- 黒花ポピー・ブラックマジックは、3月~5月に光沢のある黒い花を咲かせる耐寒性一年草です。流通が始まったのは最近で、まだ流通量は少なめです。
アイスランドポピーやシャーレーポピーと比べると、草丈は低めで花のサイズも小さめです。ひとつひとつの花の開花期間は平均2~3日と短いですが、次から次へとたくさんの花が開花します。
性質は強く、環境に合った場所に植えれば育て方は簡単です。つぼみの時はうなだれたような姿をしていますが、開花間際になるとつぼみが起き上がり、開花すると太陽を向きます。次から次へと開花する小さな黒い花は、庭や花壇にアクセントとして使うとおもしろい素材です。茎が細く、そよそよと風に揺れるように咲く姿はナチュラルな雰囲気も演出してくれます。
- クナウティアはスイカズラ科の耐寒性多年草。初夏~秋まで長くたくさんの花が開花します。品種によって草丈はかなり違い、40cmくらいのものから1mを越すものまでさまざまです。暑さにも強く、開花期間が長いので、夏の庭や花壇に植えると重宝する草花です。
色は紫、ピンク、赤などがあり、クナウティア・マケドニカやクナウティア・アルベンシスがよく流通し、斑入りなどの新品種も登場しています。
丈夫でワンシーズンでもたくさんの花が咲き、育てやすい草花です。株としては短命な多年草ですが、環境に合えばこぼれ種で増えていきます。
- クレマチス・アンスンエンシスは、中国原産の冬に花を楽しめる常緑のクレマチスです。開花期は12月~1月で、耐寒性も強く丈夫です。冬咲きのクレマチスの中には夏に葉を落としてしまう品種もありますが、アンスンエンシスは夏も青々とした葉を楽しむことができます。
つる性なのでアーチやフェンスに這わせたり、鉢であんどん仕立てにしても見栄えがします。4~5cmほどの白い花で釣鐘状の形をしているところから、「ウィンターベル」という名で流通している場合もあります。うつむきがちに咲く花のほか、蕾も実のような雰囲気で愛らしい姿をしています。
- アーグティフォリウスは原種の有形種(木立性)のクリスマスローズです。株元から複数の茎が立ち上がって葉を展開し、その頂部に花を咲かせるのが特徴です。大株になると1mを越す丈になるため、庭や花壇で目を引く存在になります。
3裂に分かれた葉はギザギザした鋸葉です。それに対して花は丸くてかわいらしい形をしています。黄緑色の花は素朴な雰囲気で、他の植物との色合わせをしやすいのも魅力のひとつです。
原種以外に、カラーリーフにもなる銀葉や斑入りの園芸品種もいくつか流通しています。フォルムがかっこよく、葉だけの時期は背丈のあるオーナメンタルプランツにもなります。
- クラウンベッチは、マメ科の耐寒性宿根草。春から夏にかけて、レンゲに似たピンクの花を咲かせながら生長し、花にはほのかな香りがします。
つる性でとても丈夫で広いスペースのグランドカバーに適しています。暑さ寒さにも強く、やせ地でも育ち、ある程度の乾燥にも耐える優れものである一方、広がりすぎて雑草扱いされることもあります。
クラウンベッチは、太平洋戦争後に牧草としてヨーロッパから持ち込まれ、牧草だけでなく、土壌に窒素を固定する緑肥や雑草除けに用いられた歴史があります。
ふんわりと優しい雰囲気で広がり、明るい緑色をした葉の形も魅力があり、花のない時期でもあたりを明るくする効果があります。多少広がりすぎるという特徴はあるので、毎夏、広いスペースに雑草がはびこって困っているような敷地にとっては素敵なグランドカバーになります。
- 黒ほおずき(ニカンドラ)は、ペルーやチリ原産のナス科の一年草、オオセンナリの園芸品種です。種から育てても発芽率が良く、栽培は簡単な草花です。夏に淡い紫色の花が開花した後、黒い萼片につつまれた果実を多数実らせます。
