暑くても長持ち!?形も色も様々なケイトウの魅力
清水ヨシミ
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ケイトウには様々な形や色があります。カラフルで鮮やかな色は夏でも長持ちし、ドライにもなるんですよ。今回はいろいろな種類のケイトウのご紹介と、生け方、ケイトウをメインにしたスワッグの作り方をご紹介します。
目次
ケイトウとは?
科、属名…ヒユ科、ケイトウ属(セロシア属)
分類…草花/一年草
原産地…アジア、アフリカ、アメリカの熱帯域
開花期…7月~11月頃
花色… 黄、オレンジ、赤、ピンクなど
花言葉…「おしゃれ」「風変わり」
「Celosia(セロシア)」という学名は、ギリシャ語の「keleos(燃やした)」が語源です。炎のような鮮やかな花色がもとになっています。「ケイトウ」と言う和名は漢字で「鶏頭」と書き、字の通りニワトリのトサカに似ていることからつけられました。英名の「cookscomb」も同じくニワトリのトサカという意味で、トサカに見えるのは世界共通だとわかりますね。
日本には奈良時代に中国を経由して伝わり、「韓藍(からあい)」という名前で万葉集にも詠まれています。1200年以上も前から親しまれている花なんですね。
色づいている部分は花弁ではなく茎が変形した花序(かじょ)で、その付け根付近に花が咲きます。写真の丸で囲まれている部分にあるものが花です。
花が咲き終わると乾燥し、中に種ができます。切花で売られているものにも種がついていることがあります。
1ミリにも満たない小さな黒い種です。
▼ケイトウの詳しい説明、育て方はこちら
ケイトウのいろいろな種類
トサカ系(C.argentea var.cristata)
鶏頭の名の通りニワトリのトサカのような形の、ケイトウらしいケイトウです。一枚の花序が扇形に広がっています。
横から見ると平たさが分かりますね。
上から見た写真です。今回のケイトウはヒダの多いものでしたが、ヒダの量や扇形の開き具合は種類によって差が大きいです。
少しわかりにくいですが、茎部分は平たい三角形をしていることが多いです。
クルメケイトウ(C.argentea var.cristata’kurume’)
トサカ状の花が折り重なって球状になる種類です。漢字では久留米鶏頭と書き、九州の久留米地方に由来すると言われています。ケイトウらしいはっきりした明るい色に加えて、近年ではニュアンスカラーのものも増えてきました。
上から見た写真です。細かい毛がたくさんあり、布のように見えますね。触り心地も布のように柔らかく、温かみがあります。
裏側にも毛があります。葉は花に近くなるにつれて小さくなっていきます。
花序は1つの塊のように見えますが、実は何枚かに分かれています。
今回用意したケイトウは葉や茎まで赤みがあり、緑からのグラデーションが美しかったです。着色したものではないのにこのような色になるなんてすごいですね。
ウモウケイトウ(C. argentea var.plumosa)
羽毛のようなフワフワした柔らかい質感のケイトウです。赤、ピンク、オレンジ、黄など明るい色のものが多いです。
よく見ると小さな房が茎の先端に向かっていくつも繋がっているんですね。房の根元には葉が生えています。
さらにアップにすると小さな房の中でも細かい毛が生えているのがわかります。
セロシア(ヤリゲイトウ、ノゲイトウ)
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お花屋さんではセロシアという名前で出回っていることが多いですが、セロシアもケイトウの一種です。槍のように尖った形が名前の由来であるヤリゲイトウ(C.argentea var.childsii)や、ノゲイトウ(C.argentea)などがあります。
ケイトウの生け方
カットの仕方と生け方について
茎はどこを切っても大丈夫です。茎が柔らかく潰れやすいので鋭角ではなく、まっすぐよりはやや斜め程度に切ります。
半分より下の葉、花瓶の中に入ってしまう葉は取り除きましょう。
水の量と水換えについて
茎が腐りやすいので夏場は5センチ~茎が長くても10センチ程度の浅めの水に生けます。
ケイトウは頭が重いので、安定感、重さのある花瓶に生けましょう。
夏場は水が濁りやすく、雑菌が繁殖すると茎が腐りやすくなるため毎日水を換えましょう。毎日換えるのが難しい場合は切花用の鮮度保持剤も効果的です。鮮度保持剤を使った場合は水が濁ってきたら交換しましょう。
水換えの時に茎の先を1センチ程度切り戻すと切り口が新鮮になり水の吸い上げが良くなります。茎が黄色くなり柔らかくなってしまっていたら腐ってきているので、その部分は全てカットした方がいいです。
ケイトウをメインにしたスワッグの作り方
使用した花材
ケイトウ3種…色、形が異なるものを選びました。
リモニウム…今回使用した花材で一番小さい花です。周りにふんわりと添えるとボリューム感と軽さが出せます。
センニチコウ1…ファイヤーワークスという名前の、苞(ほう=花弁のような部分)が長いタイプです。センニチコウもケイトウと同じヒユ科です。
センニチコウ2…ニュアンスカラーのケイトウの横に添えるために淡い色の小花を加えました。
モナルダ…縦に長く連なって花が咲くので手前に入れると華やかさが加わります。個性的な咲き方もポイントになりますね。
ユーカリ…ポポラスという丸く大きい葉が特徴のユーカリです。全体的に葉が少ないので追加しました。
作り方
下準備
リモニウムは使いやすい大きさに分けておきます。
モナルダ、センニチコウ、ユーカリは下の方(下から1/3程度まで)の葉は取り除きましょう。
準備ができたらさっそく束ねましょう
軸になるリモニウムを手に持ちます。
花を入れていく順番は作りやすい順で構いませんが、スワッグを作る場合は後ろの長い花から順に重ねていくと作りやすいことが多いです。
メインの花は真ん中付近の目立つ位置に置くようにするといいですね。
後半は全体のバランスも見ながら束ねていきます。
完成です。麻ひもなどで掴んでいる部分を留めましょう。乾燥すると茎が細くなるのできつめに結びます。
直射日光の当たらない、風通しの良い所に吊るしましょう。
▼ドライになる花から選んでアレンジしてもいいですね
日頃あまり注目されにくいケイトウですが、様々な種類や用途がある魅力的な花ですね。夏の暑い時期に活躍するのはもちろん、秋の草花やダリア、菊ともよく合います。旬の夏から秋にかけて、ケイトウをメインにお花を飾ってみてはいかがでしょうか。
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