庭木におすすめの常緑樹38種!低木、中木、高木、花木、果樹、ハーブも

山田智美
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常緑樹とは?常緑樹の定義から庭木やシンボルツリーにおすすめの理由を説明します。さらに常緑樹を低木、中木、高木、花木、果樹、さらにハーブまでずらり38種類。洋風のお庭にも、和風のお庭にもよく馴染む常緑樹を紹介します。
目次
- 常緑樹とは?常緑樹の定義
- 常緑樹は庭木、シンボルツリーにおすすめ
- 庭木におすすめ!低木の常緑樹5種類
- 庭木におすすめ!中木の常緑樹2種類
- 庭木におすすめ!高木の常緑樹2種類
- 花が咲く常緑樹14種類
- 実がなる木!常緑の果樹8種類
- おしゃれなハーブの常緑樹6種類
常緑樹とは?
常緑樹とは、一年を通しグリーンの葉を絶やさない樹木のことを指します。冬でも青々とした葉を茂らせる松やモミの木などが常緑樹です。
常緑樹は落葉しないわけではありません。種類によりますが、多くは1年~3年のサイクルで新しい葉が出て古い葉が落ちていきます。冬にも青々とした葉を絶やさない常緑樹は、永遠や生命の象徴として神聖視されることもあります。
常緑樹は庭木、シンボルツリーにおすすめ
常緑樹は庭木やシンボルツリーにおすすめです。一年を通して葉を絶やさない常緑樹はお庭の景観を司る頼もしい存在。冬のお庭でも存在感を発揮します。
紅葉も落葉もしない常緑樹は四季を感じることができない、景色が単調だという意見もありますが、そんなことはありません。常緑樹は表情豊か。新芽のグリーンは色鮮やかです。花を咲かせ、実を結ぶ種類もたくさんあります。季節ごとに違う表情を見せてくれる上に、一年中グリーンの葉が茂る常緑樹は庭木、シンボルツリーにおすすめです。
目隠しにおすすめ
冬になっても落葉しない常緑樹は目隠しにおすすめです。隣家や通りからの気になる目線からプライバシーを守りたいけれど、無機質なフェンスでは味気ないという時に常緑樹の目隠しは活躍してくれます。しっかり目隠しになる上に風や日光は通してくれるのが常緑樹の目隠しです。
生垣におすすめ
常緑樹は生垣にもおすすめ。生垣は植物で作る垣根です。一年中グリーンの葉を絶やさない常緑樹なら防犯や不要なゴミや動物の侵入を防ぐ役割をしてくれます。
庭木におすすめ!低木の常緑樹5種類
ツゲ
- 花期:3月~4月
- 樹高:3m以上
ツゲは、小さく丸みを帯びた光沢のある葉が美しい常緑樹です。放っておくと3mを越す大きな木になりますが、刈り込みに堪える強さがあるので、生垣やトピアリーとして利用されます。
シキミ
- 花期:3月~4月
- 樹高:3m程度
シキミは、葉や枝に芳香があるシキミ科の常緑低木です。耐陰性も強く、手間のかからない丈夫な庭木です。秋になる実は中華料理などで使用される八角(スターアニス)に似ていますが、シキミは毒性が強いので間違えて食べないように注意が必要です。
シルバープリベッド
- 花期:4月~5月
- 樹高:1~3m
シルバープリベッドは、斑入りの小さな葉が可愛らしいモクセイ科の低木です。半落葉ですが温暖な地域では、ほぼ常緑です。春に小さな香りの良い花を咲かせ、秋に黒い果実を付けます。
シルバープリペット(シルバープリベット)
- シルバープリペット(シルバープリベット)は、斑入りの葉が美しい、モクセイ科の常緑から半落葉低木です。一般的に「シルバープリペット」の名前で流通していますが、本来は「シルバープリベット」が正しい発音です。 斑入りの小さな葉と、華奢な枝を放射状に広げる樹形が人気で、庭木や植え込みに多用されています。斑の色は白というよりクリーム色に近く、グリーンの部分も色が淡いので、周囲の景色と馴染みやすい樹木です。春から初夏には白い香りの良い小花を咲かせます。 非常に生育旺盛で生長が早く、放っておくと3mくらいにまで生長します。あまり大きくしたくなければ、適宜剪定をしましょう。花後に剪定をせずに放っておくと結実し、黒く小さな実をブドウのように枝の先にたわわに実らせます。