果実は、ほおずきと似て5枚の萼片に囲まれた形をしていますが、黒ほおずき(ニカンドラ)はニカンドラ属に属するため、植物分類的にはホオズキ属のほおずき(鬼灯)とは別です。
黒っぽい果実が茎にゆらゆらとぶら下がり、茎が優しく枝垂れるような見た目のため、流れを出す花材として生け花やフラワーアレンジ用の切り花としても流通しています。
- クレオメは、蝶が舞っているような花を咲かせる非耐寒性一年草。太くて長い雌しべと、さらに長い雄しべが特徴的です。クレオメの花ひとつひとつの寿命は短いですが、毎日先端に向かって咲き進み、新しい花が開くので長い間楽しむことができます。暑さに強く、こぼれ種でも増え、丈夫で育てやすい草花です。
クレオメの花が蝶が飛んでいる姿に見えることから、クレオメの和名は「西洋風蝶草(セイヨウフウチョウソウ)」とつけられています。別名として「酔蝶花(スイチョウカ)」とも呼ばれますが、それはクレオメの花が蕾のときは濃いピンク色で、咲き進むにつれてだんだん白っぽく変化する様子を酔った蝶に見立てたことからついたそうです。
さらに、クレオメは英名では「Spider flower」と呼ばれています。それは「蜘蛛の花」を意味し、長い雄しべが細く長い蜘蛛の足に似ていることが由来とされています。
従来のクレオメは、トゲがあることや、茎に触るとべたべたしたり、独特な香りが気になったり、こぼれ種で繁殖しすぎるなど、気になる点があったのですが、そんなマイナス面を改良した品種も登場しています。
- クレマチスは、日本、ヨーロッパやアジアが原産の多年草。原種は300種類は存在し、日本では「カザグルマ」「ハンショウヅル」「センニンソウ」などがあります。クレマチスの花びらに見える部分は「ガク」であり、花びらがないというちょっと変わった花で、四季咲き、一季咲きのものがあります。クレマチスは品種によって開花時期も異なり、秋冬に咲くものもあります。
クレマチスの咲き方は、大きく分けると新しい枝に花が咲く新枝咲き、新しい枝にも古い枝にも花が咲く新旧枝咲き、古い枝に花が咲く旧枝咲きの3つに分けられます。それぞれ剪定の仕方も違うので注意しましょう。
- クレロデンドルム・ブルーウィングは、クマツヅラ科の非耐寒性常緑低木。5月~9月頃に青い蝶のような小さな花が咲きます。その花姿から青い妖精、青い翼、ブルーバタフライブッシュなどと呼ばれています。
クレロデンドルム・ブルーウィングは、熱帯アフリカ原産なので暑さには強いですが、夏の強すぎる光は苦手で葉焼けをおこします。真夏は半日陰になるような場所で育てましょう。また、寒さに弱い性質があるので一年草として扱われていることも多い植物です。寒くなる前に室内に取り込むと翌年も花を楽しめます。暖地では霜に当たることがなければ屋外で越冬できます。
クレロデンドルム・ブルーウィングは支柱をしなくても育てられますが、背が高くなってきたらあんどん仕立てにすると形良くまとまります。初夏~秋までの寄せ植えやハンギングバスケット、半日陰の花壇に植える苗として用いられます。
- クラスペディアは、黄色い球状の花を初夏から秋に咲かせるキク科の一年草。原産地では多年草扱いですが、高温多湿の日本では、秋に種をまき、初夏に開花する一年草として扱われることが一般的です。
クラスペディアは切り花としての流通の方が圧倒的に多いですが、苗としての出回りもあります。球状の独特な形はドラムを叩くバチに例えられ、英名ではゴールドスティック、ドラムスティックと呼ばれています。
切り花としてのクラスペディアは、葉がない花茎のみで流通します。花持ちが大変良く、フラワーアレンジやドライフラワーの花材として親しまれています。出回りは通年あります。
