二十日大根(はつかだいこん)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- 二十日大根(はつかだいこん)
- 学名
Raphanus sativus var. radicula
- 英名
- Radish
- 和名
- 二十日大根
- 別名・流通名
- ラディッシュ、はつか大根
- 科名
- アブラナ科
- 属名
- ダイコン属
- 原産地
- ヨーロッパ
二十日大根(はつかだいこん)の特徴
種をまいてから20日くらいで収穫できることから名前がついた「二十日大根(はつかだいこん)」。品種にもよりますが、実際には収穫までに春夏で1か月ほど、秋冬で1~2か月ほどかかるのが一般的です。
二十日大根(はつかだいこん)は、赤をはじめ白、紅白、黄色、紫色、黒など、色のバリエーションが豊富です。
草丈は20~30cm弱、2~4cm弱の球または楕円の根が肥大します。一見するとカブに見えますが、大根の仲間で、葉をみると大根であることがわかります。
二十日大根(はつかだいこん)は小さな球体のため、プランターで育てる場合も深さをあまり必要とせず、ベランダなどの省スペースで栽培することができます。また、他の野菜と比べて短期間で収穫できることもあり、家庭菜園初心者にもおすすめの野菜のひとつです。
二十日大根(はつかだいこん)の詳細情報
園芸分類 | 野菜 |
---|---|
草丈・樹高 | 20~30cm |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | やや弱い |
花色 | 白、ピンク |
開花時期 | 3月~5月 |
二十日大根(はつかだいこん)の花言葉
本当に20日で収穫できるの?
二十日大根(はつかだいこん)の生長のスピードは、種まきを春にするか秋にするか、プランター栽培か畑栽培かなどによって大きく変わります。畑で栽培すると、プランター栽培よりも全体的に大きく育ちます。
▼畑で二十日大根(はつかだいこん)を育てた様子はこちら
収穫した二十日大根(はつかだいこん)の使い方
収穫した二十日大根(はつかだいこん)は、生野菜としてそのままでもスライスして使っても料理の彩になります。たくさん収穫できた際はピクルスにするのもおすすめです。赤系の二十日大根(はつかだいこん)をピクルスにすると、二十日大根(はつかだいこん)の色がお酢に反応し、ピクルス液が赤~ピンク色になります。また、オイルやバターで短時間炒めても美味しく食べることができます。
二十日大根(はつかだいこん)の葉
葉がついたまま保存すると根の水分を吸い上げてしまうので、根と葉はすぐに切り分けて、それぞれを保存用ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。葉は日持ちしないため、できるだけすぐに調理することをおすすめします。二十日大根(はつかだいこん)の葉は生で食べることもできますが、ざらつきが気になる場合は軽く炒めたり、ゆがいたりするとよいでしょう。普通の大根同様、お味噌汁やスープなどの汁ものの具材にもなります。
二十日大根(はつかだいこん)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき | ||||||||||||
収穫 |
二十日大根(はつかだいこん)の栽培環境
日当たり・置き場所
二十日大根(はつかだいこん)は、日当たりと風通しの良い環境を好みます。大根と同じく、冷涼な気候を好みます。
温度
二十日大根(はつかだいこん)の生育適温は17~20℃です。3月~5月、9月~10月が適時ですが、発芽の条件さえ整えれば真夏・真冬を除いて1年中栽培が可能な野菜です。
用土
プランター栽培の二十日大根(はつかだいこん)は、野菜用の培養土で育てましょう。
畑栽培の二十日大根(はつかだいこん)は、植え付け前に土を耕す準備が必要です。畑の土が酸性に傾いている場合は、まず植え付けの2週間前位には石灰を入れ、耕しましょう。その1週間後に完熟堆肥と元肥を入れ土になじませます。土の酸度は、市販の酸度測定液などを使うと安価で簡単に調べることができます。
窒素分を含む肥料は、石灰と合わさることで窒素分がアンモニアガスとなって消失してしまうため、同時に使用してはいけません。
なお、この場合の石灰とは「消石灰」や「苦土石灰」をさします。牡蠣殻などの「有機石灰」ではそのような化学反応は起きないので、どうしても日数がない場合は「有機石灰」「完熟堆肥」「有機肥料」を使うと同時に混ぜ込むことが可能で、すぐに種まきや植え付けができます。
