ピンクの花が咲く木32種を春、夏、秋、冬の季節ごとに紹介!

山田智美
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ピンクの花が咲く木を、春、夏、秋、冬に分けて季節ごとに紹介します。写真と一緒に花が咲く時期も案内しているので、名前を調べるのにも便利。お探しのピンクの花が咲く木が見つかるかもしれません。
目次
春(3月~4月)にピンクの花が咲く木12種
カワヅザクラ(河津桜)
- 学名:Prunus lannesiana cv. Kawazu-zakura
- 科名:バラ科
- 分類:落葉高木
- 開花期:2月~3月
カワヅザクラの特徴
カワヅザクラは、2月頃から開花し始める、早咲きの桜です。静岡県河津町で発見されたので河津桜と名付けられました。鮮やかなピンク色が美しい桜です。
▼カワヅザクラの育て方
- 河津桜はサクラ属の落葉高木です。静岡県の河津町で発見されたのが名前の由来です。河津桜は早咲き種で、関東では2月頃から咲き始めます。桜の代表として一般的に有名なソメイヨシノよりも1~2ヶ月早く開花します。さらに、河津桜はソメイヨシノよりも花色が濃いピンクをしていること、ソメイヨシノに比べて花期が長いことも特徴として挙げられます。 河津桜は園芸品種ではなく自然交雑種だと言われています。つまり人によって改良され作り出された品種ではなく、自然の産物です。オオシマザクラとカンヒザクラの交雑種ではないかと推定されています。 河津桜は、関東ではまだ寒い早春の2月頃から開花し、春の訪れをいち早く報せてくれる桜です。色も濃く明るいピンクであることも併せて人気が高く、最近では個人の庭や公園、街路樹などにも多く利用されるようになってきました。
ソメイヨシノ(染井吉野)
- 学名:Prunus x yedoensis
- 科名:バラ科
- 分類:落葉高木
- 開花期:3月~4月
ソメイヨシノの特徴
ソメイヨシノは、桜の中でも最も愛されている品種です。私たちが春の桜の開花を心待ちにしてお花見を楽しんでいるのは、このソメイヨシノです。薄桃色の花びらは風で散ってしまうほど儚く可憐で、その散り際の美しさもソメイヨシノ魅力となっています。
▼ソメイヨシノの育て方
シダレザクラ(枝垂れ桜)
- 学名:Cerasus spachiana
- 科名:バラ科
- 分類:落葉低木
- 開花期:3月~4月
シダレザクラの特徴
シダレザクラは、エドヒガンの枝が柳のように枝垂れているもののことをいいます。イトザクラとも呼ばれます。中でもベニシダレと呼ばれる品種は、ピンク色が濃く、とても鮮やかです。
▼シダレザクラの育て方
- 枝垂れ桜(シダレザクラ)は糸桜(イトザクラ)とも言い、エドヒガンの枝が細く枝垂れるように垂れ下がったものを指します。枝垂れ桜(シダレザクラ)の中でも花色が濃いものを紅枝垂れ(ベニシダレ)、花が八重咲きのものを八重紅枝垂れ(ヤエベニシダレ)と呼びます。 枝垂れ桜(シダレザクラ)はソメイヨシノより少し早い、3月後半から咲き始めます。花は薄紅色から濃いピンク、一重咲きから八重咲きまであります。枝を大きく枝垂れさせるのが特徴で、花が咲いている優美な姿は思わず見とれてしまうほどです。 枝垂れ桜(シダレザクラ)は種からも発芽しますが、面白いことに親と同じ枝垂れる株は少ししか出てこないので、エドヒガンの幹に枝垂れ桜(シダレザクラ)を接ぎ木をして作られています。
アケビ
- 学名:Akebia
- 科名:アケビ科
- 分類:落葉つる性木本
- 開花期:3月~4月
アケビの特徴
アケビは、日本の山野に自生するつる性木本です。秋に熟す果実は甘みがあり、食用になります。アケビの花色は、ピンクの他に白もあります。アケビの花は、大きいのが雌花、小さな花が塊になって咲くのが雄花です。
▼アケビの育て方
アケビ(木通)
