記事カテゴリ

Special

夾竹桃|毒性や処分方法は?見分け方やキョウチクトウ科の植物も紹介

夾竹桃について、毒性や処分方法、特徴、見分け方、キョウチクトウ科の植物まで紹介します。

目次

夾竹桃の特徴

夾竹桃|毒性や処分方法は

夾竹桃は、キョウチクトウ科キョウチクトウ属の常緑高木。日本には、江戸時代に中国から渡来しました。樹高5m程度まで大きくなり、夏にピンクや白、黄色などの鮮やかな色の花を咲かせます。夾竹桃という名前は、中国名を日本語読みしたもので、葉は竹に似て、花は桃に似ているというのが由来です。

夾竹桃はインド原産で、夏は暑く、冬は寒く、干ばつや洪水もあるような過酷な場所に自生しているような樹木。暑さ寒さに強く、あまり手がかからず、花が美しいことから、街路樹や庭木として植えられてきました。また、夏の太陽の下で咲く鮮やかな色の花の美しさが評され、多くの歌人に詠まれており、夏の季語にもされています。

さらに夾竹桃は、広島市の花に制定されています。原爆投下の後、75年間草木も生えないといわれていた土地で花を咲かせ、復興に励む市民に希望を与えてくれたという、素敵な顔を持つ花です。

目次に戻る≫

夾竹桃の毒性と処分方法

夾竹桃の毒性と処分方法

夾竹桃の毒性

夾竹桃は、花、葉、枝、樹皮、根、すべてにオレアンドリンやネリオドレインという毒性があります。過去には死亡例もいくつかあり、内容は、バーベキューの際に枝を串として使用した、箸として使用した、葉を数枚食べた、などが報告されています。

夾竹桃の毒性は高く、誤って食べると中毒症状を起こすほか、命の危険を伴うこともあります。中毒症状としては、吐き気、腹痛、下痢、倦怠感、めまいなどです。他にも、葉を折ると出る白い乳液に触れると、かぶれることもあるので、触る際には注意が必要です。

夾竹桃の毒は口に入れたり、乳液に触れるなどしないで、眺めている分には問題ありません。

夾竹桃は、その昔インドで堕胎や皮膚病の治療に使われてきたほか、他国では利尿、強心、麻酔、矢毒などにも利用されていたそうです。毒は用い方によっては薬にもなるということ。ただし、素人が扱うには危険なので、薬として利用するのは止めましょう。

夾竹桃の処分方法

夾竹桃の処分方法は、お住いの自治体に確認するのが一番です。

自宅に植えてあるものを伐採する際は、長袖とグローブを着用するなどして、乳液に触れないように注意しましょう。また、作業後はよく手を洗うようにしてください。

燃やした際に出る煙にも毒が含まれるといわれています。自宅で燃やしたりせずにゴミとして処分しましょう。堆肥として使用するのも止めたほうがよいようです。心配であれば、造園業者などに依頼するようにしてください。

目次に戻る≫

夾竹桃の見分け方

夾竹桃の見分け方

夾竹桃は、竹のような葉と、夏に桃に似た花を咲かせる常緑樹です。6月~9月に高木の上の方にピンクや白、黄色の花を咲かせているので、すぐにわかります。花は花びらが5枚、あるいは八重咲きで、花の中心からしべ類のような花びらの付属品が突き出ています。花には香りはなく、数日で散り、夏の間中次々と開花します。

夏以外の季節は、葉や樹形、樹皮で見分けましょう。あまり横に枝を広げず、縦に細い樹形で、細長い葉が特徴です。

 

夾竹桃の見分け方

葉は長さ10~20cm程度で細長く、先端が尖っているのが特徴、色は濃いグリーンで、葉の真ん中にはっきりとわかる主脈があります。厚みと弾力のある葉で、折ると白い乳液が出てきます。枝の先端から3枚ずつ互い違いになるように広がって展開しています。

