サンキライ(山帰来) |実の季節や特徴、縁起物といわれる理由などを紹介
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赤い実がかわいいサンキライ(山帰来)の実の季節や特徴、サルトリイバラとの違い、ドライフラワーやリースの作り方、縁起物といわれる理由、育て方など、詳しく紹介します。
目次
- サンキライ(山帰来) とは?基本情報
- サンキライ(山帰来) とサルトリイバラの違いとは?
- サンキライ(山帰来)の実の季節と特徴
- サンキライ(山帰来)は縁起物?
- サンキライ(山帰来)のドライフラワーやリースの作り方
- サンキライ(山帰来)の育て方
サンキライ(山帰来) とは?基本情報
- 植物名:サルトリイバラ
- 学名:Smilax china
- 科名・属名:サルトリイバラ科シオデ属
- 分類:多年草
- 別名:サンキライ
サンキライ(山帰来) の特徴
サンキライのトゲ
サンキライは、正式な植物名をサルトリイバラというつる性の多年草。日本やアジアの山野に自生しています。
サンキライは、つるを伸ばして周囲に絡みつきながら生長するつる植物。枝は節ごとにジグザグと曲がるようなフォルムをしていて、細かいトゲがあります。葉は先端が尖った丸~卵型で、光沢のある明るいグリーン、縦にはっきりとした葉脈が走っているのが特徴です。春に小さな目立たない花を咲かせ、秋から冬に直径1cm程度の真赤な果実を数個実らせます。
新芽は食用になり、根は生薬、葉は餅を包むのに利用されるなど、昔からわたしたちの生活のなかで利用されてきました。赤く色づいた実は観賞価値が高く、生け花やフラワーアレンジメント、装飾などに利用されます。
サンキライは、葉の色やトゲの有無など、変異が多く見られる植物です。
サンキライ(山帰来)の花言葉
サンキライの花言葉は、「不屈の精神」「元気になる」
生薬として利用されてきたサンキライらしい花言葉です。
サンキライ(山帰来) とサルトリイバラの違いとは?
サンキライとサルトリイバラは、同じ植物を指します。正式な植物名は、サルトリイバラであり、サンキライというのは別名です。サルトリイバラは漢字で書くと「猿捕茨」、枝のトゲで猿を捕らえるからというのが由来だそうですが、この小さなトゲでは猿は捕まえられないのではないでしょうか。
サンキライという別名は、中国でサンキライと呼ばれている生薬ドブクリョウ(土茯苓)の代用品として扱われていたことが由来だとされています。
サンキライという名前は、サルトリイバラ(Smilax china)の別名として定着しているので、サンキライと呼んでも、サルトリイバラと呼んでも、間違いではありません。サルトリイバラという名前を覚えておくと、図鑑を引くときなどに役立ちます。
サンキライ(山帰来)の実の季節と特徴
サンキライの実がなる季節は、10月~11月です。サンキライは、4月~5月ごろにグリーンの小さな花を咲かせ、夏にはグリーンの果実が確認できるようになり、10月~11月に真赤に熟します。葉腋から伸びた茎の先に数個の実を付け、葉の間からぶら下がるような姿が特徴です。また、サンキライの実が赤く熟すころには落葉が始まるので、葉の少なくなった枝にぶら下がる真赤な果実は、藪の中で存在感を発揮します。
サンキライ(山帰来)の実は食べられる?
サンキライの赤い実に毒があるという話は聞きませんが、食用にしておいしいものではありません。興味本位で子供の頃に口に入れたことがありますが、甘くもなんともなく、水分も少なく、小さなタネが入っているので食感も悪かったように記憶しています。
人間がわざわざ食べるほどおいしいものではありません。鳥たちの秋から冬の貴重な食料となっているようです。
サンキライ(山帰来)は縁起物?
サンキライは、特に意味づけされた縁起との関連はないようです。ただし、冬の葉も花も少なくなった山林のなかで、真赤に色づくサンキライの実は美しく、観賞価値があったために年末年始の飾りに好まれました。クリスマスやお正月の飾りに赤い実と常緑の葉が好まれるのは、各国共通です。
また、生薬にされていたことや、花言葉の「不屈の精神」「元気になる」にちなんで縁起の良い植物だとする説もあります。
サンキライ(山帰来)のドライフラワーやリースの作り方
サンキライはドライフラワーにできます。サンキライの実は乾燥しても形が崩れず、赤い色も残るので、ドライフラワーにして長く楽しむことができます。
作り方はとっても簡単。水に浸けずにそのまま飾っておくだけです。特に細かな処理は必要ありません。実が赤く熟したサンキライの枝は、乾燥しやすく、型崩れも少ないので、吊るして乾燥させても、テーブルや棚に置いて乾燥させても、きれいなドライフラワーになります。
サンキライ(山帰来)のリースの作り方
切り花でサンキライの枝を手に入れたらリースにして飾ってみませんか。
まだ弾力性のある生の状態のサンキライの枝を、くるっと丸めて麻紐やワイヤーなどで結ぶだけで、赤い実がかわいいシンプルなリースの出来上がりです。そのまま壁やドアに下げて飾ることができます。枝が乾燥してしまうと、ぽきぽきと折れやすく、きれいに丸めることができなくなってしまうので、リースにするなら、乾燥させる前の生の状態で形作って、それから乾燥させるようにしましょう。
サンキライ(山帰来)の育て方
場所・用土
日当たりの良い場所を好みます。株元は日陰になっても上の方には日が当たるような場所を選びましょう。日当たりが悪いと実が付かなくなってしまいます。
用土は、市販の園芸用培養土で問題なく育ちます。山野の藪の中に自生しているような植物です。腐葉土を多めに混ぜ込んであげるのもよいでしょう。
水やり
地植は、根付いてからは特に水やりの必要はありません。降雨に任せます。
鉢植えは、表土が乾いたらたっぷりと水やりしてください。
肥料
植え付け時に元肥を入れておけば、特に必要ありません。
病害虫と対処法
特に目立った病害虫の被害はありません。
赤くころんと丸い実がかわいらしいサンキライ。色の少なくなった冬の森で一際目を引く存在です。サンキライの実はクリスマスからお正月の飾りまで活躍してくれる上に、ドライフラワーにして長く楽しむことができます。インテリアに取り入れて、植物のある暮らしを楽しんでください。
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