園芸としてのクラスペディアは、ロゼット状のシルバーグリーン色の下葉も見ごたえがあり、他の植物と混植すると、草花の隙間から長い茎が飛び出して開花しているような見た目で、庭の植栽のアクセントになります。環境に合えば9月頃まで開花しますが、高温多湿に弱いため、暖地では主に真夏前までの花期になります。
クラスペディアの種類は、原産地ではいくつもありますが、苗として出回っているのはグロボーサ、Craspedia globosa(Pycnosorus globosa)がほとんどです。切り花としては、「ビリーボタン」と呼ばれるグラウカ種も出回っています。
- クラピアは、国内に自生する在来種イワダレソウを原種に、宇都宮大学の故倉持仁志氏が品種改良して創り出し商品化した植物です。全品種、農水省の品種登録を取得している国内唯一のイワダレソウです。
クラピアの大きな特徴の一つとして、環境に配慮した不稔性(種をつけないこと)であることがあります。柔らかな葉茎が芝生の約10倍のスピードで被覆し、美しく密なグリーンカーペットを形成していくので、雑草対策を兼ねた、花のかわいいグランドカバープランツとして人気があります。
クラピアのグリーンカーペットは、地表の温度上昇を和らげる効果があり、市街地のヒートアイランド対策や、砂漠や乾燥地の緑化植物として海外でも取り入れられています。生長すると地中深くまで根を伸ばすことで水やりのコストも削減。植栽地の環境汚染リスクが低く、CO2吸収固定能力も高いクラピアは、緑あふれる街並みを未来へとつなぐサステナブルな緑化植物です。
一度根付けば匍匐茎で横に広がる性質のため、定期的な刈込み工数を低減できます。また、根を地中深く伸ばすので被覆後の水やりも必要ありません。
クラピアの原種は海岸沿いで自生していたため、高い耐塩性を有しています。土中深くまで根を張り、根量が多い特徴から、海岸や法面保護、土留めとして災害復興にも活用されています。
*クラピアは種苗登録品種(植物の特許)です。植えた場所の土地を被覆することを目的とし、ポット苗で販売されています。権利者の許可なく増殖、販売、無償譲渡、海外への持ち出しは種苗法違反となります。自分の土地であっても別の土地に移植することも法律で禁じられていますのでご注意下さい。
- クレマチス・アップルブロッサムは、3月ごろから開花する生育旺盛で株が大きく茂る常緑のアーマンディー系のクレマチスです。ツルが伸びるので、アーチやフェンスに誘引すると、数年でとても見事な空間になります。香りがあるのも魅力のひとつです。たくさん花をつけるので一斉に咲いた時、甘い香りが庭に広がります。
アーマンディー系のクレマチスの葉の形は、細長く革のような質感と厚みがあります。常緑で長く伸びるので生垣としても利用できます。
- ストロベリーキャンドル(クリムゾンクローバー)はクローバーの仲間で、4月~6月に赤い花を咲かせます。本来は多年草ですが、暑さには弱いため日本では一年草として扱われています。
名前の通りいちごを逆さにしたようなかわいらしい形をしていて、ガーデニングの他、切り花としても流通しています。ストロベリーキャンドル(クリムゾンクローバー)は、花畑に使われるワイルドフラワーのミックスの種にも入っていることもあります。
- クモマグサ(雲間草)は高山の岩場などに自生しているヨーロッパ原産の多年草。春に花茎を伸ばしてピンクや白、赤などの小さな可愛い花(花径1.5㎝ほど)を次々と咲かせ、株がこんもりと茂ります。鉢植えやグランドカバー、ロックガーデンにも用いられます。ライムカラーの葉を持つタイプや、斑入りの品種も流通しています。
