ミモザの鳥の羽のような複葉!単葉との違いって?
小野寺葉月
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植物の葉には複葉と呼ばれる種類のものがあります。複葉は規則性が非常に美しく、見ていて飽きることがありません。また花のない時期でも楽しむことができるため、低木~中木の木々は庭木としてもおすすめです。
単葉と複葉
「葉っぱを思い浮かべてみてください」そう言われたら、ほとんどの人は左側の葉をイメージするのではないでしょうか。いわゆる葉っぱは左側の「単葉」で、単葉が進化して別れたものが複葉となります。単葉も複葉も、茎から伸びた葉柄から先までを1枚の葉とカウントします。
種によって単葉か複葉かは異なりますが、例外的にはマメ科の植物は単葉も複葉も存在します。生理学的には、複葉のほうが同じ範囲を葉で覆うことも、葉を落とす際にもエネルギー消費が抑えられるそうです。
複葉の種類
複葉にはいろいろな種類があります。大きく分けると先端に葉がある奇数羽状複葉と、先端に葉がなく、二股に分かれている偶数羽状複葉があります。それぞれ植物を見ていきましょう。
奇数羽状複葉
ニワトコ
(接骨木、庭常 学名:Sambucus sieboldiana var. pinnatisecta)はスイカズラ科の落葉低木で、葉が非常に大きい。葉柄から先端まで約30cmほどあり、大きいものだと45cmほどになる場合もある。3月~5月ごろに白い小さな花をつける。
二回奇数羽状複葉
タラノキ
タラノキ(楤木、桵木 学名、Aralia elata)ウコギ科の落葉低木。春先に出回る「タラの芽」はタラノキの新芽。てんぷらにすると美味しい。葉は大きく、大変大きいものだと100cm前後になるものもある。葉柄も長く、20cmほどある場合も。
三回奇数羽状複葉
センダン
センダン(栴檀 学名: Melia azedarach)はセンダン科の落葉高木。関西から西の地方に多い。関東では中華街に植えられている。5月ごろ薄紫のような、グレーがかった小さい花が密集して咲く様子は遠くから見るとスモークツリーのようでもある。きれいに三回奇数羽状複葉になっている。
偶数羽状複葉
オジギソウ
オジギソウ(お辞儀・含羞草 学名:Mimosa pudica)はマメ科ネムノキ亜科の植物。指で葉に触れると、葉が先端から一対ずつ閉じていくので遊んだことがある人もたくさんいるかも。葉はきれいな偶数羽状複葉なので、観察するにはおススメ。
二回偶数羽状複葉
ネムノキ
ネムノキ(合歓木 学名:Albizia julibrissin)はマメ科ネムノキ亜科の落葉高木で、夜になると葉が閉じることからその名前がついている。ピンクのかわいらしい花が咲く。オジギソウよりもだいぶ大きい葉は、風に揺れると優雅で、庭木におすすめ。
ミモザ(銀葉アカシア)
銀葉アカシア(学名:Acacia baileyana)はマメ科の常緑性小高木。黄色の花が目立つし有名ですが、葉も大変美しいです。切り花では割とすぐ葉が落ちてしまうので、ぜひ鉢植えや地植えで育て見たい品種。季節によって銀色に光る葉は、小ぶりながらも美しい!
掌状複葉
トチノキ
トチノキ(栃・橡・栃の木 学名:Aesculus turbinata)は落葉広葉樹で、掌状の葉がきれいな高木。25mほどの巨木になることも。葉も大きく、50cmほどにもなる。沢沿いなどに生えることが多い。栃の実(トチノミ)はこの木の種子で、あく抜きなど多数の工程を経て栃餅として一部地方で作られている。
三出複葉
ナンテン
ナンテン(南天 学名:Nandina domestica)はメギ科ナンテン属の常緑低木で、お正月の飾りなどにもよく用いられる。幹の先にだけ葉がつくような形で、わかりやすい三出複葉となっています。
シロツメクサ
シロツメクサ(白詰草 学名:Trifolium repens)は、オランダから荷物の緩衝材として日本に入って来た草本で、河原や公園などでよく見かける。きれいな三出複葉。
鳥足羽状複葉
ヤブガラシ
ヤブガラシ(藪枯らし 学名:Cayratia japonica)は町中でもよく見る雑草で、ブドウ科のつる植物。公園のフェンスなどでよく絡まっている。花は蜜源植物であり、花が咲いている時期はよく虫が集まっている。トチノキの葉のように5枚葉があるが、よく見るとすべて同じところから生えているわけではないのがわかる。
いろいろな種類の複葉についてご紹介しました。個人的に一押しはやっぱりアカシアとネムノキです。手ごろな大きさで複葉が楽しめます!街中でも気にしてみてくださいね。
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