グリーンカーテンとは?作り方とおすすめの植物10選

山田智美
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グリーンカーテンにチャレンジしてみませんか?グリーンカーテンのメリットや効果、すぐに始められる簡単なグリーンカーテンの作り方、グリーンカーテンにおすすめのつる植物とおすすめの理由まで。
グリーンカーテンを始めてみたい方、グリーンカーテンに興味のある方、ぜひ参考にしてください。
目次
- グリーンカーテンとは?
- グリーンカーテンのメリットと効果
- グリーンカーテンの作り方
- グリーンカーテンに向いている植物とは?
- 野菜のグリーンカーテン!おすすめの種類4選
- 花のグリーンカーテン!おすすめの種類7選
- とっても簡単なグリーンカーテン作りを楽しみましょう
グリーンカーテンとは?
グリーンカーテン、または緑のカーテンとは、つる植物を絡ませてカーテンのように仕立てることを言います。植物で作るグリーンのカーテンだから、グリーンカーテン。シンプルでわかりやすい呼び名です。
グリーンカーテンのメリットと効果
グリーンカーテンは主に夏、陽射しが強い時期に作ります。窓の外にグリーンカーテンを設置することで、室内に入ってくる直射日光を遮ることができます。グリーンカーテンによって日陰になるので、室内の温度が下がるという効果があります。日本では昔から夏には葦簀(よしず)や簾(すだれ)を設置して暑さを和らげる工夫がされてきました。グリーンカーテンはその現代版という感じでしょうか。
グリーンカーテンで窓辺を覆うことで壁面緑化の効果もあるので、景観の美化というメリットが得られます。さらに、室内にいながら森に来ているような心地好さを得られるというメリットもあります。
グリーンカーテンの作り方
実際にグリーンカーテンを作ってみましょう。グリーンカーテンの作り方を紹介します。
用意するもの
- ネット
- 支柱
- プランター
- 培養土
- 鉢底石
ネットの上部は物干し竿など、足元はプランターに固定します。購入前に高さを計測しておきましょう。
グリーンカーテンの作り方
プランターに鉢底石を敷き、その上に培養土を入れます。
ネットに支柱を通し、動かないように固定します。この支柱がネットを支える役割を果たします。ネットがたわまないように、支柱は間隔を空けて何本かセットしてください。
物干し竿にネットの上部をしっかりと固定します。緩んで外れることがないようにワイヤーや結束バンドなどで何ヶ所か固定します。
支柱の根元をしっかりとプランターに埋め込んで固定し、最後にプランターにグリーンカーテンにしたい植物を植えたら出来上がりです。
植え付け直後はたっぷりと水やりをしましょう。植物が生長してネットに絡みついていけば、ネットの強度も上がります。
グリーンカーテンに向いている植物とは?
ゴーヤ
グリーンカーテンは夏の強い陽射しを和らげるためのもの。春や秋、冬は日光を室内に取り入れたいのであれば、一年中グリーンを絶やさない常緑植物は向きません。また、夏が終わったら片付けることを考えると多年草も不向きです。ただし、冬は落葉するつる性の植物であれば、夏はグリーンカーテンとして利用し、冬は日光を室内に取り入れることもできます。
夏だけのグリーンカーテンに向いているのは、暑さに強いつる性一年草です。夏の暑い盛りに繁茂して気温が下がってくると自然に枯れていく一年草であれば、夏が終わって片付けることになってもそれほど罪悪感を感じずに済みます。
夏だけのグリーンカーテンにしたいのか、それとも通年のグリーンカーテンにしたいのか……それぞれの住環境に合った植物を選びましょう。
野菜のグリーンカーテン!おすすめの種類3選
せっかくグリーンカーテンを作るなら、食べられる植物を植えてみませんか?収穫の楽しみまで味わえます。グリーンカーテンにおすすめの食べられるつる性一年草を紹介します。
ゴーヤ
- 科名:ウリ科
- 分類:つる性一年草(熱帯地域では常緑)
ゴーヤはレイシ、ニガウリとも呼ばれるウリ科の植物です。濃いグリーンの表面にボツボツとした突起のある沖縄料理で人気の野菜です。
葉は大きく薄いので、日光をしっかり遮り風を通します。実付きもよいので夏の間は何度も収穫を楽しめます。完熟するとグリーンからオレンジ色に変わります。完熟したゴーヤの種は、周りのゼリー状の部分を舐めると甘く果物のようです。
