切り花のチューリップを長持ちさせる生け方や日々の管理のコツ!
金子三保子
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チューリップが開花するのは東京だと4月ごろの開花ですが、切り花のチューリップが豊富に流通する時期は12月~3月。実際にチューリップが開花する4月ごろは、花市場は春の花から初夏の花へと移行していきます。
春の花で誰もが知っている花と言えばチューリップ。最近の切り花のチューリップは多種多様な色や咲き方の品種が流通しているのをご存知ですか?今回は切り花のチューリップを長く楽しむための生け方や日々の管理のコツ、最近流通している切り花のチューリップの様々な咲き方をご紹介します。
目次
チューリップの性質
チューリップは春の球根花。太陽に敏感に反応する性質で、朝になり太陽が昇ってくると花びらが開き、夕方や曇りの日は閉じる動作を繰り返します。アネモネやラナンキュラスも同じ性質があります。
チューリップは生けてからも動きます!
チューリップは、切り花として根から切られてからも、動くし伸びる花です。
動き方は品種によって、垂れるものもあれば、立ち上がるものもあります。生けた翌日、まったく思いもよらない所に動いていたり・・・。はじめて切り花のチューリップを生けると、この性質にびっくりするかもしれません。自由に動く性質のチューリップを楽しんでみてください。
朝の閉じた状態のチューリップ
昼間の開いている状態のチューリップ
上のチューリップと同じ品種が昼間はこんな風に開き、夕方にまた朝の状態のように閉じます。
切り花のチューリップの選び方
新しい(若い)チューリップは、品種によって差はありますが、花の色が完全に出ていない状態の緑色であることが多いです。長持ちさせたいのなら、完全に色づいているものより色が出ていないものを選びましょう。
また、チューリップの花だけでなく、葉っぱがきれいかをチェックしてください。チューリップに限らず、葉っぱの状態で鮮度がわかります。新鮮なチューリップを選び、置き場所を考えれば切り花として1週間~10日は楽しめます。
切り花のチューリップの扱い方
チューリップに限らず、花瓶に切り花を生ける時には、水に浸かる部分の葉っぱは取り除きます。これは葉っぱが水に浸かっていると、水が腐りやすくなるためです。
写真のチューリップの*部分は、水に浸かる部分なので取り除きましょう。
取り除きました。
チューリップの水は浅水で生けましょう
浅水(あさみず)とは、花瓶に入れる水の量を少なくすることです。浅水に対して、花瓶深くまで水を入れることを深水(ふかみず)と言います。
チューリップをはじめとして、春の球根花の切り花は、みずみずしくて茎が柔らかいものが多いので、茎に水が浸かっている部分が多いと、花は元気でも茎が腐ってしまって折れてしまうことがあります。
これを避けるために、チューリップを生けるときには、花瓶には少なめの水を入れて茎が水に浸かる部分を少なくします。ただしチューリップは切り花になってからもとても水をよく吸う花なので、水が少なくなりすぎないようにしてください。
花瓶の水を清潔に保つためには、こまめに水を変えるか、無理なら切り花延命剤を利用します。切り花のチューリップは、新鮮なうちは茎を大幅に切り詰めない方が長持ちします。切り口が新鮮であればよいので、数ミリくらい切れば十分です。
チューリップの生け方
チューリップはどんな花瓶を選んだらいい?
他の花や葉っぱがなく、チューリップ1輪を生ける時は、口の細めの花瓶の方がチューリップが思ったところに定まってくれるので生けやすいでしょう。ただし、チューリップは茎が太い花なので、花瓶の口は茎の太さ以上のものを選びましょう。
チューリップはゆるやかにカーブしていることが多い花です。右に流れているものは右側に、左に流れているものは左に生けると、自然の流れを生かして生けることができます。自然の流れに逆らって生けようとすると、なかなか思うように止まってくれません。
たっぷりとたくさんの本数のチューリップを生けるときは、花瓶全体に流れを生かして生けてもきれいですし、あえて花瓶の片側だけに流れるように生けてもきれいです。チューリップは茎が太いので、どさっと花瓶に入れただけでも様になりやすい花です。春に花を豪華に飾りたい!なんて時は、チューリップを選んでみてはいかがでしょうか。
ただし、最初にご紹介した通り、切り花のチューリップは生けてからも動きます!生けた翌朝は、最初と違う方向に存在しているということもある花なので、少し手直ししてあげるとよいでしょう。パーティーなど、ここ一番という時にチューリップを飾りたいときは、この性質を考えて直前に生けたほうが良い花です。実話ですが朝一番のウェディングの装飾を前夜に済ませた翌朝、垂れるように生けこんだはずのチューリップが、全部立ち上がって青ざめたという話を聞いたことがあります・・・。
また、チューリップは切り花になってからも伸びます。最初に選んだ花瓶だとバランスが崩れてくることもあるので、伸びてきたら少し切り戻したり、短くして花瓶も変えてアレンジしなおしてみたりと楽しんでみてください。
ヒヤシンスやアネモネ、ラナンキュラス、クリスマスローズ・・・など、同じ季節の春の花と一緒に生けてもかわいいですね!
生けたチューリップを飾る場所は?
チューリップは光と温度に敏感に反応する性質のため、暖房のきいた部屋に置くと一気に開きます。長持ちさせたい場合は、気温が低めの部屋に飾ることをおすすめします。
ただし、自由に動いて楽しそうな感じがチューリップという気もするので、どれくらい長持ちさせたいかを考えて置き場所、保管場所を決めてください。
桃の花とチューリップ
変った咲き方、珍しい色のチューリップ!
ユリ咲きのチューリップ(赤い花)
ユリのような咲き方、花びらがとがっています。普通のチューリップに比べると大人っぽい雰囲気です。
シックな色のチューリップ
ほとんど黒に近い色のチューリップ。こちらはパステルトーンの花と合わせていますが、単体で見るとかっこいいチューリップです。黒花はチューリップに限らず、最近人気の色です。あわせる色によって、かわいくも男前にもなります。
八重咲きのチューリップ
中央のマム(キク)の周りに生けてある紫色の花もチューリップです。花びらが八重咲きの品種です。
オレンジ系のチューリップや春の花いっぱいのアレンジメント。
チューリップの伸びやかさを生かしてみました。
▼いろいろなチューリップの咲き方をご紹介しています。
切り花のチューリップを花屋さんで見ることができるのは3月までです。中には、え!これがチューリップ?というものもあります。
お気に入りのチューリップを見つけて、お部屋に飾って一足早く春を感じてみませんか。
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