春の訪れを感じさせてくれる枝もの!アオモジ
金子三保子
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枝一面に鈴なりに小さな緑色の粒々のつぼみをつけるアオモジ。年末あたりから2月ごろにかけて花屋さんに出回る枝ものです。
アオモジはとても長持ちして、つぼみから開花まで長く楽しめて春の訪れも感じさせてくれます。春ならではの生花も素敵な花が豊富に出回る時期ですが、枝ものをお部屋に飾ると、開花や芽吹きなど、花とは一味違った季節を感じられるインテリアにもなります。
春を告げる花、アオモジの特徴と枝ものの扱い方をご紹介します。
目次
アオモジって?
アオモジは主に西日本が自生地のクスノキ科の落葉樹です。アオモジという名前の他に、「ショウガの木」という別名もあります。また、地域によっては「卒業花」という名前で呼ばれる場合もあり、これはアオモジの開花時期がちょうど卒業式のころの3月に咲き誇ることからだそうです。
花屋さんに生花として出回る流通名はアオモジ。年末から2月頃に出回る枝もの花材で、お正月の花あしらいや、春を表現する生け花などにもよく使われています。枝一面に青い実のような粒をたくさんつけた状態で販売されます。
粒々はアオモジのつぼみ
初めてアオモジの実を見る方は、花の後の実と思ってしまう方もいるかもしれませんが、この青い小さな粒々は、アオモジのつぼみ。この粒々がはじけるように開き、アオモジの花が開花します。
アオモジは香りもあり、花の後の果実を原料とした精油(エッセンシャルオイル)もあります。精油としての名前は、「メイチャン」や「リッツェアクベバ」という名前で売られています。アオモジの精油の香りは、レモンやレモングラスに似た香りと表現され、とても爽やかな香りの精油です。
アオモジは、生花の状態では生けているだけでは香りはしませんが、つぼみをつぶしてみると、柑橘系のさわやかな香りがします。
花や実など植物は、フレッシュの状態とドライの状態だと香りがかなり変わります。香りに興味がある方は、つぼみを潰してみたり、アロマショップでアオモジの精油の香りも体験してみてください。
つぼみがはじけて開花
つぼみの状態のアオモジは青っぽい緑色。しばらくすると、つぼみの色が黄緑っぽくなって、はじけるように開花します。
枝にびっしりとついたアオモジの青緑のつぼみがなんだか全体的に黄色っぽくなってきたな……と思ったら、まもなく開花の合図です。
開花したアオモジ
アオモジの花の特徴
アオモジは雄花と雌花が違う植物で、花屋さんに出回るのは雄花です。このアオモジの花は、ひとつのつぼみの中に複数の花が咲くという、とても面白い特徴があります。
アオモジのつぼみの状態の時の青い皮の部分は、ガクではなく苞(ホウ)と呼ばれるものです。
青緑色の実のようなつぼみが開花直前になると黄緑になり、苞がはじけて複数の花が顔をのぞかせます。アオモジの花色は一般的には薄い黄色と表現されることが多いですが、たくさんのめしべが黄色いので黄色く見えます。白い花なのか黄色い花なのか、ちょっと表現しづらいアオモジの花色です。
アオモジは枝にきちんと水があがっていれば花の開花まで楽しめます。とても小さな粒から可愛らしい花が咲いた時は春の訪れを感じてしまいます。
アオモジは葉より先に花が咲くタイプの落葉樹。葉っぱはちょうど一番花が咲くころに芽吹いてきます。生けていると、一番花、芽吹きなど、春の訪れを感じさせてくれる枝ものです。小さな春を味わえますね。
アオモジの枝の扱い方
枝は一文字か十文字に
細い枝については、一般的な花を切るときのように枝を斜めに切って生けます。これは切り口の断面積をなるべく大きくして、できるだけたくさんの水を吸い上げさせるためです。
アオモジは水揚げがよいのでこれだけでも十分ですが、細めの茎は一文字、太い枝は十文字に切れ込みを入れると、より水の吸い上げがよくなります。
アオモジは長持ちしてつぼみから開花までの様子を楽しめて、開花や芽吹きなど春の訪れも感じさせてくれます。
季節で家具を変えるのは難しいですが、枝ものは季節感のあるインテリアとして、お部屋のイメージチェンジにもなります。春を感じる枝ものをお部屋に飾ってみませんか。
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