多肉植物図鑑|初心者さん向けおすすめの種類一覧と育て方
LOVEGREEN編集部
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多肉植物初心者でも始められる多肉植物図鑑。おすすめの種類と、基本情報、育て方、植え替え、増やし方を紹介します。多肉植物ライフを始めたい方におすすめです。
目次
多肉植物とは?知っておきたい基本の話
多肉植物とは、葉や茎、根に水分を蓄えて肉厚になっている植物の総称です。多肉植物は、砂漠や荒れ地、乾期のある地域など、乾燥した場所で生き抜くために自らに水分を蓄えるようになった植物。このため、特定の科や属といった括りはありません。キク科やトウダイグサ科、キョウチクトウ科、ベンケイソウ科など、たくさんの種類があります。
多肉植物とサボテンの違い
多肉植物とサボテンの違いは、サボテンはサボテン科であるということ。園芸上では、サボテン以外のものを多肉植物と呼びます。
多肉植物の生育型を知ろう
多肉植物の生育型には、大きく分けて夏型、冬型、春秋型の3つに分類されます。多肉植物は雨が多く降る季節に水分を蓄え生長し、乾燥が続く季節には休眠します。生長型というのは生長する季節のこと。それぞれの原産地の雨季によって違います。生長型を理解しておけば、過度な水やりによって枯らしてしまう心配が減ります。
夏型とは
春から秋にかけて水分を蓄え生長する多肉植物を夏型と呼びます。
夏型種は春になって気温が上がり始めたら水やりをし、冬は月に1回から0回まで減らします。また、生長期でも雨が多く湿度が高い時期は、水やりを控えめにしましょう。
冬型とは
秋から冬にかけて水分を蓄え生長する多肉植物を冬型と呼びます。
冬型種は秋から冬にかけて水やりをし、春から秋までは控えめにします。冬の水やりは、30℃程度のぬるま湯を心がけるとよいでしょう。
冬型種は春になって気温が上がり始めると休眠期に入ります。水やりは控えめにし、涼しい場所で管理しましょう。
春秋型とは
春と秋の温暖な気候に生長が活発になる多肉植物を春秋型と呼びます。
春秋型は、春と秋は土が乾いたら鉢底から水が出るくらいたっぷり水を与えます。
夏はほぼ断水気味にするか、夕方など涼しくなってから、葉水か、土が半日くらいで乾くくらいの水を与えます。高温多湿が苦手なので、下手に水を与えることで蒸れて株が痛んだり、根腐れを起こしやすくなるので気を付けましょう。
冬はほぼ断水します。水を切ることで耐寒性を高めることができます。
【初心者さん向け】おすすめの多肉植物の種類
アエオニウムの仲間
アエオニウムの仲間は、ベンケイソウ科アエオニウム属の多肉植物。生育期は冬です。
アエオニウム
- 生育型:冬型
アエオニウムは、冬型の多肉植物。茎の先に葉をロゼットに展開させます。
黒法師(クロホウシ)
- 生育型:冬型
黒法師は、茎の先に光沢のある黒紫の葉をロゼットに広げる多肉植物。花のような葉は存在感があります。
アガベの仲間
アガベの仲間は、リュウゼツラン科アガベ属の多肉植物。生育期は夏です。
アガベ(リュウゼツラン)
- 生育型:夏型
アガベは、メキシコを中心にアメリカ大陸全体に分布している多肉植物。直径5cm程度の小さなものから5mを超すような大きなものまでサイズも様々です。
アデニウムの仲間
アデニウムの仲間は、キョウチクトウ科アデニウム属の多肉植物。生育期は夏です。
アデニウム(砂漠のバラ)
- 生育型:夏型
アデニウムは、砂漠などの乾燥地帯に分布している多肉植物。別名である「砂漠のバラ」は、砂漠に生えていること、花がまるでバラのように美しいことに由来します。
