ヤマブキとシロヤマブキの違い【春に咲く花木】
金子三保子
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春に美しい花を咲かせる名前が似ている花木、ヤマブキとシロヤマブキの違いをご紹介します。
目次
ヤマブキとは?
- 学名:Kerria japonica
- 和名:山吹
- 科名・属名:バラ科ヤマブキ属
- 分類:落葉低木
ヤマブキは、春に美しい黄色の花を咲かせる日本原産の落葉低木。山吹色という色の名前は、このヤマブキの花色が由来です。
春に山吹色の花を枝一面に咲かせる姿は圧巻で、開花時は人を惹きつけます。株元から伸びたそれぞれの枝は、自然に弓なりになり、枝一面にびっしりと花をつけます。花は一重のほか、八重咲き種もあり、白い花が咲くシロバナヤマブキもあります。美しい枝ぶりの花は、枝もの花材としても流通しています。
公園で見かけたヤマブキ
とても強健で育てやすい植物です。植え付け後はほとんど手間がかからず、毎年株元から新しい枝が出て大株に生長します。
写真は散歩中に見かけた、大きく生長したヤマブキ。おそらく数十年が経過していると思います。弓なりにしなった枝は、黄色いトンネルのようで素敵でした。明るい緑色の葉が花色とマッチして、あたり一面を明るい雰囲気に。
植え付け後は放任で育つヤマブキですが、育て方のコツは剪定です。古い枝からは花が咲かなくなるため、古い枝、枯れ枝は毎年剪定していきます。その際、株元で剪定するのがポイント。地面から弓なりに伸びる樹形が美しいので、毎年間引き剪定をして枝を更新すると、美しい樹形とたくさんの花を楽しめます。
今度ヤマブキを見かけたら、花だけでなく株元をご注目ください。毎年、新しい枝を出す性質のヤマブキは、古い枝や枯れ枝は茶色、若い枝は緑色をしています。
こちらは我が家のヤマブキ。かなりの古株です。ヤマブキは地下茎で広がっていくので、元の株から少し離れた所からも突然芽吹きます。広がっても構わない場所なら放置、困るなら花が終わった頃に、掘り起して整理しないと、どんどん勢力を拡大します。
シロヤマブキとは?
- 学名:Rhodotypos scandens
- 和名:白山吹
- 科名・属名:バラ科シロヤマブキ属
- 分類:落葉低木
シロヤマブキは、春にヤマブキの花に似た白い花を咲かせるバラ科の落葉低木。花が同じ季節に咲くヤマブキの花に似ていることから名づけられました。
適度な湿気を好むので、夏に西日が当たりすぎるような場所に植栽するのは不向きです。適した場所に植栽すれば、丈夫で育てやすく特別な手間が必要ないので、庭木のほか、公園樹としてもよく見かけます。
枝の至る所から花が咲くヤマブキに対して、シロヤマブキは枝先に花を咲かせます。そのため、離れた所から見ると、ヤマブキは花色が強く印象に残るのに対して、シロヤマブキは明るい緑色の葉も目を引きます。花と葉のバランスからすると緑の方が多い感じです。
花の開花後、ひとつの花に4つの黒い実が枝先に実り、秋の落葉後も枝に残ります。時には翌年の花と前年の実が同時に見られることもあります。
ヤマブキとシロヤマブキの違い
ヤマブキはヤマブキ属、シロヤマブキはシロヤマブキ属なので植物的には別種です。ヤマブキには白もあり、名前はシロバナヤマブキと呼ばれています。両者の違いをご紹介します。
花の違い
ヤマブキは花びらが5枚で、枝の節々からたくさんの花が開花します。
シロヤマブキは花びらが4枚で、枝先に花が開花します。
葉の違い
ヤマブキ
ヤマブキの葉は互生(枝の両側から互い違いに葉がでること)です。
シロヤマブキ
シロヤマブキは対生(枝の両側の同じ位置から葉が出ること)です。
春を美しく彩ってくれるヤマブキとシロヤマブキ。お散歩の際に、花だけでなく、葉や株元をご注目ください。
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