マホニア
- 花期:11月~12月
- 樹高:1~2m
マホニアは、細くギザギザとした葉が特徴的な常緑低木です。冬に明るい黄色の花を咲かせます。あまり大きくならないので育てやすい庭木です。
フィリフェラオーレア
- 樹高:0.5~3m
フィリフェラオーレアは、ヒノキ科ヒノキ属の常緑低木です。強い刈り込みにも耐えるので、生垣にも好まれます。明るいライムグリーンの葉が美しい庭木です。
庭木におすすめ!中木の常緑樹2種類
ネズミモチ
- 花期:5月~6月
- 樹高:3~5m
ネズミモチは、光沢のある濃いグリーンの葉が美しい常緑中高木。初夏に香りの良い白い花を咲かせ、秋から冬に黒い果実を実らせます。
ヒイラギ
- 花期:10月~12月
- 樹高:3m以上
ヒイラギは、ギザギザとしたノコギリのような葉が印象的な中国原産の常緑樹です。クリスマスの時期に赤い実を付ける西洋ヒイラギとは別種です。葉の表面には光沢があります。葉が尖っているので防犯の役割を果たすとされ、生垣として人気があります。
庭木におすすめ!高木の常緑樹2種類
ヒイラギモクセイ
- 花期:10月
- 樹高:5~6m
ヒイラギモクセイは、キンモクセイよりも少し遅れて香りの良い花を咲かせる常緑高木です。葉はヒイラギのようなギザギザとした形状で、秋に小さな白い花を咲かせます。常緑で葉の密度も高く、防犯の役割も果たすとして生垣に好まれます。
ユズリハ
- 樹高:5~15m
ユズリハは、古い葉が下を向き新しい葉が上を向くところから、世代交代、子孫繁栄の木とされています。光沢のある大きな葉が印象的な庭木です。
花が咲く常緑樹15種類
アセビ
- 花期:2月~4月
- 樹高:1~3m
アセビは、小さな壺状の花をかんざしのように下垂させて咲かせる姿が美しい庭木です。丈夫で大きくならないため、生垣として使いやすい庭木です。
- アセビ(馬酔木)は日本各地に自生するツツジ科の常緑低木です。庭木としても人気があり、個人の庭から公園、街路樹として広く利用されています。初春、沈丁花が咲く頃に白く小さな壺状の花をカンザシのように、房状に咲かせます。白花の他に赤花種もあります。顔を近づけるとほのかに芳香があるのも特徴です。光沢のある明るいグリーンの葉を手のひらを広げたように放射状に付けます。 街中で見かけるアセビ(馬酔木)はきちんと刈り込まれ、樹形が整えられていますが、山野では大きく生長し枝が暴れたようになっている姿も見かけます。 漢字の「馬酔木」は文字通り、馬がこの木を食べると酔ったようになってしまったことから当てられた漢字です。アセビ(馬酔木)には毒性があると言われているので、口に入れることのないように気を付けてください。
ジンチョウゲ
- 花期:3月~4月
- 樹高:1.5m程度
ジンチョウゲは、春に爽やかな香りの良い花を咲かせる常緑低木です。ジンチョウゲには白花種と赤花種があります。常緑で丈夫なため、生垣や庭木として好まれます。
- 沈丁花(ジンチョウゲ)は香り高い花を咲かせる春の代表的な樹木で、春の沈丁花(ジンチョウゲ)、夏の梔子、そして秋の金木犀を合わせて三大香木と称されます。沈丁花(ジンチョウゲ)はジンチョウゲ科の常緑低木で、春先に小さな花が毬のような塊になって枝先に咲きます。花が白い品種を「シロバナジンチョウゲ」、花の外側が淡紅色になっているものを「ウスイロジンチョウゲ」と言います。ちなみに、葉の外側に斑が入っているものを「フクリンジンチョウゲ」と呼びます。 沈丁花(ジンチョウゲ)の特徴と言えば香り高い花。