シダレザクラ(枝垂桜)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- シダレザクラ(枝垂桜)
- 学名
Cerasus itosakura
- 英名
- Weeping cherry
- 和名
- 糸桜、枝垂桜
- 別名・流通名
- 糸桜(イトザクラ)
- 科名
- バラ科
- 属名
- サクラ属
- 原産地
- 日本
シダレザクラ(枝垂桜)の特徴
シダレザクラは、枝垂れる枝にたくさんの花を咲かせるバラ科サクラ属の落葉高木です。イトザクラ(糸桜)とも言い、エドヒガンの枝が枝垂れる変種を元にした栽培品種です。広義には枝垂れるサクラの品種すべてをシダレザクラと呼びますが、狭義のシダレザクラとは、Cerasus itosakura のことです。イトザクラという名前は、枝垂れた枝から次々と脇枝を伸ばす様子が、細い糸が垂れているようだからというのが由来とされています。
シダレザクラは、ソメイヨシノより少し早い、3月後半から咲き始めます。枝を大きく枝垂れさせるのが特徴で、花の大きさはソメイヨシノよりも少し小ぶりで直径3cm程度、花の後に葉が展開されるので、咲いているときは花が降ってくるような美しい姿を楽しむことができます。花色は白、薄紅色から濃いピンク、咲き方は一重咲きから八重咲きまであります。シダレザクラの中でも花色が濃いものをベニシダレ、八重咲きをヤエシダレ、濃いピンクで八重咲きのものをヤエベニシダレと呼びます。
シダレザクラの葉は、長さ3~4cmの楕円形で先がとがり、縁には鋸歯があります。夏の間はグリーンの葉を茂らせ、秋には黄色く紅葉します。花の後にあまり目立たない小さな果実が実り、色づき始めは赤、熟すにつれて黒くなっていきます。シダレザクラのサクランボに毒性はありませんが、おいしくないので食用にはしません。
シダレザクラは種からも発芽しますが、親と同じように枝垂れる株は少ししか出てこないので、エドヒガンの幹にシダレザクラを接ぎ木をして作られています。
シダレザクラ(枝垂桜)の詳細情報
園芸分類 | 庭木、落葉 |
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草丈・樹高 | 10m以上 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 白、薄紅色、濃いピンク色 |
開花時期 | 3月~4月 |
シダレザクラ(枝垂桜)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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開花 | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
肥料 |
シダレザクラ(枝垂桜)の栽培環境
日当たり・置き場所
日当たりと風通しの良い場所を好みます。生長後の姿を想像し、しっかりとスペースを確保して植え付けてください。
大きくなる花木なので、鉢植えには不向きです。
用土
水はけと保水性が良く、肥沃な土壌を好みます。庭植えは、植え付け前に腐葉土をたっぷりと漉き込んでおくとよいでしょう。
鉢植えは、市販の園芸用培養土で問題なく育ちます。
シダレザクラ(枝垂桜)の育て方のポイント
水やり
根付いてからは降雨にまかせます。乾燥が続くようなときは、様子を見て水やりしてください。
鉢植えは、表土が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。
肥料
植え付け時に腐葉土やたい肥をすき込みましょう。その後は、落葉期に寒肥、開花後にお礼肥を施します。
鉢植えも同様に施肥を行いましょう。
病害虫
サクラの仲間は、テング巣病の被害にあいやすいので注意しましょう。枝が細く混みあっているような場所があったら確認が必要です。また、モンクロシャチホコの食害の心配もあります。見つけ次第薬剤を散布するなどしてください。
シダレザクラ(枝垂桜)の詳しい育て方
選び方
主幹がしっかりとしたもの、枝が徒長したり、ねじれていないものを選びましょう。花が咲いていない時期は、品種に間違いがないかタグを確認するようにしてください。
種まき
種から発芽しても親と同じようにシダレザクラになるとは限りません。また、大きくなるまでに何年もかかるので、種まきから育てるのは不向きです。
植え付け
植付け適期は12月~3月の落葉期です。
根鉢のサイズの倍程度の幅と深さの穴を掘り、元肥として腐葉土や堆肥(もしくは緩効性肥料)を土に混ぜ込んで植え付けます。植え付けたらたっぷりと水やりを行いましょう。
植え付け直後はぐらつきやすいため、しばらくは注意深く様子を見るようにします。支柱を添えるのもよいでしょう。
この時期のシダレザクラは、葉を落とし休眠しています。根を傷つけないように注意してください。
仕立て方
苗木は主幹が細く安定していません。しっかりと根付くまでは添え木等をして支えるようにしましょう。
剪定・切り戻し
剪定は、落葉期の12月~2月までに完了させましょう。シダレザクラは生長してから太い枝を切ると長期間花が咲かなくなることがあるので、混み合った枝や暴れている枝を整理する程度にしましょう。
花
シダレザクラの花は3月の後半から楽しめます。花期が長く、1か月近く楽しめます。
シダレザクラには白や薄紅色で一重の品種の他、色の濃いベニシダレや、八重咲きのヤエベニシダレなどがあります。
冬越し
冬は落葉して休眠するので、特に必要な冬越しの作業はありません。翌年もたくさんの花を楽しむために、冬の間に寒肥を施すようにしましょう。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
実生と接ぎ木で増やすことができます。