エディブルガーデン12か月|10月の作業

古幡真恵
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illustration:小野寺 葉月
エディブルガーデンとは?
野菜や果樹、ハーブなど食べられる植物を取り入れ、育てて収穫を楽しむことができる庭や菜園のことを意味します。
今年から家庭菜園を始めようとしているみなさんと一緒に楽しいエディブルガーデン作りを始めましょう。
さあ、エディブルガーデン12か月の始まりです!
目次
- 二十四節気〜10月は寒露・霜降
- 家庭菜園〜10月の作業
- いちごにおすすめのコンパニオンプランツは?
- いちごの伸びてきたランナーはどうするの?
- いちごの収穫後の株はどうするの?
- 10月にまいてほしい野菜の種
二十四節気〜10月は寒露・霜降
〜寒露〜
葉に冷たい霜がつき、秋の深まりを感じさせます。木々の紅葉が始まり、美味しい木の実や果物の収穫が食欲の秋をいっそう楽しませてくれます。
〜霜降〜
自然も私たちも、徐々に冬支度を始めます。風が冷たい、秋の深まりです。
9月のおさらい
・9月にまける種
・秋冬野菜植え付け後の注意と対策
・9月の要注意害虫
・害虫を寄せ付けないための対策
家庭菜園〜10月の作業
真っ赤な粒が可愛い「いちご」は、親株からランナーを伸ばし、子株、孫株と株を増やしながら、越冬して実を付ける多年草の植物です。園芸店などで販売されているいちごの苗は、植え付けてから実がなるまで半年ほどの長い期間を必要とします。来年の春お家でいちご狩りができるように、10月の作業はいちごの植え付けをスタートしましょう。
いちごの苗の選び方
illustration:小野寺 葉月
1. 葉が青々としているもの
葉がうどん粉病などの病気にかかっていると、白く粉を吹いたようになっています。綺麗な青々としたいちごの苗を選びましょう。
2. ランナーの切り残しがあるもの
ランナーとは、親株から伸びたツルのようなもののことです。
なぜこのランナーがあるといいのか?
それは、この親株から伸びたランナーの向きと反対方向にいちごの花房が出るので、このランナーがあることで日当たりやいちごが収穫しやすいように工夫することができます。
3. 病害虫被害のないもの
新芽にアブラムシなどがついていませんか?
苗の底や株元にナメクジはいませんか?
4. クラウンの部分がしっかりしているもの
クラウンとは、根元にある王冠に似た部分です。このクラウンを埋めないように気を配りながら植え付けます。
いちごの植え付けのポイント
illustration:小野寺 葉月
Point① 親株から伸びているランナーを北側に向けて植える
→いちごの花や実はランナーの反対側につく性質があるため、南側に十分な光を当てることができます。
この親株から伸びたランナーの向きと反対方向にいちごの花房が出るので、苗を購入して植え付けるときは、ランナーを北側に向けてると花や実に光を当てることができます。
Point② 浅植えにする
→生長点でもあるクラウンを埋めてしまわないようにするためです。
しかし、いちごの根は浅く広がっていくために、極端な浅植えにしてしまうと根が乾燥してしまいますので注意しましょう。
Point③ 多畝(たかうね)にして、マルチや敷きわらをする
→いつもより高さのある畝をを作り、マルチや敷きわらをすることで、いちごの実を傷つけないようにします。
収穫できるまでのいちごの生育
植え付けたいちごが、収穫できるようになるまでの生育の様子と育て方をご紹介します。
10~12月
この時期のいちごは、しっかりと根を伸ばしながら葉を増やし、苗に栄養を溜め込みます。
・水やり
気温の低下とともに、いちごは休眠期に入ります。水をあげるときは、暖かい日の午前中に与えるなどの配慮をしましょう。
・黄葉取り
病葉や茶色くなって枯れた葉を順次取り除きます。
冬は寒さで葉が茶色や紫色になりがちです。クラウンの部分が元気ならば問題ありません。温かい春になれば、ぐんぐん生長しだします。
・肥料
1回目の肥料は、植えつけてから1か月後頃です。いちご用(野菜でも可)の肥料を施しましょう。