- アケビは日本の山野に自生する落葉ツル性木本です。花がとてもかわいらしく、葉の色も明るく美しいことから、最近はツル植物として庭の植栽としても用いられるようになっています。 花は雄花と雌花で分かれて咲き、花の色は紫色や薄紫色、白色などがあります。三枚の花びらは実は萼片で、半透明で厚みがあり、蝋細工のような光沢があります。近づくと、ほんのりと芳香がするのも特徴です。 雄花と雌花の見分け方は、3枚の花びらの中心部が球状に包まるようについていれば雄花であり、花自体が大きく、中心部が放射状に広がっているのであれば雌花になります。 果実は薄紫色や紫色で、10cm程度の瓜の様な形をしており、熟すと果皮が割けて白色のゼリー状の果肉を覗かせます。果肉の中にある無数の黒いものは種です。果肉には甘みがあります。果実が実るまでは、一般的には3年と言われています。この甘い果肉を鳥が食べて、中の小さな種を吐き出すことから、遠くまで子孫を残すことに成功しているといわれています。 アケビは1本では結実しにくいという特徴があり、公園や山野で、花や葉は見かけるのに果実にはお目にかかれないということがよくあります。 アケビの仲間にはミツバアケビ(A. trifoliata)があり、こちらはが少葉が3枚で、雄花がブドウのように縦に連なって咲きます。他にもゴヨウアケビという種類は、アケビとミツバアケビの雑種と言われています。
桃
- 学名:Amygdalus persica
- 科名:バラ科
- 分類:落葉高木
- 開花期:3月~4月
桃の特徴
桃は、春に花を咲かせ、夏に甘く瑞々しい果実を実らせる落葉高木です。桃には、果実の収穫よりも花を愛でることを目的に育てるハナモモがあります。桃の花は、ピンクの他に白花もあります。
▼桃の育て方
トキワマンサク(ベニバナトキワマンサク)
- 学名:Loropetalum chinensis
- 科名:マンサク科
- 分類:常緑高木
- 開花期:3月~5月
トキワマンサクの特徴
トキワマンサクは、春、梅より少し遅れて咲き始めます。トキワマンサクの花は、花びらが細く、はたきのような、ちょっと変った形状をしています。花色は、濃いピンクの他に白もあります。
▼トキワマンサクの育て方
- トキワマンサクはマンサク科の常緑樹。4月~5月にピンクや白の花が一斉に開花し、遠くから見ると木全体が花に覆われているように見えるほど華やかです。 病害虫に強く丈夫なトキワマンサクは、和風、洋風どちらの雰囲気にも合い、街路樹や公園樹、マンションなどのエントランスの植栽としてよく利用されています。芽吹き力が強く刈り込みに耐えるため、生け垣として使うこともできます。 糸状の細い花びらの集合体が花となっている一風変わった見た目をしています。濃いピンクの花を咲かせるベニバナトキワマンサクは、トキワマンサクの変種です。トキワマンサクの色は、白、ピンク、紅、絞りなどがあり、這性、しだれ樹形、二季咲きなど、様々な咲き方の品種が流通しています。
カリン
- 学名:Pseudocydonia sinensis
- 科名:バラ科
- 分類:落葉高木
- 開花期:4月
カリンの特徴
カリンは、春に花が咲き、秋に洋梨のような果実を実らせる落葉高木です。カリンの花は、春、ソメイヨシノよりも少し遅れて開花します。明るいピンク色で、リンゴの花に似た可愛らしい花です。
▼カリンの育て方
ハナズオウ
- 学名:Cercis chinensis
- 科名:ジャケツイバラ科
- 分類:落葉低木、高木
- 開花期:4月
ハナズオウの特徴
ハナズオウは、春に小さな濃いピンク色の花を枝いっぱいに咲かせる可愛らしい庭木です。マメ科の樹木なので、花が終わった後には小さなマメが枝いっぱいにぶら下がります。ハナズオウは、他に白花種もあります。
▼ハナズオウの育て方
