多肉植物の増やし方。「葉挿し」、「挿し木」、「株分け」のコツ
LOVEGREEN編集部
このライターの記事一覧
種類が多く、個性的な姿は育てたり、飾ったりするだけではなく増やすことも楽しめる多肉植物。増やした株で寄せ植えを作ることもできて、また別の面白さも生まれます。多肉植物の増やし方は葉を使って増やす「葉挿し」と、株を切って増やす「挿し木」、株を分ける「株分け」があります。
多肉植物の種類に適した増やし方と合わせてご紹介します。
目次
- 多肉植物の増やし方の基本
- 多肉植物の増やし方|葉を使って「葉挿し」で増やす
- 葉挿しで増やせる多肉植物
- 多肉植物の増やし方|株を切って「挿し木」で増やす
- 挿し木で増やせる多肉植物
- 多肉植物の増やし方|「株分け」で増やす
- 株分けで増やせる多肉植物
- 多肉植物を増やすのに便利なアイテム
多肉植物の増やし方の基本
多肉植物を増やすのは、いつでも何でもできるわけではありません。適したタイミングを確認しましょう。
ベストなタイミングは「生長期」に行うこと
多肉植物には種属ごとに生長が活発になる生長期があります。この生長期に増やす作業をすると発根しやすいです。発根は季節も関係します。真冬などの寒い時期に行っても発根しづらく、 春や秋など気温が安定してカラッとした気候のほうが向いてます。
切り口がある時は、乾いてから
葉の付け根、茎の切り口、株を切った時は、すぐ土には植えないようにしましょう。切り口をしっかりと乾燥しないと、雑菌が入り腐ってしまうこともあります。また、挿し木直後に水やりすることも避けた方がよいです。 多肉植物は株や葉自体に水を蓄えているので、すぐに水やりをしなくても枯れることはありません。
多肉植物の増やし方|葉を使って「葉挿し」で増やす
植え替えのタイミングや、鉢を動かしていたらポロっと取れてしまった葉。種類によってはその葉を使い「葉挿し」で増やすことができます。
セダムで葉挿しにチャレンジ
セダム・銘月(めいげつ)を葉挿しします。葉挿しは葉を土に置きます。使う葉は元気な葉がよいです。水分不足などでカラカラの葉などは避けましょう。
葉挿しに使う土は大粒ではなく小粒のものが向いています。市販の多肉植物の土などでもよいでしょう。写真上くらいに葉挿しする葉を付け根が軽く土に埋まるように置きます。
風通しの良い明るい日陰、半日陰に置いて管理します。直射日光は避けましょう。
写真下は埋めすぎの場合の例。すぐには水やりはしません。根がでるまではこのままで待ちます。いつ根が出るのか気になるとは思いますが、気長に待ちましょう。
発根後、発芽し生長します
ゆっくりですが、じわじわと形になってきます。この時点で根は土に埋めます。新しい株が生長するにつれて、元になった葉は萎れていき自然と落ちますので無理やり取るようなことはしないでください。
ここまで生長するまで、時間はかかります。葉から生まれた新しい姿の生長をじっくり楽しんで育ててみましょう。
葉挿しで増やせる多肉植物
エケベリア
エケベリアの原産地はメキシコ・中米で生長期は春秋です。国内でも交配種から新しい品種が作出されていて、集める愛好会も多い人気の多肉植物です。サイズは直径3cmくらいのコンパクトなものから、40cmくらいに育つ大型のものまであります。花のようなルックスで華やかな印象があり、寄せ植えやアレンジメント、装花にも取り入れられています。
大型品種(バレリーナ、ウエディングドレス、バロンボールドなど)は花芽挿しをオススメします。
▼5分で分かる!エケベリアの詳しい育て方
アドロミスクス
葉が取れやすい品種なので、取れたら葉挿しに。
▼5分で分かる!アドロミスクスの詳しい育て方
セダム
日本原産の種類もあるセダムはベンケイソウ科セダム属の多肉植物です。生長期は春秋。小さな葉を連ね生長するものから、エケベリアに似た花のような見た目をした種類もあります。非常に丈夫で、庭のグランドカバーに使われることもあります。葉挿し、挿し木、株分けのどれでも増やしやすいです。
▼5分で分かる!セダムの詳しい育て方
カランコエ
カランコエは花を楽しむ人も多いのですが、葉が柔らかい毛に覆われていたり、模様が入っていたりと葉も個性的で楽しめます。葉挿しできるのは「月兎耳、ロンボピロサ、福兎耳」など。こちらは白肌ロンボピロサ。手前のは葉から生長したもの。
ベンハレンシスや、葉っぱに子株がつく品種は株分けで増やしましょう。カランコエは花を楽しむ人も多いのですが、葉が柔らかい毛に覆われていたり、模様が入っていたりと葉も個性的で楽しめます。
▼5分で分かる!カランコエの詳しい育て方
クラッスラ
金のなる木やゴーラムなどの夏型種は葉挿しで増やすことができます。
▼5分で分かる!クラッスラの詳しい育て方
ハオルシア
ハオルチアはツルボラン科ハオルチア属で、南アフリカが原産です。葉先や上部にある透明部分のことを「窓」と呼び、その窓から光を取り込みます。葉挿しの他に子株が出たら、株分けでも増やせます。
▼5分で分かる!ハオルチアの詳しい育て方
パキフィツム
パキフィツムは春秋が生長期の多肉植物で、メキシコ原産です。ふっくらと肉厚な葉をし、葉の表面は白い粉で覆われています。粉は触れるととれてしまいます。植え替えなどの作業時は目立たない部分を触るようにするとよいです。挿し木もできます。
多肉植物の増やし方|株を切って「挿し木」で増やす
挿し木は生長して伸びてしまったとき、脇芽が伸びたタイミングなどに行ってもよいでしょう。
挿し木にチャレンジ!
