月下美人(ゲッカビジン)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
月下美人(ゲッカビジン)
学名

Epiphyllum oxypetalum

英名
Queen of the night,Dutchman’s pipe cuctus
和名
月下美人
別名・流通名
月来香
科名
サボテン科
属名
クジャクサボテン属
原産地
中南米

月下美人(ゲッカビジン)の特徴

月下美人(ゲッカビジン)はサボテン科クジャクサボテン属の常緑多肉植物です。原産地は中南米で高温多湿を好み強い香りのある花を7~11月に咲かせます。花は夜から咲き始め朝には萎んでしまう一日花です。月下美人(ゲッカビジン)の花は1年に1度しか花が咲かないともよく言われますが、上手に育てられれば1年で何度も咲くことがあります。月下美人の栽培はやや難しく大株にならないと花が咲きません。

月下美人(ゲッカビジン)の詳細情報

園芸分類 サボテン、エピフィルム(クジャクサボテン)
草丈・樹高 1~2m程度
耐寒性 弱い
耐暑性 強い
耐陰性 弱い
花色
開花時期 6月~11月頃

月下美人(ゲッカビジン)の種類

姫月下美人

小ぶりな花を多数つける人気の品種です。この品種は次の日の日中まで開花した花がもつ花持ちの良さが特徴です。

満月美人

姫月下美人と原種の交配種です。花は原種よりやや小ぶりですが立派な花を咲かせます。

月下美人の香り

月下美人の別名は、「月来香(ゲツライコウ)」といいます。

月下美人の花からはとても強い香りが漂います。花が咲いている姿を見なくても、香りで咲いているのがわかるほどだと言われています。月下美人の花は夜に咲き、香りが漂ってくるということからこの別名で呼ばれているようです。

月下美人は、あまり日本ではなじみのない香りだとは思いますが、ヨーロッパでは香水としても利用されているようです。

月下美人は満月の夜に咲く?

月下美人は1年に1度花を咲かす、というような話が知られていますが、実際には株のもっている体力によって一年に咲く回数は変わります。うまく育てられれば年に3~4回花をつけることもありますが、1度も咲かないこともあります。

また、満月の夜や新月の夜に咲くから月下美人と呼ばれる、という話もありますが、月の満ち欠けと月下美人の開花に関係はありません。花の名前が「月下美人(ゲッカビジン)」や「月来香(ゲツライコウ)」というように、名前に「月」がつくところからこのように言われるようになったものだと思われます。

月下美人は食べられる

月下美人の花が閉じた後は、天ぷらやお浸しなどにして食べることができます。古くから薬用としても利用されていたようで、台湾では薬膳料理として食べられているようです。

月下美人は花だけでなく熟した実も食べることができ、実はほんのり甘くサクサクとした食感があるそうです。

 

月下美人(ゲッカビジン)の育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
種まき
植え付け
植え替え
剪定
肥料
開花

月下美人(ゲッカビジン)の栽培環境

日当たり・置き場所

月下美人(ゲッカビジン)は冬から春までは室内の日当たりの良い場所に置きます。日によく当てることによって花芽がつきやすくなります。暖かくなってきたら屋外でしっかりと日に当てましょう。夏頃は日差しが強いので、葉焼け防止のために半日陰に移動しましょう。気温が下がる時期になったら室内に戻しましょう。

温度

月下美人(ゲッカビジン)は寒さに弱く5℃以下になると弱ってきます。2℃以下になると枯れてしまいます。

用土

月下美人(ゲッカビジン)は耐寒性が弱いので基本的に鉢植えで管理します。用土は市販の月下美人専用の配合土を利用すると便利です。水はけが良くなるように底に軽石を敷き粒状の緩効性肥料を元肥として混ぜ合わせて使いましょう。

月下美人(ゲッカビジン)の育て方のポイント

水やり

月下美人(ゲッカビジン)はサボテンの仲間ですが森林性のため水を好みます。生育期は土の表面が乾いたら鉢底から水が流れるくらいたっぷり水を与えましょう。寒い時期になると休眠に入るので、水は控えめにすると良いでしょう。

肥料

月下美人(ゲッカビジン)の肥料は生育期は緩効性肥料を月1回与え、月2回即効性の液体肥料を水代わりに与えます。窒素分が多いと葉ばかりが育つ月下美人になってしまうので、リン酸とカリ分が多い肥料を与えるようにしましょう。幼苗では株を大きくするために窒素分の多い肥料を与えます。冬は施。

病害虫

月下美人(ゲッカビジン)はカイガラムシがつきやすいので、ブラシなどでこすって取り除きましょう。そのまま放置するとすす病を誘発します。また、つぼみにアブラムシがつきやすいので、見つけ次第薬剤で駆除するようにします。病気ではないですが根腐れを起こしやすいので、水を与えているのに葉にしわが寄って元気がない場合は、根を整理して新しい土に植え替えるようにしましょう。

月下美人(ゲッカビジン)の詳しい育て方

選び方

月下美人(ゲッカビジン)は温かくなり始めると鉢物が出回り始めます。株がしっかりし、葉にしわが寄っていないものを選ぶようにしましょう。カイガラムシがつきやすいのでカイガラムシがついている株は避けるようにします。

種まき

月下美人(ゲッカビジン)の種は小粒の赤玉土にまき、乾燥しないように霧吹きで水を与えながら明るい室内で管理します。葉が展開して来たら徐々に屋外に慣らしていきましょう。

植え付け

月下美人(ゲッカビジン)は真夏の暑い時期を避けて植え付けます。株を抜いて根鉢を崩し、古くなった土や根を取り除きます。やや腰高に植え付けます。植えつけや植え替え直後は日陰で水を控えめに養生し、徐々に日に当てるようにしましょう。

剪定・切り戻し

月下美人(ゲッカビジン)の剪定は開花後期の9月~10月頃に切り戻しを行います。枯れた茎や葉を落とし伸びすぎた葉などを切り取りますが、大株になるほど花がつきやすいので、できるだけ強い切り戻しはしないようにします。株元からシュートが伸びてきた場合は、良い長さになったら先の部分を爪で摘んで芽止めをしましょう。シュートを切ってしまうと次のシュートがなかなか出なくなってしまうので、地際から切るのはやめましょう。

植え替え・鉢替え

月下美人(ゲッカビジン)の植え替えは、葉が5~10cmになったら1株ずつ植え替えます。植え替え直後は日陰で水を控えめに養生し、徐々に日に当てるようにしましょう。

月下美人(ゲッカビジン)の開花は7月~11月ころに開花します。夕方から咲き始め夜に満開になり、強い香りを漂わせます。朝になると萎んでしまう一日花です。

収穫

月下美人(ゲッカビジン)は開花後、赤紫色をした飛行船のような形をした果実がなります。開花後、花がらが落ちてから2ヶ月くらいかけて大きくなり、赤紫色に色づき収穫します。

夏越し

月下美人(ゲッカビジン)は夏の暑さや乾燥にも強い植物です。ただし、水の与えすぎによる根腐れに気をつけましょう。

冬越し

月下美人(ゲッカビジン)は寒さには強くありません。3℃以下になると枯れてしまうため、冬場は室内で管理しましょう。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

月下美人(ゲッカビジン)は挿し木で増やす事が出来ます。茎を10~20㎝程にカットしカットした面を乾かしてから、サボテン用の土に乾かした面の茎を差し、直射日光の当たらない場所で管理します。実ができた場合は種で増やすことができます。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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