- ハナズオウはマメ科ハナズオウ属の落葉樹。スオウの木から採った染料に花色が似ていることから、ハナズオウと呼ばれています。 暑さ、寒さにも強く、手入れが簡単なことから、庭木の他、公園などにもよく植栽されています。ハナズオウの種類は、ピンクの他、白花種や、葉が斑入りなどの品種もあります。木は直立して生長するので枝が広がらないことから、比較的狭いスペースでも育てることができます。低木のシンボルツリーとしても利用されます。 4月に葉より先に小さな花が開花します。枝一面を埋め尽くすように咲く姿はとても目を引きます。 花の終わりの頃に、ハート型のかわいらしい葉が芽吹きます。花の後には種のサヤができて、緑色から褐色に変化し、春先まで枝に残ります。葉は秋になると黄葉した後、落葉します。
ウグイスカグラ
- 学名:Lonicera gracilipes
- 科名:スイカズラ科
- 分類:落葉低木
- 開花期:4月~5月
ウグイスカグラの特徴
ウグイスカグラは、日本の山野に自生しているスイカズラ科の落葉高木です。春に小さなピンク色の花を咲かせます。ウグイスカグラの花は、よく見るとラッパのような形をしています。
ハナミズキ
- 学名:Cornus florida
- 科名:ミズキ科
- 分類:落葉高木
- 開花期:4月~5月
ハナミズキの特徴
ハナミズキは、ソメイヨシノが散った頃から咲き始めます。枝の先に、空に浮かべるように花を咲かせます。ハナミズキの花のように見える部分は、実はガクが変化したもので花ではありません。花色は、ピンクの他に白があります。
▼ハナミズキの育て方
- ハナミズキはミズキ科の落葉樹で、桜(ソメイヨシノ)が咲き終わるころ、白やピンクの美しい花が開花します。北米原産でアメリカを代表する花のひとつで、別名「アメリカヤマボウシ」とも呼ばれています。 昔は桜やイチョウなどが多かった街路樹ですが、令和4年4月現在、東京都内の街路樹で一番多いのがハナミズキです。樹齢が古くなると10m以上まで生長しますが、桜やイチョウほど大きくならないのも最近の街路樹として利用される原因かもしれません。現在は全国各地に分布し、極端に寒さの厳しい地域以外なら栽培可能です。寿命は桜と同じく80年程度と言われています。 花だけでなく、花が終わった後に出てくる葉も美しく、枝は横に広がるように生長します。 秋になると赤い実がなり、紅葉した後に落葉します。落葉樹の中では、色づきだすのと葉が落ちるのが早いほうです。自然樹形が美しく、花、葉、実、紅葉、樹形と、一年を通して見どころの多い樹木なので、街路樹のほか庭木にもよく利用されます。
アザレア
- 学名:Rhododendron
- 科名:ツツジ科
- 分類:常緑低木
- 開花期:4月~5月
アザレアの特徴
アザレアは、日本のツツジを親にしてヨーロッパで改良された常緑低木です。ツツジによく似た花を咲かせます。花は、一重の他に八重咲きがあります。花色は、ピンクの他に白もあります。
▼アザレアの育て方
バラ
- 学名:Rosa
- 科名:バラ科
- 分類:落葉低木
- 開花期:4月~6月
バラの特徴
バラは、花の女王と呼ばれるほど、豪華で美しい花を咲かせる落葉低木です。木立性の他につるバラや半つる性などがあります。バラの花色は、ピンク以外に、白、黄、赤、紫、複色など、バリエーション豊富です。
▼バラの育て方
夏(5月~8月)にピンクの花が咲く木12種
サツキ
- 学名:Rhododendron indicum
- 科名:ツツジ科
- 分類:常緑低木
- 開花期:5月~6月
サツキの特徴
サツキは、とても強健でよく花を咲かせる常緑低木です。育てやすさと花付きの良さから、庭木の他に街路樹や生垣としても愛されています。サツキの花色は、ピンクの他に白、赤、複色などがあります。
▼サツキの育て方
タニウツギ(斑入り)
- 学名:Weigela hortensis
- 科名:タニウツギ科(スイカズラ科)
- 分類:落葉低木
- 開花期:5月~6月
タニウツギの特徴
タニウツギは、初夏に明るいピンク色の花を咲かせる落葉低木です。タニウツギの花色は、ピンクでも濃く赤に近いピンクから、淡く明るいピンクまでバリエーションが豊富です。
シモツケ
