ナズナ|花の時期、ぺんぺん草と呼ばれる理由や似た花との見分け方
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ナズナについて、花の時期や特徴、ぺんぺん草と呼ばれる理由、たくさんある種類と似た花との見分け方を紹介します。春の七草のナズナについて詳しくなってみませんか。
目次
ナズナとは|花の時期や特徴

- 学名:Capsella bursa-pastoris
- 科名、属名:アブラナ科ナズナ属
- 分類:越年性一年草
ナズナは、春に小さな白い花を咲かせるアブラナ科の越年草。「ぺんぺん草」という別名でも有名です。
根出葉はロゼットで、タンポポの葉のように地表に平たく放射状に展開します。縁にギザギザとした切れ込みがあり、その様子もタンポポとよく似ています。根出葉の中心から細い茎を伸ばし、その先に小さな花を咲かせます。茎の途中にある小さな三角形の葉のように見えるものは実です。
※越年草とはグリーンの葉を地上に出した状態で越冬する一年草のこと。二年草といわれることもある。
※根出葉とは、地面から直接生えているように見える葉のこと。
花の時期や特徴

花が咲く時期は、3月~7月くらいまでで、真夏の酷暑の頃には段々とその姿を消していきます。花の見頃の季節は4月~5月。原っぱや河原、少し広い空き地などで群生するように咲き誇っている姿を見かけることがあります。
花の特徴

ナズナの花は、総状花序といって小さな花の集合体です。一つの花は、直径2~3mm程度と非常に小さく花色は白、4枚の花びらを十字形に広げます。総状花序の外側から咲いていくので、咲き始めの花は、外側だけが白く、中心はツブツブしたつぼみが残っていて、花なのか実なのかわからない不思議な魅力があります。
花は咲き終わると実を作りながら、上に伸ばした茎の先に再び総状花序をつけます。結果、茎の途中に葉のように見える実が連なる不思議な草姿が出来上がります。
春の七草のナズナとは?

春の七草のナズナとは、ナズナ(学名:Capsella bursa-pastoris)のことを指します。ナズナには多くの種類がありますが、お正月1月7日の七草粥に入れて食べるのは本種です。
ナズナは古くから人里で咲く、春を告げる身近な草花として愛されてきた植物です。さらに冬の寒い時期を緑の葉を広げて耐える様子から邪気を払う力を持っていると信じられてきました。お正月の7日に七草粥を食べて万病を防ぐという風習は、平安時代からあったとされています。
ナズナの食べ方
ナズナの食べ方は、お粥に入れて炊く他、スープに入れたり、煮物、お浸し、炒め物、天ぷらなどがあります。お粥ではなく、シンプルに刻んだナズナをお米と一緒に炊いて菜飯もおいしいそうです。
名前の由来

ナズナの名前の由来は諸説あります。「愛でる草」という意味の「撫で菜」が変化してナズナになったという説や、ナズナが密集するように生えることから「馴染む菜」が転じてナズナになったという説が有名です。
また、学名の Capsella は「小箱」や「小袋」という意味のラテン語で、ナズナの実を小さな袋に例えたことに由来しています。撫でたくなるほどかわいい花だったり、小袋だったりとところが変われば見方も変わるのがおもしろいところです。
漢字ではどう書く?
ナズナは漢字では「薺」あるいは「薺菜」と書きます。薺という字は、中国名がそのまま日本名になったものです。中国ではナズナの花茎が立ち上がってくる前の冬の葉をスープや炒め物にして食べるそうです。他にも生薬として利用されています。
ぺんぺん草と呼ばれる理由

