朝顔(アサガオ)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- 朝顔(アサガオ)
- 学名
Ipomoea nil
- 英名
- Japanese morning glory
- 和名
- 朝顔
- 科名
- ヒルガオ科
- 属名
- サツマイモ属
- 原産地
- 中央~熱帯アメリカ
朝顔(アサガオ)の特徴
朝顔は、菊や花菖蒲などとともに古くから庶民の間で親しまれ栽培されてきた花です。特に、江戸時代になって青色以外に白、紫、紅色などの色変わりが増えて観賞用の栽培が広まったそうです。
花の形は円錐形で、ラッパの先端のように開きます。朝顔は朝に咲くイメージがありますが、実は午前2時頃からほころび始め、午前4時頃までに開き終わると言われています。これは、朝顔の蕾は日中に太陽の光を浴びて、日没で暗くなってから9時間ほどで開花するという性質によるものです。ほとんどの花は、咲いたその日の昼頃までにはしぼんでしまいます。花がしぼむときは、内側に籠る様にして閉じていきます。
江戸時代の育種により、朝顔の変異体である「変化朝顔(ヘンカアサガオ)」が誕生しました。つるが伸びない「木立」、細かいひだ状の花弁が細く筒咲の「南天」など、葉や花の形が違う様々な変化朝顔が栽培されていました。
朝顔(アサガオ)の詳細情報
園芸分類 | 草花 |
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草丈・樹高 | 2~3m(品種による) |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 青、紫、白、ピンク、茶色、複色 |
開花時期 | 7月~9月 |
朝顔(アサガオ)の種類
変化朝顔・木立
茎がつる状に巻かずに、まっすぐに伸びる変化朝顔。「つるなし」と呼ばれることもあります。
西洋アサガオ・ヘブンリーブルー
一般的な朝顔と比べると咲き始めが遅く、8月頃から霜が降りる頃まで青い花を次々と咲かせる朝顔。葉は丸葉。生育が良いため「緑のカーテン」にも適している品種です。
モミジバアサガオ(宿根アサガオ)
一般的な朝顔と違い夕方まで開花し、モミジバヒルガオ、モミジヒルガオという名でも呼ばれ、切れ込みのあるモミジのような葉をしています。
朝顔(アサガオ)の歴史
朝顔は古典園芸植物(伝統園芸植物)と言われており、その古典園芸植物の中でも唯一の一年草です。江戸時代に一大ブームを巻き起こした朝顔は、一年草という特徴から他の古典園芸植物よりも多くの品種を作り出しました。愛好家の中で品種を競う「朝顔番付」も関西や関東で盛んに品評会が開催された記録が残っています。
遺伝子の法則も植物の受粉の仕組みも解明されていない中で、朝顔は愛好家たちのもと、特殊な栽培技術で数千種類にも及ぶバリエーションが生み出されました。
こんなにも日本人に愛された朝顔ですが、原産地は日本ではありません。奈良時代に中国からもたらされたと言われる朝顔は、当時は薬草(下剤)として持ち込まれました。そのうちに、花が美しいことから観賞用にも栽培されるようになりました。
現在朝顔の属するヒルガオ科サツマイモ属は、中央から熱帯アメリカが原産地であると言われています。
日本で栽培されているアジア産の朝顔と、それ以外の朝顔では花芽のできる日長感受性に違いがあり、メキシコ原産の朝顔は夜に咲く品種もあります。
アジア系統の朝顔は冬を過ごさなければならないため、種子を残そうとして日が短くなると花を咲かせる短日性の植物として変化を遂げました。
朝顔(アサガオ)の花言葉
朝顔(アサガオ)の種は硬実種皮
朝顔の種は「硬実種皮」で、種皮が硬く水分を種子の内部になかなか浸透させないため、発芽しにくい性質をもっています。そのため、発芽させるためには「芽切り」という種に傷をつける処理が必要です。
種苗会社で販売されている種には芽切り処理済みのものがあるため、種袋を確認しましょう。
芽切り作業の後の傷が見えます。
朝顔の種の芽切り方法
1.芽切りをしていない種は、ヤスリを使って芽切りをします。まずは、朝顔の種の「へそ」を見つけましょう。
2.へその背中側の部分を芽切りします。
3.ヤスリを使いましょう。
4.へその背中側の部分が、白くなるまで削ります。
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朝顔(アサガオ)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
肥料 | ||||||||||||
開花 |
朝顔(アサガオ)の栽培環境
日当たり・置き場所
朝顔は日当たりを好むので、1日中、日が当たる場所に置きます。
温度
朝顔の生育適温は、20~25℃位です。気温が十分に上がってきた時期に種をまきましょう。
