ヘビイチゴは食べられる?毒は?花や実の季節や特徴、似ている植物
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ヘビイチゴは食べられるのか、毒はあるのか、花や実の季節や特徴、名前の由来、似ている植物など。身近な場所で見かけるヘビイチゴについて詳しく紹介します。
目次
- ヘビイチゴとは?基本情報
- ヘビイチゴの花の季節と特徴
- ヘビイチゴの実の季節と特徴
- ヘビイチゴの名前の由来
- ヘビイチゴに似ている植物
- ヘビイチゴは食べられる?毒は?
- ヘビイチゴのジャムとは?
- ヘビイチゴはグランドカバーにもできる!
ヘビイチゴとは?基本情報
- 学名:Potentilla hebiichigo
- 科名、属名:バラ科キジムシロ属
- 分類:多年草
ヘビイチゴの特徴
ヘビイチゴは、バラ科の多年草です。森林、公園、空地、道端など、身近な場所で見かけます。葉は明るいグリーンで3枚、縁にギザギザとした切れ込みが入っています。食用になるオランダイチゴの葉を小ぶりにしたような可愛らしい葉です。桜が終わった頃に明るい黄色の可愛らしい花を咲かせます。花の後には、小さくて真赤な果実が実ります。
ヘビイチゴは草丈低く、地面を這うようにランナーを伸ばしていくのが特徴です。さらにこのランナーから根を出して増えていきます。地面一面を覆うように群生しているのはこのためです。
ヘビイチゴの花の季節と特徴
ヘビイチゴの花は、4月~6月頃に開花します。花の色は明るい黄色、花びらは5枚、花径は1~1.5㎝程度と小ぶりです。
地面を覆うように一面に広がったイチゴの葉の間にちらちら見える黄色の小さな花は、走り寄って行きたくなるほどの可愛らしさです。
ヘビイチゴの実の季節と特徴
ヘビイチゴの実の季節は、4月~6月です。花が散ってから数日で果実になります。花びらが散った後、ガク片が1度閉じ、段々と膨らんできたなと思っていると、中から真赤な可愛らしい果実が現れます。
果実は直径1~1.5cmと小さく、球形に近い形で、表面にはプツプツとした細かい突起があります。この突起はヘビイチゴの種です。ヘビイチゴはオランダイチゴと同じく、果実の中ではなく外側に種があります。
ヘビイチゴの果肉の部分は、淡いピンク色で中は白く、触るとふかふかとしています。真赤に色付いたヘビイチゴの果実は瑞々しそうに見えますが、水分が少ないのが実際です。
ヘビイチゴの名前の由来
ヘビイチゴの名前の由来にはいくつかの説があります。
ヘビが出そうな場所に生えているからヘビイチゴという説、またはヘビが食べるからヘビイチゴという説などがあります。他にも人間が食べるイチゴではないからヘビイチゴという説もあります。いずれにせよ、ヘビはヘビイチゴを食べません。
ヘビイチゴに似ている植物
ヘビイチゴに似ている植物をいくつかご紹介します。
ヤブヘビイチゴ
- 和名:藪蛇苺
- 学名:Potentilla indica
藪に生えているからヤブヘビイチゴというのが名前の由来です。花も葉もヘビイチゴによく似ていますが、果実の表面に光沢があるのが特徴です。
オヘビイチゴ
- 和名:雄蛇苺
- 学名:Potentilla anemonifolia
オヘビイチゴは湿地を好む多年草です。ヘビイチゴに似ていますが、葉は5枚、果実の色は赤ではなく茶色をしているので見分けがつきます。
シロバナノヘビイチゴ
- 和名:白花の蛇苺
- 学名:ragaria nipponica
シロバナノヘビイチゴはヘビイチゴに似ていますが、白い花を咲かせます。果実には光沢があり、小ぶりのイチゴといった見た目です。甘みがあり、食用にできます。
ヘビイチゴは食べられる?毒は?
真赤に熟したヘビイチゴの果実は、宝石のように可愛らしく、見るからにおいしそうです。ヘビイチゴは食べられるのでしょうか。
結論から言うと食べられません。正確には、食べることはできますが、人間が食用にするものではありません。なぜならば、おいしくもなんともないからです。
ヘビイチゴの味
子供の頃に興味本位でヘビイチゴの実を摘んで食べたことがあります。味は水分が少なくふかふかしていて、甘みも酸味も香りもなく、ぼんやりとしていました。もう一度食べたいと思うものではありませんでした。ヘビイチゴは食べても害はないけど、おいしいものでもありません。
ヘビイチゴに毒はありません
ヘビイチゴに毒はありません。それどころか、ヘビイチゴは、生薬や薬酒の原料にされているそうです。
ヘビイチゴのジャムとは?
ヘビイチゴでジャムを作ることはできるのでしょうか。答えは、作ることはできます。ただし、おいしいものかどうかはわかりません。
ジャムとは、果実に糖分を加えて煮詰め、濃縮させた保存食です。ヘビイチゴ自体に甘みも酸味も香りもないので、ジャムにしてもおいしいものは出来上がらないでしょう。
ヘビイチゴのジュース
せめてジュースにできないものかと、子供の頃に試したことがあります。ヘビイチゴの果実を摘んできて、よくつぶしてから砂糖水を加えて飲んでみました。ヘビイチゴには味はありません。よってヘビイチゴジュースの味は、砂糖水の味しかしませんでした。
ヘビイチゴの果実は、外側は宝石のようにきれいな赤色をしていますが、果肉は白です。水に溶かしても色水にもなりません。がっかりしたことを記憶しています。
ヘビイチゴはグランドカバーにもできる!
ヘビイチゴの地面を這うように生長する特性を活かして、グランドカバーにしてみませんか。ヘビイチゴは冬は地上部の葉を落として越冬する、多年草です。冬に葉が無くなりますが、春から秋の間は明るいグリーンの葉で地面を覆い隠してくれます。環境が合えば冬でも少しの葉が残ります。
半日陰でも育つくらい丈夫で、多少であれば踏みつけても枯れないくらいの強さもあります。普段立ち入らないお庭の中のデッドスペース、玄関アプローチの脇などにグランドカバーとしてヘビイチゴを植えてみてはいかがでしょうか。可愛らしい3枚の小葉、小さな黄色の花、その中に点在する宝石のような果実。見ているだけで楽しい気分になれるグランドカバーです。
ヘビイチゴは鉢植えでも育てられる!
ヘビイチゴは鉢植えでも育てられます。育て方は簡単。園芸用培養土を使用して鉢に植え付けるだけです。あとは表土が乾いたら水やりを行うようにしましょう。大した手間もかからず、毎年花を咲かせてくれます。
ヘビイチゴは横にランナーを伸ばして生長していく植物です。大きくなると鉢の縁からランナーがこぼれるように下垂し、地植えのものとは違う可愛らしさを見せてくれます。
食べることはできませんが、見ているだけでなんだかほっこりしてしまう可愛らしいヘビイチゴ。お庭に偶然生えてきたら、抜かずに育ててみるのも楽しいかもしれません。
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