落花生(ラッカセイ)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑

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植物名
落花生(ラッカセイ)
学名

Arachis hypogaea

英名
Peanut
和名
ラッカセイ
別名・流通名
南京豆、ピーナッツ
科名
マメ科
属名
ラッカセイ属
原産地
南米アンデス地方

落花生(ラッカセイ)の特徴

別名ピーナッツや南京豆とも呼ばれる落花生(ラッカセイ)は、マメ科の一年草で、草丈25~50cmほどになり、夏に黄色い蝶のような形の花を咲かせます。栄養が豊富で、日本では乾燥させて炒ったものを食べるのが主流です。たくさんの品種があり、ほふく性・立性・半ほふく性などの生長の仕方、「早生」や「晩生」など種まきから収穫までの期間、実の大きさなどが品種によって違います。

昼に開いた黄色い花は夜にはしぼみ、子房柄(しぼうへい)という茎を地面へ向かって数日かけて伸ばし、地中に潜り込んで実をつけます。花が落ちて地中で実が生まれることから「落花生」と名付けられました。

日本では千葉県で全体の75%程度を生産していますが、消費量の8割以上を中国やアメリカからの輸入に頼っています。

落花生(ラッカセイ)の詳細情報

園芸分類 野菜
草丈・樹高 25~50cm
耐寒性 弱い
耐暑性 やや強い
花色 黄色
開花時期 6月下旬~

落花生とピーナッツの違い

落花生とピーナッツは同じ食品です。落花生は日本語名、ピーナッツは英語名で、英語圏ではどの状態でもピーナッツと呼ばれますが、日本では莢(さや)がついている状態だと落花生、莢を取り去って豆だけの状態はピーナッツと呼ばれるのが一般的です。また、お菓子や加工食品の材料として使われる時にはピーナッツ(例・ピーナッツバター)、農産物や栽培用の種として流通する際は落花生と呼ばれることが多いようです。どちらも同じですが、状態によって名前が変わるのは日本語圏ならではです。

収穫してすぐだからこそ味わえる「茹で落花生」

落花生(ラッカセイ)は通常炒ったものを食べますが、採れたての生の落花生(ラッカセイ)は塩茹でして食べることが出来ます。殻付きのまま塩を3~4%加えたお湯で30分ほど(あれば落としぶたをして)茹でます。茹で加減を確認し、硬いようなら追加で数分茹で、茹で上がったら10分ほどふたをして蒸らしたら完成。茹でたては、白い実がホクホクとしておいしいおつまみになります。

種を分布させる作戦

どんな植物も子孫を残すために、種をできるだけ遠くへ分布させる工夫をしていますが、落花生(ラッカセイ)はどうしてわざわざ鳥も風も運べない、土の中に種をつくってしまうのでしょう?

理由は落花生(ラッカセイ)の原産地にあります。アンデス山脈のふもとの乾燥地帯では、時々まとまった大雨が降り、土がえぐれるほどの濁流が落花生の莢(さや)ごと遠くへ流してくれるというわけです。落花生(ラッカセイ)の莢は、皮が固く、中が空洞で軽いので、水に浮かんで流れるのにちょうどよい形になっています。

落花生(ラッカセイ)の莢(さや)の表面はなぜでこぼこの網目模様なのか?

落花生(ラッカセイ)の表面には、まるで人間の血管のように、しわしわの模様が浮き出ています。これは地上からマメに栄養や水分を送るための管が模様のようにみえているからです。落花生(ラッカセイ)は苦労して種を土の中へもぐらせ、灼熱の夏の太陽から大事な種を守っています。乾ききった土の中にある種に、地上から何本もの管を張り巡らせて、水を送っている必死さが、莢の表面に表れているようです。

 