アドロミスクスの仲間
アドロミスクスの仲間は、ベンケイソウ科アドロミスクス属の多肉植物。生育期は春と秋です。
アドロミスクス
- 生育型:春秋型
アドロミスクスは、小型のものが多く生長もゆっくり。葉が取れやすいので葉挿しで増やせます。
アロエの仲間
アロエ
- 生育型:夏型
アロエは、木または高木になる多肉植物。冬に赤や黄色の円錐状の花を咲かせます。
エケベリアの仲間
エケベリアの仲間は、ベンケイソウ科エケベリア属の多肉植物。生育期は春と秋です。
エケベリア
- 生育型:春秋型
エケベリアは、ロゼットに広がる葉が美しく、切り花としても人気のある多肉植物。5~6cmの小型から40cm近くにもなる大型種まであります。
花うらら
- 生育型:春秋型
花うららは、ふちに赤いラインの入った葉が印象的なエケベリアです。育てやすい品種です。
カランコエの仲間
カランコエの仲間は、ベンケイソウ科カランコエ属の多肉植物。生育期は夏です。
カランコエ
- 生育型:夏型
カランコエは、葉が短い毛で覆われているようなフワフワとしたものから、ギザギザしたもの、丸く艶があるもの、紅葉する品種など種類が豊富。ピンクやオレンジ、赤など色鮮やかな花を楽しめるのも魅力です。
月兎耳(ツキトジ)
- 生育型:夏型
月兎耳は、名前のとおり葉っぱが兎の耳に似た形をしている人気の多肉植物。斑入りの品種もあり、それぞれ「福兎耳」「黒兎耳」「月兎耳錦」と名前で流通しています。その他に数種類の月兎耳シリーズが存在します。
グラプトペタルムの仲間
グラプトペタルムの仲間は、ベンケイソウ科グラプトペタルム属の多肉植物。生育期は春と秋です。
グラプトペタルム
- 生育型:春秋型
グラプトペタルムは、ロゼットの葉が美しい多肉植物。寄せ植えにも使用されます。葉挿しで簡単に増やせます。
ブロンズ姫
- 生育型:春秋型
ブロンズ姫は、赤っぽい銅色の艶々とした色が印象的。気温が下がるとより葉の色が濃くなります。
クラッスラの仲間
- 生育型:夏型、春秋型、冬型
クラッスラの仲間は、ベンケイソウ科クラッスラ属の多肉植物。種類が多く、生育期は夏型、春秋型、冬型と品種によって違います。3~4cmの小型から数m近くにもなる大型種まで、幾何学模様に見えるものやユニークな形の種類など種類が豊富。一番身近な品種は「金のなる木」です。
コチレドンの仲間
コチレドンの仲間は、ベンケイソウ科コチレドン属の多肉植物。生育期は夏と春秋があります。
銀波錦(ギンパニシキ)
- 生育型:春秋型
銀波錦は、幅の広い葉は白い粉をまとった銀葉、葉の周囲は波打っているのが特徴です。
熊童子(くまどうじ)
- 生育型:春秋型
熊童子は、葉の先端のギザギザと、そこが赤く染まることから、小熊の手に例えられたのが名前の由来です。
コノフィツムの仲間
コノフィツムの仲間は、ハマミズナ科コノフィツム属の多肉植物。生育期は冬です。
コノフィツム(メセン)
- 生育型:冬型
コノフィツムは、メセン(女仙)の代表的な属の一つ。個性的で特異な容姿と興味深い生長過程もあり愛好家が多い種類です。
セダムの仲間
セダムの仲間は、ベンケイソウ科セダム属の多肉植物。生育期は春と秋です。
セダム
- 生育型:春秋型
セダムは、主に北半球に分布し、500種類以上の品種が確認されています。乾燥に強く少ない土壌で育つので、屋上緑化などに使われるほか、彩りとフォルムの美しさから寄せ植えの材料として利用されています。
虹の玉(ニジノタマ)
- 生育型:春秋型
虹の玉は、冬に赤く色づく葉が美しく、寄せ植えにも多用されます。
セネシオの仲間
