ホトトギス|秋の風情を感じる多年草
戸松敦子
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ホトトギス
トゥデイズプランツ、今回ご紹介するのは「ホトトギス」。ユリ科の耐寒性多年草で、白い花びらに紫色の斑点が入る可憐な花を咲かせます。
ホトトギスは、適度な日差しと湿り気がある半日陰を好み、乾燥や強い日差しは苦手です。
品種によっては7月頃から咲き始め、9月~10月頃が見ごろです。日本にもたくさんの種類が自生し、古くから人々に親しまれ、秋の茶花としても使われています。
ホトトギスの代表種は、花びらの紫色の斑点が特徴的ですが、そのまだら模様が野鳥のホトトギスの胸の模様に似ていることからその名前がついたそうです。でも、品種によって花色は異なり、白、紫、ピンク、黄色などがあり、斑点が入らないタイプもあります。
葉のわきに直径2~3㎝くらいの花を1~3輪咲かせます。よく見ると、雌しべが長く伸び、花柱がヘリコプターのプロペラのように広がった形をしています。
ホトトギスは花だけでなく葉もみずみずしく、木漏れ日のさすシェードガーデンのような場所で美しく育ちます。特に、真夏はカンカン照りになってしまうような場所に置いてしまうと葉焼けをおこして状態が悪くなります。植える場所選びが、ホトトギスを上手に育てるうえでの一番大切なポイントと言えると思います。
寒くなると、地上部は枯れた状態で越冬します。根が生きていて春になるとまた芽吹くので、冬に枯れた茎は短く切って乾かし気味に水やりを続けましょう。
ホトトギスのように日本に自生している多年草は、環境が合うとそれほど手をかけなくても毎年花を咲かせてくれます。冬に地上部が無くなっていても、春には芽を出したり、イキイキと生長して美しい花が咲いている姿を見つけたときは、本当に幸せな気持ちになります。
一年草と比べると、ぱっとした華やかさはありませんが、楚々とした趣のある美しさは多年草の最大の魅力です。秋はホトトギスのようなしっとりとした和風の多年草をゆっくり眺めて楽しむのもいいですね。
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