「沈丁花」という名前は、花の香りが沈香(ちんこう)に似ていることと、十字型の花が丁子(クローブ)に似ていることに由来しています。沈丁花(ジンチョウゲ)の原産は中国と言われており、室町時代にはすでに栽培されていたという記述があります。 沈丁花(ジンチョウゲ)の樹高は1m~1.5mほどで、枝が良く分岐するので特に剪定をしなくても丸くこんもりとした樹形を保ちます。沈丁花(ジンチョウゲ)は雌雄異株で、雄株と雌株があります。日本で流通している沈丁花(ジンチョウゲ)の多くは雄株なので、実を見る機会はめったにありませんが、赤い可愛らしい実を付けます。ただし、実は猛毒ですので口に入れないように注意しましょう。
ミモザ
- 花期:3月~4月
- 樹高:5~10m
ミモザは、春にふわふわの羽毛のような黄色い花を咲かせる常緑高木です。花の美しさと合わせて香りも良いことからシンボルツリーとして好まれます。
- 「ミモザ」はギンヨウアカシアやフサアカシアなど、黄色い房状の花を咲かせるマメ科アカシア属の総称です。シルバーリーフと呼ばれる銀色がかったグリーンの葉が特徴的な半落葉~常緑高木です。本来の「ミモザ(mimosa)」はオジギソウの学名ですが、黄色の房状の花が咲くアカシアの仲間の呼び名として使われています。 ミモザ(アカシア)は庭木としても人気です。銀色がかったグリーンの葉と、春先に咲く明るい黄色の花のコントラストが美しい樹木です。ただしミモザ(アカシア)は庭植えにすると非常に大きくなるので、植える場所を考える他に毎年の剪定が必要になります。 3/8は国際女性デーといって、女性の政治的自由と平等を訴える日として国連が制定しています。この日はイタリアでは「女性の日」とされ、女性への日頃の感謝を込めて、男性から女性へミモザ(アカシア)の花を贈る習慣があります。日本でも「ミモザ(アカシア)の日」とされ、女性へミモザ(アカシア)の花を贈る習慣が定着しつつあります。
トキワマンサク
- 花期:4月~5月
- 樹高:3~5m
トキワマンサクは、ほうきのような、筆のような、変わった花を咲かせるマンサク科の庭木です。トキワマンサクというと通常ベニバナトキワマンサクを指しますが、白花種もあります。
- トキワマンサクはマンサク科の常緑樹。4月~5月にピンクや白の花が一斉に開花し、遠くから見ると木全体が花に覆われているように見えるほど華やかです。 病害虫に強く丈夫なトキワマンサクは、和風、洋風どちらの雰囲気にも合い、街路樹や公園樹、マンションなどのエントランスの植栽としてよく利用されています。芽吹き力が強く刈り込みに耐えるため、生け垣として使うこともできます。 糸状の細い花びらの集合体が花となっている一風変わった見た目をしています。濃いピンクの花を咲かせるベニバナトキワマンサクは、トキワマンサクの変種です。トキワマンサクの色は、白、ピンク、紅、絞りなどがあり、這性、しだれ樹形、二季咲きなど、様々な咲き方の品種が流通しています。
ツツジ、サツキ
- 花期:4月~5月(四季咲き)
- 樹高:1~3m
ツツジとサツキは、鮮やかな花色が印象的なツツジ科の常緑低木です。葉の表面には産毛のような毛があります。花色は白やピンク、濃いピンクなど。環境が合えば夏や秋でも花を咲かせます。
カラタネオガタマ
- 花期:4月~5月
- 樹高:3~5m
カラタネオガタマは、夏に甘い香りの花を咲かせる常緑高木です。葉の密度が高く目隠しとしても活躍します。
ハクチョウゲ
- 花期:5月~6月
- 樹高:1~3m
ハクチョウゲは、アカネ科の常緑低木です。常緑ですが、冬には葉を少し落とします。初夏に直径1cm足らずの小さな花を咲かせます。花にはほのかに芳香があります。
シャリンバイ
- 花期:5月~6月
- 樹高:1~3m
シャリンバイは、厚みと光沢のある葉が印象的な常緑低木です。春に咲く花は白く、花びらが5枚で梅を思わせます。非常に丈夫なため街路樹にも利用されます。