 

夾竹桃の見分け方

樹高は2~5m程度、樹皮は灰褐色で、ザラザラとした手触り、幹の下の方から枝分かれして、斜め上に枝を広げるような樹形です。

目次に戻る≫

キョウチクトウ科の植物

キョウチクトウ科

キョウチクトウ科には草花から樹木まで、たくさんの種類があります。キョウチクトウ科だからといって、すべてに毒性があるわけではありません。多くは花が美しく、観賞価値が高いことから、お庭や鉢植え、切り花で愛されています。

ニチニチソウ

ニチニチソウ

ニチニチソウは、キョウチクトウ科の一年草。5月~10月と開花期が長く、たくさんの花を咲かせます。花色はピンク、赤、白、紫、グリーン、複色など、咲き方は一重咲きのほか八重咲きもあり、花のサイズも小ぶりなものまでと品種が豊富です。ニチニチソウにも毒性はありますが、口に入れるなどしなければ、問題はありません。

プルメリア

プルメリア

プルメリアは、キョウチクトウ科の熱帯花木。ハワイのレイに使用されるなど、南国の花として有名。花色は白や、黄色、ピンクなどがあります。ふわりと香る甘い香りも魅力の一つです。花は一日花ですが、夏の間中たくさんの花を咲かせます。枝葉を折った際に出る乳液には毒性があるので、肌が弱い人は触れないようにしましょう。もちろん口に入れるのも避けてください。

アデニウム

アデニウムは、キョウチクトウ科の塊根植物。ユニークなフォルムとプルメリアを思わせるような美しい花が特徴で、ファンの多い植物です。毒性がありますが、口に入れなければ、観賞する分には問題ありません。

マダガスカルジャスミン

マダガスカルジャスミン

マダガスカルジャスミンは、香りの良い白い花を咲かせるキョウチクトウ科のつる植物。ジャスミン茶に使用されるジャスミンとは別種で、毒性があるので、飲用にしたり、食べたりすることのないようにしてください。また、枝葉を折った際に出る乳液にも毒性があるので、肌が弱い人は触れないようにしましょう。

フウセントウワタ

フウセントウワタ

フウセントウワタは、キョウチクトウ科の多年草。寒さに弱いので、日本では一年草として扱われています。風船のように膨らんだ実が特徴で、鉢植えの他、切り花でも流通しています。枝葉を折った際に出る乳液にも毒性があるので、肌が弱い人は触れないようにしましょう。もちろん口に入れるのも避けてください。

アスクレピアス

夏のベランダで咲く黄色い花|アスクレピアス

アスクレピアスは、キョウチクトウ科の多年草。5月~10月に、 オレンジ、赤、黄色、ピンク、白、緑、複色などの色鮮やかな花を咲かせます。鉢植えのほか、切り花でも流通があります。枝葉を折った際に出る乳液にも毒性があるので、肌が弱い人は触れないようにしましょう。もちろん口に入れるのも避けてください。

目次に戻る≫

夾竹桃は、有毒植物であり、花が美しく庭木や街路樹として人気のある木です。広島市の花でもあります。昨今、毒性にばかりが注目されていますが、食用や飲用にしなければ問題ありません。夏に咲き誇る美しい花を眺めて、楽しんでみませんか。

 

▼編集部のおすすめ

もっと楽しむ

メルマガ会員募集中

  1. 旬の園芸作業やおすすめの植物情報をお届け
  2. 季節の植物情報やプレゼント企画の先行お知らせ
  3. お気に入り記事や植物図鑑を登録してすぐに見つけられる
  4. Q&Aでみんなに質問したり回答を投稿できる

メールアドレスと
パスワードだけで登録完了

会員登録画面へ進む

LOVEGREEN QA 質問してみる 小さな相談でも皆で解決!

LOVEGREEN 公式アカウントをフォロー!

の人気記事ランキング

LOVEGREENの新着記事

TOP