初心者でもよく育つ! 夏野菜の植え付け6つのポイント
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いよいよ夏野菜の植え付けに最適な季節がやってきました。今回は「いつまでに植える?」「良い苗の選び方」「植え付け手順」「土と肥料」「水やりのコツ」「支柱の立て方」といった、家庭菜園を始めるときに気になるポイントについて、東京・世田谷区にある貸菜園「アグリス成城」の川村和江さんに詳しく教えてもらいました。
目次
夏野菜を植える準備

編集部:
夏野菜を植えるとき、何が必要でしょうか?
川村さん:
はい。スコップ、レーキ、移植ごて、ハサミ、ジョウロ、元肥、仮支柱(長さ60cm~90cmくらい)、麻ひも、野菜苗を準備しましょう。
編集部:
それでは早速、夏野菜を植えるときに大切なポイントを教えていただきたいです。
このポイントに気を付けたら「初心者でも夏野菜が上手に育てられるよ。」というコツはありますか?
川村さん:
はい。これからお話する6つのポイントが大切です。
でも、最初から全部完璧にやろうと思わなくていいので、ぜひ、野菜が育っていく過程も丸ごと楽しみながら家庭菜園を始めてもらえたらと思います。
最適な時期に植える

編集部:
夏野菜を植える時期は大切ですか?
川村さん:
はい。4月20日~5月10日頃に植えるのが最適です。
早く植えすぎると、寒の戻りで寒くなったときに枯れてしまうことがあります。枯れてしまうと、苗をもう一度買いなおさないといけないので、もったいないですよね。
5月中旬以降になると、ちょっと遅いです。暑くなってくると苗にストレスもかかるので、温度がちょうど良いときに植え付けて、初期の生育が勢い良くスムーズにできた苗は、その後の生長もとても良いです。逆に、植え付けが遅いと、初期段階の生長が悪くなり、その後もしょぼしょぼとした生長になってしまうので、実は、1週間のずれが命取りです。ベスト・オブ・ベストの時期に植えることが大切です。
良い苗を選ぶ
編集部:
初心者でもわかる、良い苗の見分け方を教えてください。
川村さん:
基本的には、新鮮で入荷したての苗がおすすめです。葉が黄色くなっていたり、既に実がなっているような古い苗は、できたら避けた方がいいです。花については、例えばトマトの場合は、一番花が咲いているものを選ぶと良いと言われることがありますね。

編集部:
こんな風に曲がって伸びているトマトの苗はどうですか?
川村さん:
このトマトは、種から育てました。斜めに伸びていますが、トマトならこんな苗でも十分に育ちます。トマトの場合は、あまり小さいとスタートダッシュが遅れてしまうので、収穫時期も遅くなります。特にこれから暑くなる時期は、苗が小さいと暑さに負けてしまって実がならないということも考えられます。トマトの場合は、これくらい伸びていても問題ありません。
一方、キュウリなど他の野菜は、新鮮なうちにすぐに植えた方がその後の生育が良くなるので、なるべく新鮮で葉の美しい苗を選びましょう。
土と肥料について

編集部:
土や肥料について、気を付けることはありますか?
川村さん:
土は、水はけと水持ちが良い土がいいですね。
プランター栽培などで培養土を使う方は、あまり安すぎる土は避けて、できれば信頼できるメーカーの土を使うことをおすすめします。
畑の場合、畑の土を土壌酸度計やpH測定キットで測ってみるといいと思います。本には「酸性土壌の場合は苦土石灰を入れましょう。」と書いてあることが多いですが、まず、畑の土がどのような状態なのかを把握することが大切です。
土づくりは、やっていくのが一番だと思います。どんなに手をかけてもうまく育つ野菜と育たない野菜が出てくるので、2~3年チャレンジしてダメなものは「ここの土地に合っていない」と思って、うまく育つ野菜を作ればいいと思いますよ。野菜の機嫌や環境もあるので、自分を責めなくて大丈夫です。

