モロヘイヤとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- モロヘイヤ
- 学名
Corchorus olitorius
- 英名
- Nalta jute
- 和名
- モロヘイヤ
- 別名・流通名
- タイワンツナソ、ナガミツナソ、ジュート
- 科名
- シナノキ科
- 属名
- コルコルス属
- 原産地
- 北アフリカ、中近東
モロヘイヤの特徴
モロヘイヤは、アジア~アフリカ北部の熱帯で広く栽培されているシナノキ科の植物。高温や乾燥に強く、砂漠地帯でも育ちます。葉物野菜の作りづらい夏の時期に栽培できる貴重な野菜として原産地では古くから大切にされてきました。日本では1980年代から栽培されるようになりました。
病害虫にも比較的強く、自生力の強い丈夫な性質です。寒さには弱いため、春に十分暖かくなってから植え付けて、秋に花が咲く頃まで収穫します。
モロヘイヤという名前の由来には、アラビア語で「王家のもの」という意味があります。それは古代エジプトの王様が病気になった際、モロヘイヤのスープを飲んで回復したことが由来だそうです。エジプトで王家といえばクレオパトラ。彼女もこのモロヘイヤのスープを飲んでいたのかもしれません。エジプトには、扇形の刃の左右に取っ手が付いているモロヘイヤ専用のマハラタという包丁が昔から存在しています。
モロヘイヤの詳細情報
園芸分類 | 野菜 |
---|---|
草丈・樹高 | 50~150cm |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 黄色 |
開花時期 | 9月頃 |
モロヘイヤの種の再利用
モロヘイヤは秋になると花が咲き、種を採取することが出来ます。自家採取した種を翌年にまいて育てることができるので、チャレンジしてみて下さい。
種や莢(さや)について気を付けたいこと
秋になると黄色い花がつきはじめ、莢(さや)をつけます。モロヘイヤの莢(さや)や種にはストロファンチジンという有毒物質が含まれいるので、絶対に食べないように気を付けて下さい。種袋の裏にもそのことが記載されていますので、今一度確認しましょう。
なお、誤って摂取すると食欲不振、起立不能、下痢、嘔吐やめまいなどの症状がおこり、最悪の場合死に至ることもあると言われています。昔、モロヘイヤの種と莢(さや)は弓矢の毒として使われていたそうです。必ずお子様の手の届かないところに保管しましょう。
比較的トラブル知らずで元気に育ち、5か月間程の長い間収穫でき、しかも栄養価も高い野菜です。是非モロヘイヤを育てて、健康的な夏を過ごしましょう。
モロヘイヤの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき | ||||||||||||
収穫 | ||||||||||||
開花 |
モロヘイヤの栽培環境
日当たり・置き場所
モロヘイヤは、日当たりと風通しの良い場所を好みます。
温度
モロヘイヤの生育適温は25~30℃です。
用土
プランター栽培のモロヘイヤは、野菜用の培養土で育てましょう。
畑栽培の場合は、植え付け前に土を耕す準備が必要です。まず植え付けの2週間前位には石灰を入れ耕しましょう。その1週間後に堆肥と元肥を入れ土になじませます。
窒素分を含む肥料は、石灰と合わさることで窒素分がアンモニアガスとなって消失してしまうため、同時に使用してはいけません。そのため、石灰と肥料を合わせて使用する際は最低でも1~2週間ほど日数をあけて投入しましょう。
なお、この場合の石灰とは「消石灰」や「苦土石灰」をさします。牡蠣殻などの「有機石灰」ではそのような化学反応は起きないので、どうしても堆肥と石灰を使用するために必要な日数がない場合は「有機石灰」の使用をおすすめします。
モロヘイヤの育て方のポイント
水やり
モロヘイヤは高温や乾燥に強くよく育ちますが、あまり乾燥させすぎない方が状態良く育ち、葉も美味しくなります。高温乾燥でハダニが発生することもあるため、水やりを適度に行いましょう。
肥料
やわらかくて美味しい葉を次々と収穫するためには、側枝を多く出させることが大切です。そのために、追肥を適宜適量行い、肥料切れさせないようにしましょう。
モロヘイヤの詳しい育て方
選び方
苗は、葉がイキイキとしていて、徒長しておらず、株元がぐらついていないしっかりしたものを選びます。
種まき
モロヘイヤの発芽適温は25~30℃です。暖かくなった4月下旬~5月中旬に種まきしましょう。
畑に直まきする場合は、株間25cmで、4~5粒を点まきし、苗が育つにつれて間引いて1本仕立てにします。
ポットにまく場合は、1ポットに4~5粒をまき、芽が出てしばらくしたら間引き、草丈が15cmくらいになったら、大きめのプランターか畑に植えましょう。
植え付け
苗は、根を崩さずに畑やプランターに植え付けます。
摘芯(摘心)・摘果
草丈が高くなりすぎたら、上の方の枝葉を切り取ります。放っておくとグングン生長し続けるので、草丈が70~80cm以上にならないように管理しましょう。大きく育てて一気に収穫というよりも、こまめに収穫してやわらかい葉の部分を食べるのがおすすめです。
花
モロヘイヤは、日の出から日の入りまでが13時間より短くなると、花芽分化して小さな黄色い花を咲かせます。
収穫
草丈が40~50cmになったら、芽先のやわらかい部分(15cmくらい)を摘み取って収穫しましょう。摘芯することによってわき芽を増やして収穫量を増やします。
その後、伸びてきたやわらかい茎葉を手で折り取って収穫します。花がつくと葉茎が固くなるので、花はこまめに摘み取りましょう。
夏越し
モロヘイヤは暑さと乾燥に強い性質がありますが、みずみずしい葉を育てたり、病害虫の発生を予防するためにも、土が乾いたら水やりを行います。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
モロヘイヤは種まきで増やすことができます。