山紫陽花の剪定のポイントと育て方、土で変化する花色の秘密
峰亜由美
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山紫陽花(ヤマアジサイ)は日本各地に古くから自生する野生種の紫陽花です。可憐で小さな花と細い茎は可愛らしく繊細な様子をしています。
今回は山紫陽花(ヤマアジサイ)の育て方と剪定方法や時期、土の成分によって、色が変化しやすい紫陽花と土の関係をご紹介させていただきたいと思います。
目次
山紫陽花ってどんな植物
- 和名 山紫陽花(ヤマアジサイ)
- 学名 Hydrangea Serrata
- 科属名 ユキノシタ科アジサイ属
- 分類 耐寒性落葉低木
- 開花時期 5月~9月
山紫陽花(ヤマアジサイ)は日本の各地で古くから自生している野生種の紫陽花です。まあるく小さめの花房と小ぶりな葉が繊細な印象を与えます。細い枝の先に、たわわな花が咲き満開で膨らむ様子は可愛らしさと華やかさを見せてくれます。
山紫陽花(ヤマアジサイ)の草丈は50㎝~150㎝、日本の風土に良くあい耐寒性と耐暑性もあり、置き場所も直射日光を避けた日当たりの良い場所から半日陰まで育てやすい植物です。仕立て方によっては鉢植えで小さく育てる事も出来ます。
紫陽花は別名「七変化」と呼ばれる事からも想像がつくように、花色を鮮やかに変化させます。
色の変化は土の性質(成分)を吸収する事によって植えられた土によって色を変化させる特徴がある植物です。
▼山紫陽花(ヤマアジサイ)の植物図鑑はこちらです
山紫陽花(ヤマアジサイ)の育て方ポイント
置き場所
山紫陽花(ヤマアジサイ)は耐寒性と耐暑性があり、日向から半日陰で風通しの良い場所を選びましょう。
室内ならば、日当たりの良い暖かい場所。
屋外の場合は直射日光を避けた半日陰が適しています。
水やりと管理
山紫陽花(ヤマアジサイ)は水切れに弱い植物なので水を切らさない様に注意が必要です。
土の表面が乾ききる前に、たっぷりと鉢底から流れて来るまで与えます。
真夏は朝と夕刻に2回の水やりが必要で、与えた水が陽ざしで温まると根が傷みますので、陽ざしが強い時間帯を避けて水遣りをする必要があります。
※水やりをうっかり忘れてしまい、少し花首が萎れてしまった場合はバケツに水張りをしてバケツの水の中に鉢ごと沈めます。鉢底から吸水させるようにすると水揚げします。
山紫陽花(ヤマアジサイ)の夏や冬の剪定ってどうする?
夏の剪定
山紫陽花(ヤマアジサイ)は、5月~6月に咲き終わったら、なるべく7月の終わり頃までに花さきを剪定する様にしましょう。
8月~11月までは山紫陽花(ヤマアジサイ)が育ちやすい気温の為、新しい花芽が育ちやすくなります。
剪定をする場所は花が終わった枝の2節目を剪定します。
山紫陽花(ヤマアジサイ)の背丈を小さく育てたい場合は、2節目よりも深く剪定しても大丈夫ですが、あまり深く切り詰め過ぎると花芽が付きにくくなりますので、剪定の場所がわかりにくく迷ってしまった場合は紫陽花全体の1/3を目安に剪定すると花を咲かせてくれる新芽が育つと思います。
冬の剪定
山紫陽花(ヤマアジサイ)の剪定を冬に行う場合の時期は2月~3月、真冬から早春にかけての休眠期に剪定します。
この季節に行う剪定は次に花が咲く季節の為に花芽が出来ない細い枝や、前年に花をつけた古い枝を根元から剪定します。この時の注意点は新しく出ている芽の枝先は切らないようにする事。次の花が咲かなくなってしまいます。
剪定をしない場合
山紫陽花(ヤマアジサイ)は秋色になる花を楽しむ事が出来る品種もあります。
その場合、花は切らずにそのまま育てているとノーブルな色合いの秋色紫陽花を楽しむ事が出来ます。
その際に気をつける事は直射日光に当てない事、湿度を乾燥気味にすることがコツです。
剪定をせずに秋色の山紫陽花(ヤマアジサイ)を楽しんだ株からも季節になれば花芽が出て来ますが、丈が大きくなり花数が少なくなります。
山紫陽花(ヤマアジサイ)は植える土で花色が変わる
土について
山紫陽花(ヤマアジサイ)は土によって花の色が変化する性質をしていますので、土壌の酸度(ph)の調整によって色が変化します。花の色を調整するには、この酸度のコントロールが必要になってきます。
酸性が多い場合は青色の花に、アルカリ性が多い土ではピンク色に変化します。
アルカリ性の土ではピンクの花に
山紫陽花(ヤマアジサイ)はアルカリ性(石灰)の多い土壌では、花の色がピンク色になります。
ピンク色の紫陽花の色を保ちたい場合は、開花する前の4月~5月頃に(一年に一度だけ)紫陽花の株元に一握りの苦土石灰を巻くと効果的でピンク色の花を保つ事が出来ます。
もともと紫陽花は弱酸性の用土を好む為、アルカリが強すぎると根を傷めてしまいますので加減が必要です。
酸性の土では青色の花に
山紫陽花(ヤマアジサイ)は酸性の多い土壌では青色に変化します。
日本の土壌は火山の影響と雨が多く降り、空気中に含まれる二酸化炭素を吸収した雨が酸性を含む雨の為、庭植や外で管理すると青色に変化しやすくなります。
より鮮やかな青色に花色を保ちたい場合は、4月~5月の開花前に、500倍~1000倍に薄めた硫酸アルミニウムを3週間おきくらいに2回程与えるのも効果的です。
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紫の紫陽花にしたい場合は?
紫の山紫陽花にしたい場合は、紫はピンクと青色を混ぜたもの?と思いがちですが、アルカリ性と酸性が程よく混ざった中性の土壌の場合は紫になるわけではなく、ピンクの紫陽花を(アルカリ性)を酸性の土に植え替えると赤みがかった紫色に、青色の紫陽花(酸性)をアルカリ性の土に植え替えると青みがかった紫色に変化します。
白の紫陽花の場合の土壌の成分は?
白の場合は、もともと色が変化する性質ではないため、土壌の成分で色が変わる事がありません。
紫陽花が本来好む弱酸性の土壌を準備して植えてあげると綺麗な白色の紫陽花に育ちます。市販の紫陽花用の土を使うと簡単に準備することが出来ます。
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