クチナシ
- 花期:6月~7月
- 樹高:1~3m
クチナシは、初夏にうっとりするくらい甘い香りの花を花を咲かせる常緑低木です。花色は白、一重咲きと八重咲きがあります。花径が小さなサイズの品種もあります。
- クチナシは常緑低木で、葉は光沢のある長い楕円で濃緑色で葉脈がはっきりとしています。クチナシはの花は6月~7月に白色の花を咲かせます。花弁はフェルトのような優しい風合いをしています。香りが特徴的で甘い香りを周囲に漂わせます。 花の形は八重咲と一重咲きがあり、一重咲きの品種は秋になると橙色の実をつけ、熟しても口を開かない事から「クチナシ」の名が付いたと言われています。 お庭に植えられる方も多いクチナシですがだいたい1m~2mにほどになります。枝が詰まって葉が育つ為、垣根としてに好まれます。また、『山吹の 花色衣 主や誰 問へど答へず くちなしにして(秋が過ぎ、冬が来ても一向に口を開けない)』という歌が由来の原点ともいわれています。
アベリア
- 花期:四季咲き
- 樹高:1~2m
アベリアは、スイカズラ科の常緑低木です。環境が合えばほぼ四季咲きで、ピンクや白の小さな花を咲かせます。剪定時期をあまり選ばず、強い刈り込みにも耐える育てやすい庭木です。
アベリア
- アベリアは生垣や下草、公園、川沿いの緑道、街路樹などにとてもよく使われている半常緑低木です。(一般的には常緑ですが、寒冷地では落葉する場合があります。)最近では、マンションなどのエントランスの植栽にも、アベリアを使用されているのを見かけます。 アベリアは性質が丈夫で、特別な手入れをしなくても生長する手入れが簡単な植物です。また、花の時期が5月~初冬までと、とても長く咲き続けるのも特徴のひとつです。花は白やピンクですが、花びらが散ったあとにガクがきれいに残るので、その状態も観賞価値があります。 ▼アベリアについて詳しくご紹介しています。 アベリアとは?花の季節や種類、育て方や剪定のコツまで紹介 アベリアは耐寒性が強く、強健でとても育てやすい樹木です。お庭はもちろん公園や、公道の脇など多くの場所に植えら… 山田智美 2020.09.27 庭木・シンボルツリー
常緑ヤマボウシ
- 花期:6月~7月
- 樹高:5~10m
常緑ヤマボウシは、ミズキ科の常緑高木です。初夏にクリーム色がかった白の花を咲かせます。常緑ヤマボウシは樹形が乱れにくく管理が楽なので、目隠しや生垣として人気のある庭木です。
タイサンボク
- 花期:6月~7月
- 樹高:10m以上
タイサンボクは、高木の上の方に大きくて香りの良い真白な花を咲かせます。葉の表面は光沢があるグリーンで裏は茶色です。香料の「マグノリア」は、タイサンボクのことを指します。
ジャスミン(マツリカ)
- 花期:7月~9月
- 樹高:~3m
ジャスミンは、香りの良い花を咲かせることで有名なモクセイ科ソケイ属の常緑低木です。ジャスミンの花の香りは、香水の原料にされたりお茶に混ぜてジャスミン茶にされたりしています。
キンモクセイ
- 花期:9月~10月
- 樹高:5~10m
キンモクセイは、秋に甘く香りの良い花を咲かせることで人気の常緑高木です。オレンジ色の小さな花を枝いっぱいに咲かせます。キンモクセイは葉の密度も高く、丈夫で強い刈り込みにも耐えるので、目隠しとして人気があります。
- 金木犀(キンモクセイ)は、秋に甘い香りを漂わせながらオレンジ色の小花が開花するモクセイ科の常緑樹です。庭木としての他、公園や街路樹としても利用され、甘い香りのする花は秋の訪れを知らせてくれるような存在です。金木犀(キンモクセイ)のオレンジ色の小花をいっぱいにつけた姿は、日差しを受けると名前の通り金色に輝いて見え、秋の風物詩となっています。 金木犀(キンモクセイ)の名付け親は、植物学の父と呼ばれ、NHK連続テレビ小説「らんまん」の主人公のモデルとなった植物学者の牧野富太郎博士で、学名にもMakinoの名があります。また、遠くまで香りが届くことから古くは「千里香」とも呼ばれていました。 金木犀(キンモクセイ)の花は食用にもなり、原産地・中国では花を砂糖漬けやシロップ、リキュールなどに利用します。中国茶の桂花茶(けいかちゃ)は、金木犀(キンモクセイ)の花を乾燥させたお茶です。
