実のなる木図鑑50種。可愛い実や食べられる実のなる木の名前がわかります

山田智美
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実のなる木を50種類、写真付きで紹介します。食べられる実のなる木の他、季節ごとに分けて。低木や高木などの分類も記載しているのでイメージしやすくなっています。気になっていた木の名前がわかるかもしれません。
目次
食べられる実のなる木23種
クサイチゴ
- 学名:Rubus hirsutus
- 科名:バラ科
- 分類:落葉低木
- 花期:3月~4月
- 果期:5月~6月
クサイチゴは明るい半日陰を好む野生のイチゴです。口に入れると甘く瑞々しく、タネの粒々とした食感を楽しめます。
ナワシロイチゴ
- 学名:Rubus hirsutus
- 科名:バラ科
- 分類:落葉低木
- 花期:3月~4月
- 果期:5月~6月
ナワシロ(苗代)はイネを育苗する苗床のこと。田植えの頃に熟すのでナワシロイチゴと呼ばれます。果実は甘く、口の中でプチプチと潰れていくような食感を楽しめます。
ナツグミ
- 学名:Elaeagnus multiflora
- 科名:グミ科
- 分類:落葉低木
- 花期:4月~5月
- 果期:5月~7月
ナツグミは田植えの頃に赤く熟すのでナツグミと呼ばれます。果実には酸味と甘さがあります。
ジューンベリー
- 学名:Amelancher
- 科名:バラ科
- 分類:落葉高木
- 花期:3月~4月
- 果期:6月
ジューンベリーは6月に熟すのでジューンベリー。黒に近いくらい赤く熟した実は生食の他、果実酒やジャムなどにして楽しめます。
ジューンベリー
- ジューンベリーは、名前の通り6月に赤い果実をつける落葉小高木。春に咲く白い花、新緑の葉、初夏の小さな宝石のような果実、秋の紅葉と四季折々に楽しむことのできる果樹です。果実はほんのりとした酸味と甘み、芳香があります。耐寒性・耐暑性があり、自家結実性があるので1本で収穫することができます。 ジューンベリーの花は直径1~2㎝程度と小さく、花びらが5枚あり桜のような形状をしています。花の見頃は3月下旬から4月地上旬頃、桜のソメイヨシノが咲き始めるよりも少し早く満開を迎えます。華奢な枝の先に小さな花をたわわに咲かせるのが特徴です。風で散ってしまう花びらの儚さも魅力の一つです。 ジューンベリーの果実の食べ頃は5月後半~6月です。4月に花が終わった後、段々と果実が色づき始め、5月には真赤になります。さらにもう少し辛抱強く待って、黒んずんだ赤になった頃がジューンベリーの果実の食べ頃です。 ジューンベリーはシンボルツリーとしてよく使われる他、街路樹としても植栽されています。白い花とかわいい赤い実、紅葉、樹形が美しいことなど、1年を通して楽しみがたくさんあることが庭木として好まれる理由です。
ユスラウメ
- 学名:Prunus tomentosa
- 科名:バラ科
- 分類:落葉低木
- 花期:3月~4月
- 果期:5月~6月
ユスラウメは直径1cm程度のサクランボのような実が可愛らしい植物。食べると甘く瑞々しいのが特徴です。
ユスラウメ
- ユスラウメは、春に梅や桜に似た美しい花を枝いっぱいに咲かせ、初夏にさくらんぼのような真っ赤な小さな果実を実らせる落葉低木。新芽の明るいグリーンも美しく、花も実もない時期も楽しめます。丈夫で育てやすいため、庭木としてもおすすめの果樹です。 熟した果実は生食でき、甘酸っぱい味がしてジャムなどに用いられます。また、ユスラウメは漢方薬としても使われます。 ユスラウメの名は、花が梅の花に似ていることや枝の上部に繁茂して風が吹くと揺れやすいこと、枝を揺さぶって実を落とすことなどからその名が付いたと言われています。また、江戸時代に日本に渡来したときの名「ゆすら」が残り、梅に似ていることをプラスしてユスラウメになったという説もあります。
ラズベリー
- 学名:Rubus idaeus
- 科名:バラ科
