コスモス|花咲く季節、色や種類、育て方、飾り方
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コスモスの花の咲く季節、たくさんある色や種類、育て方、切り花を長持ちさせる方法や飾り方など、コスモスの花の楽しみ方を紹介します。
目次
コスモスとは?基本情報
- 植物名:コスモス
- 学名:Cosmos bipinnatus
- 科名:キク科
- 属名:コスモス属
- 英名:Cosmos
- 和名:秋桜
- 分類:一年草
コスモスの特徴
コスモスは、メキシコ原産のキク科の一年草。18世紀末にアメリカ大陸からヨーロッパに持ち込まれ、日本に渡来したのは幕末の頃だとされています。その後人気が出て、全国に広がっていきました。
コスモスは、草丈1~2m、糸のように細く裂けた葉をしています。草丈が高いわりに細く華奢な茎の先に直径6~10cm程度の花を咲かせます。通常8枚の花びらを持ち、ピンクや白など、淡く優しい色の花を咲かせます。
コスモス属の仲間には、多年草のキバナコスモス(C.sulphureus)や、チョコレートコスモス(C.atrosanguineus)などがあり、こちらは一年草のコスモスとは別種として扱われます。
コスモスの花言葉
コスモスの花言葉は「調和」「乙女の純真」です。
コスモスの名前の由来
コスモスという名前は、「装い」「美しい」などの意味を持つギリシャ語の「kosmos」に由来します。コスモスの花色が美しいことにちなんで、マドリッドの王立植物園長カバニリェス神父が名付けたとされ、そのまま日本名として定着しました。種小名のbipinnatusは「2回羽状」という意味のギリシャ語に由来するとされ、コスモスの葉のフォルムにちなんでいます。
コスモスの和名「秋桜」の由来は、コスモスの花が秋に咲くこと、また花びらが桜を連想させることによります。
コスモスの花咲く季節
コスモスの花咲く季節は、6月~11月です。本来コスモスは短日性といって日が短くなると開花する性質の草花なので、多くの種類は夏至を過ぎて日が短くなる秋から花を咲かせます。最近は改良が進み、短日性の性質を持たない早咲き種も作出されています。こちらは6月ごろから花を楽しめるというのが特徴です。
初夏から開花する早咲き種も、昔ながらの秋に開花する種類も、どちらも優しくはかなげな花で、私たちの目を和ませてくれます。
こんなにある! コスモスの色と種類
コスモスには数えきれないほどたくさんの色と種類があります。代表的なものを紹介します。
コスモスの色
コスモスの花色は、白、淡いピンク、ピンク、濃いピンク、赤、アプリコットカラー、黄色、明るい黄色、複色、覆輪など。昔は、白やピンクの濃淡が主流でしたが、多くの種類が作出されるにつれ、花色の数も増えてきました。これからも見たことのないような色が増えていくかもしれません。
コスモスの種類
コスモス・シーシェル
- 学名:Cosmos bipinnatus cv. Sea Shell
シーシェルは、他のコスモスと違い花びらが筒状になっている、独特のフォルムのコスモスです。花色は濃いピンクや淡いピンクなどがあります。
コスモス・イエローガーデン
- 学名:Cosmos bipinnatus cv. Yellow Garden
イエローガーデンは、それまでコスモスにはなかった黄色の花を咲かせる種類です。1980年代に育成されました。
コスモス・日の丸
- 学名:Cosmos bipinnatus cv. Hinomaru
日の丸は、花全体は淡いピンク、中心にいくにつれてピンクが濃くなっていくグラデーションが特徴。明るい花色が印象的な種類です。
コスモス・ピコティー
- 学名:Cosmos bipinnatus cv. Picotee
ピコティーは、淡いピンクに濃いピンクで縁取りをしたような花びらをしています。淡い花色なのに、花のフォルムがはっきりとわかるのが特徴です。
コスモス・ベルサイユ
- 学名:Cosmos bipinnatus cv. Versailles
ベルサイユは、フランスで作られた種類で、花首が太くしっかりしていて折れにくいため、切り花として流通の多いのが特徴。花色は白やピンク、濃いピンクなどがあります。
コスモス・センセーション
- 学名:Cosmos bipinnatus cv. Sensation
センセーションは、1930年代にアメリカで作られた短日性を失った種類です。春に種まきをまけば初夏から開花を楽しめる早咲き種で、花色は白やピンクなどがあります。
コスモス・ソナタ
- 学名:Cosmos bipinnatus cv. Sonata
ソナタは、草丈40cm程度の矮性種。小型なので庭植えでも場所を取らず育てやすく、鉢植えでの流通も多い種類です。花色は白やピンク、濃いピンクなどがあります。
コスモス・ダブルクリック
-
学名:Cosmos bipinnatus cv. Double Click
ダブルクリックは、コスモスには珍しい八重咲きから半八重咲きの種類です。ダリアを思わせるような豪華な花を咲かせます。花色は白、濃いピンク、ピンク、複色などがあります。
