そば(蕎麦)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- そば(蕎麦)
- 学名
Fagopyrum esculentum
- 英名
- Buckwheat
- 科名
- タデ科
- 属名
- ソバ属
- 原産地
- 中国西南部
そば(蕎麦)の特徴
そば(蕎麦)は、タデ科ソバ属の一年生の草本です。
そば(蕎麦)は、気候の順応性が高く、乾燥にも耐えるため干ばつ時の植物としても優秀なことで有名です。土壌の順応力も高いため湿地以外の環境ならある程度繁殖することができます。また、酸度にも強いため古くから開墾地の作物として重要視されてきたようです。
そば(蕎麦)の詳細情報
園芸分類 | 野菜 |
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草丈・樹高 | 110~120cm |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | やや強い |
耐陰性 | やや弱い |
花色 | 白色、ピンク色 |
開花時期 | 5月~6月、8月~9月 |
そば(蕎麦)の種類
キタワセソバ
夏型のそば(蕎麦)で早熟多収、粒は黒褐色。栽培適地は北海道全域。
牡丹ソバ
夏型のそば(蕎麦)で、粒は大粒で黒褐色。栽培適地は北海道全域。
階上早生(はしかみわせ)
夏型のそば(蕎麦)で、粒はやや大きく黒褐色。栽培適地は北東北。
信濃一号
中間型のそば(蕎麦)で、粒は濃褐色。栽培適地は関東北部から九州内陸部。
信州大そば
中間型のそば(蕎麦)で、粒は大粒で黒褐色。栽培適地は関東以南。
常陸秋そば
秋型のそば(蕎麦)で、粒はやや大粒で濃褐色。栽培適地は南東北、北関東。
祖谷在来(いやざいらい)
秋型のそば(蕎麦)で、粒は丸みのある小粒。栽培適地は四国。
宮崎大粒
秋型のそば(蕎麦)で、粒は大粒で晩生。栽培適地は九州全域、四国南部。
ソバ属の種類
ソバ属は、大きく分けると普通種、韃靼(ダッタン)種、宿根(シュッコン)種の3種類に分けられます。
普通種は、現在私たちがたべている蕎麦の元になるものです。この種類の特徴は、昆虫が花粉を運ぶことにより他の個体と交配されて実を結ぶ他家受粉作物であるため自然交雑しやすい性質があります。違う種類のそばを植えた場合、交雑しやすいので注意しましょう。
韃靼(ダッタン)種は、独特の苦みがあるそばで別名「苦そば」や「長寿そば」ともいわれます。ルチンといわれる栄養素が普通のそばに比べて多く含まれることでもよく知られています。
宿根(シュッコン)種は、「シャクチリソバ」とも言われる宿根植物です。冬に地上部の茎葉が枯れ、春になると新芽が出てきます。他のそばは完熟した実を加工して食しますが、この宿根種は若葉を食べることから「野菜そば」とも呼ばれています。
そば(蕎麦)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき(春まき) | ||||||||||||
種まき(秋まき) | ||||||||||||
収穫(春まき) | ||||||||||||
収穫(秋まき) |
そば(蕎麦)の栽培環境
日当たり・置き場所
そば(蕎麦)は日当たりを好みます。風通しの良い場所で育てましょう。
温度
そば(蕎麦)の生育適温は20~30℃ほどです。
用土
排水が良好な、湿地以外の土なら育てる上で問題ありません。
プランター栽培のそば(蕎麦)は、野菜用の培養土で育てましょう。
畑栽培のそば(蕎麦)は、堆肥や元肥を入れる2週間前位には石灰を入れ耕しましょう。その後堆肥と元肥を入れ土になじませましょう。
そば(蕎麦)の育て方のポイント
水やり
地植えならほぼ天気にまかせてかまいませんが、プランター栽培の水やりは、土が乾いてたら鉢底から水が出るまでたっぷりと与えましょう。
そば(蕎麦)は乾燥に強い植物ですが、あまりにも水分が足りない環境で育てると収穫量が落ちます。
肥料
肥料の与えすぎは禁物ですが、生育状況を見て足りないようでしたら追肥しましょう。
病害虫
害虫はヨトウムシに注意しましょう。
そば(蕎麦)の詳しい育て方
種まき
ばらまきか、すじまきにします。すじまきの場合は条間は40~60cmほどとりましょう。
間引き
プランターで育てている方は、混み入ってきたら間引きましょう。
花
品種により白い花かピンク色の花が咲きます。倒伏しやすいので、開花前に土寄せを行うとよいでしょう。
収穫
粒が充実した頃一気に刈り取って収穫します。天気の良い日中のうちに済ませましょう。
土寄せ
そば(蕎麦)は生長するに従い茎が倒れやすくなるため、こまめな土寄せをすることで収穫量も増えるといわれています。
そば(蕎麦)の人工授粉
そば(蕎麦)は、長柱花と短柱花との間で他家受精する性質を持っています。この長柱花というのは、雌しべが雄しべより長い花の形で、短柱花は雌しべが雄しべより短い形をしています。
この長柱花と短柱花の両者を結び付けるため、蜂や蝶などの昆虫の助けを借りて受粉します。近くにあまり昆虫が飛んでいないようでしたら、竹竿などで水平にそばを揺らして授粉させてみましょう。