秋に使いたい「吾亦紅(ワレモコウ)」の生け方や花あしらい
大野茜
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吾亦紅(ワレモコウ)は8月のお盆が過ぎたあたりから生花市場には秋を告げる花として流通し始めます。古くから生け花などで親しまれてきた可愛らしい吾亦紅(ワレモコウ)を暮らしに取り入れてみませんか。
目次
吾亦紅(ワレモコウ)の特徴
沢山に枝分かれしたその先に赤い穂をつける吾亦紅(ワレモコウ)。夏の厳しい暑さが落ち着いて、心地よい涼しさを感じられる頃に里山や草原などの日当たりの良い場所で見つけることができます。
花にしては独特なフォルムをしていますが、枝の先に穂のような形で小さな花が詰まっています。通常花は下から上に咲きあがることが多いのですが、吾亦紅(ワレモコウ)は上から下に咲き進んでいく有限花序という咲き方をします。また、あずき色に色づいた花は花弁ではなく葉が変形した萼となります。枝の節目から伸びる葉は楕円形で鋸状のギザギザした形をしています。秋を代表する花として生け花では古くから生けられてきたもので、吾亦紅(ワレモコウ)を見るだけで秋を感じる方も少なくはありません。
吾亦紅(ワレモコウ)の種類や流通について
吾亦紅(ワレモコウ)の種類は
吾亦紅(ワレモコウ)はバラ科のワレモコウ属です。種としては2cmから7cmほどの花穂をつけるナガボノワレモコウ、若い葉を食用とするサラダバーネットが有名です。
吾亦紅(ワレモコウ)の流通している品種
普段私たちが花屋さんなどで目にする吾亦紅(ワレモコウ)の約85%は在来種になります。濃いあずき色で輪数がより多くつくように品種改良された’朝霧’や、ナガボノワレモコウの品種で’アイズオトメ’なども流通しています。
早切りをしてしまうと水揚げが悪くなるので、花穂が十分色づいてから切ると切り花として長く楽しめます。また、流通している品種は早生種などもあり、秋の花として知られていますが7月頃から少量ながら流通することがあります。流通は9月のピークを迎え10月頃にはほぼ終了となります。
古くから親しまれてきた吾亦紅(ワレモコウ)
吾亦紅(ワレモコウ)は「吾亦紅」、「吾木香」などと書かれているのをよく目にすると思いますが、漢名は「地楡」という字をあてます。奈良時代のころは根を乾燥させ止血などに用いる生薬として「地楡」として知られていました。平安時代には紫式部が「物げなき風情とわれもこう」と源氏物語の中で綴っていることもあり、地楡に代わりその名を吾亦紅(ワレモコウ)に定着させたと言われています。
他にも、花に見える4つの萼が木瓜紋が4つに割れたように見えることから「割木瓜」、花の見た目が坊主の頭のように見えることから「坊主花」、花によくトンボが止まることから「蜻蛉花」などと呼ばれます。様々な呼び方で多くの人たちに親しまれてきたことが伺えます。
\吾亦紅(ワレモコウ)の楽しみ方いろいろ/
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