暦(二十四節気)とガーデニング|夏真っ盛りの「立秋」~「処暑」

アバター画像

LOVEGREEN編集部

このライターの記事一覧

更新日 :

Adobe stock

みなさんは、「暦(こよみ)」をガーデニングに活用していますか? 暦には、「二十四節気」や「雑節」と呼ばれる季節の区切りがあり、農作業の目安になってきました。8月の暦にあるのは、二十四節気の立秋(りっしゅう)と処暑(しょしょ)。夏の暑さ真っ盛りなのに、立秋って?

目次

暦の基礎知識

暦は中国から朝鮮半島を通って伝わり、飛鳥時代の推古12(604)年に日本初の暦が作られたとされています。当時の暦は「太陰太陽暦」で、月の満ち欠けをもとにして1か月を決めていました。

この太陰太陽暦は明治の初めまで長く使われましたが、近代化を進めるため西洋に学んだ明治政府が太陽暦の導入を決定。太陽暦とは、地球が太陽の周りを一回りするのにかかる時間を1年とする暦です。

太陰太陽暦がいわゆる旧暦、太陽暦が新暦です。日本の暦が旧暦から新暦に変わったのは明治5(1872)年のことでした。

目次に戻る≫

新暦で起こった混乱

二十四節気

この旧暦から新暦への移行で、現代にも続く混乱(?)が生まれました。旧暦が使われていたのは明治5年12月3日まで。その翌日が、新暦の明治6年1月1日となったのです。ほぼ1か月のずれがここで生じました。

2025年の正月は、新暦ではもちろん1月1日ですが、旧暦の正月(旧正月)は1月29日です。農作業の目安となる二十四節気も旧暦を基準に作られたものですから、季節感としても、同様のずれが起こりました。

もともと、二十四節気が生まれた中国と日本では気候も違い、季節感のずれはありました。それが、さらにずれたわけです。

目次に戻る≫

こんなに暑いのに・・・

残暑見舞い

特に、立秋は季節感のずれが大きい節気といえるでしょう。2025年の立秋は8月7日に始まり、8月23日の処暑までの16日間です。まさに夏真っ盛り。暑さにうんざりしている人には、立秋の「秋」の文字が虚しく見えるかもしれません。

本来の立秋は、暑さが峠を越して、朝夕の涼風などに秋の気配を感じる頃のこと。でも、そんな気配はありません。この時期のガーデニングは、夏野菜の収穫や、どうしても必要な草むしり、病害虫防除程度にとどめたほうがよいでしょう。

だったら、何をするか。立秋に関して知っておきたい日本文化があります。友人や親せきに手紙を書くとき、立秋の前は「暑中見舞い」、立秋の後は「残暑見舞い」となることです。外で無理はせず、部屋の中で懐かしい人に残暑見舞いを書いてみては?

目次に戻る≫

涼しさを呼ぶリンドウの花

リンドウ

絵手紙を描くなら、青・淡いピンクと、涼しげなリンドウをモチーフにしてみてはいかがでしょうか。リンドウの全国流通量で7割を誇る岩手県の農家からは、7月に切り花の出荷が始まり、8月には鉢植えの本格的な出荷が始まります。

リンドウは元々、リンドウ科リンドウ属の多年草で、本州から九州の山地などに自生しています。中国語の「竜胆」が「りんどう」と読まれ、日本でも古くから親しまれてきました。例えば源氏は、ササの上にリンドウが咲く「笹竜胆紋」を家紋にしました。

ちなみに、中国ではリンドウの根を漢方薬に利用し、日本でも「いやみぐさ(胃病み草)」と呼び、薬草として使っていたといいます。ただし、自己流で植物に薬効を求めることは厳禁! 必ず漢方の専門家に相談しましょう。 

目次に戻る≫

鉢植えリンドウは室内でも楽しめます

リンドウ いわて乙女写真提供/JAいわて花巻

岩手県が育種した「いわて乙女」の鉢植え 
写真提供/JAいわて花巻

リンドウは育種が進み、観賞して楽しめる品種が数多くあります。元々は切り花が多く、秋の彼岸に飾る仏花のイメージが強くありましたが、夏に涼しさを求めるなら、リンドウは暮らしの中にもぜひ取り入れてみたい花です。

岩手県では、草丈が低く鉢植えで楽しめる「いわて乙女」や「足代りんどう」などの品種を生産しています。室内の日当たりのいい場所や、ガーデンで日中に強い日差しが当たらない場所に置くと、一服の涼感をもたらしてくれます。

八重咲きや、淡いピンク色の品種もあるので、園芸店で好みのリンドウを探してみてください。きっと、暑い夏のイライラを癒やしてくれるはずです。うまく育てれば来年の開花にも挑戦できますが、初心者の方は、一年草扱いでこの夏と秋を楽しむのがおすすめです。

目次に戻る≫

8月23日は処暑。「しょしょ」って?

コットンフラワー

〝夏真っ盛りの立秋〟が終わると、次の二十四節気は処暑です。2025年の処暑は、8月23日から。本来の処暑は、暑さが終わる時期を指します。残念ながら、最近の日本の暑さは、この時期には終わらないのですが……。

それでも、秋の気配は少しずつ感じられるかもしれません。処暑の約15日間を、昔の日本人は次のような3つの時期に分けました。

初候
綿柎開(めんぷ ひらく)
ワタを包む(がく)が開く
次候
天地始粛(てんち はじめて しゅくす)
ようやく暑さがしずまる
末候
禾乃登(か すなわち みのる)
イネが実る

本当に暑さがしずまるのはいつ頃になるでしょうか。処暑の季節のガーデニングは、最近の日本では本当に過酷です。それでもワタは育ち、イネは実りの時期へと向かいます。そのポイントを押さえて、くれぐれも無理のないガーデニングをしてくださいね。

目次に戻る≫

 

▼366日誕生花一覧


▼前向きな花言葉一覧

 

▼編集部のおすすめ

 

LOVEGREEN(ラブグリーン)メールマガジン会員募集中!

関連ワード

今月のおすすめコンテンツ

「暦(二十四節気)とガーデニング|夏真っ盛りの「立秋」~「処暑」」の記事をみんなにも教えてあげよう♪

アバター画像
LOVEGREEN編集部

LOVEGREEN(ラブグリーン)の編集部アカウントです。育て方の記事や、編集部としての取材記事やオフィシャル情報などを配信。

このライターの記事一覧

LOVEGREEN 公式アカウントをフォロー!

  • Instagram
  • Facebook
  • LINE
  • Twitter

関連サービス