- 分類:落葉つる性木本
- 花期:4月~5月
- 果期:6月~7月
ラズベリーはフランボワーズというフランス名でも有名なキイチゴです。赤く熟した実は甘く瑞々しく、香りの良い果物です。
ラズベリー
- ラズベリーの日本名はヨーロッパキイチゴ、西洋キイチゴといいますが、フランス語のフランボワーズともよばれています。白い可憐な花を咲かせたあとに赤色・黄色・紫色などの可愛い宝石のような実をつける樹高1~1.5mの小低木です。その色鮮やかな果実は甘酸っぱく香りが高いので生食の他にも、ケーキやタルトなどの洋菓子に使用されます。 ラズベリーは自家結実性なので1本だけでも実がなります。ラズベリーの中には、1年に1度実がなる一季なり性と1年に2回実がなる二季なり性のタイプがあります。一般的にはトゲがあるので少し注意が必要ですが、種類のよってはトゲのない品種もあります。地下茎で増え繁殖力が強いのも特徴です。花芽は「混合花芽」という1つの芽の中に葉枝と花芽の両方を持っており、7月頃に分化します。寒冷地に適しているので、暖地は栽培に向いていません。
ブラックベリー
- 学名:Rubus
- 科名:バラ科
- 分類:落葉つる性木本
- 花期:5月~6月
- 果期:6月~8月
ブラックベリーは名前の通り真っ黒なキイチゴ。果実は瑞々しくて甘いのが特徴です。
ヤマモモ
- 学名:Myrica rubra
- 科名:ヤマモモ科
- 分類:常緑高木
- 花期:3月~4月
- 果期:6月~7月
ヤマモモは日本の山野に自生する花木です。果実には甘味がありますが、タネが大きいので食べるときには注意が必要です。
フサスグリ
- 学名:Ribes rubrum
- 科名:スグリ科
- 分類:落葉低木
- 花期:4月~5月
- 果期:6月~7月
フサスグリはレッドカラントとも呼ばれる果樹です。酸味が強いので、生食よりもジャムなどに加工して楽しみます。
ブルーベリー
- 学名:Vaccinium corymbosum
- 科名:ツツジ科
- 分類:落葉低木
- 花期:4月
- 果期:6月~8月
ブルーベリーは青黒い果実が特徴のツツジ科の花木です。ブルーベリーは同一系統の2品種を近くに植えておくと結実しやすくなると言われています。
- ブルーベリーは、ツツジ科スノキ属に分類される北アメリカ原産の落葉低木で、種類は200~300種あると言われています。初夏に白やピンクの花が咲き、7月~8月頃に紫色の小さな実が収穫できます。秋には美しい紅葉も楽しめ、寒さに強く丈夫な樹木であることから、庭木としても人気があります。低木なので鉢植えにしてベランダなどでも十分に収穫が楽しめます。地植えにすると大きく育って収穫量も増えます。虫が付きにくく無農薬栽培がしやすいことも魅力のひとつです。 ブルーベリーは1品種の苗木でも結実しなくはないですが、たくさん収穫したい場合は同一系統の2品種を植えるとよいでしょう。実が黒みがかった紫色になると食べ頃です。収穫期の実はやわらかいので、下から手を添えてやさしく摘み取りましょう。
ザクロ
- 学名:Punica granatum
- 科名:ミソハギ科
- 分類:落葉高木
- 花期:6月~7月
- 果期:9月~10月
ザクロは宝石のような果実が美しい果樹です。ザクロの果実は瑞々しく甘く、香りが良いのが特徴です。
ザクロ(石榴・柘榴・ざくろ)
- ザクロはミソハギ科ザクロ属の落葉小高木です。夏に咲くオレンジ色の花も、秋に熟す果実も観賞用とされています。果実は食用にもなります。生食ができる他、ジュース果実酒にして楽しめます。 私たちがよく見かけるザクロの実は、直径5~10cmほどのオレンジ色のボールのような果実ですが、これは熟れる直前のものです。木に実るザクロは熟すと果実がはじけ、果皮が裂けて果肉が見えるようになります。中には小さな種子を包む半透明で赤紫色の果肉がたくさん入っています。この小さな果肉は一つの果実に多いと800粒も含まれていると言われています。 果実ばかりが注目されますが、ザクロの花も観賞価値があります。花は緋色のようなオレンジ色で一重咲きから八重咲まであります。また、淡い黄色がかった白い花が咲く品種もあります。 ザクロは落葉性小高木に分類されますが、大きなものは5m以上にもなります。反対にヒメザクロや一才ザクロのように、小さなままで開花、結実する品種もあります。 意外と知られていないことですが、ザクロの木には鋭いトゲがあります。枝に触れるときには気を付けるようにしてください。