ぺんぺん草とはナズナの別名です。ナズナがぺんぺん草と呼ばれる理由や、ぺんぺん草の遊び方を紹介します。
ぺんぺん草と呼ばれる理由
ぺんぺん草と呼ばれる理由は、実が平べったいハート型で、これが三味線のバチに似ていることによります。「ぺんぺん」というのは、三味線の弦をバチを使ってはじく様子を表現した擬音語です。さらに、ナズナの実を使ってぺんぺんという音をさせて遊ぶからだという説もあります。
ぺんぺん草の遊び方
ぺんぺん草を使って、ぺんぺんと音をさせる遊び方を紹介します。
茎に付いている実を縦にすーっと下ろすようにします。茎から取り去るのではなく、真下に引いて、茎にぶら下げるようなイメージです。すべての種を下に引き下げたら、茎の下の方を持って、くるくると回します。自分の耳に近づけて、回してみましょう。カシャカシャというか、シャリシャリというか、種と種がぶつかり合う小さな音が聞こえます。およそぺんぺんとは程遠い音ですが、間違いなく小さなかわいらしい音が聞こえます。
お散歩中にナズナを見かけたら、ぜひ遊んでみてください。
「ぺんぺん草も生えない」の意味は?
「ぺんぺん草も生えない」という慣用句の意味と使い方を紹介します。
ナズナは非常に丈夫で、荒れ地や多少環境が良くない場所でも生長する植物です。この強健さから、「ナズナも生えてこないくらい荒れ果てた土地」という意味で「ぺんぺん草も生えない」という表現が使われます。
「あいつが通った後は、ぺんぺん草も生えない」など、何も残らないことなどを揶揄(やゆ)するような時に使います。
ナズナの種類一覧と似た花の見分け方

ナズナの種類一覧
ナズナは北半球の暖かい地域に分布する越年草です。今回は道端など私たちの生活圏で普通に見かける、身近な種類を紹介します。
ナズナ
- 学名:Capsella bursa-pastoris
- 科名、属名:アブラナ科ナズナ属
ナズナは、アブラナ科ナズナ属の越年草で、春の七草とされている種類です。古くはムギと共に中国から伝わってきたとされています。道端や畑の畔、公園や空地など、いたる所で見かけるもっとも身近なナズナです。花びらは4枚の十字形、種は平たく三角形なのが特徴です。
マメグンバイナズナ
- 学名:Lepidium virginicum
- 科名、属名:アブラナ科マメグンバイナズナ属
マメグンバイナズナは、マメグンバイナズナ属の越年草。北アメリカ原産で日本に帰化し、全国に自生している種類です。茎の途中で枝分かれして、たくさんの花を咲かせます。実は丸く平べったいのが特徴です。
ベンケイナズナ
- 学名:Lepidium latifolium
- 科名、属名:アブラナ科マメグンバイナズナ属
ベンケイナズナは、マメグンバイナズナ属の多年草。花数が多く、草丈も数十cmまで生長する大型の種類です。葉が肉厚で、ベンケイソウのようだということから、ベンケイナズナと名付けられました。
ウロコナズナ
- 学名:Lepidium campestre
科名、属名:アブラナ科マメグンバイナズナ属
ウロコナズナは、マメグンバイナズナ属の越年草。ユーラシア大陸原産で日本に帰化している種類です。実が平たく、よく見ると小さなウロコのような突起があるというのが名前の由来です。
グンバイナズナ
- 学名:Thlaspi arvense
- 科名、属名:アブラナ科グンバイナズナ属
グンバイナズナは、グンバイナズナ属の越年草。ヨーロッパ原産で日本に帰化している種類です。実の形が相撲に使用される軍配に似ていることが名前の由来です。現在切り花で流通しているナズナは主にこのグンバイナズナで、ほとんどが海外から輸入されています。
ナズナに似た花と見分け方
タネツケバナ

タネツケバナは、アブラナ科の越年草。花の時期、花びらが4枚の小さな白い花を茎の先に集合させて咲かせる様子や、茎の途中に実を付ける姿がナズナによく似ています。
見分け方は、ナズナの実は平たくハート型なのに対して、タネツケバナの実は細長い点です。また、タネツケバナの方が少し花が大きいので、パッと見た時の印象も違います。
イヌナズナ

イヌナズナは、アブラナ科の一年草で、黄色い花を咲かせます。「食べられないナズナ」というのが名前の由来です。春や気候が良ければ秋にも開花します。それほど数は多くありませんが、道路脇や公園、空き地など、身近な場所で見かける花です。
見分け方は、花の色が白ならナズナ、黄色ならイヌナズナです。
春に小さな白い花を咲かせるナズナ。七草粥に欠かせない野草であり、春の訪れを教えてくれるかわいらしい花です。身近な野花の魅力が伝わりますように。
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