ゴーヤ
- ゴーヤの正式和名は「ツルレイシ」といいますが、沖縄本島では「ゴーヤー」、宮古島では「ゴーラー」、八重山地方(石垣島や西表島など)では「ゴーヤ」、九州では「レイシ」「ニガゴリ、ニガゴイ」などと呼ばれており、本州などでは「ニガウリ」とも呼ばれています。 テレビ番組をきっかけに全国的に普及し、ゴーヤという名前で親しまれるようになりました。独特な苦味のあるゴーヤは、暑い地域の夏バテ解消のメニューとしても全国的に有名です。 ゴーヤのグリーンカーテン 家庭菜園としてゴーヤを育てる以外にも、つる性植物の特性を利用して夏の緑のカーテンとしても人気のゴーヤです。 ネットに絡ませてカーテンやシェード風に仕立てるゴーヤのグリーンカーテンは、緑の森の中にいるような気分を味わえるだけでなく、室温を下げる効果もあり、暑い夏を乗り切るための人気のガーデニングアイテムになります。
キュウリ
- 科名:ウリ科
- 分類:つる性一年草
キュウリはウリ科の一年草です。通年スーパーや八百屋さんの店頭で見かけますが、夏の野菜です。キュウリは実が小さいうちにつるが巻きつくと、捩じれたようになったり、くるくると渦巻のようになったりと、不思議な形になります。これもキュウリの自然な姿なので、そのまま楽しんでみましょう。
気になる場合はこまめにつるを誘引して実に巻き付かないようにしてください。
キュウリ(胡瓜)
- キュウリはつる性の植物で、そばにあるものに巻き付くように伸びて生長していきます。未熟果を収穫する野菜のため、関東地方では5月初旬に植えつけると、6月には収穫時期を迎え、代表的な春夏野菜の中では一番最初に収穫できる野菜です。種から育てても、収穫するまでの日数は2か月間位しかかかりません。果実の生長は著しく、1日で3cm以上も大きくなるため、採り遅れると巨大化してしまいます。 キュウリの外側の表面の白い粉のようなものは、ブルームといって乾燥や雨などからキュウリを守るために自然にできた物質です。最近のキュウリの品種は、このブルームがあまりない、艶々のキュウリが市場に多く出回っています。 キュウリの歴史は3000年ほど前と言われており、日本では1000年前から栽培されていたとされています。そんな歴史あるキュウリも、切り口が徳川家の葵の紋に似ていたことから江戸時代には大変不人気の野菜だったそうです。
パッションフルーツ
- 科名:トケイソウ科
- 分類:つる性一年草(熱帯地域では多年草)
パッションフルーツはトケイソウ科のつる植物です。南国のイメージが強い果物ですが、日本でも結実します。
濃いグリーンの光沢のある葉と変わったフォルムの花が特徴的です。色濃く厚みのある葉が、しっかりと日光を遮ってくれます。
結実したパッションフルーツの重みでネットがたわんでしまうので、しっかりと誘引しておきましょう。
花のグリーンカーテン!おすすめの種類7選
花咲くグリーンカーテンを作ってみましょう。部屋を涼しくしてくれる上に、見ているだけで癒されます。グリーンカーテンにおすすめの花や実がきれいなつる性一年草を紹介します。
朝顔
- 科名:ヒルガオ科
- 分類:つる性一年草
朝顔は日本の夏を代表するつる植物です。早朝に開花し、昼には閉じてしまいます。朝顔の花色は多様で、目の覚めるような濃い紫もあれば、桜を思わせるようなピンク色、また目に涼やかな水色などもあります。何色かの朝顔を混植して、色のグラデーションを楽しむのも素敵です。朝顔の花が見たくて、早起きするようになるかもしれません。
朝顔(アサガオ)
- 朝顔は、菊や花菖蒲などとともに古くから庶民の間で親しまれ栽培されてきた花です。特に、江戸時代になって青色以外に白、紫、紅色などの色変わりが増えて観賞用の栽培が広まったそうです。 花の形は円錐形で、ラッパの先端のように開きます。朝顔は朝に咲くイメージがありますが、実は午前2時頃からほころび始め、午前4時頃までに開き終わると言われています。これは、朝顔の蕾は日中に太陽の光を浴びて、日没で暗くなってから9時間ほどで開花するという性質によるものです。ほとんどの花は、咲いたその日の昼頃までにはしぼんでしまいます。花がしぼむときは、内側に籠る様にして閉じていきます。 江戸時代の育種により、朝顔の変異体である「変化朝顔(ヘンカアサガオ)」が誕生しました。つるが伸びない「木立」、細かいひだ状の花弁が細く筒咲の「南天」など、葉や花の形が違う様々な変化朝顔が栽培されていました。
