フィカス・ベンジャミン・バロックとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- フィカス・ベンジャミン・バロック
- 学名
Ficus benjamina barok
- 英名
- Ficus benjamina barok
- 科名
- クワ科
- 属名
- フィカス属
- 原産地
- 東南アジア、インド
フィカス・ベンジャミン・バロックの特徴
フィカス・ベンジャミンは、「ベンジャミン」「ベンジャミンゴムの木」などとも呼ばれる、定番の観葉植物です。
その新しい品種「バロック」が、最近おしゃれなインテリアグリーンとして、ひそかに人気を集め始めています。
その特長は、なんといっても葉がすべてくるくるカールしている、ユニークでキュートな姿にあります。葉色は濃い緑ですが、新芽はライトグリーンなので、色の濃淡が部屋をおしゃれに演出してくれます。
環境の急変などで葉を落とすこともありますが、決して管理のむずかしい植物ではありません。
フィカス・ベンジャミン・バロックの詳細情報
園芸分類 | 観葉植物 |
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耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | やや強い |
フィカス・ベンジャミン・バロックの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え替え | ||||||||||||
肥料 |
フィカス・ベンジャミン・バロックの栽培環境
日当たり・置き場所
日光
ベンジャミンは日光が好きなので、出来るだけ日当たりのいい場所に置くようにします。
【屋外】
春~秋にかけて屋外で管理することができますが、直射日光を当ててしまうと、刺激が強すぎて葉焼けを起こしてしまうので、30%~50%の遮光をしてください。遮光率はそれぞれの環境に合わせて調整してください。
気温が高ければ高いほど葉焼けは起きやすくなるので、40℃を超える場合は日陰に移すことをおすすめします。
遮光するときに遮光ネットや寒冷紗を使用すると簡単に遮光することができます。遮光ネットと寒冷紗はホームセンターや園芸店だけでなく、100均でも購入することが出来ます。
【屋内】
耐陰性があるので、屋内でも大丈夫です。しかし、ベンジャミンは元来日光を好み、日光がよく当たった方が健康な株になるので、なるべく日光が当たる場所に置いてください。
室内だからと言って直射日光を当ててしまうと葉焼けを起こしてしまうので、レースのカーテン越し程度の日光を当てて下さい。
【置き場所】
耐陰性もあるため、室内の日光が入る場所なら大丈夫です。 ただし、エアコンなどの風が直接当たると葉が傷んでしまうので、直接当たらない場所に移動してください。
温度
高温には強い植物ですが、低温には弱いので、5℃以下にならない様に気をつけましょう。
ベランダ等で育てられている方は、外の気温が10℃ぐらいから室内に取り込んで下さい。
気温が15℃前後になると成長が緩慢になります。
用土
ベンジャミンは高温多湿を好みますが、水はけの悪い土を使ってしまうと根腐れを起こしてしまう可能性があります。
そのため、出来るだけ水はけの良い土を使うのをおすすめします。
自分でブレンドする場合は、観葉植物用の土2:赤玉土1:鹿沼土1の割合でブレンドし、生育環境に合わせて微調整してください。
また、土の表面を赤玉土や鹿沼土、化粧砂などの無機質の用土で覆うことでコバエの発生を防ぐことが出来ます。
フィカス・ベンジャミン・バロックの育て方のポイント
日常の管理
ベンジャミン・バロックは水切れを起こすと葉を下に落とすため、葉が落ちていた場合は取り除き水やりか葉水をしてください。また、葉にホコリが積もると汚らしくなってしまうので、定期的に掃除してください。
水やり
ベンジャミンは寒さに弱いので季節や気温(室温)によって水やりのタイミングを変える必要があります。
【気温が15℃以上のとき】
主に春~秋の成長期では土の表面が乾燥したらたっぷりと水を与えるようにします。
【気温が15℃以下のとき】
ベンジャミンは気温が15℃前後を切ってくると成長が緩慢になってきます。そのため、水をあまり必要としなくなるので、水やりの回数を減らします。具体的には、表面の土が乾燥してから2~3日経ってから水やりをしてください。
ベンジャミンを乾燥させて樹液の濃度を高めることで耐寒性を上げる事が出来ます。
水やりの回数を減らしてベンジャミンの葉が落ちてきたりするようならば水やりの回数を増やすなど調整してください。
【葉水】
葉水は乾燥を防ぐだけでなくハダニやアブラムシなどの害虫を予防する意味もあるので、毎日1回は霧吹きなどでするようにしましょう。
肥料
基本的に肥料は無くても良いのですが、与えた方が成長がはやくなります。
冬場の成長が緩慢になるときに肥料を与えてしまうと肥料焼けをする可能性があるので、春~秋の成長期に与えるようにします。
肥料の種類は適切な濃度に希釈した液肥を10日に1回与えるか、緩効性の置き肥を与えてください。
有機肥料ではなく、化成肥料を使うことでコバエの発生を予防することができます。
病害虫
【ハダニ】
黄緑や赤い体色をした0.5mmほどの小さな害虫です。葉の裏側に潜み吸汁します。ハダニに吸汁された箇所は白い斑点状になるのですぐ分かります。そのまま放置しておくと最悪の場合枯れてしまいます。