用土
朝顔は、有機物の多い土を使うとよく育ちます。市販の草花用培養土を使ってもよいでしょう。
朝顔(アサガオ)の育て方のポイント
水やり
朝の涼しい時間帯にたっぷりと水を与えます。真夏の植物なので、水切れを起こさないように注意します。夕方になって水切れを起しているようなら、涼しくなってから再び水やりをしましょう。
肥料
元肥として緩効性肥料を土に混ぜ込みます。
追肥を行うタイミングは生長期、開花期に適宜行うとよいでしょう。
病害虫
ホコリダニが葉裏に発生することがあります。葉が縮み、生長しなければホコリダニが付着している可能性が高いです。見つけたら、葉裏に水をかけるなど早めに対処しましょう。
朝顔(アサガオ)の詳しい育て方
選び方
ポットの底から根が見える苗は元気な証拠です。葉は緑色で生き生きとした色のものを選びましょう。葉が黄色いものが多い苗は、弱っている可能性があります。
種まき
1. 深さ1.5cmほどの穴をあけます。(人差し指の第一関節より少し短い位)
2.芽切りした部分を上に向けて土に埋めます。
3.朝顔は発芽するために最適な温度があります。そのため、十分暖かくなった5月中旬~6月頃に種をまくとよいでしょう。
朝顔の発芽適温は20~25℃です。霜に当てることは、絶対に避けましょう。
植え付け
鉢植えの場合は、本葉が3~4枚になったら鉢に植え付けます。行灯作りの場合は、支柱を用意しましょう。
地植えの朝顔は、つるがまきつけられるようなネットを設置してください。苗を敷き詰めて植えるとつる同士が絡まって上手く生長しません。
仕立て方
切込み(盆養)仕立て
茎を切り込んで脇芽を伸ばし、背丈の低い盆栽のように作る仕立て方。
最初の摘心で2本の子づるを、2回目の摘芯で3本の孫づるを残し、蕾の付き方を見て孫づるの芯止めをします。脇芽が伸びてきたら、2回目、3回目の摘心を行います。摘芯の作業は経験によりますが、鉢の上で花を咲かせることが良いとされています。
数咲き作り
5輪以上の花を同時に咲かせる仕立て方。切込み(盆養)仕立てと同じように切り込みますが、いっぺんに多くの花を咲かせる仕立て方です。
本葉が増えてきたら6枚目までを残して摘芯し、3~5枚目の葉から出た子づるのみを伸ばします。子づるが10cm程度まで伸びたら、子づるの葉の2枚目と3枚目の間で摘芯します。さらに子づるから孫づるが伸びて蕾をつけたら、蕾を2、3個残して孫づるの先端を切ります。支柱などを使ってつるが放射線状になるように固定して花を咲かせます。
行灯仕立て
つるを3本の支柱にらせん状に絡ませて行灯のように仕立て上げていく方法。最も初心者向きな仕立て方です。
1本の親づるをそのまま伸ばして仕立てる方法と、本葉が5~7枚程度になったら摘心して子づるを伸ばし、子づるが伸びてきたら勢いの良いものを残して他の芽は摘み取って残ったつるを伸ばして仕立てる方法、子づるを更に摘芯して孫づるを伸ばす方法などがあります。
本づる仕立て…親づるをそのまま伸ばす。
子づる仕立て…親づるを摘心して子づるを伸ばす。
孫づる仕立て…親づると子づるを摘心して孫づるを伸ばす。
らせん仕立て
鉢の中心に支柱を1本立て、支柱の根元に針金を巻き付け、上から見て半時計回りになるように下から上に向かって針金で支柱の周りに大きく円を描くようにぐるぐると伸ばしてらせん状にします。支柱の上まできたら、支柱に針金を巻き付けて完成です。
仕立て方は、行灯仕立てに準じます。
摘芯(摘心)・摘果
朝顔はつるを伸ばして生長しますが、そのまま伸びていくと「頂芽優勢」といって、植物の頂点の芽の生長がわき芽の生長よりも優先されるため、花数もつるの数も増えなくなり、ボリュームの少ない朝顔になってしまいます。そのため、摘芯することでわき芽や花数を増やします。
朝顔の摘芯方法
1.本葉が10枚ほどになったら、新芽をハサミか爪で切り取ります。
2.その下から出てくるわき芽を3本ほど伸ばしましょう。
3.生長した脇芽から、さらに脇芽が出てきます。摘芯することで花がたくさんつきますが、早い時期に花をつけすぎるとつるの伸びが悪くなります。ある程度つるの生長度合いを見ながら、脇芽の摘芯をしましょう。
植え替え・鉢替え
朝顔は一年草のため、特に植え替えの必要はありません。
花
7月~9月に開花します。ひとつひとつの花は一日花です。
収穫
朝顔の種は黒くて小さな粒です。花が終わり、何もない緑色の蕾だけが残ります。その内側に種が生成され、熟していくのです。採取のタイミングは緑が茶色に変化し、がくが反り返ったころです。内側から黒い種が見えてくると、中から種を取り出すことができます。
冬越し
朝顔は冬前までの一年草です。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
朝顔は種で増やします。