- 学名:Spiraea japonica
- 科名:バラ科
- 分類:落葉低木
- 開花期:5月~9月
シモツケの特徴
シモツケは、ピンク色の小さな花を、枝の先に毬のように咲かせる落葉低木です。生長しても1m前後と育てやすいことから、庭木として愛されてきました。シモツケの花色には、ピンクの他に白や赤があります。
ドドナエア
- 学名:Dodonaea
- 科名:ムクロジ科
- 分類:常緑低木
- 開花期:4月
ドドナエアの特徴
ドドナエアは、オリーブのような細い葉と、大きくならない樹形が人気のオーストラリアンプランツです。葉色には、グリーンや銅色があり、庭木として人気です。花と紹介しましたが、写真の花のように見えるものは、花ではなく種子が入っている莢で6月頃にこのような状態になります。
ピンクアナベル
- 学名:Hydrangea arborescens
- 科名:アジサイ科
- 分類:落葉低木
- 開花期:6月~7月
ピンクアナベルの特徴
ピンクアナベルは、ピンク色の花を咲かせるアメリカアジサイの仲間です。白花のアナベルに比べては花が小さいのが特徴です。
▼ピンクアナベルの育て方
スモークツリー
- 学名:Cotinus coggygria
- 科名:ウルシ科
- 分類:落葉高木
- 開花期:6月~8月
スモークツリーの特徴
スモークツリーは、名前の通り、初夏に煙のような、または綿菓子のような花を咲かせる落葉高木です。スモークツリーの花色は、ピンクの他にグリーンがかった白があります。
▼スモークツリーの育て方
- スモークツリーは、初夏になると穂状の花序に小さな黄色の花が無数に開花します。雌雄異株で、タネを結ばない不稔花である雌木の軸の部分(花柄)が長く伸びて、羽毛のようなふわふわとした触感と見た目になります。雄木の花柄は雌木に比べて小さいので、煙がくすぶっているようには見えません。切り花や庭木として植栽されているのは雌木です。花柄は長いもので20cm以上にもなります。開花後のスモークツリーの花柄が、煙がたっているかのように見えることが名前の由来です。庭木の他、花柄が付いた枝ものとして初夏に多数流通しています。 スモークツリーは花柄だけでなく、葉も魅力的で、紅葉も美しい樹木。暑さ寒さにも強く、手入れが簡単なこともあり、おしゃれな庭木として人気です。ウルシ科のため、剪定した際の切り口に素手で触れるとかぶれることがあります。ヤニもあるので、作業で触る際には手袋をするようにしましょう。 ▼スモークツリーの関連記事はこちら スモークツリー|初夏に花が咲くおしゃれな庭木 スモークツリー トゥデイズプランツ、今回ご紹介するのは「スモークツリー」。初夏に咲く、ふわふわした花が魅力的… 戸松敦子 2022.05.31 庭木・シンボルツリー
ネムノキ
- 学名:Albizia julibrissin
- 科名:マメ科
- 分類:落葉高木
- 開花期:6月~8月
ネムノキの特徴
ネムノキは、初夏から夏にかけて、羽毛のようなふわふわとした可愛らしい花を咲かせる、マメ科の落葉高木です。夜になると葉を閉じることから、ネムノキという名前がつきました。
▼ネムノキの育て方
- ねむの木(ネムノキ)はマメ科ネムノキ属の落葉高木です。地植えにしておくと10mくらいにまで大きくなります。日本の風土に良く合い丈夫なことから、庭木の他、公園や寺社などにも好まれて使用されます。山野に自生していることもあります。 ねむの木(ネムノキ)の特徴は、水鳥の産毛のようなふわふわとした花と、葉の就眠運動です。花は花芯近くの白から、花びらの先端に向かって淡いピンクへとグラデーションが付いているのが印象的です。ふわふわとした淡いピンク色の花が高木の上の方の枝に咲いている姿は愛らしく、いつまでも眺めていたくなります。 もう一つの特徴である葉の就眠運動とは「ねむの木(ネムノキ)」の名前の由来にもなっているものです。ねむの木(ネムノキ)の葉は、鳥の羽に似た形状の羽状複葉(うじょうふくよう)です。羽状複葉とは葉柄の両側に小さな葉が羽のように広がっている様子を言います。ねむの木(ネムノキ)の名前、は夜になるとこの葉を眠るように閉じることから付けられたと言われています。「合歓木」という漢字も、中国ではこの葉を閉じる様子を夫婦円満に見立てて名付けられたと言われています。