セネシオの仲間は、キク科セネシオ属の多肉植物。生育期は夏と春秋があります。
銀月
- 生育型:春秋型
銀月は、白い毛に覆われた葉が印象的な多肉植物。日当たりの良い所に置いて管理すると葉の銀色がより強く出るようになります。
グリーンネックレス
- 生育型:春秋型
グリーンネックレスは名前の通り、グリーンピースのような玉状の葉が連なる姿が可愛らしいつる性の多肉植物です。
センペルビウムの仲間
センペルビウムの仲間は、ベンケイソウ科センペルビウム属の多肉植物。生育期は春秋です。
センペルビウム
- 生育型:春秋型
センペルビウムは、ロゼットの葉が美しい多肉植物。親株からランナーが伸び、その先に子株をつけながら生長して群生します。
ハオルシアの仲間
ハオルシアの仲間は、アロエ科ハオルシア属の多肉植物。生育期は春と秋です。
オブツーサ
- 生育型:春秋型
オブツーサは、丸い葉先の先端が透き通っていることから和名が「雫石(しずくいし)」といい、光にかざすと雫のようにきれいな葉っぱが特徴で人気の品種です。
十二の巻(じゅうにのまき)
- 生育型:春秋型
十二の巻は、白いしま模様が特徴の硬い葉を持つ「硬葉系」の種類。比較的丈夫で育てやすく、可愛い見た目から親しまれています。
ユーフォルビアの仲間
ユーフォルビアの仲間は、トウダイグサ科ユーフォルビア(トウダイグサ)属の多肉植物。生育期は夏です。
オベサ
- 生育型:夏型
オベサは、一見サボテンのようにも見える多肉植物。コロンとしたフォルムがかわいらしく印象的です。
瑠璃晃
- 生育型:夏型
瑠璃晃は、ごつごつした丸いボディが特徴的。生長するにつれてポコポコと子株を出し、群生していきます。
リトープスの仲間
リトープスの仲間は、ハマミズナ科リトープス属の多肉植物。生育期は冬です。
リトープス
- 生育型:冬型
リトープスは、中央が二つに割れたようなフォルムの葉が個性的な多肉植物。割れ目から開花する花も魅力です。
多肉植物の基本の育て方
初めてでもわかりやすい、多肉植物の基本の育て方のお話です。
多肉植物の土
多肉植物の原産地は、荒れ地や乾燥した地域。水はけと通気性が良い土を使って、原産地に近い環境に整えてあげることが大切です。
初めて多肉植物を育てるなら、まずは市販の多肉植物用の培養土を使用するとよいでしょう。水はけと通気性が良く、多肉植物を育てやすいようにブレンドされています。
また、鉢の中の水はけを良くし、余計な水分が残らないようにするためにも鉢底石も必要です。
園芸用培養土や野菜用培養土などは、保水性が良く栄養も入っているため、多肉植物に負担をかけてしまうので避けてください。
多肉植物の水やり
多肉植物の水やりは、生長期にはしっかりと、休眠期は控えめにする必要があります。育てたい多肉植物の生育型を知っておきましょう。
夏型種の水やり
夏型種は、春から秋の気温が上がる時期に土が乾いたら水やりをします。冬になり気温が下がってきたら、月に1回から0回まで減らします。生長期でも雨が多く湿度が高い時期は、水やりを控えめにします。
冬型種の水やり
冬型種は、秋から冬の気温が下がる時期に土が乾いたら水やりをします。冬の水やりは、30℃程度のぬるま湯を心がけるとよいでしょう。
冬型種は、春になって気温が上がり始めると休眠期に入ります。春から秋の間は水やりは控えめにし、涼しい場所で管理しましょう。
春秋型の水やり
春と秋は土が乾いたら鉢底から水が出るくらいたっぷり水を与えます。
夏はほぼ断水気味にするか、夕方など涼しくなってから、葉水か、土が半日くらいで乾くくらいの水を与えます。高温多湿が苦手なので、下手に水を与えることで蒸れて株が痛んだり、根腐れを起こしやすくなるので気を付けましょう。
