アイリスとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- アイリス
- 学名
Iris
- 英名
- Iris
- 和名
- 文目(あやめ)
- 科名
- アヤメ科
- 属名
- アヤメ属
- 原産地
- 東アジア、ヨーロッパ
アイリスの特徴
アイリスは、アヤメ科アヤメ属の総称で、世界中にたくさんの種類があります。日本に自生しているアイリスは、昔からの自生種が7種、帰化した種類も含めると約10種といわれています。
アイリスの種類には、アヤメやカキツバタ、ハナショウブ、イチハツの他に、ダッチアイリスと呼ばれる球根アイリス、ジャーマンアイリス、シャガ、さらに冬に花が咲くカンザキアヤメなどがあります。さらに、美しい園芸種もたくさん流通しています。日本に自生するアヤメやカキツバタは、紫系の花色が特徴ですが、ジャーマンアイリスや球根アイリスは、紫以外に黄やオレンジ、白などの花色があり、いずれも豊かな花色と整った草姿の美しい種類ばかりです。学名の Iris は、ギリシャ神話に登場する虹の女神イリスの名前に由来します。虹の女神の名前が当てられるほど、アイリスは色彩豊かな花だということのようです。
アイリスの多くの品種は、明るい草原や草地に自生しています。ハナショウブやイチハツのような水辺を好む品種はごく一部で、多くは乾燥した草地を好みます。このため、水がない庭でも栽培が容易です。アイリスを育てる際には、品種ごとの特性を確認してから購入するとよいでしょう。
アイリスの詳細情報
園芸分類 | 草花 |
---|---|
草丈・樹高 | 15~70cm |
耐寒性 | 強い(品種による) |
耐暑性 | 強い(品種による) |
耐陰性 | 品種により異なる |
花色 | 青、紫、白、黄、オレンジ |
開花時期 | 4月~7月、11月~2月(品種により異なる) |
アイリスの種類
アヤメ(文目・あやめ)
アヤメは、花の付け根にある網目模様が特徴のアイリスの仲間。乾燥した草地を好むので、庭植えで育てられます。
カキツバタ(燕子花・杜若)
カキツバタは、花びらの付け根の白い筋がきれいなアイリスの仲間です。
花菖蒲(ハナショウブ)
花菖蒲(ハナショウブ)は、湿地を好むアイリスの仲間。端午の節句に使用されるショウブとは別種です。
ジャーマンアイリス
ジャーマンアイリスは、大きく色鮮やかな花が印象的な、アイリスの仲間です。
シャガ
シャガは、半日陰を好むアイリスの仲間。山野で自生している姿を見かけます。
カンザキアヤメ
カンザキアヤメは、冬に花を咲かせるアイリスの仲間。常緑で、庭で育てられる種類です。
アイリスの名前の由来
アイリス(Iris)はギリシャ語で「虹」を意味します。アイリスの名前の由来はギリシャ神話によります。
全能の神ゼウスの妻ヘラの侍女にアイリスという女性がいました。彼女はゼウスから誘惑されても拒み、女神ヘラに忠実だったと言います。アイリスの誠実さを讃えたヘラは彼女に虹色のネックレスを贈り、神々の使者としました。ヘラが祝福の盃を掲げた時にその数滴がこぼれ地面へと落ち、色鮮やかなアイリスの花になったと言われています。
またアイリスは死者の魂を、虹の橋を渡って天国に連れて行く役割も担っていたとされ、古代ギリシャでは女性が亡くなるとアイリスの花が手向けられたそうです。
アイリスの花言葉
アイリスの栽培環境
日当たり・置き場所
日当たりの良い環境を好みますが、夏の強い直射日光は苦手です。午前中は日当たり良く、午後は日陰になるような、風通しの良い場所で管理しましょう。
用土
湿地を好むアイリスは保水性の高い用土に、乾燥地を好むアイリスは市販の園芸用培養土で問題なく育てられます。
アイリスの育て方のポイント
水やり
湿地を好むアイリスは、乾燥させすぎることのないように、適宜水やりします。水を張った桶などで管理しているアイリスは、水が腐ることのないように時々入れ替えが必要です。
乾燥地を好むアイリスは表土が乾いてから、たっぷりと水やりしましょう。
肥料
品種によっては、開花に栄養を必要とします。それぞれの育て方に従って施肥を行ってください。
病害虫
特に目立った病害虫の被害はありません。
アイリスの詳しい育て方
選び方
葉が瑞々しく鮮やかな緑色をしている株を選びましょう。葉の先が黄色く変色しているものは避けるようにします。花芽が上がってる株を選べば、すぐに花を楽しむことができます。
植え付け
春、あるいは秋に植え付けます。植え付け適期や用土については品種により異なるので、それぞれの育て方に従ってください。
剪定・切り戻し
花が終わったら花茎を株元から切り取ります。
植え替え・鉢替え
植え替え適期は品種により異なるので、それぞれの育て方に従ってください。
花
アイリスは、虹を思わせるような色鮮やかな花を咲かせます。開花期は品種により異なります。
冬越し
品種により冬越し方法は異なるので、それぞれの育て方に従ってください。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
アイリスは、株分けで増やすことができます。
アイリスの育て方の特徴を種類別に紹介
アヤメ(Iris sanguinea)や、ジャーマンアイリス(Iris germanica Hybrid)のような乾燥地を好むアイリスは、通常の球根植物と同じように陸地で育てましょう。水やりを過度に行うことのないように気を付けて管理してください。
カキツバタ(Iris laevigata)は浅い水辺を好みます。浅く水を張った桶などで育てるようにしましょう。
ハナショウブ(Iris ensata)は菖蒲園や公園で見かける際には、カキツバタ(Iris laevigata)と同じように浅い水辺で育成されていますが、実は水に浸りきらないような環境が好きな植物です。ずっと水に浸かったままの状態で育てると根が腐りやすくなります。水に浸かりきっていない湿地で育てるようにしましょう。