サルスベリ(百日紅)
- 学名:Logerstroemia indica
- 科名:ミソハギ科
- 分類:落葉高木
- 開花期:6月~9月
サルスベリ(百日紅)の特徴
サルスベリは、漢字で「百日紅」と書くくらい、開花期間の長い落葉高木です。その幹がサルも滑り落ちるくらい滑らかだということから、サルスベリと名付けられました。花色は、ピンクの他に、白、赤、紫などがあります。
▼サルスベリの育て方
ボタンクサギ
- 学名:Clerodendrum bungi
- 科名:シソ科
- 分類:落葉(常緑)低木
- 開花期:6月~10月
ボタンクサギの特徴
ボタンクサギは、濃いピンク色の花が美しい低木です。熱帯地方では常緑樹として扱われます。
コムラサキ
- 学名:Calliparpa dichotoma
- 科名:クマツヅラ科
- 分類:落葉低木
- 開花期:7月~8月
コムラサキの特徴
コムラサキは、夏に淡いピンク色の花を咲かせ、秋には紫色の実をつける落葉低木です。ムラサキシキブと混同されがちですが、コムラサキの方が実の数が多いのが特徴です。
▼ムラサキシキブとコムラサキの見分け方
ムクゲ
- 学名:Hybiscus syriacus
- 科名:アオイ科
- 分類:落葉低木
- 開花期:7月~8月
ムクゲの特徴
ムクゲは、夏の暑い盛りに、大きなハイビスカスのような花を咲かせる落葉低木です。低木といっても大きなものは2mを越すくらいまで生長します。ムクゲの花色は、ピンクの他に、白、紫、複色などがあります。
▼ムクゲの育て方
ハイビスカス
- 学名: Hybiscus
- 科名:アオイ科
- 分類:落葉低木
- 開花期:7月~9月
ハイビスカスの特徴
ハイビスカスは、南国の花のイメージが強いですが、実はムクゲやフヨウの仲間です。ハイビスカスの花は、朝咲いて夕方にはしぼんでしまう一日花です。ハイビスカスの花色は、ピンクの他に、赤、黄、白、複色等があります。
▼ハイビスカスの育て方
秋(9月~11月)にピンクの花が咲く木3種
ハギ(萩)
- 学名:Laspedeza thunbergii
- 科名:マメ科
- 分類:落葉低木
- 開花期:9月~10月
ハギ(萩)の特徴
ハギは、秋の七草にも数えられるくらい、昔から日本で愛されてきたマメ科の落葉低木です。枝垂れるように伸ばした枝の先に小さな花をたわわにに咲かせる姿はとても美しく見応えがあります。ハギの花色は、ピンクの他に、白や紫があります。
▼ハギの育て方
- ハギ(萩)は秋の七草にも入っているくらい古くから日本で好まれてきた落葉低木です。秋の花というイメージが強いハギ(萩)ですが、実は夏の盛りから咲き始めます。ハギ(萩)の花は夏から咲き始めて、初秋には満開になります。 ハギ(萩)の樹形は、枝垂れるように伸ばした枝に直径1~1.5㎝程の赤紫色のマメの花をたくさん咲かせます。単色ではなく僅かにグラデーションがかかったような色合いをしているので、花の表情に複雑さが出ます。枝垂れた枝に赤紫色の花を咲かせて風に揺れる姿は美しく、秋を感じさせる花です。赤紫色の花が一般的ですが、白花種もあります。 非常に生育旺盛で、短く切り詰めてもすぐに大きく枝を伸ばします。他のマメ科の植物と同じように根に根粒菌を保持していますので、土壌を肥沃にする特性があります。
フユザクラ
- 科名:バラ科
- 分類:落葉高木
- 開花期:10~3月
フユザクラの特徴
フユザクラは、日本に自生するヤマザクラやサトザクラ、マメザクラなどの交雑種だと考えられています。秋から冬に花を咲かせるのでフユザクラと呼ばれます。フユザクラには淡いピンク色から白花などがあります。