ツバキ
- 花期:11月~12月、1月~3月
- 樹高:5~10m
ツバキは、冬に美しい花を咲かせる常緑高木です。花は一重咲きから八重咲きまであります。光沢のある濃いグリーンの葉は密度が高く、生垣や目隠しとしても人気です。ツバキはチャドクガの幼虫の被害にあいやすいので注意が必要です。
- 椿(つばき)は日本を代表する花木で、海外でも近年非常に人気の高い樹木です。椿(つばき)は日本の書物、万葉集に記述があるほか、縄文時代の遺跡からも椿の種などが発見されており歴史の古い樹木です。常緑高木で照葉を一年中楽しめ、昔から盛んに園芸品種の作出が行われ、花色、花形、葉の形など多様な品種が栽培されています。特に花の少ない冬に見事な美しい花を咲かせることから、茶花(ちゃばな)の中でも格の高い花で「茶花の女王」とも称されます。また、その種子から採られる「椿油」は髪や肌に良いことから様々な化粧品に用いられています。椿(つばき)の木材は強度が高く質が均一であることから、印鑑や漆器、彫刻の材料として用いられており文化的にも重要な樹木の一つです。
実がなる木!常緑の果樹8種類
ナワシログミ
- 収穫期:5月~6月
- 樹高:1~3m
ナワシログミは、銀色がかった光沢のある葉が特徴の常緑低木です。赤く熟したナワシログミの実は柔らかく、酸味と甘みがあります。強い刈り込みにも耐えるので、生垣として利用されます。
- グミとはグミ科グミ属の仲間の総称で、その品種は50~70種あると言われています。常緑も落葉もあります。日本で一般的に流通しているのは、主にナワシログミとナツグミです。ナワシログミは常緑低木で、葉の表面は銀葉、裏面が茶色という特性を持ちます。ナツグミは落葉低木で、名前の通り夏に酸味の強い赤い果実がなります。他にも園芸品種で斑入り種もあります。 枝を横に広げていくので、樹形もきれいです。銀葉のものは風で葉がそよぐ姿が、オリーブを思わせるような美しさです。非常に強健で、海辺などの風が強い場所でも日当たりが良ければよく育ちます。 グミの果実はほとんどが食用になります。余談ですが、お菓子のグミとは何の関係もありません。
ビワ
- 収穫期:6月
- 樹高:5~10m
ビワは、冬に白い花を咲かせ、初夏に果実を実らせる果樹です。放っておくと大きくなるので、適宜剪定が必要です。大きな葉が印象的な庭木です。
ビワ(枇杷)
- ビワ(枇杷)は、家庭果樹としても栽培される暖地に適した常緑の小高木で、生長が早く10メートル以上になることもあります。長さ15~25cmほどの大きな葉は革のように厚く、裏面に褐色の綿毛が密生しています。学名のEriobotryaは、ギリシャ語のerion(軟毛)、botris(ブドウ)に由来し、白い軟毛に覆われたブドウのように房状になる実をつけることを意味します。日本の「枇杷」の由来は諸説ありますが、葉や実の形が、楽器の「琵琶」に似ていることからと言われています。 ビワ(枇杷)の花の季節は、11月~12月の冬にかけてです。枝先に円錐花序となり、ひとつひとつの花は1~2センチほどの小さな白い花が少しずつ開花し、花には香りがあります。 果実は6月頃にオレンジ色に熟します。現在、果樹として栽培されている品種は、日本に自生しているものとは違い、中国品種を改良したものがほとんどです。
ヤマモモ
- 収穫期:6月~7月
- 樹高:5~10m
