プチヴェールとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- プチヴェール
- 学名
Brassica oleracea cultivar
- 英名
- brussels sprouts
- 科名
- アブラナ科
- 属名
- アブラナ属
プチヴェールの特徴
プチヴェールは、1990年に静岡県磐田市で誕生した芽キャベツとケールを交配させて作られた日本生まれの新しい野菜です。結球しない芽キャベツのようで、葉の形がフリルになった特徴のある姿をしています。
プチヴェールは、本葉からわき芽まで食べることができ、半年という長期間収穫できます。青汁に用いられるケールと芽キャベツを掛け合わせているため、その栄養価はとても高く、しかもケールの苦みはかなり抑えられており、茹でて食べると甘くておいしい、これから注目の野菜です。
適切な時期に植え付け、秋のうちに株を大きく育てることができると、本葉の横幅が1m近くなることもあります。
株の大きさによって収穫できるわき芽の数に違いがでるため、植え付け時期はとても大切です。
わき芽の色は、気温によって違いがあります。気温が低い冬の間は色が濃くなったり、赤みが強くなります。
プチヴェールの詳細情報
園芸分類 | 野菜 |
---|---|
草丈・樹高 | 80cm |
耐寒性 | やや強い |
耐暑性 | やや弱い |
プチヴェールの種類
プチヴェールは、ポピュラーなタイプの緑色の他、プチヴェールルージュ、プチヴェールホワイトなどの種類があります。
プチヴェールの食べ方
左:生のプチヴェール 右2つ:茹でたプチヴェール
生食も可能ですが、火を通すことによって甘みがまします。大きなサイズのものは半分でカットして利用しましょう。
プチヴェールは、本葉からわき芽まで食べることができる野菜です。ケールと芽キャベツを掛け合わせていますが、ケール特有の苦みはかなり抑えられています。
食べ方は、軽く水洗いした後、1~2分茹でて、ドレッシングやマヨネーズなどのお好みの調味料をつけて食べるのが一番簡単です。その他、刻みニンニクを入れたオリーブオイルで短時間ソテーして、塩コショウで味付けするのもおすすめです。お好みでトウガラシやパルメザンチーズなどを味のアクセントとして利用するのもよいでしょう。
大きな葉も食べることができます。多少硬さがあるので、茹でたり、炒めたりして食べるのが一般的です。生ではスムージーの材料としても利用できます。
プチヴェールの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
収穫 |
プチヴェールの栽培環境
日当たり・置き場所
プチヴェールは日当たりを好みます。風通しの良い場所で育てましょう。
鉢植えでも栽培可能ですが、大きくなるので10号以上の鉢に植え付けましょう。
温度
プチヴェールの生育適温は15~23℃位です。
用土
プランター栽培のプチヴェールは、野菜用の培養土で育てましょう。
畑栽培のプチヴェールは、植え付け前に土を耕す準備が必要です。畑の土が酸性に傾いている場合は、まず植え付けの2週間前位には石灰を入れ、耕しましょう。その1週間後に完熟堆肥と元肥を入れ土になじませます。土の酸度は、市販の酸度測定液などを使うと安価で簡単に調べることができます。
窒素分を含む肥料は、石灰と合わさることで窒素分がアンモニアガスとなって消失してしまうため、同時に使用してはいけません。
なお、この場合の石灰とは「消石灰」や「苦土石灰」をさします。牡蠣殻などの「有機石灰」ではそのような化学反応は起きないので、どうしても日数がない場合は「有機石灰」「完熟堆肥」「有機肥料」を使うと同時に混ぜ込むことが可能で、すぐに種まきや植え付けができます。
プチヴェールの育て方のポイント
水やり
植え付け後は十分に水をやります。排水を良くし、土が乾いたらしっかりと水を与えましょう。
肥料
プチヴェールは、長い間収穫できる野菜です。肥料切れには注意しましょう。
肥料を与えるタイミングは、本葉が6~8枚、草丈が20~30cm位の時期に追肥をします。それ以降は、収穫が始まってから月に1度の目安で与えましょう。
プチヴェールの詳しい育て方
選び方
プチヴェールは苗で流通しています。本葉4~5枚くらいで徒長しておらず、茎の太いしっかりした苗を選びます。葉が黄色くなっているものは避けましょう。
植え付け
株間70~80cmの間隔で苗を植え付けます。排水が悪い場所は畝を高くしましょう。植え付け後は乾燥を予防するために、株元をわらや刈り草などでマルチングするとよいでしょう。同時に支柱を立てて風で倒れないようにします。植えつけ後は根が活着するまではたっぷりと水を与えましょう。
それぞれの地域によって植え付け時期が変わります。植え付けが遅れると、樹高や収穫数に影響が出ます。プチヴェールは初期の生育が悪いと樹高が伸びません。適切な時期に植え付けて初期にしっかり生育させましょう。定植後、1か月ほどが経過したら、苗の倒伏予防と根の生育促進のための土寄せを行いましょう。
植え付け時期は害虫が多いため、初期はトンネル栽培で防虫ネットの中で育てると予防になります。
仕立て方
初期の生長期が台風の季節と重なるため、支柱をして強風対策をしましょう。
下葉かき
わき芽が結球してきたら、日当たりと風通しを良くしてプチヴェールの生育を促すために下葉を徐々に取り除きます。なお、上の葉は光合成をするのに必要なので、最低でも10枚は残しておきましょう。
最初はプチヴェールの草丈の1/4のところまで下から清潔なハサミで切除します。わき芽部分のプチヴェールを傷つけないように、1cmほど離れた部分をハサミで取り除きます。切り取った部分は数日間から数週間もすると乾燥し、ポロリと落ちます。
下葉かきの作業は晴れた日に行うと、病害虫の予防になります。そのほか、黄色くなったり、枯れた葉は早めに切りましょう。
収穫
順調に生育すると、主軸の直径は500円玉サイズくらいになります。晩秋の頃に写真のようにわき芽が確認できるようになります。わき芽に本葉がぶつかると蒸れてしまうため、下から下葉を取っていきましょう。ただし、葉は最低でも10枚以上残すようにします。
少しずつ大きくなってきたわき芽
植え付けてから3か月ほど経過すると収穫時期になります。わき芽が3~5cmほどになったら下から順々に親指と人差し指でプチヴェールをつまみながら折り取って収穫します。株の状態にもよりますが、一株で50~80個が収穫できます。