スイカ(西瓜)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
スイカ(西瓜)
学名

Citrullus lanatus

英名
Watermelon
和名
西瓜
科名
ウリ科
属名
スイカ属
原産地
熱帯アフリカサバンナ、砂漠地帯

スイカ(西瓜)の特徴

スイカはつる性の植物で、葉は大きく切れ込みが入った形をしています。他のウリ科の野菜と同じように、1株に雌花と雄花が存在する雌雄異花(しゆういか)の植物です。スイカは高温と乾燥を好むため、多湿に弱い性質があります。家庭菜園でスイカを育てるときは、くれぐれも水の与えすぎには注意しましょう。

スイカの形は日本では球形が主流ですが、海外では楕円形が主に流通しています。

スイカは紀元前5000年にはすでに南アフリカで栽培されており、3000年前のエジプトでも栽培が行われていたといわれています。その後中国に伝わり、中国から日本へ渡来しました。

中国語では水分が多く、西域から伝わったため、「西瓜」と呼ばれるようになりました。日本でも漢字で西瓜と書きます。

南アフリカ中央のカラハリ砂漠から、サバンナ地帯で野生種が見つかっているため、アフリカが起源とされています。あんなにも水分を含むスイカの原産地が、砂漠というのはとても意外です。

 

スイカ(西瓜)の詳細情報

園芸分類 野菜
耐寒性 弱い
耐暑性 やや強い
耐陰性 やや弱い
花色 黄色
開花時期 6~7月

スイカの成分と栄養

「日本の夏の風物詩」であるスイカの果肉の成分は、約95パーセント程が水分です。アフリカで水分として扱われていたことも納得できる数値です。

スイカにはビタミンA(カロテン)やB1、B2、Cの他、カルシウム、リン、鉄、カリウムなどのミネラル類、グルタミン酸やアルギニンなど、多くの成分をバランスよく含んでいます。

果糖やブドウ糖はエネルギー転換が速やかなので、 冷たいスイカを食べると猛暑で疲労した体も癒してくれます。塩をかけて食べればスポーツ飲料と同じ効果を得られ、夏の水分補給にはもってこいの果実です。

 

スイカ(西瓜)の育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
種まき
植え付け
収穫

スイカ(西瓜)の栽培環境

日当たり・置き場所

スイカは日当たりを好みます。風通しの良い場所で育てましょう。

温度

スイカの生育適期は23~30℃です。

用土

スイカは酸性土壌が苦手です。畑栽培の場合は、堆肥や元肥を入れる2週間前位には石灰を入れ耕しましょう。その後堆肥と元肥を入れ土になじませましょう。

スイカ(西瓜)の育て方のポイント

水やり

水分豊富なスイカですが、多湿を嫌います。水のやりすぎに注意します。地植えの際は、降雨のみで十分育ちます。反対に雨が多すぎると、急に実が肥大し割れてしまうことがありますので気をつけましょう。

肥料

追肥は一番果が鶏卵大になってから与えます。果実の肥大期には株に大きな負担がかかるため、このタイミングで追肥をし草勢を保ちましょう。

ちなみに、スイカの根の先とつる先はだいたい同じ場所にあるとされています。露地栽培の方の追肥はつる先に施して下さい。

病害虫

うどんこ病は、比較的乾燥気味で茎葉が茂りすぎると発生しやすくなります。葉の表面に白いうどん粉状のカビが生じ、病気がさらに進むとカビは葉全体に広がります。

つる枯病は、水はけが悪かったり、葉が混み過ぎている場合にかかりやすく、茎の地際部に多く発生します。水がしみたような病斑ができ、やがて株全体に広がります。発病すると駆除が難しく、発病を防ぐ栽培が重要です。排水性を良くするように心がけましょう。

ハダニは葉裏に寄生して汁を吸うため、葉の表面から見ると、吸われた部分の葉緑素が抜けて、針先でつついたような白い小斑点ができます。

スイカ(西瓜)の詳しい育て方

選び方

菜園初心者の方は「接木苗(つぎきなえ)」のスイカを選ぶことをオススメします。接木苗とは病害虫に強い苗と、育てたい苗とをつなぎ合わせたものです。接木苗のスイカは病気に強く、根の張りも良いので選んでみてはいかがでしょうか。

子葉がしっかりついていて、本葉が3~4枚程付いた大きさで、茎の節間が短くて太い苗を選びましょう。

古い苗は葉が小さく、色も薄くなっていて、既にハダニに侵されているかもしれません。しっかりした苗を選びましょう。

種まき

ポットまきで1~2粒ずつまいて育苗します。

植え付け

スイカの生育適期は23~30℃なので、関東地方での植えつけは5月の連休前後が最適です。暖地では4月下旬~5月上旬、中間地でも5月上旬~5月中旬、冷涼地では5月中旬~5月下旬には植えつけましょう。

植えつける際は、接木部分が土に埋もれないように注意して植えましょう。

スイカは乾燥を好むため、過湿状態が続くと土壌病害の発生が多くなると言われています。水はけに気を配りましょう。

摘芯(摘心)・摘果

親づるの摘芯
親づるに本葉が5~7枚ついたら、子蔓の発生や生育を促すために、親づるを摘み取って芯を止めます。

つるの整枝と摘果
摘芯して子蔓が伸びてきたら、生育の良い蔓を3~4本残し、他の子蔓は摘み取ります。

残した子蔓は、互いに絡まないように支柱に誘引してください。
露地栽培の方は、四方へと広げて配置し、蔓が動かないようにUピンなどで固定します。

スイカの実は、子づる1本に1果実が基本です。果実の数が多いと栄養が分散し、果実が小さくなったり甘みが弱くなるので、果実の数を絞り込みます。

しっかりと実が育っていることを確認したら、結実させる実よりも下についた雌花や、伸びてくる孫つるは摘み取り、栄養を集中させるようにします。

スイカの花は1株に黄色い雄花と雌花が咲きます。

収穫

一般的に大玉スイカは40~50日くらいで収穫ができるようになります。

他の見分け方に、実がついている部分の巻きひげが枯れたら収穫と言われていますが、見分けるのはなかなか困難です。人工授粉した時は受粉の日にちをつけ、そこから40~50日後を目安に収穫することをおすすめします。

スイカの人工授粉

スイカの人工授粉

スイカに実をつけるために、欠かせない作業が受粉です。本来は蜂や蝶などの虫の力を借りて授粉しますが、都会や高所のベランダなどで栽培しているとなかなか虫自体が来ないこともあります。着果率を高めるためにも人工授粉にチャレンジしましょう。

晴れた日を選んで、雌花が咲いたら、その日に咲いた新鮮な雄花を選んで9~10時までに授粉させましょう。この時間を過ぎると授粉率がグングン下がります。

スイカの雄花と雌花の見分け方は、蕾の下に膨らみがあるかどうかです。膨らみがある方が雌花、ない方が雄花と覚えておきましょう。

スイカの玉直し

スイカが大きくなってきたら、変形せずまんべんなく日が当たるように「玉直し」といってスイカを何回かに分けて回転させながら育てます。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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