ヤマモモは、高木の枝の先にみっしりと赤い果実を実らせる果樹です。雌雄異株で実がなるのは雌株のみです。
クランベリー(ツルコケモモ)
- 収穫期:9月~12月
- 樹高:10~20cm(ほふく性)
クランベリーは、秋から冬にかけて真赤な果実を実らせる常緑低木です。木立ではなく、つるを伸ばすように地面をほふくして生長します。クランベリーの果実は非常に酸味が強く生食には向きません。ジャムやジュースにして楽しめます。
クランベリー
- うつむき加減に咲く白い花のあとに、丸くてつややかな可愛らしい赤い果実を実らせます。樹高が20cmほどの常緑低木です。本来は湿地や沼地に自生することから、乾燥を嫌い湿気を好みます。暑さにも弱いです。また酸性土を好むので用土に気をつける事がポイントです。暑さに弱いですが、寒さには非常に強く、-40℃でも耐えられるといわれています。それゆえ、暖地では生育が悪く、果実も本来の味になりません。 果実は酸味がとても強いので生食よりも、ジャム、ケーキ、シャーベット、果実酒、料理のソースに利用されています。果実は安息香酸を含有しているため注意が必要です。自家結実性があるので1本だけでも結実します。 果実はほとんど流通しておらず加工品がほとんどです。苗は年中手に入りますが、夏や実が付いている時期のみというところも多いようです。
レモン
- 収穫期:11月~3月
- 樹高:5m
レモンは、香りの良い実を付ける常緑高木です。春から夏に咲く花も香りが良いのが特徴です。耐寒性が強くないので、暖地での栽培に向いています。
レモン(檸檬)
- レモン(檸檬)は、ミカン科ミカン属の常緑低木です。レモン(檸檬)の木は樹高があまり高くならないので、ベランダでも育てやすい果実の一つです。春から初夏には芳香のある白い可愛らしい花を咲かせます。果実は卵型で酸味があります。果皮にも香りがあります。レモン(檸檬)の果実はグリーンから熟すと明るい黄色に変化します。 病害虫も比較的つきにくいため家庭でも育てやすいです。温暖な気候でよく育ちますが、柑橘類の中では耐寒性は弱い為、鉢植えでの管理のほうが育てやすい場合もあります。 レモン(檸檬)の果実はビタミン、カルシウム、カリウムなど栄養も豊富です。レモン(檸檬)の果実はフレッシュの状態で料理やお茶、お酒などの香り付けとして多く利用されています。さらにレモン(檸檬)は生食の他、ジュースやお酒、コンフィチュール、ドライフルーツとしても楽しめます。レモン(檸檬)の果皮も乾燥させてレモンピールとして焼き菓子やチョコレート等のお菓子に利用されます。
ピラカンサ
- 観賞期:11月~2月
- 樹高:3~5m
ピラカンサは、枝の先に真赤な実をたわわに下げるように実らせる常緑低木です。果実は食用にはできません。枝に小さなトゲがあるので防犯の役割も果たすとして生垣としても人気です。
ピラカンサ
- ピラカンサは庭木や生垣として人気のあるバラ科の常緑低木です。春の終わりから初夏には小さな真白な花を枝いっぱいにたわわに咲かせます。秋から冬にかけては枝をしなるらせるほどにたくさんの果実を実らせます。あまり手をかけずとも毎年結実してくれるので、庭木として人気の樹種です。枝には細かいトゲがあり、常緑ということもあって、生垣として利用されることも多々あります。 ピラカンサというのは、ピラカンサ属の樹木数種類を指して使われる呼称です。赤い果実を付けるトキワサンザシ(Pyracantha coccinea)の他、黄色い果実のタチバナモドキ(Pyracantha angustifolia)などがあります。
ソヨゴ
- 観賞期:11月~2月
- 樹高:5~10m
ソヨゴは、モチノキ科モチノキ属の常緑高木です。乾燥に強い上に自然樹形で整うので育てやすいのが特徴。秋に真赤に色付く実が可愛らしい庭木です。
万両
- 観賞期:11月~2月
- 樹高:~1m