ヤマボウシ
- 学名:Cornus kousa
- 科名:ミズキ科
- 分類:落葉高木
- 花期:6月~7月
- 果期:9月~10月
ヤマボウシの秋に熟す実は食べることができます。しゃりしゃりとして甘味の強い果物です。
- ヤマボウシは、6月~7月に白い花を咲かせる落葉高木。初夏の白い花、美しい若葉や青葉、赤い実、紅葉と四季折々の表情を楽しめる樹木です。本州から九州の山地に自生し、樹高は5~15mほどになります。白い花のように見える部分は総苞 (そうほう)と呼ばれる部分で、ハナミズキ同様、葉が変化したものです。 葉はだ円形で、やや波うっています。基本種は落葉樹ですが、常緑性の常緑ヤマボウシもあります。大きく広げた枝の先に一面に咲く花は、美しく見ごたえがあります。夏は青々とした葉が日陰を作り、常緑種を選べば、お庭の目隠しの役割も果たしてくれます。 自然樹形が美しく手間がかからないヤマボウシは、シンボルツリー、庭木、公園樹、街路樹など様々な用途で利用されています。
栗(クリ)
- 学名:Castanea crenata
- 科名:ブナ科
- 分類:落葉高木
- 花期:5月~6月
- 果期:9月~10月
栗(クリ)は秋の味覚の代表です。栗の渋皮剥きは根気のいる作業ですが、やり遂げた達成感と栗(クリ)のおいしさは何ものにも変えられません。
- クリ(栗)は、果実が秋の味覚として有名な落葉高木です。アジアからヨーロッパ、北米まで、多くの品種が分布しています。主に日本で流通しているのは、日本原産の和栗(ワグリ)とも呼ばれる柴栗(シバグリ)の改良品種で、その種類は数十種類から百種類を超えるとも言われています。 クリ(栗)は雌雄同株で、初夏5~6月くらいに開花します。雄花はクリーム色の花穂を房状に咲かせます。雌花は、雄花の付け根辺りに小さな花を咲かせます。雄花が開花したクリ(栗)の木は、遠くからみると白く樹木全体が煙るようで、見ごたえがあります。クリ(栗)の花には独特の芳香があり、初夏の開花の時期になるとどこからともなく風に乗って漂ってきます。 クリ(栗)は雌雄同株ですが、自家受粉し辛いので違う品種の木を近くに植え付けるなどの工夫が必要です。クリ(栗)の果実は、無数の針のようなイガに包まれていて、最初は緑色ですが熟すと茶色に変わり、イガが弾けて中からクリ(栗)の果実が現れます。
クランベリー
- 学名:Vaccinium macrocarpon
- 科名:ツツジ科
- 分類:常緑つる性木本
- 花期:5月~6月
- 果期:9月~12月
長く伸びたつるの先に、ころころとした赤い実をつけるクランベリー。クランベリーの実は酸味が強く生食できません。ジャムやジュースに加工します。
クランベリー
- うつむき加減に咲く白い花のあとに、丸くてつややかな可愛らしい赤い果実を実らせます。樹高が20cmほどの常緑低木です。本来は湿地や沼地に自生することから、乾燥を嫌い湿気を好みます。暑さにも弱いです。また酸性土を好むので用土に気をつける事がポイントです。暑さに弱いですが、寒さには非常に強く、-40℃でも耐えられるといわれています。それゆえ、暖地では生育が悪く、果実も本来の味になりません。 果実は酸味がとても強いので生食よりも、ジャム、ケーキ、シャーベット、果実酒、料理のソースに利用されています。果実は安息香酸を含有しているため注意が必要です。自家結実性があるので1本だけでも結実します。 果実はほとんど流通しておらず加工品がほとんどです。苗は年中手に入りますが、夏や実が付いている時期のみというところも多いようです。
