アブチロンとは?育て方・栽培方法|植物図鑑

  • canva画像 アブチロン
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植物名
アブチロン
学名

Abutilon

英名
Trailing abutilon
和名
ウキツリボク(浮釣木)
別名・流通名
チロリアンランプ、ショウジョウカ(猩猩花)
科名
アオイ科
属名
アブチロン属
原産地
ブラジル

アブチロンの特徴

アブチロンは、熱帯~亜熱帯に数多く分布し、観葉植物や花木として流通しています。花の形は品種によって異なり、提灯に似た花を吊り下げて咲くタイプや、同じアオイ科のハイビスカスやムクゲなどに似た花を咲かせるタイプがあります。

日光を好み、気温15℃以上を保つと春から秋まで花が咲きます。花付きを良くするためには日光をよく当てるようにします。寒さにそれほど強くない植物ですが、ウキツリボク(チロリアンランプ)などは関東地方以南では戸外でも冬越しすることがよくあり、霜の当たらない条件の良い場所では庭木として楽しむことができます。

アブチロンは、昔、家畜の下痢止めに使われていたため、学名Abutilonは、ギリシャ語で否定を表す「a」、「bous(牡牛)」、「tilos(下痢)」をくっつけて読み、それが変化してつけられたと言われています。

アブチロンは別名がたくさんあり、「チロリアンランプ」「ウキツリボク(浮釣木)」「ショウジョウカ(猩猩花)」とも呼ばれています。

アブチロンの詳細情報

園芸分類 観葉植物
草丈・樹高 品種による
耐寒性 品種によるが、基本弱い
耐暑性 強い
花色 赤、白、ピンク、オレンジ、黄
開花時期 4月~11月

アブチロンの花言葉

 

アブチロンの種類

アブチロンの花色は基本的には赤色のものが多いのですが、他にもピンクやオレンジ、黄色、白色などがあります。

アブチロンには様々な種類があり、よく育てられているのがウキツリボク(チロリアンランプ)です。ウキツリボク(チロリアンランプ)は、他の品種と比べると耐寒性があり丈夫なので最も育てやすい品種と言えます。

一年草として扱われている種類もあり、代表的なものにイチビがあります。イチビは繊維をとるために日本に運ばれたインド原産のアブチロンですが、現在は帰化してしまい雑草として扱われている場合があるようです。

 

アブチロンの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
開花
植え付け・植え替え
肥料
挿し木

アブチロンの栽培環境

日当たり・置き場所

アブチロンは日光をとても好むため、なるべく日当たりの良い場所で育てます。冬場室内に取り込む場合もなるべく日光が当たる場所に置きましょう。

温度

寒さにそれほど強くないため、5℃以下にならないように気をつけましょう。

用土

アブチロンは、水はけの悪い土を使うと根腐れを起こすことがあります。市販の草花用培養土や観葉植物用の土で問題無く育てられます。

室内で育てるときに、土の表面を赤玉土や鹿沼土、化粧砂などの無機質の用土で覆うとコバエの発生を防ぐことが出来ます。

アブチロンの育て方のポイント

水やり

アブチロンは気温が低くなると休眠するので、季節や気温(室温)によって水やりのタイミングを変える必要があります。
【気温が15℃以上のとき】
春~秋は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えるようにします。

【気温が15℃以下のとき】
気温が15℃前後を切ってくると生長が緩慢になってきます。そのため、水をあまり必要としなくなるので、水やりの回数を減らします。

【葉水】
葉水は乾燥を防ぐだけでなく、ハダニやアブラムシなどの害虫を予防する意味もあります。室内で管理すると葉にほこりがたまりやすいので、葉水をするときに濡らしたティッシュペーパーなどで拭き取りましょう。

肥料

基本的に肥料は無くても育ちますが、与えた方が生長がはやくなります。冬場の生長が緩慢になるときに肥料を与えてしまうと肥料焼けをする可能性があるので、春~秋に与えるようにします。

肥料の種類は適切な濃度に希釈した液肥を10日に1回与えるか、緩効性の置き肥を与えてください。

病害虫

ハダニ
黄緑や赤い体色をした0.5mmほどの小さな害虫です。葉の裏側に潜み吸汁します。ハダニに吸汁された箇所は白い斑点状になるのですぐ分かります。そのまま放置しておくと最悪の場合枯れてしまいます。

アブラムシ
アブラムシは2~4mmほどの小さな害虫です。幼虫、成虫ともに葉や蕾を吸汁します。群生していることが多く、早めに対処しないと手遅れになる場合があります。
アブラムシはスス病などのウイルス病の媒介者で、吸汁されてしまうとそこからウイルスがアブチロンの中に侵入し、病気を発症させます。
また、小さな株は発症しなくても吸汁されたことで体力がなくなり、そのまま枯れてしまう場合があります。

カイガラムシ
3mmほどの小さな虫で、白い綿毛のようなものを背負っています。吸汁して生長していくと、身体からワックスなどを分泌し、身体を守ろうとします。
カイガラムシに吸汁されると株が弱ってしまい、そのまま枯れてしまうことがあります。

ナメクジ
葉や花芽など、食べれる場所ならどこでも食害する性質の悪い害虫です。
外に出していると寄ってくる場合があるので、注意してください。
大食漢でもあるので、梅雨時などナメクジが発生しやすい時期は夜に見回りをしてください。
少し食害された程度なら生長に問題はありませんが、小さい株の場合は葉の大半を食害されたり、生長点を食害されると枯れてしまう可能性があります。

ダンゴムシ
柔らかい花芽や新葉、根、発芽したての株を食害します。ナメクジより食害される可能性は低いですが、外で管理しており地面の近くにアブチロンを置いている場合は注意が必要です。

バッタ
イナゴなどのバッタは葉の硬さに関係なく食害します。また、食害する量も多いので気付かないでいると手遅れになっていることがあります。
割り箸などで見つけ次第捕殺してください。防虫ネットも有効です。

アブチロンの詳しい育て方

選び方

アブチロンを買う時は必ず病害虫に注意してください。

ハダニやアブラムシ等が付着している株を買ってしまうと後々アブチロンが弱ってしまったり、最悪の場合他の植物へ付着してしまう可能性があります。

植え付け

植え付けは、春から初秋の暖かい時期に行うのがおすすめです。 猛暑日は避けるようにします。

鉢底石と水はけの良い土を使って植え付けましょう。

剪定・切り戻し

随時、古くなった葉や枝(茎)を剪定して風通し良く育てましょう。

強剪定する場合は4月~5月頃が適期ですが、葉が無い位置まで刈り込むと枯れることがあります。

植え替え・鉢替え

アブチロンは環境にもよりますが2~3年に1度植え替えをする必要があります。鉢底石と水はけの良い土を使って植え替えましょう。

植え替えは、春から初秋の暖かい時期に猛暑日を避けて行います。

気温15℃以上を保つと、春から秋の長期間花が咲きます。

夏越し

夏の水やりは午前中に行うと暑くなり煮えてしまうため、夕方~夜にたっぷり与えましょう。雨で土が湿っている場合は水やりを行いません。

水やりの2~3回に1度のペースで、活力剤を1000倍に希釈したものを与えると夏バテを防止できます。

冬越し

気温が15℃以下になったら生長が緩慢になるので、水やりを控えめにします。

気温が5℃を切ると枯れることがあります。室内に取り込むか、マルチングなどの冬越し対策を行って強い霜に当たらないようにしましょう。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

剪定時に落とした枝を挿し木にすることで増やせます。挿し木の適期は4月~6月頃です。

細粒赤玉土などに挿し、発根するまで常に湿っているようにしましょう。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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