編集部:
肥料についてはどうでしょうか?
川村さん:
肥料は必ず、肥料の袋に書いてある使用方法をよく読んで、その通りにあげてください。
たくさんあげれば良いというものでもありませんし、安すぎる肥料はやめた方が良いかもしれません。
植え付ける時に元肥をあげて、追肥はだいたい2週間おきに規定の量をあげましょう。
液肥や化成肥料は効きが早く、固形肥料や有機肥料はゆっくり効いて行きます。ちなみに、アグリス成城では、バイオゴールドの固形の追肥タイプを使用しています。
編集部:
トマトも肥料が必要ですか?
川村さん:
アグリス成城では、畑に決まった量の元肥を入れて、トマトには追肥をしていません。トマトは肥料が多すぎると、茎葉ばかり茂って実がつかない「過繁茂」になりやすいためです。
逆に、肥料が好きな夏野菜はナスです。トウモロコシも、適した時期に肥料をあげないと実が上手く育ちません。
植え方のコツ

川村さん:
土を耕して、元肥を混ぜ込んだら、レーキで平らにならして、苗をレイアウトしていきましょう。
今回は、初心者の方にも育てやすくておすすめな夏野菜のミニトマト、ピーマン、ナス(長ナス)、シソ、バジルを選びました。
▼初心者の方におすすめな夏野菜の理由はこちらの記事で詳しく紹介しています。
編集部:
植え付ける時のコツはありますか?
川村さん:
深すぎず、浅すぎず植えましょう。
土を盛り上げたり低くしたりすることなく、平らにします。水やりをしたときに、水が溜まったり流れたりしないで、真っすぐに下に落ちるようなイメージです。
あとは、苗をポットから出すときに、苗の茎を持って引き上げるのではなく、ポットを逆さまにしてポットをはずすと苗に負担がかからなくていいですね。

川村さん:
それでは植えていきますね。
①苗が入っているポットより少し大きめの穴を開けます。
②穴に水を入れます。(根が水をよく吸収できるようにするため)

③人差し指と中指で茎の根元を優しくはさみます。

④逆さまにしてポットを軽くつぶすと苗が出てきます。

⑤穴に植えて、土をかぶせます。ポットに植えられていたときより、ほんの少し土が上に来るように植えて、周りはなるべく平らにして、後で水をあげたときに部分的に水がたまらないようにします。

川村さん:
シソとバジルは、根が回っているので少し根を崩してから植えますね。根が育ちすぎてポットの中でぐるぐる回っている場合は、少し崩してあげるとその後の生長が良くなります。

川村さん:
野菜苗も同じですが、入荷したての苗であれば通常は根が回っていることはありません。逆に、根が回っていないことが多いので、そのような場合は根鉢を崩さずに静かに植えてあげてくださいね。
仮支柱の立て方
編集部:
仮支柱が必要な苗はどれですか?
川村さん:
今回植えた中では、ミニトマト、ナス、ピーマンに仮支柱を立てるといいですね。大きく育ってきたら、本支柱を立ててしっかりと支えます。
編集部:
短めの支柱を使って、仮支柱をする理由は何ですか?
川村さん:
仮支柱は、幼い苗が強風で倒れたり折れてしまうことを防ぐためにするのですが、始めから長い支柱を使うと、支柱と苗のバランスが悪く、風で揺れたときなどに根に負担がかかって生長が悪くなってしまうので、短い支柱から始めるといいですね。
このピーマンの苗はまだ小さすぎるので、支柱を立てるとかえって根に負担がかかってしまうと思います。始めは支柱無しで、生長の様子を見て支柱を立てることにしますね。

川村さん:
それでは、仮支柱を立てて行きましょう。
①土に対して斜め45度くらいに支柱を立てます。

②茎に麻ひもをかけて、8の字に2回交差させてから支柱の方で結びましょう。

③出来上がりです。
水やりの方法

編集部:
水やりをするときのコツはありますか?
川村さん:
株元にたっぷり水をあげましょう。一度あげて、水が引いてからもう一度あげると、土によく浸透します。たくさんあげたつもりでも、土の表面だけにしか浸透していないことがよくあるんです。

編集部:
丁寧に植えてもらって、苗たちが気持ち良さそうですね。
最後に、これから野菜作りを始める方に一言お願いします。
川村さん:
「成功しないと楽しくない。」ではなくて、もし虫に食べられてしまったら、「これは何の虫なんだろう?」と調べたり、野菜作りをレジャーとして楽しむ気持ちでスタートするといいと思います。
試行錯誤して、「よくできたら嬉しい!」みたいな感じでその過程を楽しむのが「家庭菜園」だと思います。ぜひ、バジル一鉢からでも始めてみてくださいね。
今回お話をお聞きした方

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