落花生(ラッカセイ)の育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
種まき
収穫

落花生(ラッカセイ)の栽培環境

日当たり・置き場所

日当たりを好みます。風通しの良い場所で育てましょう。

温度

落花生(ラッカセイ)の生育適温は25~28℃で、温度と日光を必要としています。

用土

落花生(ラッカセイ)は連作を嫌うので、同じ場所で作るのは避け、最低でも2~3年は間隔をあけます。

石灰分が不足すると空莢(からさや)になりやすいので、石灰を施して畑を準備しましょう。

※空莢(からさや):実の入ってない莢(さや)のこと

窒素分が効きすぎるとつるボケになりやすいので、特に元肥は施さず、追肥も控えめにします。

プランター栽培の場合は、野菜用の培養土で育てましょう。

落花生(ラッカセイ)の育て方のポイント

水やり

地植えの場合はほとんど水やりは不要ですが、乾燥が激しい場合はたっぷりと水やりをします。

プランターでも、やや乾かし気味に栽培する方がよいでしょう。

肥料

花が咲き始めたら株元に肥料をばらまいて追肥します。肥料と土を混ぜあわせながら、あわせて中耕し、土をほぐして株元近くに土を盛ることで、実のなりがよくなります。

マメ類は肥料が少なめでも十分に育つので通常量の1/2~1/3程度に減らしましょう。

※中耕:栽培期間中に畝間や株間の土の表面を浅く耕すこと

病害虫

コガネムシダンゴムシナメクジなどの住みかとなりやすいので、黄葉を取り除きながら食害されていないか確認しましょう。

病気は褐斑病などにかかることがあります。

落花生(ラッカセイ)の詳しい育て方

選び方

本葉3~4枚の苗を選びますが、主に種から育てるのが一般的です。

たくさんの品種があり、ほふく性・立性・半ほふく性などの生長の仕方、「早生」や「晩生」など種まきから収穫までの期間、実の大きさなどが品種によって違います。栽培する場所に適した種を購入しましょう。

苗で流通する際、落花生(ラッカセイ)の葉が、折りたたんだ状態になっていることがあります。これは、夜は葉がたたまれ、昼には開く植物の就眠運動によるものです。

種まき

落花生(ラッカセイ)は栽培適温が25~28℃と高めなので、関東での種まきも5月以降が好ましいです。

殻から取り出して一晩水につけた種をまきます。

地植えでは高さ10cmくらいの畝を立て、30cm間隔で種まきをします。畝の中央に深さ2cmの穴をあけ、1か所につき2~3粒ずつ落花生の種をまきます。

鉢植えやプランターの場合は土の表面を平らにし、中央に2cm間隔で3粒種をまき、厚さ3cmほどの土をかけます。
種まきのあとは水やりをし、鳥に食べられないように寒冷紗などをかけるとよいでしょう。

種まき後に水を与えすぎると、種が腐ってしまうので注意が必要です。

植え付け

畑で作る場合、株間は30cm間隔、列間は30~40cmで畝に植え付けます。プランターの場合は直径30cm以上の大型プランターを使用しましょう。

落花生(ラッカセイ)は花が咲き終わった後に子房柄(しぼうへい)が地面に突き刺さりさらに土の中にもぐって莢(さや)を作ります。そのため、土が少ない場所や土質が硬い場所ではどんなに花が咲いても実が付けられません。開花したら畑では中耕と土寄せを丁寧に行いましょう。

プランターで育てる場合は、子房柄を必ず土のあるところに誘導してやりましょう。

落花生

6月下旬頃から蝶のような形をした、黄色い花を咲かせます。ひとつひとつの花は、一日花で夜にはしぼみます。

収穫

開花から80~100日位で、葉が黄色くなってきたら、そろそろ収穫の合図です。

試し掘りをして、実に網目が入って一粒ずつ豆のふくらみが確認できたら収穫可能です。反対に、網目がなく莢(さや)がつるんとしていたら、収穫にはまだ早いでしょう。

手だけで引き抜くと、莢が土の中に取り残されてしまいます。収穫するときは株の周りを大きく掘り起こし、採り残しのないよう収穫しましょう。

落花生(ラッカセイ)の中耕

花の後ろ側から伸びる子房柄(しぼうへい)が土中に伸びるので、その時「中耕」といって土をほぐしてしっかり土寄せを行います。反対に花がもぐり始めている時は、子房柄を切ってしまうので中耕はやめましょう。

中耕:栽培期間中に畝間や株間の土の表面を浅く耕すこと

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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