キウイフルーツ
- 学名:Actinidia chinensis
- 科名:マタタビ科
- 分類:落葉つる性木本
- 花期:5月~6月
- 果期:10月~11月
キウイフルーツは金色の産毛で覆われたようなフォルムが特徴の果物です。中の果肉は爽やかなグリーンで甘味と酸味があります。
キウイフルーツ
- キウイフルーツは、中国の長江沿岸地方が原産のつる性の落葉果樹で5~8メートルの高さまで伸び100年以上の樹齢にもなります。雌雄異株で、雌雄ともに6枚の花弁をもつ黄白色の花を5月頃につけます。葉は長さ10~15センチのだ円形。細長い球形で表面に毛が生えた褐色の果実は晩秋に成熟し、収穫から20~30日ほど追熟させれば食用になります。果肉は緑色で香りが良くほのかな酸味と甘みがあります。 キウイフルーツは、耐寒性があり冬場-10度程度の地域でも栽培が可能です。ニュージーランドやアメリカが主産国ですが日本での栽培も広まっています。栽培には棚が必要ですが実がつきやすいので家庭果樹としても人気があります。
ガマズミ
- 学名:Viburnum dilatatum
- 科名:レンプクソウ科
- 分類:落葉高木
- 花期:3月~5月
- 果期:10月
ガマズミは赤い粒々とした果実が美しい庭木です。ガマズミの実は酸味が強く生食せずにジュースや果実酒にして楽しみます。
ムベ
- 学名:Stauntonia hexaphylla
- 科名:アケビ科
- 分類:常緑つる性木本
- 花期:5月
- 果期:10月~11月
ムベはアケビの仲間のつる性植物。アケビとの違いは常緑であること、果実が割れないことです。昔は不老不死の果物と言われ珍重されていたそうです。
クコ
- 学名:Lycium chinense
- 科名:ナス科
- 分類:落葉低木
- 花期:9月~10月
- 果期:10月~11月
クコの実は秋に赤く熟します。昔から漢方や薬膳料理などで利用されてきました。乾燥させたものを料理やお菓子に使用します。
カボス
- 学名:Citrus sphaerocarpa
- 科名:ミカン科
- 分類:常緑低木
- 花期:5月~6月
- 果期:8月~10月
カボスは晩夏から秋に流通するミカン科の果物です。甘味はなく、酸味と爽やかな香りが特徴です。
ユズ(柚子)
- 学名:Citrus junos
- 科名:ミカン科
- 分類:常緑低木
- 花期:5月~6月
- 果期:10月~12月
黄色のちょっとぼこぼことした果皮が特徴のユズ(柚子)。香りが良いのが特徴です。料理の香り付けや彩りに使用します。
柚子(ゆず)
- 柚子(ゆず)は、ミカン科の常緑小高木で、晩秋から冬にかけて鮮やかな黄色の香り高い実をつけます。柚子(ゆず)は、柑橘系では珍しく耐寒温度が-7℃と耐寒性が高いため、風よけや幹の防寒は必要ですが、南東北地方までなら栽培することができます。 柚子(ゆず)の実は、非常に酸味が強く生食向きではありませんが、吸い口や調味料、ジャムとして使われるほか、強い香りで邪を払うということから冬至の柚子湯には欠かせません。 柚子(ゆず)は、栽培も柑橘の中では容易で、自家結実性があるため1本で実をつけます。枝には鋭く長い棘(トゲ)がありますが、近年では棘のない品種も出回っているので、小さいお子さんがいる家庭では棘の少ない柚子(ゆず)を購入されるとよいでしょう。
ダイダイ(橙)
- 学名:Citrus aurantium
- 科名:ミカン科
- 分類:常緑低木
- 花期:5月~6月
- 果期:11月~1月
ダイダイ(橙)は橙色の語源となっている果実です。明るい黄味の強いオレンジ色が特徴です。香りが良いので料理の香り付けに使用されます。
レモン
- 学名:Citrus limon
- 科名:ミカン科
- 分類:常緑低木
- 花期:4月~7月
- 果期:11月~3月
レモンは地中海沿岸が原産のミカン科の果樹です。爽やかな香りと酸味が特徴です。