万両は、お正月のお飾りも使用される常緑低木です。枝葉を広げず、樹高も1m以内とコンパクトと場所を取りません。
おしゃれなハーブの常緑樹6種類
月桂樹(ローリエ)
- 花期:4月~5月
- 樹高:10m以上
月桂樹は、クスノキ科の常緑高木。別名をローリエまたはローレルとも呼ばれ、葉をハーブとして使用します。月桂樹は比較的病害虫の被害も少なく、育てやすい庭木です。
- 月桂樹(ローリエ)は、地中海沿岸が原産のクスノキ科の常緑高木です。丈夫で育てやすく、耐陰性もあり、刈り込みにも耐えることから、庭木や生垣、公園樹として植えられています。 月桂樹(ローリエ)の葉には、清涼感のある爽やかさと甘さを感じる香りがあります。ハーブとしてはローリエやローレルの名で呼ばれ、スパイスとして流通し、さまざまな料理の香りづけや臭み消しに利用されています。また、葉には消化促進、食欲増進、肩こりや関節痛などの炎症の緩和、血流促進、防虫など、さまざまな効果や効能があり、ヨーロッパでは古くから薬草としても利用されています。 月桂樹(ローリエ)は雌雄異株ですが、日本で見かけるのは雄株が多いようです。春にクリーム色の花を咲かせ、雌株は秋に紫色の8~10ミリくらいの実をつけます。自然樹形で育てると10m近くになる高木ですが、刈り込みが自由にできるので鉢植えで栽培することも可能です。最近は「スタンダード仕立て」と呼ばれる、枝を刈り込んでトピアリーのように仕立て、観賞用として仕立てられた月桂樹(ローリエ)も見かけます。
マートル
- 花期:5月~6月
- 樹高:1~3m
マートルは、地中海地方原産のフトモモ科の常緑低木です。光沢のある葉が美しい庭木です。和名をギンバイカと言い、初夏に梅に似た白い花を咲かせます。
ギンバイカ(マートル)
- ギンバイカ(マートル)は地中海沿岸原産の常緑低木です。春に花びらが5枚の梅に似た花を咲かせるところから、和名を銀梅花(ギンバイカ)と言います。ハーブとして扱われる場合は「マートル」という名前で流通しています。 冬にはオリーブに似た黒い果実を付けます。光沢のある明るいグリーンの葉には芳香があり、ハーブとして肉料理などに利用される他、ギンバイカ(マートル)の精油も人気があります。ギンバイカ(マートル)は古代ギリシャを始め、ヨーロッパでは昔から神聖な樹とされてきました。「祝いの木」とも言われ、ヨーロッパでは昔から結婚式で使用されてきました。日本でも枝もの花材として流通しています。 常緑で葉の密度も高いことから生垣としてもよく利用されます。斑入りの品種「バリエガタ」は、より柔らかい印象を与えます。また、樹高が1mほどで、葉も小さく比較的コンパクトに栽培できるヒメギンバイカ(姫銀梅花)という品種もあり、別名ドワーフマートルとも呼ばれています。 同じフトモモ科の植物にギンバイカ(マートル)と名前が似ているレモンマートルがありますが、ギンバイカ(マートル)はギンバイカ属、レモンマートルはバクホウシア属の別の植物です。
フェイジョア
- 花期:7月~8月
- 樹高:5~6m
フェイジョアは、ピンクの花を咲かせる常緑高木です。強い刈り込みにも耐えるので、低く刈り込んで管理することも可能です。夏に咲く花はエディブルフラワーとして食用にできます。
フェイジョア
- フェイジョアは、高さ5~6mになるフトモモ科の常緑小高木で、庭木や生垣にも用いられます。葉は長さ5~7cmの卵形の楕円形で革のような光沢があります。葉の裏面には綿毛が密に生えて銀白色です。7月~8月に直径4cm程度の花が咲きます。分厚い花弁の外側は白い綿毛が生え、内側は薄紫色、鮮やかな赤いおしべが特徴的です。エディブルフラワーとして食べることもできます。フェイジョアの果実は卵状の楕円型で灰緑色。果肉はパイナップルのような香りがあり、生食やジャムにして食べられます。フェイジョアは別名をパイナップルグアバといい、日本には昭和初期にアメリカから渡来しました。暖地性の樹種ですが、寒さにも強く成木ではマイナス10度にも耐えられます。
