湿の気候では育てるのが難しく、関東以北で冬に低温が確保できる冷涼地での栽培がむいています。
ラビットアイ系
実が熟す途中でピンク色になることからラビットアイ(ウサギの目)という名がつきました。蒸し暑い地域でもよく育ち、果実も甘く、比較的たくさんの実を楽しめるブルーベリーの系統です。
生育旺盛で庭植え、鉢植えともに育てやすいですが、耐寒性はそれほど強くないため、東北南部~沖縄での栽培がむいています。
種類が多く、品種によって収穫時期に違いがあります。早生種と晩生種を組み合わせると、長い期間収穫を楽しめます。
ブルーベリーの花言葉
ブルーベリーの栄養
ブルーベリーの紫色の色素には、アントシアニンという栄養素が含まれます。アントシアニンはポリフェノールの一種で、抗酸化作用があると言われています。その他にはビタミンC、食物繊維、カリウムなどが含まれ、小さい粒の中に栄養や健康効果がつまっている果物です。
ブルーベリーの美味しい食べ方
ブルーベリーは、洗って生のまま食べる他、ジュース、ジャム、アイスクリーム、ケーキなど様々なレシピに活用できます。
ブルーベリーの保存方法
ブルーベリーは、そのままにしておくと鮮度が落ちて美味しくなくなってしまいます。
1週間くらいで食べきれるときは、冷蔵保存がおすすめです。洗うと水分がついて傷みやすくなるため、必ず食べる直前に洗います。1週間で食べきれないときは、できるだけ新鮮なうちに冷凍保存しましょう。
ブルーベリーの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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開花 | ||||||||||||
収穫 | ||||||||||||
剪定 |
ブルーベリーの栽培環境
日当たり・置き場所
ブルーベリーは、屋外の日当たりの良いところで育てるのが適しています。半日陰でも育ちますが、花付きが悪くなります。なるべく日当たりの良い場所に置くと元気な株に育ちます。
ブルーベリーの育て方のポイント
水やり
地植えの場合は、根付いてからは雨に任せて問題ありません。ひどい日照りが続くような場合は水やりしましょう。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら鉢の底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えます。夏場など暑い時期は、土の様子を見て乾燥していたら朝と夕方の2回水やりしましょう。
肥料
3月と5月、8月下旬に緩効性肥料を適量施しましょう。
病害虫
ブルーベリーは比較的害虫が発生しにくい果樹ですが、アブラムシ、カイガラムシ、コガネムシ、イラガ、カミキリムシなどが発生することがあります。発見したらすぐに対処しましょう。
ブルーベリーの詳しい育て方
選び方
枝が太く、葉の艶が良いものを選びましょう。品種によって耐寒性や耐暑性が異なるため、育てる場所の環境に合った品種を選ぶことも大切です。
また、ブルーベリーの実つきを確実に良くするためには、同一系統の中から2品種以上を近くで育てることが重要なポイントです。「どの系統のブルーベリーなのか」を調べてから購入するようにしましょう。
植え付け
地植えのブルーベリーの植え付け適期は、寒冷地は3月、冬が温暖な地域は11月です。
鉢植えにする場合は、3月または11月が植え付け適期です。
ブルーベリーの苗木は、3号ポットサイズから流通しています。小さな苗木を購入した場合は、いきなり地植えにせず、数年は鉢植え栽培で少しずつ鉢を大きくしてから地に下ろしましょう。
剪定・切り戻し
ブルーベリーの剪定適期は、12月~2月の落葉中の休眠期です。
風通しを良くするため、徒長した枝、枯れた枝、クロスした枝、土から新しく出てきたシュートなどを剪定します。細枝に多くの花芽をつけている枝は、短く切って花芽を減らすとよいでしょう。
植え替え・鉢替え
ブルーベリーの植え替え適期は、3月か11月です。
鉢植えのブルーベリーは、2~3年に一回新しい土を使って一回り大きな鉢に植え替えましょう。株を大きくしたくないときは、根の側面を少し切り落とすなどコンパクトにしてから同じサイズの鉢に植えます。
花
ブルーベリーは4月頃、釣鐘状の白、またはピンク色の花を咲かせます。
収穫
ブルーベリーは、初夏~夏が収穫時期です。最初はグリーンの実が徐々に紫色に色づいていきます。最近では、グリーンの実をつけた枝が生花としても流通しています。
ブルーベリーの実はいっぺんに色づくわけではなく、時間をかけて徐々に色づいていきます。紫色に色づいたものから収穫しましょう。十分に熟していないと酸味が強いですが、食べごろのブルーベリーは生で食べても甘みを感じます。
夏越し
ブルーベリーは、系統によって耐暑性が異なります。育てる地域の環境に合った品種を選べば、特に夏越し対策は必要ありません。
冬越し
ブルーベリーは、落葉樹です。落葉樹の中では比較的落葉するのが遅い樹木で、年を越しても赤く色づいた紅葉が枝についていることもあります。
ブルーベリーは、系統によって耐寒性が異なります。寒さの厳しい地域では、耐寒性が強い品種を選べば特別な冬越対策の必要はありませんが、積雪エリアでは雪で枝が折れることがあるので雪囲いをした方がよいでしょう。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
ブルーベリーは、挿し木で増やすことができます。
前年に伸びた枝を使う「休眠枝挿し」(3月)と、その年に伸びた枝を使う「緑枝挿し」(6月下旬~7月上旬)の方法があります。
鹿沼土に酸度未調整のピートモスを混ぜて湿らせておきます。ブルーベリーの枝を10cmくらいで斜めにカットして数時間水に浸けてから土に挿します。半日陰に置いて水やりを続けると、約1~2か月くらいで発根します。