コスモスの育て方
植え付けと用土
日当たりと水はけのよい場所を好みます。草丈12mまで大きくなるので、庭植えにするなら植え付け前にしっかりとスペースを確保しておきましょう。生長すると大きく根を張るので、鉢植えで育てるなら購入時よりも2回り程度大きな鉢に植え替えるとよいでしょう。
水やり
庭植えのコスモスは、根付いてからは水やりの必要はありません。降雨に任せましょう。
鉢植えのコスモスは、土の表面が乾いて白っぽくなってきたら、たっぷりと水やりします。
肥料
過肥にすると草丈ばかり大きくなって花が咲かなかったり、病害虫の被害にあいやすくなったりします。肥料は植え付け時に元肥をすき込むだけで十分です。生育中に葉が黄色く変色してくるようなら、追肥を施します。
植え替え
移植を嫌う直根性の植物です。一度根付いたコスモスは植え替えないようにしてください。
ポット苗や鉢植えで購入したコスモスを庭や新しい鉢に植え替える際は、根を傷めないように根鉢を崩さずに植え替えるようにしましょう。
病害虫と対処法
加湿にするとうどんこ病が発生しやすくなります。葉が白く変色してきたら、傷んだ葉を摘み取り薬剤を散布します。乾燥気味に管理するよう心がけましょう。
アブラムシが付くことがあります。見つけ次第捕殺するか薬剤を散布します。他に乾燥させすぎるとハダニが発生することがあります。葉裏を確認し、とても小さな赤い虫がいたら、流水で洗い流します。
コスモスの増やし方
コスモスの種を採る方法
花後に花がらを摘まずにそのままにしておくと、種子ができます。種子は放っておくと周囲に種を飛ばす性質があるので、熟すのを待ってこぼれる前に収穫しましょう。
種子が熟して緑から黒に近い濃い茶色に変わったら収穫のタイミングです。手で摘みとろうとするとパラパラとこぼれてしまうので、紙袋や紙の封筒で受け止めるようにすると上手に収穫できます。
収穫した種子は紙袋や紙の封筒などに入れ、冷蔵庫で翌年まで保管します。紙の封筒に入れる理由は湿気で種子が傷むのを防ぐためです。
種まき時期
コスモスは種まきから2~3か月で開花します。早咲きのコスモスは4月に種をまけば早ければ6月には花を楽しめます。遅咲きのコスモスは7月~8月に種まきをすると秋に花を楽しめます。遅咲きの種類を春に植えてしまうと秋まで花が咲かず、草丈ばかり伸びてしまうので間違えないように気をつけましょう。
種まき方法
直根性といって移植を嫌うので、植え替えの必要がないように種まきすることをおすすめします。
庭植えにするなら、15~20cmくらいの間隔を取り、土に指で穴を開けて3~4粒ずつ種をまきます。上から土を被せて、種が流れ出ないように優しく水やりをしましょう。
鉢植えで育てるなら、大きめの鉢に培養土を入れ、5~10cm間隔を取り数か所指で穴を開けて3~4粒ずつまきます。上から土を被せ、種が流れ出ないように優しく水やりをしましょう。
コスモスをたくさん咲かせるコツ
生育中に切り戻しを行うと、草丈を低く抑えられる他に、切ったところから枝分かれするので花数が増えるという利点があります。花が咲き終わったら、花茎を好きな高さでカットすると、シーズン中次々と花を咲かせ、たくさんの花を楽しめるようになります。
コスモスの切り花|飾り方や長持ちさせるコツ
コスモスは切り花でも流通しています。お庭で咲いたコスモスをお部屋に飾るのも楽しみの一つです。コスモスの上手な生け方、飾り方を紹介します。
大きくたっぷりと飾る
コスモスの花だけを大きく飾る方法です。コスモスの花はとても華奢でインパクトに欠ける花ですが、何本かをまとめて飾ると絵画のように印象的な景色が出来上がります。
飾り方は、大きな花瓶に何本もまとめてバサッと生けるだけで十分です。コスモス同士の葉や茎がお互いを支え合うのでボリュームのある生け方ができます。
花瓶の水は少なめにして、水に浸かる部分の葉はきれいに取るようにすると、茎が傷みにくく、長く楽しめるようになります。
一輪だけをかわいく飾る
小さな栄養ドリンクやジャムの空き瓶などに、一輪飾るだけでも様になります。つぼみの可愛らしさもコスモスの魅力です。花だけでなくつぼみも飾ってみましょう。
長持ちさせるコツ
コスモスは切り花にすると、4~5日で萎れてしまうような繊細な花です。そのはかなさもコスモスの魅力ですが、せっかく生けるなら少しでも長く楽しみたいもの。コスモスの切り花を長持ちさせるコツをご紹介します。
・花瓶の水は少なめ
・毎日水を取り替える
・茎を切り戻す
・水に浸かる部分の葉を取る
・涼しい場所に飾る
・エアコンの風が直撃する場所は避ける
コスモスの切り花を長持ちさせるには、花瓶の水を清潔に保つことが大切です。直射日光と強い風も避けてください。長くコスモスを飾って楽しみましょう。
見ているだけで心が和むようなコスモスの花を、育てたり、飾ったりして、季節の花を楽しみましょう。
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