二十日大根(はつかだいこん)の育て方のポイント
水やり
二十日大根(はつかだいこん)は天気や温度にもよりますが、発芽までに1週間ほどかかります。種をまいてから芽が出るまで、乾燥させないように管理しましょう。発芽には水分が必要です。
プランターで二十日大根(はつかだいこん)を栽培している場合は、水やりを数日間怠ってしまうと、水分が完全になくなりカラカラ状態になりとう立ち*するので注意しましょう。
(*花の付いた茎が伸びた状態になること)
肥料
収穫までの日数が短いため元肥のみで生育します。あまり肥料を与えすぎると、アブラムシがつきやすくなるので、施す量には注意しましょう。
病害虫
アブラムシ、ネキリムシ、アオムシ、ヨトウムシなどが寄ってきます。種まきの直後から寒冷紗などをかけて害虫を防ぎましょう。
アブラムシは3月から5月に多く発生する害虫です。新芽や茎、若い葉や葉の裏にくっついて吸汁して株を弱らせます。春から秋に発生するので見つけ次第、駆除しましょう。
ヨトウムシはヨトウガの幼虫で、年に2回ほど発生します。ハスモンヨトウ、シトシタヨトウなどの種類も含めヨトウムシと呼ばれてます。昼間は土の中に隠れていて、夜になると一斉に出てきて活動します。幼虫は葉や茎部分を集団で食害するため、葉が気づいたら丸坊主になっていることがあります。一度に大量に産卵します。葉裏に大量に卵を産み付けるので、これが孵化しないうちに葉ごと処分をしましょう。こまめに葉裏もチェックするようにしましょう。孵化していた場合群生するため比較的見つけやすいです。見つけたら捕殺しましょう。
二十日大根(はつかだいこん)の詳しい育て方
選び方
二十日大根(はつかだいこん)の色は、赤を始め、紫、白、紅白、黒などの種類があります。形も球形のほか、大根を小さくしたような細長いタイプがあります。好みの色や形の品種を選びましょう。
種まき
二十日大根(はつかだいこん)の種は、1粒ずつつまみやすい種なので、すじまきがおすすめです。畝やプランターに1cm間隔でまきます。
作物が密植状態だと、害虫のすみかになりやすく、蒸れることで病気にもかかりやすくなります。元気に育つためには、日当たり・水分・風通しがとても重要です。充分な日当たりと風通しを良くするためにも、適度な間引きをしましょう。
少量を収穫したい方は、一袋の種をいっぺんにまかず、何回かに分けて種まきをし、収穫が終わったら再度まく…を繰り返すとよいでしょう。
気温の低い時期の栽培は、寒冷紗などを使ったトンネル栽培が発芽温度を安定させるために効果的です。トンネル栽培は、虫が発生する時期の防虫にもなります。
間引き
二十日大根(はつかだいこん)は土の中で大きくなります。そのため、実の部分が混みあってしまっては大きくなれません。混み入ったものや生長が遅く弱々しい二十日大根(はつかだいこん)は、地際から抜くか、ハサミで根元から切り取り、間引きをします。
残った芽の株元がぐらつくことのないように、間引いたあとは必ず土寄せをしましょう。ぐらぐらしたまま生長すると、根が思うように太らないことがあります。
間引きした葉は、ベビーリーフとしてサラダなどに入れて食べることができます。
収穫
1か月くらいで丸く膨らみ肩の部分の赤い色が確認できるようになります。同じに日にまいたものでも、生長がずれることがあります。目で見て、根の直径が2~4cm弱を目安に引き抜いて収穫しましょう。収穫が遅くなると「す」が入るので、タイミングよく収穫することが大切です。
二十日大根(はつかだいこん)は、種をまける期間が長い野菜です。スペースに余裕があれば、少しずつ種まきをすると、シーズン中、何度も収穫することができます。
二十日大根(はつかだいこん)が発芽しない場合の原因
全く発芽しない場合
発芽の温度が足りない
もう数日暖かい日になるのを待ちましょう。
水分が足りない
発芽するまでの二十日大根(はつかだいこん)の種は、充分な水分がなければ発芽しません。軒下であまり雨が当たらない場所にあるプランターは、しっかり水を与えてください。
種が古い
種は古くなると発芽率が悪くなります。種の裏面に記載の有効期限を確認しましょう。
種がまばらに発芽している場合
水やりの勢いが強すぎて種が流出した
水やりは種が流出しないように気を付けて丁寧に行いましょう。
虫が土の中にいる
新芽を食べられてしまったのかもしれません。種をまいた周りの土を割りばしを使って1cm程ほじって虫がいないか確認してください。
二十日大根(はつかだいこん)が発芽しない時の対策|追いまき
発芽していない部分に再度種をまき、発芽を待ちましょう。