バタフライピー
- 科名:チョウマメ科
- 分類:つる性一年草(熱帯地域では常緑)
バタフライピーは、チョウマメ、クリトリアとも呼ばれるチョウマメ科のつる植物です。夏の青空のような真青な花色が魅力です。
バタフライピーの花を煎じてバタフライピーティーにすると、真青なきれいなお茶が出来上がります。透明ガラスのカップで楽しんでみてください。
バタフライピー(チョウマメ、クリトリア)
- バタフライピーは、東南アジア原産のマメ科のつる性のハーブです。花の形が蝶に似ていることから和名では「蝶豆(チョウマメ)」と呼ばれています。最近、メディアでバタフライピーの美容や健康効果が紹介され、一気に人気になったハーブのひとつです。 原産地では多年草扱いですが、冬の寒さに弱いため日本では一年草として扱われています。暑さにとても強く、真夏でもつるをぐんぐんと生長させ、たくさんの花を咲かせます。この性質からグリーンカーテンの素材としても使われ、明るい緑色の美しい葉と青い花のグリーンカーテンは、日を遮るだけでなく、夏の庭を明るくしてくれます。 バタフライピーの花の青にはアントシアニンという天然の青い色素が含まれています。お茶として煎じるときれいな青いお茶になります。ハーブのマロウティーと同じく、レモンなどの酸性の液体を垂らすと青からピンクに変化します。また、バタフライピーの若いさやも食べることができます。花はフレッシュでもドライでも利用することができますが、一日花なのでフレッシュとして使う場合は日々摘み取る必要があります。
フウセンカズラ
- 科名:ムクロジ科
- 分類:つる性一年草
フウセンカズラは名前の通り、小さな風船のような実をつけるつる植物です。夏の暑さに強く、よく繁茂します。葉は薄く軽やかで風を通します。
フウセンカズラの実は秋になると茶色く熟します。熟したフウセンカズラの実を割ると、中には黒字にベージュのハート柄の小さな種が数粒入っています。この種にペンでちょんちょんと点を二つ描くと、サルの顔のようで可愛く見えます。
オキナワスズメウリ
- 科名:ウリ科
- 分類:つる性一年草
オキナワスズメウリは夏から秋にかけて直径2~3㎝の実をつけるつる植物です。オキナワと名前についている通り、暑さに強いのが特徴です。
オキナワスズメウリの実には縦に白い筋が入っています。若い実はグリーン、熟すに従って赤く変化していきます。オキナワスズメウリの実は茎ごとドライフラワーにして数か月楽しむことができます。
ルコウソウ
- 科名:ヒルガオ科
- 分類:つる性一年草
ルコウソウは小さなラッパのような形状の花を咲かせる一年草のつる植物です。花色は赤、白、オレンジ、ピンクなどがあります。葉は糸のように細く、鳥の羽のように華奢で小さいので、風をよく通します。
ドリチョス・ラブラブ
- 科名:マメ科
- 分類:つる性一年草(熱帯地域では多年草)
ドリチョス・ラブラブは紫色の花を咲かせるマメ科の一年草です。花後に深い紫色のサヤを持つ豆ができます。グリーンの葉と濃い紫色の豆が印象的です。
ドリチョス・ラブラブは豆になった状態で切り花としても流通しています。
ヒョウタン
- 科名:ウリ科
- 分類:つる性一年草
ヒョウタンは変わったフォルムの実が印象的なウリ科のつる植物です。昔は中身をくり抜いて水筒として利用されていたようです。西遊記に登場する金角、銀角が持っていたのもヒョウタンでした。
ヒョウタンには様々な種類がありますが、なかでも千成ヒョウタンは実の大きさが10㎝足らずと小さいので、グリーンカーテンに向いています。
とっても簡単なグリーンカーテン作りを楽しみましょう
グリーンカーテンにしてみたい植物は見つかりましたか?夏の陽射しを遮ってくれて、見た目にも涼やかなグリーンカーテン。葉擦れの音がするたびに風を感じられ、葉の隙間から入ってくる木漏れ日にも癒されます。
室内で森の中にいるような気分を味わえるグリーンカーテンに、ぜひチャレンジしてみてください。
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