ノウゼンカズラ|花の特徴や種類、植えてはいけない理由とは?
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夏に色鮮やかな花を咲かせるノウゼンカズラの特徴や種類、剪定のコツ、さらにノウゼンカズラを庭に植えてはいけない理由や植える時の注意点など。ノウゼンカズラについて詳しく紹介します。
目次
ノウゼンカズラとは?基本情報
- 植物名:ノウゼンカズラ
- 学名:Campsis spp.
- 科名:ノウゼンカズラ科
- 属名:ノウゼンカズラ属
- 分類:木本性つる植物(落葉)
- 花期:7月~9月
ノウゼンカズラの花の特徴
ノウゼンカズラは、盛夏の強い陽射しの下で、オレンジや赤の鮮やかな花を咲かせます。花はラッパのようなフォルムで、基部は筒状、花びらは5裂して開いています。長く伸びた枝の先に、大きな花をいくつも咲かせる姿は、南国を思わせるような華やかさがあります。
ノウゼンカズラは茎の節から細かい気根を出し、ラティスやアーチ、壁などに絡みついて生長し、民家の塀や垣根を乗り越えるようにして咲き誇ります。ノウゼンカズラは夏の花ですが、耐寒性が強く、冬は落葉して越冬するので、庭植えで毎年花を楽しめます。
ノウゼンカズラを漢字で書くと?
ノウゼンカズラは漢字で「凌霄花」と書きます。中国語が由来だと言われています。漢方ではノウゼンカズラの花や葉、根などを乾燥させたものを凌霄花といいます。
ノウゼンカズラの英語の名前
ノウゼンカズラの英名を紹介します。
- Trumpet creeper(トランペットクリーパー)
- Trumpet vine(トランペットバイン)
creeper も vine も、つる植物を意味する英語です。トランペットのような花を咲かせるつる植物ということのようです。
欧米でも温暖地では Trumpet creeper(トランペットクリーパー)や Trumpet vine(トランペットバイン)という表記で植栽されています。
こんなにある!ノウゼンカズラの種類
ノウゼンカズラには大きく分けて、中国原産のノウゼンカズラと北アメリカ原産のアメリカノウゼンカズラの2つがあります。さらに交雑種や園芸種などがあります。それぞれを紹介します。
ノウゼンカズラ
- 学名:Campsis grandiflora
オレンジ色の大きな花を咲かせる中国原産のノウゼンカズラです。ノウゼンカズラの花色はオレンジ、朱に近い赤などがあります。学名のgrandifloraは大きい花という意味です。
アメリカノウゼンカズラ
- 学名:Campsis radicans
北アメリカ原産のアメリカノウゼンカズラは、中国原産のノウゼンカズラに比べ花は4㎝程度と小ぶりで、花数が多いのが特徴です。
アメリカノウゼンカズラ・フラバ
- 学名:Campsis radicans ‘Flava’
アメリカノウゼンカズラの園芸種で明るい黄色の花を咲かせます。
カンプシス・タグリアブアナ ・マダムガレン
- 学名: Campsis x tagliabuana ‘Madame Galen”
ノウゼンカズラとアメリカノウゼンカズラの交雑種で、2種の中間といったサイズの花を咲かせます。濃いオレンジ色の花が印象的です。
ピンクノウゼンカズラ
- 学名:Podranea ricasoliana
ピンクノウゼンカズラはノウゼンカズラ科パンドレア属のつる植物です。ノウゼンカズラに似たピンク色の花を咲かせることから、ピンクノウゼンカズラという名前で流通しています。明るく優しいピンク色が可愛らしい花です。
ヒメノウゼンカズラ
- 学名:Tecomaria capensis
ヒメノウゼンカズラはノウゼンカズラ科テコマリア属のつる植物です。ノウゼンカズラやアメリカノウゼンカズラに比べて葉も花も小ぶりです。花色は明るい黄色やオレンジ色があります。ノウゼンカズラに似た花を咲かせることからヒメノウゼンカズラと呼ばれます。
ノウゼンカズラを植えてはいけない理由とは?
ノウゼンカズラは植えてはいけないという話を耳にします。ノウゼンカズラを植えてはいけないと言われている理由と、上手な植え方や注意点を紹介します。
ノウゼンカズラを植えてはいけないと言われる理由
ノウゼンカズラは茎から気根を出して壁や塀を這うように生長していくつる植物です。この気根が建物の外壁を傷めるのではないか、というのが敬遠される理由の一つです。
もう一つは生育旺盛で根を伸ばし株で生長する上に、こぼれ種からも発芽します。ノウゼンカズラを庭に植えると予想以上に大きくなってしまう、植えた覚えがないところからも増えた、などというのがもう一つの理由です。
ノウゼンカズラの上手な植え方と注意点
ノウゼンカズラは気根を出して生長すること、さらに生育旺盛で大きくなることが植えてはいけないと言われている理由でした。実際は、ノウゼンカズラは決して庭に植えてはいけない植物ではありません。植える場所に注意して、きちんと管理をすれば問題なく育てられます。
ノウゼンカズラを庭に植えるなら、あまり大事な建物や外壁の近くには植えないようにしましょう。ラティスやフェンスなど絡ませていいものの近くに植えれば安心です。大きくなり過ぎて困るようなら、適宜剪定をしてサイズの管理をするようにしましょう。
ノウゼンカズラの特性を知って、上手に育てましょう。
ノウゼンカズラの育て方
ノウゼンカズラの用土、植え付け
ノウゼンカズラは保水性、水はけ、共に良い場所を好みます。水はけが悪いようであれば、赤玉土を混ぜ込むなど、土壌改良をしてください。太陽が大好きで、一日中日が当たるような場所を好みます。日当たりの良い場所に植え付けましょう。
ノウゼンカズラの水やり
ノウゼンカズラの水やりは、植え付け時から根付くまではたっぷりと与えるようにしましょう。根付いてからは夏の乾燥機でも特に水やりの必要はありません。
ノウゼンカズラの肥料
植え付け時に元肥をすき込めば十分です。特に施肥の必要はありません。花数が減ってきたと思ったら、12~2月に寒肥として緩効性肥料を適宜施します。
ノウゼンカズラの病害虫とその対処法
目立った病害虫の被害はありません。春から初夏に稀にアブラムシが発生することがあります。見つけ次第捕殺するか、数が多ければ薬剤を散布します。
ノウゼンカズラの剪定
ノウゼンカズラの剪定時期
剪定は落葉している冬の間に行いましょう。春の新芽が出てくる前、2月くらいまでに済ませましょう。
ノウゼンカズラの剪定のコツ
ノウゼンカズラの剪定は、整枝も兼ねて、太く充実したつるを3~4節残す程度に強く切り戻します。ノウゼンカズラは春に伸びたつるの先に花を咲かせます。新芽が出てくる前に剪定を済ませるのがコツです。
暑い夏の盛り、太陽に負けないくらい明るいオレンジや赤の花を咲かせるノウゼンカズラ。鮮やかな色の花は真青な空によく似合います。枝いっぱいに溢れるように咲き誇るノウゼンカズラを育てて、夏らしい雰囲気を楽しんでみませんか。
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