サザンカ
- 学名:Camellia sasanqua
- 科名:ツバキ科
- 分類:常緑低木
- 開花期:10月~2月
サザンカの特徴
サザンカは、ツバキによく似た花を咲かせる常緑低木です。椿よりも耐寒性が強く、秋から初春まで花を咲かせます。サザンカの花色は、濃いピンクから淡いピンクまであります。
▼サザンカの育て方
- サザンカ(山茶花)はツバキ科の常緑低木です。花や葉の特徴はツバキによく似ていて、間違えられることの多い庭木です。サザンカ(山茶花)は耐寒性が強く常緑で、日向から半日陰まで植え付け可能なので、庭木として人気の樹種です。 サザンカ(山茶花)の葉はツバキに比べて小さく、葉の縁にはギザギザがあり、葉に厚みがあります。枝には毛が生えています。サザンカ(山茶花)の開花期は10~4月の寒い時期です。花は一重咲きが多いですが、八重咲きもあります。サザンカ(山茶花)の花は、雄しべがツバキの花のように筒状にはならず、花も平たいのが特徴です。 サザンカ(山茶花) は花首からぼとりと散るツバキと異なり、花びらが一枚ずつ散っていきます。
冬(12月~2月)にピンクの花が咲く木5種
椿(ツバキ)
- 学名:Camellia japonica
- 科名:ツバキ科
- 分類:常緑高木
- 開花期:11月~4月
椿(ツバキ)の特徴
椿は、日本の冬を代表するような常緑高木です。光沢のあるグリーンの葉が特徴的です。椿の花色は、ピンクの他に、赤や白、複色などがあります。
▼椿の育て方
- 椿(つばき)は日本を代表する花木で、海外でも近年非常に人気の高い樹木です。椿(つばき)は日本の書物、万葉集に記述があるほか、縄文時代の遺跡からも椿の種などが発見されており歴史の古い樹木です。常緑高木で照葉を一年中楽しめ、昔から盛んに園芸品種の作出が行われ、花色、花形、葉の形など多様な品種が栽培されています。特に花の少ない冬に見事な美しい花を咲かせることから、茶花(ちゃばな)の中でも格の高い花で「茶花の女王」とも称されます。また、その種子から採られる「椿油」は髪や肌に良いことから様々な化粧品に用いられています。椿(つばき)の木材は強度が高く質が均一であることから、印鑑や漆器、彫刻の材料として用いられており文化的にも重要な樹木の一つです。
梅(ウメ)
- 学名:Armeniaca mume
- 科名:バラ科
- 分類:落葉高木
- 開花期:1月~3月
梅(ウメ)の特徴
梅は、春の訪れを代表するような落葉高木です。まだ寒い初春から香りのよい花を咲かせます。梅の花色は、ピンクの他に、白、赤、複色等があります。1本の木で白とピンクの2色の花を咲かせる品種もあります。
▼梅の育て方
- 梅(ウメ)は、初春のまだ寒い時期に香りのよい花を咲かせる落葉高木です。日本には中国からかなり古い時代に薬用として渡来しました。梅(ウメ)の樹高は10mに達しますが、3~5m程度で管理され、古くから花、香り、果実の3拍子揃った春を告げる落葉花木として全国各地で植栽され広く親しまれています。 梅(ウメ)の枝は広く張り、葉は長さ5~8cm程度で二重鋸歯があります。花は2年枝の細く短い枝に2.5センチ程度の花をつけます。梅(ウメ)は品種によって開花期に違いがあります。性質上、野梅性・緋梅性・豊後性・杏性の4系統に分けられますが園芸上は花を観賞する梅と果実の収穫を目的とする梅に分けられます。 果樹としては各地に産地があり、観賞樹としては庭や公園に春を告げる木として好んで植えられます。また、梅(ウメ)は花もの盆栽の代表格です。
沈丁花(ジンチョウゲ)
- 学名:Daphne odora
- 科名:ジンチョウゲ科
- 分類:常緑低木
- 開花期:2月~4月
沈丁花(ジンチョウゲ)の特徴
沈丁花は、爽やかな芳香が印象的な常緑低木です。沈丁花の花の香りが好きだという人も多いようです。沈丁花の花は、外側がピンク色で中は白色です。他に外側も内側も真白な白花種もあります。
▼沈丁花の育て方