【アブラムシ】アブラムシは2~4mmほどの小さな害虫です。幼虫、成虫ともに葉や蕾を吸汁します。群生していることが多く、
早めに対処しないと手遅れになる場合があります。
アブラムシはスス病などのウイルス病の媒介者で、吸汁されてしまうとそこからウイルスがベンジャミンの中に侵入し、病気を発症させます。
また、発症しなくても吸汁されたことで体力がなくなり、そのまま枯れてしまう場合があります。
【カイガラムシ】
3mmほどの小さな虫で、白い綿毛のようなものを背負っています。吸汁して生長していくと、身体からワックスなどを分泌し、身体を守ろうとします。
カイガラムシに吸汁されると株が弱ってしまい、そのまま枯れてしまうことがあります。
【ナメクジ】
葉や花芽など、食べれる場所ならどこでも食害する性質の悪い害虫です。
外に出していると寄ってくる場合があるので、注意してください。
大食漢でもあるので、梅雨時などナメクジが発生しやすい時期は夜に見回りをしてください。
少し食害された程度なら生長に問題はありませんが、子株の場合は葉の大半を食害されたり、生長点を食害されると枯れてしまう可能性があります。
【ダンゴムシ】
柔らかい花芽や新葉、発芽したての株を食害します。ナメクジより食害される可能性は低いですが、外で管理しており地面の近くにを置いている場合は注意が必要です。
【バッタ】
イナゴなどのバッタは葉の硬さに関係なく食害します。また、食害する量も多いので気付かないでいると手遅れになっていることがあります。
割り箸などで見つけ次第捕殺してください。防虫ネットも有効です。
フィカス・ベンジャミン・バロックの詳しい育て方
選び方
ベンジャミンを買う時は必ず病害虫に注意してください。
ハダニやアブラムシ等が付着している株を買ってしまうと後々ベンジャミンが弱ってしまったり、最悪の場合他の植物へ付着してしまう可能性があります。
ベンジャミンの変種であるバロックはクルンと丸まった葉が特徴なので、出来るだけ葉が健康的で多く付いており、枝ぶりの良いものを選んでください。
植え付け
植え付けは5月~7月の暖かい時期に行ってください。挿し木(茎伏せ)は湿度の高い6月頃がおすすめです。 7月以降に植え付けを行う場合は猛暑日は避けるようにします。
根が出ていない場合は、根が出るまで常に土が湿っているようにしてください。
剪定・切り戻し
ハサミやナイフなどで余分な枝を切っていきます。
ベンジャミン・バロックは枝を切ると白い樹液が出るのですが、体質によってはかぶれることがあるので触らないように注意してください。
もし触ってしまったら流水などで洗い流してください。
今回はこの株を剪定します。下側の枝が横に伸びていてバランスが悪いので、ハサミを使って切り落としてしまいます。
枝元にハサミを当てて切り落とします。
カットすると切り口から樹液が出てきました。触らないように注意します。
以上で剪定は終了です。
剪定した枝は挿し木にして増やすことができます。
植え替え・鉢替え
ベンジャミンバロックは高温多湿を好みますが、水はけが悪すぎると根腐れを起こしてしまいます。
そのため、保水性の良い土を使うよりも、水はけの良い土を使用して細目に水やりをするようにした方が、根腐れを予防することができます。
今回は観葉植物用の土2、赤玉土1、鹿沼土1を混ぜ合わせた土を使います。
まずは、ベースとなる観葉植物用の土を適量用意します。
次に、観葉植物用の土の約半分の量の赤玉土を加えます。
最後に赤玉土と同じ量の鹿沼土を加えます。
よく混ぜ合わせれば完成です!
鉢底に鉢底石を少量入れます。
鉢底石を入れる事で通気性が良くなり、コバエの発生や根腐れを予防することができるので、必ず入れてください。
土を少量入れます。根の大きさなどに合わせて調節してください。
ベンジャミン・バロックのバランスが良くなるように置いて、周りに土を入れていきます。
最後に鉢底から水が流れるくらいたっぷりと水やりをすれば完成です!
花
ベンジャミンはフィカス属(イチジク属)に分類されているため、花の形が一般的なものではなく、花嚢と呼ばれる袋状の中に花を咲かせます。
しかしながら、ベンジャミンは中々開花しないため、ベンジャミンの花を見れたら非常にレアなケースだと思ってよいでしょう。
収穫
ベンジャミンの花が結実すれば実を収穫し、種も採れるのですが、花の形が特殊なため難しいようです。
夏越し
屋外で、気温が40℃以上になった場合は日陰に移動してください。30~50%程度の遮光をすると葉焼けを防止することが出来ます。
水やりは土の表面が乾いたら夕方~夜にたっぷり与えてください。
午前中に行うと暑くなり煮えてしまいます。 活力剤を1000倍に希釈して水やりの2~3回に1度のペースで行うと夏バテを防止できます。
冬越し
気温が15℃以下になったら生長が緩慢になるので、水やりを2週間に1度に減らします。
気温が5℃を切ると枯れてきてしまうので、切らないように15℃前後になったら室内に入れるか、温室内でファンヒーターなどを使って保温してください。
ファンヒーターなど暖房器具を使う場合は火事に注意してください。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
ベンジャミン・バロックの株分けは非常に簡単です。
植え替えをするときに一緒に株分けをするのがオススメです。
まず、鉢からベンジャミン・バロックを取り出して古い土を優しく取り除きます。
ある程度取り除いたら、手で優しく株分けしていきます。ハサミやナイフを使うよりも、手でやった方が株への負担が少ないです。
今回は4株に株分けしました。