レモン(檸檬)
- レモン(檸檬)は、ミカン科ミカン属の常緑低木です。レモン(檸檬)の木は樹高があまり高くならないので、ベランダでも育てやすい果実の一つです。春から初夏には芳香のある白い可愛らしい花を咲かせます。果実は卵型で酸味があります。果皮にも香りがあります。レモン(檸檬)の果実はグリーンから熟すと明るい黄色に変化します。 病害虫も比較的つきにくいため家庭でも育てやすいです。温暖な気候でよく育ちますが、柑橘類の中では耐寒性は弱い為、鉢植えでの管理のほうが育てやすい場合もあります。 レモン(檸檬)の果実はビタミン、カルシウム、カリウムなど栄養も豊富です。レモン(檸檬)の果実はフレッシュの状態で料理やお茶、お酒などの香り付けとして多く利用されています。さらにレモン(檸檬)は生食の他、ジュースやお酒、コンフィチュール、ドライフルーツとしても楽しめます。レモン(檸檬)の果皮も乾燥させてレモンピールとして焼き菓子やチョコレート等のお菓子に利用されます。
キンカン(金柑)
- 学名:Fortunella
- 科名:ミカン科
- 分類:常緑低木
- 花期:7月~8月
- 果期:12月~3月
キンカン(金柑)は直径3cm程度と小さく、丸みを帯びた果実が可愛い果樹です。キンカン(金柑)の実は果皮を食べます。
夏に実のなる木3種
アオハダ
- 学名:Ilex macropoda
- 科名:モチノキ科
- 分類:落葉高木
- 花期:4月~5月
- 果期:8月~9月
アオハダは夏に赤い実をつける落葉高木です。
サンゴジュ
- 学名:Viburnum odoratissimum
- 科名:レンプクソウ科
- 分類:常緑高木
- 花期:5月~6月
- 果期:8月
サンゴジュは真赤な果実をブドウのように枝から実らせます。
サネカズラ(ビナンカズラ)
- 学名:Kadsura japonica
- 科名:マツブサ科
- 分類:常緑つる性木本
- 花期:7月~8月
- 果期:9月~11月
サネカズラ(ビナンカズラ)は赤い粒々とした果実が美しいつる植物です。
秋に実のなる木15種
シロヤマブキ
- 学名:Rhodotypos scandens
- 科名:バラ科
- 分類:落葉低木
- 花期:4月~5月
- 果期:10月~11月
シロヤマブキは初夏に白い花が咲いた後、秋に風情のある黒い実を付けます。その実は茶花でも好まれます。
コムラサキ
- 学名:Callicarpa dichotoma
- 科名:シソ科
- 分類:落葉低木
- 花期:7月~8月
- 果期:10月~11月
コムラサキは薄紫色の小さな実を枝いっぱいに実らせるのが特徴です。
ムラサキシキブ
- 学名:Callicarpa japonica
- 科名:シソ科
- 分類:落葉低木
- 花期:6月~7月
- 果期:9月~11月
ムラサキシキブは秋に紫色の小さな実を付ける落葉低木です。
- ムラサキシキブ(紫式部)は、秋の紫の実が美しい日本原産の落葉低木です。古くから山地の湿地や森林に自生しています。葉の色は実がなりだす初秋の緑から、秋が深まってくると黄色く紅葉し、紫色の実との色合いがとても美しい光景で、英名ではJapanese beautyberryとも言われています。実は葉が落葉した後もしばらくついていますが、冬に自然に落下します。 ムラサキシキブ(紫式部)の近縁にコムラサキがあり、流通上はコムラサキも含めてムラサキシキブ(紫式部)として販売されていることが多く、園芸店で販売されているムラサキシキブ(紫式部)はコムラサキであることの方が多いため、個人宅や公園などの公共スペースの植栽で見られるのはコムラサキです。それぞれは樹高や実の付き方に違いがありますが(下記参照)、育て方に違いはありません。 コムラサキの園芸種でシロシキブ(白式部)と言って、実が白の種類もあります。
マユミ
- 学名:Euonymus sieboldianus
- 科名:ニシキギ科
- 分類:落葉低木
- 花期:5月~6月
- 果期:10月~11月