- 沈丁花(ジンチョウゲ)は香り高い花を咲かせる春の代表的な樹木で、春の沈丁花(ジンチョウゲ)、夏の梔子、そして秋の金木犀を合わせて三大香木と称されます。沈丁花(ジンチョウゲ)はジンチョウゲ科の常緑低木で、春先に小さな花が毬のような塊になって枝先に咲きます。花が白い品種を「シロバナジンチョウゲ」、花の外側が淡紅色になっているものを「ウスイロジンチョウゲ」と言います。ちなみに、葉の外側に斑が入っているものを「フクリンジンチョウゲ」と呼びます。 沈丁花(ジンチョウゲ)の特徴と言えば香り高い花。「沈丁花」という名前は、花の香りが沈香(ちんこう)に似ていることと、十字型の花が丁子(クローブ)に似ていることに由来しています。沈丁花(ジンチョウゲ)の原産は中国と言われており、室町時代にはすでに栽培されていたという記述があります。 沈丁花(ジンチョウゲ)の樹高は1m~1.5mほどで、枝が良く分岐するので特に剪定をしなくても丸くこんもりとした樹形を保ちます。沈丁花(ジンチョウゲ)は雌雄異株で、雄株と雌株があります。日本で流通している沈丁花(ジンチョウゲ)の多くは雄株なので、実を見る機会はめったにありませんが、赤い可愛らしい実を付けます。ただし、実は猛毒ですので口に入れないように注意しましょう。
アセビ
- 学名:Pieris japonica
- 科名:ツツジ科
- 分類:常緑低木
- 開花期:2月~4月
アセビの特徴
アセビは、小さなつぼ型の花を、かんざしのように房状に下垂させて咲かせる庭木です。鼻を近づけるとほのかに芳香がします。アセビの花色は、ピンクの他に白があります。
▼アセビの育て方
- アセビ(馬酔木)は日本各地に自生するツツジ科の常緑低木です。庭木としても人気があり、個人の庭から公園、街路樹として広く利用されています。初春、沈丁花が咲く頃に白く小さな壺状の花をカンザシのように、房状に咲かせます。白花の他に赤花種もあります。顔を近づけるとほのかに芳香があるのも特徴です。光沢のある明るいグリーンの葉を手のひらを広げたように放射状に付けます。 街中で見かけるアセビ(馬酔木)はきちんと刈り込まれ、樹形が整えられていますが、山野では大きく生長し枝が暴れたようになっている姿も見かけます。 漢字の「馬酔木」は文字通り、馬がこの木を食べると酔ったようになってしまったことから当てられた漢字です。アセビ(馬酔木)には毒性があると言われているので、口に入れることのないように気を付けてください。
ボケ(木瓜)
- 学名:Chaenomeles speciosa
- 科名:バラ科
- 分類:落葉低木
- 開花期:2月~5月
ボケ(木瓜)の特徴
ボケは、初春にウメに似た可愛らしい花を咲かせる落葉低木です。花の後に洋梨のような果実を実らせますが、食用にはできません。ボケの花色は、ピンクの他に、白、赤、複色があります。
▼ボケの育て方
- ボケ(木瓜)は早春から春にかけて梅のような花を咲かせる落葉低木で、盆栽として大変人気の高い植物です。また、花の美しさから庭木としても人気があります。ボケ(木瓜)の枝には鋭いトゲがあるので、生垣としても利用されてきました。 ボケ(木瓜)の血筋は少々複雑で、日本に古くからあるクサボケや中国のカラボケ、チョウセンボケ、マボケなどを利用し江戸時代に品種改良が盛んにおこなわれた結果、現在の「ボケ(木瓜)」と呼ばれている植物ができあがりました。最近では日本ブームでヨーロッパでも盛んに品種改良が進んでおり、今までなかったような大輪の派手なボケ(木瓜)も生まれており、日本に逆輸入されています。 一般に早春から咲き始める品種が多いなか、11月頃から咲き始める寒木瓜や四季咲きの品種もあり、四季を通じて楽しむことができます。
ピンクの花が咲く木を季節ごとご紹介しました。お探しの木はありましたか?お散歩や庭木探しの参考にしてください。
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