アネモネの球根の植え方|球根の吸水処理と植え付け時期

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金子三保子

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原種系の「アネモネ・フルゲンス」を使って、アネモネの球根の吸水処理のやり方と植え付け後から開花までの様子をご紹介します。やり方を覚えてしまうと簡単なので、今年は球根から育ててみませんか。

目次

アネモネの球根

アネモネはキンポウゲ科の多年草。秋に植えて春に開花する球根植物です。花色、咲き方などの種類が豊富で、ここ最近、新品種が続々登場しています。一般的なアネモネは球根植物ですが、株分けや種で増やしていく宿根草タイプのアネモネもあります。

アネモネフルゲンス

アネモネ・フルゲンス

チューリップやヒヤシンスの球根は、同じ品種なら形も大きさもほぼ同じですが、アネモネの球根はとてもユニークな形で、同じ品種でも形や大きさがさまざまです。はじめてこれを見たときは、とても球根には見えず、なんだか動物の落とし物のようだと思ってしまいました……。

アネモネの球根の特徴は、同じ品種でも球根によって大きさや形に個体差があります。乾燥している状態なので、いきなり植え付けるとうまくいかず、植え付け前に「吸水処理」をしてから植え付けるというひと手間があるため、球根から育てるより年末あたりから出回る苗ものとして購入される方も多いのではないでしょうか。

今回は、原種系の「アネモネ・フルゲンス」を使って、球根の吸水処理のやり方と植え付け後から開花までをご紹介します。やり方を覚えてしまうと簡単なので、今年は球根から育ててみませんか。

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アネモネ・フルゲンスの球根の給水処理

用意するもの

  • 球根
  • 器 今回は野菜が入っていたプラスチックのパックを使用
  • バーミキュライト 水ゴケでも可

球根の吸水処理と植え付けの時期の目安

紅葉

10月くらいからが秋植え球根の植え付け時期ですが、最近は地域によっては10月でも真夏日になることがあります。それぞれの地域の植え付け時期の目安としては「紅葉が色づき始めて、朝晩が冷え込んできた頃がその年の植え付けのタイミング」と覚えておくと、お住いの地域とその年の気象に合った時期に植え付けできます。

アネモネの球根の上下

アネモネフルゲンス球根

小さな玉ねぎみたいな形のチューリップの球根は、尖った方を上向きにして植え付けますが、アネモネは逆。尖った方を下にして植え付けます。球根によって形がさまざまですが、それぞれ「尖った部分」と「平べったい部分」があるので、ひとつひとつ尖っている方を下にしましょう。

球根の給水処理のやり方

アネモネフルゲンス

吸水させたバーミキュライトに、球根の尖った部分を下にしてセットします。セットしたら風通しの良い涼しい場所で、バーミキュライトを完全に乾燥させないよう管理します。水分が多すぎると球根が腐るので注意しましょう。バーミキュライトでなくても、水ゴケや保水性のあるティッシュなどでも代用可能です。

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アネモネ・フルゲンスの球根の植え方|植え付け~開花までをレポート!

球根の植え付け可能のサイン

アネモネフルゲンス

1~2日すると小さかった球根が水を吸って次第に膨らんで大きくなってきます。球根全体が吸水したら植え付け可能のサインです。植え付け作業に入ることができます。いつまでもこの状態で放置すると、球根がカビたりするので、膨らんだらすぐに植え付け作業に入りましょう。

11月10日

今回ご紹介しているアネモネの球根の吸水処理が終わったのが11月10日、すぐに花壇やポット苗など、環境を変えて何か所かに植え付けてみました。

鉢植えは水やりを忘れずに

地植え、ポット植えとも植え付け後にたっぷりと水やり。その後は、地植えは降雨に任せ、ポット植えや鉢に植え付けたものは、草花の水やりと同じく、表面の土が乾いたらたっぷり与えます。

1月10日

アネモネフルゲンス発芽

なかなか発芽しなくてやきもきし始めた1月10日。やっとひとつのポットから発芽を発見!

3月9日

アネモネフルゲンス

1月に発芽したポット苗の2か月後。だいぶ葉が出てきました。

 

アネモネフルゲンス

なかなか出てこないポットがあったのですが、4か月の沈黙後、やっと発芽。同じ環境で管理しているものでもかなり個体差があるようです。遅いものは上記のように3月まで芽が出ませんが、あきらめずに水やりを続けていてよかったです。

3月中旬

アネモネフルゲンス3.30

ワイルドストロベリーの株元に植えた地植えのアネモネのつぼみが押しあがってきました。

3月30日

アネモネフルゲンス

一番花、小輪の淡いピンク。かわいい。

4月

アネモネフルゲンス

4月に入ると続々と開花。ミックスの球根だったので、色や雰囲気がそれぞれ違います。こちらは華やかな赤。

 

アネモネフルゲンス

ゴルフボールサイズの可愛らしいものも。花びらの雰囲気も少しずつ違って楽しめます。

 

アネモネフルゲンス

その後、4月いっぱい続々と開花が続きました。アネモネは、球根花の中では開花期間が長いタイプなのも嬉しいですね。

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植え付け前の吸水処理のひと手間はありますが、球根ならではの発芽の瞬間も味わえます。今年は球根からアネモネを育ててみませんか。

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金子三保子

フラワーコーディネーター、フォトグラファー、ライター。 2022年6月、日東書院本社より「植物のきもち ~がんばりすぎないガーデニング」出版。 ギフトや装花などのフラワーコーディネート、自身でコーディネートした作品の撮影、雑誌や会員情報誌への提案など幅広く活動中。現在は植物に関する記事の執筆にも携わる。庭仕事はライフワーク。映画「余命1ヶ月の花嫁」ブーケ製作。

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