マユミはピンク色の皮が割れて朱色のタネを見せる、とても美しい庭木です。
ツリバナ
- 学名:Euonymus oxyphyllus
- 科名:ニシキギ科
- 分類:落葉低木
- 花期:4月~5月
- 果期:9月~11月
ツリバナは名前の通り、枝からぶら下げるように果実を実らせます。
ツルウメモドキ
- 学名:Celastrus orbiculatus
- 科名:ニシキギ科
- 分類:落葉つる性木本
- 花期:5月
- 果期:10月~12月
ツルウメモドキは他の木に絡まり、その先に実を付けるつる植物です。
ゴンズイ
- 学名:Euscaphis japonica
- 科名:ミツバウツギ科
- 分類:落葉高木
- 花期:4月~5月
- 果期:10月~11月
ちょっと特徴的な実をつけるゴンズイ。高木なので山野で上の方を見ながら歩いていると見つけられます。
クサギ
- 学名:Clerodendrum trichotomum
- 科名:シソ科
- 分類:落葉低木
- 花期:7月~8月
- 果期:10月
クサギという名前の由来は葉や枝を折ると臭いがするから臭木。秋につける実は宝石のような美しさです。
コナラ
- 学名:Quercus serrata
- 科名:ブナ科
- 分類:落葉高木
- 花期:5月~6月
- 果期:9月~10月
コナラの実はドングリの中の1種。落葉する少し前からたくさんのドングリを実らせます。
サンキライ(サルトリイバラ)
- 学名:Smilax china
- 科名:サルトリイバラ科
- 分類:落葉つる性木本
- 花期:4月~5月
- 果期:11月~1月
サンキライ(サルトリイバラ)は赤い実が可愛らしいつる植物です。トゲがあるので、枝を触るときには注意しましょう。
- サンキライ(山帰来)は、日本全国の山地に自生するつる性の落葉低木。つるにはトゲがあり、葉の付け根から巻きひげが出ます。節ごとに茎がジグザグに折れ曲がりながら近くのものに絡みついて伸びます。猿がトゲだらけのつるに絡まって捕まってしまうことをイメージして、猿捕茨(サルトリイバラ)とも呼ばれています。切り花では、トゲの無い品種も出回っています。 4月~5月頃に若葉と同時に淡い黄緑色の花が咲きます。雌雄異株で、雌株と雄株が近くに無いと結実しません。葉は先がとがったタマゴ形。長さは約5cmほどで、固く丈夫で光沢があります。実は直径1cmくらいの丸い形をしていて、数個がまとまってつきます。赤い実が有名ですが、熟す前の5月~8月頃の実は爽やかな緑色の瑞々しい状態で、水揚げが必要な切り花としてお店に並んでいます。10月~11月頃には赤く熟し、ドライフラワーとしてクリスマスやお正月の飾り付けなどに用いられます。枝をくるくると丸めていき、何ヵ所かワイヤーや紐などでとめるだけで簡単にリースが作れます。 サンキライ(山帰来)は性質が強く、一度植えたら自然に生長してつるを伸ばします。地植えにすると、地下茎で増えてあちこちから芽を出します。庭などに地植えする場合は、地下茎で増えても良い場所をしっかりと見極めてから植えましょう。鉢植えで育てても、こぼれ種で違う場所から芽が出ることがあります。トゲがあるので剪定や誘引などをする時は、トゲが刺さらない手袋をするようにしましょう。 山帰来とは「山から帰って来た」という意味で、諸説ありますが、昔は根茎を生薬として使ってきた歴史があったり、山で病にかかった人がこの実を食べて元気に帰ってきたことから、そのような名が付いたと言われています。また、古くから西日本では、サンキライ(山帰来)の丸い葉は餅やだんごなどを包む葉としても使われてきたそうです。
シキミ
- 学名:Illicium anisatum
- 科名:マツブサ科
- 分類:常緑高木
- 花期:1月~3月
- 果期:10月~11月
シキミの実はハーブのスターアニスによく似ています。似ていますがシキミの実は有毒なので食べないようにしましょう。
ノイバラ
- 学名:Rosa multiflora