セダム・乙女心でご説明します。生長してますが、徒長気味でもあり茎が伸びています。
茎を切る時は新しい芽は残して上を切ります。切って土に挿す枝のことを「挿し穂」と呼びます。葉が付いたまま土に挿すと葉が土の中で腐ってしまう場合もあるので、挿し穂の下葉は葉を取り除きます。
2.切り口を乾かす
3~4日くらい切り口を乾燥させます。この時、できれば立てた状態で乾かすほうが形が崩れにくく、土に挿しやすいです。乾かすときはひっくり返した素焼き鉢に挿しておいても安定します。
新しい土に挿します。この時、割り箸などで軽く穴を作ってから挿すとスムーズに作業できます。管理する場所は風通しが良く明るい日陰が適しています。1週間から10日後に水やりをします。鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりしてください。
しっかりと根づくまで数週間〜数ヶ月かかることもあります。環境や気温でも異なります。頻繁に動かすよりはそっと見守って根づくのを待ちましょう。根付いてからは日当たりと風通しの良い場所で育ててください。
挿し木で増やせる多肉植物
先に紹介した葉挿しができる種類のなかでも下記は挿し木もできます。
セダム・アドロミスクス・パキフィツム・クラッスラ
アエオニウム
北アフリカなど穏やかな気候の地域に自生し、多くは茎の先にロゼット状の葉が展開します。その姿はまるで花が咲いているよう。上に伸びて生長していきます。
種類では葉が黒い「黒法師(くろほうし)」やサンバーストなどが人気です。
▼5分で分かる!アエオニウムの詳しい育て方
コチレドン
コチレドンはベンケイソウ科コチレドン属の多肉植物。夏型種と春秋型種類があります。産毛で覆われているもの、白い粉で覆われているものなどさまざま。大きさも品種によって変わります。熊童子のように小ぶりの品種から、葉の大きさが手のひらサイズにもなる種類もあります。生長期が夏型種と春秋型種類がありますので、育てている種類がどちらか把握しておくと◎
「株分け」で増やす
株分けのやり方は子株を外して分けます。 この時、無理に取るのではなく、やさしく取り外します。 親株は古い根を整理してから植え、子株も新しい土に植えます。鉢のサイズが大き過ぎないようにしてください。植え替えと同様に、すぐには水やりはしません。植えてから1週間〜10日後に水やりをします。鉢のサイズが小さいほうが土の乾きも早いので、こまめに観察をすることをお忘れなく。
多肉植物の増やし方|株分けで増やせる多肉植物
株分けができる種類は子株が出る種類ならば、分けることができます。
・エケベリア
・セダム
・ハオルシア
・ユーフォルビア
・アガベ など
多肉植物を増やすのに便利なアイテム
葉挿し、挿し木に便利なおすすめアイテムをまとめました。
乾き具合がわかりやすい土
乾いている時と湿っている時で色が変わるので水やりタイミングを掴みやすい土です。中央の色が濃い部分が湿っていて、周りは乾いている状態なので白っぽいのがわかります。
葉挿し用のトレーは鉢受け皿が便利
鉢受け皿は、土を敷いて葉挿し用のトレーにもなります。
葉挿しの水やり
ジョウロや水差しでは勢いが強すぎるので、霧吹きが便利です。
自分で増やした株は、友人に分けたり植物好きな人と交換したりしてもいいですね。自分なりの楽しみかたを見つけてみてください。
▼編集部のおすすめ
関連ワード
今月のおすすめコンテンツ
「多肉植物の増やし方。「葉挿し」、「挿し木」、「株分け」のコツ」の記事をみんなにも教えてあげよう♪