編集部のこぼれ種#58「2024年のバイカオウレンとセツブンソウに会えました♪」
とまつあつこ
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植物と一緒に暮らしているLOVEGREEN編集部の、何気ない出来事や発見、雑談などなど……日々の一部をふらっとのぞいてみてください。今日は、バイカオウレンとセツブンソウを見たくて高尾山さる園・野草園を訪れたお話です。
編集部のこぼれ種#26「牧野富太郎博士が愛した植物園|牧野記念庭園に行ってきました♪」
バイカオウレンは、早春に白い花を咲かせるキンポウゲ科の常緑多年草。連続テレビ小説「らんまん」の主人公のモデルとなった植物学者、牧野富太郎博士がこよなく愛した花として知られています。
昨年は開花のタイミングを逃してしまい、白い花びらが散って種のさやができた状態のバイカオウレンを愛おしく眺めました。
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今年は早春に咲くバイカオウレンをこの目で見たいと思い、東京近郊で咲く場所を探して苦戦していたことろ、植物好きの仲間が高尾山さる園・野草園のホームページの開花情報を見つけてくれました!早速行ってみることに。
フクジュソウ
休眠中の植物が多く、一見咲いている花はありません。でも、じっと目を凝らして地面を見てみると、春の訪れを知らせてくれる草花たちが動き出している姿が見えてワクワクしてきます。フクジュソウももうすぐ咲きそうでした。(^^)
バイカオウレンは咲いてる?咲いているよね?と少し不安になりながらも順路を進んで行くと、ひっそりと白い花を咲かせているバイカオウレンに出会うことができました!「心配しなくてもここにいるよ。」と言ってくれているように見えました。
花の大きさは直径1.5cmくらいで、草丈は10cmほど。可憐という言葉がとてもよく似合います。会えて感動しすぎて、みんなで悲鳴に近い歓声をあげてしまいました(笑)
バイカオウレンは、東北南部から四国の山林、雑木林に自生します。木漏れ日が差す明るい半日陰と豊潤な湿地を好む植物です。落葉樹の下がまさにぴったりで、夏は木陰で直射日光を避け、冬は落葉した木の下で太陽の光を浴びて花を咲かせます。
高尾山の野草園でも落葉樹の下でバイカオウレンがしっとりと咲いていて、もう少し暖かい日なら横に寝そべって何時間でもそばで見ていたいと思いました。
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順路をさらに進んで行くと、セツブンソウも見ることができました。セツブンソウは真冬に芽を出して早春に花を咲かせ、晩春に地上部は枯れて秋まで休眠してしまうので、地上に顔を出しているのは1年のうちで3か月ほど。花が咲くタイミングで出会えたのはとてもラッキーで嬉しかったです。ここで2回目の歓声があがりました。(^^)
花のすぐ下に、花を取り囲むように切れ込みの入ったシルバーグリーンの葉がついている姿も美しいです。
ふかふかの落ち葉の中から小さな茎を立ち上がらせて健気に咲く姿が、何とも可愛いらしい。まだ寒くて花の少ない早春に花を咲かせて春の訪れを教えてくれる小さな花を見ると、こちらも頑張らなくちゃと元気をもらえます。
▼セツブンソウについてはこちら
ユキワリイチゲも見つけました。曇りの日だったからか花が閉じていて残念でしたが、銅葉色の葉もきれいでした。次回は咲いている姿を見たいです。
野に咲く花には派手な美しさはありませんが、楚々とした可憐な可愛らしさ、厳しい自然環境を乗り越えて毎年花を咲かせる力強さ、見ている人の心を優しく穏やかにする魅力があります。
「植物を愛すれば、世界中から争いがなくなるでしょう。」牧野富太郎博士が口癖のように語っていたといわれる言葉です。野に咲く花がイキイキとしている姿を見ることができるのは、本当に幸せなことだなとつくづく思いました。
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帰りに、野草園でバイカオウレンの小さな苗を買って帰りました。またあの暑い夏が来ると思うと、無事に夏越しさせることができるか責任重大で連れて帰ってきたことを後悔する気分にもなるのですが、夏はなるべく涼しくて風通しの良い場所で育てて、来年花を咲かせることができるように挑戦したいと思います。
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