梅雨時期に知っておきたい!それって本当に病害虫?植物の生理障害| エディブルガーデン6月の作業

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古幡真恵

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病気でも害虫でもない?生理障害の判断ポイント

イチゴ、生理障害

適した環境で育てると、植物の生理機能が正常に行われるので、植物は順調に生長します。
反対に植物が好まない環境で育てると、「生理障害」といって植物が育つ上で病気でも害虫の被害でもないのに、植物の生育に障害が出ます。

症状は葉脈や葉の縁、新芽や果実にあらわれやすい

それぞれの植物によって生理障害の症状はさまざまですが、特徴的な葉に出る症状は、葉脈や葉の縁側に影響が出やすいようです。

そのほかの部位では、いち早く新芽に症状が出やすかったり、果実で大きな影響が出るようです。

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私たちのせいかもしれない?生理障害の原因

肥料

梅雨などの自然現象が原因というよりも、特に家庭菜園初心者に多い間違った管理方法で植物が生理障害を起こすことがよくあります。

いつも心はからまわり…大切な気持ちで育てていることが、逆に植物にとっては良くない環境だったなんて悲しすぎますから、この機会に植物を育てる「良い加減」の感覚をつかみましょう!

生理障害を引き起こす間違いだらけの日頃の管理

適さない温度や光、土壌など、さまざまな環境が要因になり、植物は正常な生長・発育が行なわれなくなりますが、具体的に私たちが行う間違った管理方法とは一体どんなものでしょうか。

  1. 肥料の与え過ぎ、少な過ぎ
  2. 水の与え過ぎ、与えなさ過ぎ
  3. 直射日光に当て過ぎ、日に当たらな過ぎ

肥料・水分・日光など、植物にとって良い環境は「良い加減」が大切です。「過ぎない」日頃の管理は、植物をよく観察してあげること。よく見てあげることで、作物の状態が手に取るように分かってきます。

私が植物を育てるうえで「良い加減」の判断基準としているのは、私自身がその場所を心地よく思うか思わないかの感覚なんです。

例えば、植物の肥料は私にとっては食事の感覚です。運動する前やその後は栄養をとりたいと自然に思いますし、そうでないときは太っちゃうので少なめで良い(「太る」は植物の場合だと軟弱徒長に)。植物も実を大きくするときや花が咲いた後には、栄養となる肥料が必要だと思うでしょう。

水やりも同じです。私たちも暑い日はたっぷりの水を必要とします。熱中症にならないように、ときには体ごと濡らして暑さを乗り切りたいと思うこともありますが、一日中水に濡れているのは不快感しかありません。

そう考えると、「水が欲しいよ」「日差しが強過ぎるよ」そんな植物の声も聞こえてきそうですね。

 

▼夏の水やりについてはこちらの記事もご覧ください。

 

▼日当たりに合わせて育てる植物を選びたいならこちらの記事をご覧ください。

 

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原因別よくある5つの生理障害

栽培環境

家庭菜園において、起こりやすい主な生理障害を紹介します。

原因:1. 温度

生育適温といって、植物が過ごしやすく生育しやすい温度というものがあります。寒過ぎると生育が止まる原因になり、反対に高温では、花が咲かなくなったり実もつかないなど、収穫が楽しみの野菜にとってはダメージの大きい障害が出ます。

原因:2. 光

植物にはなくてはならない光は、強すぎるとかえって植物を痛め過ぎてしまい「葉焼け」の原因に。真夏の直射日光に耐えられない植物もあることを覚えておきましょう。

原因:3. 水分

水分管理ほど植物を育てる上で難しいものはないかもしれません。多過ぎると根腐れを起こし、カビ(糸状菌)などの病原菌の温床になってしまいます。反対に少な過ぎると植物は干からびてしまいます。

朝に与えた水が、夕方までに吸収するぐらいが水分のベスト!太陽の光のない、気温の下がる夜に土壌の水分が多いと、軟弱にヒョロヒョロと間延びしたように生長しやすくなります。

原因:4. 肥料の欠乏と過剰

肥料の3要素である「窒素・リン酸・カリ」は植物の生長に欠かせない養分ですが、多過ぎても、少な過ぎても植物の生育を阻害します。家庭菜園で特に欠乏・過剰の被害が大きく出る窒素について説明します。

窒素

窒素が欠乏すると、全体的に葉の色が緑色から黄色に変わります。特に葉や茎などの生育を鈍らせ、植物の草勢(そうせい)が衰えます。

窒素を多く与えると軟弱に徒長し、病害虫にかかりやすい状態になります。特に窒素を過剰に摂取した植物には、アブラムシがよってきやすいので注意が必要です。

原因:5. 微量要素肥料の欠乏と過剰

バランスよく肥料を与えていたと思っていても、土の状態によっては欠乏したり過剰になったりと予想外の状態になることも。家庭菜園でも起こりうる微量要素肥料が原因の生理障害について紹介します。

カルシウム欠乏

カルシウムが欠乏すると葉の縁が枯れたり、果実の尻が黒くなることがあります。なかでもトマトの尻腐れが有名です。
なぜ、カルシウムの欠乏が起こるかというと、単純に土中の(微量要素肥料の)カルシウムが少ないということもありますが、高温、強日射による蒸散不良、乾燥による水分不足、反対に土壌の過湿状態による根腐れが原因となってカルシウムが土壌から吸収できずに欠乏状態になることがほとんどです。

鉄欠乏

土壌中の(微量要素肥料の)鉄が欠乏すると「クロロシス」といって植物の上位の葉の周りから白化します。アルカリ性に傾くことでも、鉄欠乏の症状が出やすいので、植物を栽培する前の酸度調整はしっかり行いましょう。

マンガン

欠乏しても過剰になってもどちらも生理障害が出やすいのは「マンガン」という微量要素肥料です。
鉄欠乏と同じようにアルカリ性に傾いているとマンガン欠乏が発生しやすくなります。
マンガンが欠乏すると、下葉からクロロシス(白化)となり葉の色が抜けます。

反対に過剰になる要因として、酸性に傾いた土壌や過乾燥・過湿状態の土、土壌消毒による微生物の減少によってもマンガン過剰になり、植物の下葉から枯れだします。

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\夏野菜にありがちな生理障害/

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農業研究センターで6年間、大豆と稲の研究作物の栽培及び実験助手業務に従事。その後、屋上ガーデン・屋上菜園などの管理業務、エディブルフラワー事務局を経て、植物ライターに。植物・園芸サイトやフリーペーパーなどで活動。

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