クモマグサ(雲間草)の名前で流通しているものは、ヨーロッパ原産の洋種(西洋)雲間草を指し、日本の高山で自生するクモマグサとは別種です。日本に自生するクモマグサは栽培が難しいためほとんど出回っていません。
クモマグサ(雲間草)は、雲に届きそうな高山に自生することや、雲のようなもこもこした葉の隙間から花を咲かせることが名前の由来とされています。
クモマグサ(雲間草)の学名のSaxifragaは、ラテン語の「サクスム」(石)と 「フランゴ」(割る)という意味が含まれていて、岩の割れ目に自生していることが多いことや、その姿が岩を割って生えているようにも見えることから付けられたと言われてます。
クモマグサ(雲間草)は寒さに強く暑さや蒸れに弱い性質があるので、寒冷地以外では寒い時期から春までの一年草扱いとされることが多いです。梅雨から夏を上手に越すことができれば周年楽しめる植物です。
- クロバナヒキオコシは、北海道や本州の日本海側に自生している山野草で夏から秋にかけて、黒に近い濃い紫色の小さな花が茎先に無数に開花する多年草です。極端な夏の強い日差しは株が傷んでしまう可能性がありますが、落葉樹の株元などに植え付ければ東京でも問題なく栽培できる丈夫な山野草です。
「ヒキオコシ」の名前の由来は、弘法大師が倒れた旅人にヒキオコシの葉のしぼり汁を飲ませたところ元気を取り戻したことからついたとされ、そのクロバナ種は「クロバナヒキオコシ」と名付けられたとされています。
- フロリダ系のクレマチスは、テッセンや白万重を代表とする系統で、花は四季咲き性で初夏から晩秋までとても長く花が開花します。花の咲き方は新旧両枝咲きです。フロリダ系のクレマチスの花は、八重咲きや個性的な花が多く人気の品種が多数あります。花姿は洋風にも和風の庭にも合います。開花時期が5月なので、バラの背景として用いることができます。
- 中~大輪系のジャックマニー系のクレマチスは、四季咲きのクレマチスです。花のサイズは中~大輪で、ツルの長さは2~3メートルくらい伸びます。5月~10月に花が開花し、剪定のやり方次第で一年に複数回の花を楽しむことができます。
一度根付ければ剪定が簡単なので、初心者にもおすすめのクレマチスの系統です。ツル性なのでトレリスやオベリスクなどに這わせると見事です。初夏の開花はバラの開花の時期ともあうため、バラの背景にもあうクレマチスの系統です。
- ヴィオルナ系、テキセンシス系のクレマチスは、「壺型」や「ベル咲き」と呼ばれる花の形をしたクレマチスです。
独特のかわいい形、実生のものが多いので同じ品種でもちょっとずつ違ったりすること、剪定すればワンシーズンで複数回花が楽しめることなど、魅力がたくさんあることからファンも多いクレマチスの系統です。
- アーマンディー系のクレマチスは、3月ごろから開花する生育旺盛で株が大きく茂る常緑のクレマチスです。ツルが伸びるので、アーチやフェンスに誘引すると数年でとても見事な空間になります。香りがあるのも魅力のひとつです。たくさん花をつけるので一斉に咲いた時、甘い香りが庭に広がります。アーマンディー系のクレマチスの葉っぱの形は、細長く革のような質感厚みがあります。常緑で長く伸びるので生垣としても利用できます。
- クスダマツメクサは、春から秋まで黄色いクスダマのような花を咲かせる耐寒性一年草です。地面一面に小さな黄色い花が開花している光景は見事です。花の終わりごろの形がビールの原材料のホップに似ていることから「ホップツメクサ」と呼ばれることもあります。
這うように生長するのでグラウンドカバーのように使うこともできる他、寄せ植えやハンギングの材料としても人気があります。地植えにして環境に合うと、こぼれ種で増えていきます。