1~2月
休眠期に咲いたいちごの花は、地温の上昇で咲いたものです。しかし、このまま生育させても充分育ちません。休眠期が終わるまで咲いた花は摘み取りましょう。
・水やり
この時期は、いちごの休眠期です。引き続き水をあげるときは、暖かい日の午前中に与えましょう。
・黄葉取り
病葉や茶色くなって枯れた葉を順次取り除きます。
・肥料
この時期は特に必要ありません。
3月
休眠期が終わり、2月下旬~3月初旬頃花が咲き、実が膨らみ出します。この時期のいちごの花は、摘み取らないで、大きく育てましょう。
・受粉
いちごは自家受粉をして実のります。花はたくさん咲くのに実が大きくならない、いちごの実が奇形などの場合は、充分な受粉が行われていない可能性があります。筆で優しくいちごの花の中心をなでるように人工授粉で、いちごを実らせましょう。
・水やり
水は与えつつも、排水性の良い環境で育てましょう。
・黄葉取り
病葉や茶色くなって枯れた葉を順次取り除きます。
・肥料
2回目の肥料は、休眠期が終わった2月下旬~3月下旬頃に追肥を施します。これからの生育のための肥料ですので、忘れずに施しましょう。
・防鳥ネット
鳥につつかれないように、ネットをかけて鳥の被害を防ぎましょう。
4月
4月初旬
実はまだ青いですが、大きく育っています。
4月中旬
どんどんいちごの実が赤くなってきました。収穫まであと少しです。
・水やり
水は与えつつも、排水性の良い環境で育てましょう。
・黄葉取り
病葉や茶色くなって枯れた葉を順次取り除きます。
・肥料
3回目の肥料は、3月下旬~4月下旬頃に追肥を施します。収穫全盛期に向けての景気付けの追肥です。
5~6月
・収穫
存分にいちご狩りを楽しんでくだい。
いちごの練乳掛け、いちごを凍らせてスムージー、たくさん収穫出来たらいちごジャム、氷砂糖といちごで作る簡単シロップ、いちごの酵素ジュース…夢は無限に広がります。
イチゴ(苺)
- 甘くて美味しいフルーツとして人気のあるイチゴですが、じつは野菜の仲間です。「野菜とは草本性の植物」という意味で、イチゴはスイカやメロンと同様に苗を植えて一年で収穫することから一般的な野菜と同じ草本性として分類されています。 ハウス栽培が盛んで、夏の一時期を除いてほぼ一年中出回っていますが、春から初夏にかけてが本来のイチゴの旬です。 イチゴは、軸に近い部分より先端の方が糖度が高く、果肉の中心よりも表面の方が甘いとされています。ビタミンCや葉酸が多く含まれます。 イチゴの実と思って食べている部分は、花托(かたく)又は花床(かしょう)といって花の付け根の部分が発達して食用部となったものです。 イチゴの本当の実の部分はイチゴの「粒々(実)部分」です。ちなみに、イチゴを縦に切って、断面図を見てみるとこの粒々(実)部分に1本1本の筋が水分や栄養を送っているのが分かります。この粒々の中に種がありますので、種をまくときはこの粒々部分を土にまきます。 イチゴは、親株からランナーを伸ばし、子株、孫株と株を増やし、越冬して実を付ける多年草です。この親株から伸びたランナーの向きと反対方向にイチゴの花房が出るので、苗を購入して植え付けるときは、ランナーを北側に向けると花や実によく日が当たります。また、ランナーを通路側とは反対方向に向けて植え付けると、イチゴが収穫しやすいように工夫することができます。 イチゴの苗は、通常植え付けてから実がなるまで半年ほどの長い期間を必要とします。最近では、春と秋や、春、夏、秋の長い期間収穫できる二季なりや四季なり品種も流通しています。また、花色も白だけでなく、赤いミニバラのような花を楽しめる品種も出てきました。 現在食べられているイチゴは、近年の品種改良によるものですが、野生のイチゴは、はるか昔から世界的に食べられていました。 野イチゴの種類も豊富で、クサイチゴ、クマイチゴ、バライチゴ、モミジイチゴ、ナワシロイチゴなど。同じバラ科ですが、これらの野イチゴは全てキイチゴ属です。私たちが現在食べているイチゴは、オランダイチゴ属といいます。野生のイチゴとは違い、栽培された大粒のイチゴが江戸時代にオランダより持ち込まれました。
\いちごにおすすめのコンパニオンプランツは?/