ラベンダー
- 花期:5月~7月
- 樹高:30~100cm
ラベンダーは、香りの良い花を咲かせる常緑低木です。ラベンダーには多くの種類がありますが、ラベンダー独特の甘い芳香を楽しむなら、イングリッシュラベンダーがおすすめです。
ラベンダー
- ラベンダーは地中海沿岸原産の常緑低木。ハーブの女王とも呼ばれ、癒しのフローラル系の香りが人気のハーブです。ヨーロッパでは古くから栽培され、お風呂や衣類の香りづけなど日常の暮らしの中で利用されてきました。花の色は薄紫や濃い紫、白があり、葉には芳香があります。ハーブとして蒸留して得られたオイルは香水などの成分となり、花を乾燥させたものはポプリやハーブティーとして利用できます。 ラベンダーの語源は、lavareという「洗う」を意味するラテン語だと言われています。その精油はリラックスや精神安定にも使われており、とても人気があります。「万能の精油」ともいわれ、アロマテラピーでもっとも広く利用される精油です。ラベンダーにはイングリッシュラベンダーやフレンチラベンダーなど種類がたくさんあり、種類ごとに精油が作られているため、ラベンダーと名のつく精油はたくさんあります。 ラベンダーは地中海沿岸が原産地のため、高温多湿を嫌う性質です。風通し良く、蒸れないように世話をすれば次第に大株になり、良い香りのする花を毎年咲かせて楽しませてくれます。
ローズマリー
- 花期:四季咲き
- 樹高:~2m
ローズマリーは、香りが良いことで有名なシソ科の常緑低木です。葉の密度が高く、刈り込みに耐えます。香りの良い葉は、料理やポプリに使用するなどハーブとして活躍します。
ローズマリー
- ローズマリーは、地中海沿岸地方原産の常緑性低木のハーブです。全草に爽やかな芳香があり、料理やお茶、薬用、化粧品、香料として幅広く利用されています。 ローズマリーには肌のターンオーバーを促す効果や疲労回復、血行促進などに効果があると言われています。体調を崩した中世ハンガリーのエリザベート王妃がローズマリーのハーブチンキを使用したところ元気と若さを取り戻し、ポーランド王に求婚されたことから「若返りの妙薬」「若返りのハーブ」などの別名があります。 近年は、ローズマリーの香りが脳を活性化し認知症予防に効果的であることがメディアで紹介され、介護の現場などでも使われています。 性質は非常に強健で、乾燥した痩せ地でも育ちます。刈り込みにも耐えるため、生垣などにも利用されます。ハーブの花の中では比較的開花期間が長い部類で、品種によって多少違いがありますが、晩秋から初夏に枝の先に小さなかわいらしい花を咲かせます。花の色は青紫のほか、ピンクや白があり、そのほか葉を楽しむ品種として斑入り種も流通しています。 木立性ローズマリー ローズマリーは非常にたくさんの品種があり、生長の仕方は上に枝を伸ばしていく木立性、地面を這うように枝を伸ばすほふく性、両者の中間的な半ほふく性に分類されます。植え付ける場所や用途に合わせて選ぶとよいでしょう。
ウェストリンギア
- 花期:四季咲き
- 樹高:~1.5m
ウェストリンギアは、別名を「オーストラリアンローズマリー」ともいう、シソ科の常緑低木です。見た目はローズマリーによく似ていますが、食用にはできません。細い葉と華奢な樹形が美しい低木です。
常緑樹の魅力をお伝えしました。一年中グリーンを絶やさず、季節ごとに違う表情を見せてくれる常緑樹。常緑樹があれば、冬でもお庭が寂しくなることはありません。お気に入りの常緑樹を見つけて庭木やシンボルツリーとして迎えてください。
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