- 科名:バラ科
- 分類:落葉低木
- 花期:5月~6月
- 果期:9月~11月
秋に赤く熟すノイバラの実は小さく控えめな可愛らしさです。
オトコヨウゾメ
- 学名:Viburnum phlebotrichum
- 科名:レンプクソウ科
- 分類:落葉低木
- 花期:4月~5月
- 果期:10月~11月
オトコヨウゾメは秋に赤い実を付ける落葉低木です。
カクレミノ
- 学名:Dendropanax trifidus
- 科名:ウコギ科
- 分類:常緑低木
- 花期:7月~8月
- 果期:11月
黒い実が特徴的なカクレミノは常緑なので目隠しとしても好まれます。
シルバープリベッド
- 学名:Ligustrum sinense ‘Variegatum’
- 科名:モクセイ科
- 分類:常緑低木
- 花期:5月~6月
- 果期:10月~12月
シルバープリベッドは春に香りの良い白い花を咲かせ、秋には黒い実を実らせます。
シルバープリペット(シルバープリベット)
- シルバープリペット(シルバープリベット)は、斑入りの葉が美しい、モクセイ科の常緑から半落葉低木です。一般的に「シルバープリペット」の名前で流通していますが、本来は「シルバープリベット」が正しい発音です。 斑入りの小さな葉と、華奢な枝を放射状に広げる樹形が人気で、庭木や植え込みに多用されています。斑の色は白というよりクリーム色に近く、グリーンの部分も色が淡いので、周囲の景色と馴染みやすい樹木です。春から初夏には白い香りの良い小花を咲かせます。 非常に生育旺盛で生長が早く、放っておくと3mくらいにまで生長します。あまり大きくしたくなければ、適宜剪定をしましょう。花後に剪定をせずに放っておくと結実し、黒く小さな実をブドウのように枝の先にたわわに実らせます。
冬に実のなる木9種
ソヨゴ
- 学名:Ilex pedunculosa
- 科名:モチノキ科
- 分類:常緑高木
- 花期:5月~6月
- 果期:10月~12月
ソヨゴは秋から冬に真赤な実を実らせます。
クロガネモチ
- 学名:Ilex rotunda
- 科名:モチノキ科
- 分類:常緑高木
- 花期:6月
- 果期:11月~12月
クロガネモチは上の枝の方に赤い小さな実を実らせます。
- クロガネモチは関東以西の山林に自生する常緑高木です。公園や街路樹、庭などあらゆる場所で利用されています。秋から冬にかけて、たわわに実る真っ赤な実の季節はとても目を引きます。色彩の少なくなる冬に真赤な果実を付けることと、葉が常緑であることのほか、名前が「苦労のない金持ち」を連想させるとして、縁起の良い庭木としても人気があります。 クロガネモチの葉は5~10㎝と大きめで光沢があり、よく繁ります。初夏に小さな白、あるいは薄紫色の花を咲かせますが、高木で上のほうの枝に咲くため目立ちません。雌雄異株なので実の観賞を楽しむのであれば雌株を選ぶ必要がありますが、市販のクロガネモチは一つの木に雌雄の枝が接ぎ木されていることがほとんどです。購入前に確認するようにしましょう。
ネズミモチ
- 学名:Ligustrum japonicum
- 科名:モクセイ科
- 分類:常緑高木
- 花期:5月~6月
- 果期:11月~12月
ネズミモチは光沢のある葉と黒い実が特徴的な庭木です。
ピラカンサ
- 学名:Pyracantha
- 科名:バラ科
- 分類:常緑低木
- 花期:5月~6月
- 果期:11月~2月
ピラカンサは枝の先に赤い実をたわわに実らせます。
ピラカンサ
- ピラカンサは庭木や生垣として人気のあるバラ科の常緑低木です。春の終わりから初夏には小さな真白な花を枝いっぱいにたわわに咲かせます。秋から冬にかけては枝をしなるらせるほどにたくさんの果実を実らせます。あまり手をかけずとも毎年結実してくれるので、庭木として人気の樹種です。枝には細かいトゲがあり、常緑ということもあって、生垣として利用されることも多々あります。 ピラカンサというのは、ピラカンサ属の樹木数種類を指して使われる呼称です。赤い果実を付けるトキワサンザシ(Pyracantha coccinea)の他、黄色い果実のタチバナモドキ(Pyracantha angustifolia)などがあります。