冬はほぼ断水します。水を切ることで耐寒性を高めることができます。
多肉植物の購入のコツとポイント
多肉植物の購入のポイントは肉厚でしっかりした株を選ぶこと。日照不足で徒長していたり、葉にシワが寄っているようなものは避けましょう。
コツは、全体的にどっしりと安定しているもの、葉の頭頂の生長点がきれいなものを選ぶことです。
※徒長とは、葉と葉の間の茎が間延びしたように細く長くなること。日照不足や水やりのし過ぎなどが原因となって起こります。
多肉植物の植え替え
多肉植物は、生長に応じて植え替えが必要です。何年も植え替えをしないでいると根詰まりといって、鉢の中で根がいっぱいになってしまい、生長の妨げになります。
また、購入時にプラスチック鉢とビニールポットが二重になっているようなものも、通気性が悪いので植え替える必要があります。
多肉植物の植え替えの基本
多肉植物の植え替えは、生長期に入る前に行うと株への負担が少なくて済みます。夏型種なら春、冬型種なら秋がよいでしょう。真夏や梅雨の湿度が高い時期と冬の厳寒期は株に負担がかかるので避けるようにします。
植え替え前に根を乾燥させることも大切。植え替えの数日前から乾燥させます。根を鉢から引き抜いて確認し、黒ずんでいたり傷んでいるような場合は清潔なハサミで切り取ります。2~3日風通しの良い場所で根を乾かしてから、多肉植物用培養土に植え替えます。
植え替え後は風通しの良い場所で管理し、4~5日経ってから水やりをしましょう。
乾燥させない植え替え
アガベやハオルシアなど根が太いタイプの多肉植物は乾燥させません。あらかじめ湿らせた多肉植物用培養土を用意しておき、根を傷つけないように植え替えたら、仕上げに水やりをします。
多肉植物の植え替えのコツ
多肉植物の植え替えは乾燥させるものばかりではありません。それぞれの特性を見てあげることが大切です。また生長期に入る前の休眠期に行うのもコツです。
多肉植物の増やし方
多肉植物の増やし方には大きく分けて3つの方法があります。それぞれについて詳しくお話します。
多肉植物の増やし方|葉挿し
エケベリアなどは葉から新芽が出てきます。葉から増やすことを葉挿しといいます。
多肉植物の葉挿しは土に挿し込むようなことはしません。お皿などに多肉植物用培養土を敷き、その上に葉を載せておくだけです。数週間経って、葉の付け根の部分から新芽と根が出てきたら土に植えつけます。
多肉植物の増やし方|挿し芽
セダムやカランコエなどは挿し芽で増やすことができます。切り取った葉茎を土に挿して増やすことを挿し芽といいます。
切り取った葉茎を3~4日風通しの良い場所で乾燥させます。多肉植物用培養土を入れた鉢に挿し、10日から2週間経ったら水やりをします。しばらくすると新芽が確認できるようになります。
多肉植物の増やし方|株分け
株元から子株が生長してくることがあります。子株は株分けで増やすことができます。
手で分けられるものは植え替えのタイミングなどに分けて、新しい鉢に植え替えます。エケベリアなど、親株と子株が繋がっているようなものは子株を切り取って挿し芽と同様にして株分けします。
多肉植物を育ててみたくなりましたか。多肉植物は色やフォルムもさまざまで、とっても種類が豊富。寄せ植えにしたり、いろんな種類をコレクションしたり、楽しみ方も様々です。奥深い多肉植物の世界に足を踏み入れてみませんか。
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