ヒメジョオン|花の特徴、ハルジオンとの違いと見分け方
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ヒメジョオンの花の特徴や咲く季節、よく似た花ハルジオンとの見分け方、名前の由来や貧乏草と呼ばれる理由など、詳しく紹介します。
目次
- ヒメジョオンとは?基本情報
- ヒメジョオンの花言葉
- ヒメジョオンの花の咲く季節
- ヒメジョオンの花の特徴
- ヒメジョオンの葉の特徴
- ヒメジョオンの名前の由来と漢字
- ヒメジョオンとハルジオンの違いは?
- ヒメジョオンは貧乏草?
- ヒメジョオンって食べられる?
- ヒメジョオンは外来種?
ヒメジョオンとは?基本情報
- 植物名:ヒメジョオン
- 学名: Erigeron annuus
- 科名、属名:キク科エリゲロン属
- 分類:越年草
ヒメジョオンの特徴
ヒメジョオンは、草丈30~60cmのキク科の越年草です。河原や空地、駐車場、庭や、道路脇、時にはアスファルトの裂け目からも伸びているのを見かけます。
花は直径2cm程度、一重の菊のような花でよく見ると可愛らしい花です。ヒメジョオンが分類されるキク科エリゲロン属には園芸用に改良されている品種もありますが、ヒメジョオンは繁殖力が強く、放っておくと増えてしまうため、雑草として扱われることがほとんどです。
ヒメジョオンの花言葉
ヒメジョオンの花言葉は「素朴で清楚」
花の雰囲気にちなんで付けられた花言葉です。
ヒメジョオンの花の咲く季節
ヒメジョオンの花の咲く季節は、5月~10月です。日当たりの良い場所では4月くらいから見かけることもあります。近縁種のハルジオンが3月くらいから咲き始め、遅れてヒメジョオンが咲き出します。
花期が長く、初夏から秋まで咲き続けるため、夏の花とも秋の花とも言い難いのがもどかしいところです。
ヒメジョオンの花の特徴
ヒメジョオンの花は、マーガレットのように花の中心が黄色く、周囲に細い花びらが放射状に広がる、キク科特有のフォルムをしています。花色は白、あるいは薄っすらとピンクを帯びたような白で、花の直径は2cm程度と小さな花です。ヒメジョオンの花に香りはありません。
野原でふいに出会うヒメジョオンは、楚々として可愛らしく、雑草と言ってしまうのは惜しいくらいの可憐な花です。
ヒメジョオンの葉の特徴
ヒメジョオンの葉の根生葉といわれる根本付近の葉は、楕円形で大きく切れ込みが入ります。茎に付いている葉には切れ込みはなく、柳の葉のような細長い形状をしています。あまり目立たない程度ですが、葉には細かい産毛のような毛が生えています。
ヒメジョオンの名前の由来と漢字
ヒメジョオンの名前の由来は、中国語で「ジョオン(女苑)」と呼ばれるヒメシオン(学名:Aster fastigiatus)という植物に似ていることから、ヒメジョオンという名前が付けられたとされています。
同じ理由から、ヒメジョオンは漢字で「姫女苑」と書きます。ジョオンに似ているからヒメジョオンです。時々混同してヒメジオンと呼ばれることもあるようですが、ヒメジョオン(姫女苑)と記憶してください。
ヒメジョオンとハルジオンの違いは?
ハルジオン
ヒメジョオンの近縁種にハルジオンという植物があります。この2種は非常に似ていて、区別が難しいと言われていますが、いくつかの特徴を覚えてしまえば容易です。ヒメジョオンとハルジオンの違いをまとめました。参考にしてください。
ヒメジョオンとハルジオンの見分け方
ヒメジョオンのつぼみ
ヒメジョオンの茎
- 開花期の違い:ヒメジョオンは5月~10月、ハルジオンは4月~7月
- 葉の違い:ヒメジョオンの葉は茎を抱かない、ハルジオンの葉は茎を抱くように付く
- 茎の違い:ヒメジョオンの茎の中は白い髄(ずい)が入っている、ハルジオンの茎の中は中空
- つぼみの違い:ヒメジョオンのつぼみはほぼ上を向く、ハルジオンのつぼみはうなだれている
見た目ですぐにわかる違いは、つぼみが上を向き、葉が茎を抱くように付いていたら、それはハルジオンです。さらに茎を折ってみて、白い綿のような髄が入っていたら、ヒメジョオンです。
ヒメジョオンは貧乏草?
ヒメジョオンやハルジオンには、「貧乏草」という残念な別名があるのをご存知ですか。私も子供の頃、ヒメジョオンやハルジオンを摘んだり、自宅に持ち帰ると貧乏になるという話を聞きました。これは俗説であり、実際に貧乏になるようなことはないので安心してください。ヒメジョオンもハルジオンも可愛いと思ったら、その気持ちのままに愛でて上げましょう。
ヒメジョオンが貧乏草と呼ばれる理由
ヒメジョオンが貧乏草と呼ばれる理由について、私が子供の頃に聞いた話です。
ヒメジョオンやハルジオンは繁殖力が強く、放っておくと繁茂してしまいます。このことから、貧乏で自宅の庭の手入れをする暇もないようなお家は、庭がヒメジョオンだらけになってしまうと言われ、貧乏草と呼ばれるようになったそうです。これはあくまで俗説であり、ヒメジョオンが生えているからといって、一概に貧乏な家と判断するのは軽率ですので注意しましょう。
ヒメジョオンって食べられる?
ヒメジョオンは食べられるのかというと、食べない方がいいと思います。ヒメジョオンを食用にするという話は聞いたことがありません。ヒメジョオンの茎は非常に固く、繊維質なので、食用には不向きであると考えられます。
ヒメジョオンは外来種?
ヒメジョオンは北アメリカ原産の外来種です。日本には大正時代に渡来し、現在では全国で見られる野草です。
繁殖力が強く、根も深く抜き取りが困難なことから、厄介な雑草として扱われています。ヒメジョオンはまだ若いうちにできるだけ早く抜き取るようにしましょう。生長してからのヒメジョオンは、抜き取ろうとしても途中で根が切れてしまい、切れた根からまた新芽が出てきて生長するといういたちごっこになりかねません。
ヒメジョオンに限りませんが、自宅の庭などに繁茂してほしくない野草が生えてきたら、種ができる前に抜き取ったほうがよいようです。
野原でふいに出会うヒメジョオンは楚々として可愛らしく、雑草と言ってしまうのは惜しいくらいの可憐な花です。ヒメジョオンに詳しくなって、ヒメジョオンをもっと身近に感じてください。
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