ヤブコウジ
- 学名:Ardisia japonica
- 科名:サクラソウ科
- 分類:常緑低木
- 花期:7月~8月
- 果期:10月~1月
ヤブコウジは樹高10~30cm程度の低木で、秋から冬に赤い実を付けます。
セイヨウヒイラギ
- 学名:Ilex aquifolium
- 科名:モチノキ科
- 分類:常緑低木、高木
- 花期:5月~6月
- 果期:11月~1月
クリスマスの頃に赤い実を付けるのは、このセイヨウヒイラギです。
センリョウ(千両)
- 学名:Sarcandra glabra
- 科名:センリョウ科
- 分類:常緑低木
- 花期:6月
- 果期:11月~1月
センリョウ(千両)はお正月飾りに欠かせない冬に実を付ける庭木です。
- センリョウ(千両)は、山林の湿った半日陰地に自生し、晩秋に赤い実をつけるセンリョウ科の常緑低木です。極端な乾燥には注意が必要ですが、丈夫で育てやすい樹木です。 初夏に新梢の先端に穂状に小さく黄緑色の花が咲いたあと、直径5~6mmのツヤツヤした実をつけ、晩秋に赤く熟します。別名「草珊瑚(クササンゴ)」と呼ばれるほど鮮やかな色合いの実は、花が少なくなる冬に、庭木として明るい彩りを添えてくれます。 古くからナンテン(南天)やマンリョウ(万両)とともに縁起の良い木として親しまれ、お正月用の生け花の花材にも使われてきました。全国の花の卸売市場では、12月の半ばごろ、年に一度「千両市」というセリが行われ、そこで仕入れたセンリョウ(千両)が12月後半から店先に並びます。 センリョウ(千両)は、もともと仙蓼(センリョウ)と呼ばれていましたが、江戸時代に千両へと変わりました。その理由は、同じ赤い実をつける縁起の良いマンリョウ(万両)に似ているものの、マンリョウ(万両)より実つきが少ないためセンリョウ(千両)と呼ばれるようになったと言われています。
ナンテン(南天)
- 学名:Nandina domestica
- 科名:メギ科
- 分類:常緑低木
- 花期:6月~7月
- 果期:11月~2月
ナンテン(南天)はその名前から難を転ずると言われ、縁起物とされている庭木です。
- 南天(ナンテン)は、赤い実がお正月の花材として欠かせないメギ科の常緑低木で、古典園芸植物の一つです。日本では関東以西で自生し、栽培も容易です。初夏に白い花が開花しますが、一般的には赤い実の季節の冬が鑑賞期で、もっとも目立つ時期です。 南天(ナンテン)は、冬でも濃い緑が茂る様子や赤い実をつける特徴から縁起物として好まれ、古くから魔除け、厄除け、無病息災を願い、多くの家庭で栽培されてきました。 和名の「南天」は、難を転じる「難転」や「成天」の意味合いで、不浄をはらうために玄関やお手洗い、鬼門と呼ばれる方角に方位よけとして植えられるようになりました。 南天(ナンテン)は観賞するだけでなく、実を焼酎、氷砂糖とともに漬け込んだ南天酒は咳止めや喉の痛みなどの民間薬として利用されてきたほか、「南天のど飴」として販売されています。 お赤飯や煮物、魚など、料理の上に乗せられる南天(ナンテン)の葉は、縁起物としてだけではなく、防腐や殺菌を目的として使われています。
マンリョウ(万両)
- 学名:Ardisia crenata
- 科名:サクラソウ科
- 分類:常緑低木
- 花期:7月~8月
- 果期:11月~2月
マンリョウ(万両)はお金にちなんだ名前から縁起が良いと言われている庭木です。
実のなる木は、食べられるものや見て美しいものなど様々です。気になる木は見つかりましたか。一年を通して実のなる木はたくさんあります。お散歩しながら実のなる木を探す楽しみが増えますように。
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