バルブも楽しい!オススメのタケノコ系のラン5選

土屋 悟

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最近密かに人気上昇中のタケノコ系のラン。オススメの種類と、育て方のコツを「ベラビスタオーキッドジャパン」の三林寛子さんに伺いました。

目次

タケノコ系ってどんなラン?

オススメのタケノコ系5選

どう育てる?タケノコ系の育て方のポイント

タケノコ系ってどんなラン?

ランには、バルブと呼ばれる球根のようにふくらんだ部位があり、ここに養分や水分を蓄えています。このバルブは、種類によって様々な形をしており、個性豊か。最近人気のタケノコ系と呼ばれるランは、円錐状のバルブを持つランの総称です。

ランの多くは一年中葉を落とさない常緑タイプが多いのですが、タケノコ系のランは春に葉を出して、秋には葉を落とす落葉タイプのものが多くあります。落葉タイプは秋〜冬の間はバルブだけになってしまいますが、つるっとしたバルブの上に葉のつけ根の枯れた部分が残った独特の質感で、コーデックスにも通じるような見た目が目を引きます。このざらっとしたバルブから花茎を伸ばし、たくさんの花を咲かせるところは一見の価値ありです。

これを書いている私も、いくつかタケノコ系のランを育てていて、2018年のinstagramのベストナイン※1位はタケノコ系のクロウェシア レベッカ・ノーザン‘ミッカビ’でした。そんなところでも、タケノコ系の人気を感じたりしました。

これを書いている私も、いくつかタケノコ系のランを育てていて、2018年のinstagramのベストナイン※1位はタケノコ系のクロウェシア レベッカ・ノーザン‘ミッカビ’でした。そんなところでも、タケノコ系の人気を感じたりしました。

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三林寛子さん  「タケノコ系のランは日本だけでなく、海外でも人気。クロウェシアやカタセタムなど、ブラジル原産のものを仕入れていますが、イベントなどに出す前に、すぐに買い手が決まってしまうほど。」(ベラビスタオーキッドジャパン・三林寛子さん。以下同)  そう語るのは、タケノコ系の故郷ブラジルのランを輸入している三林寛子さん。そんな三林さんに、オススメのタケノコ系のランお教えていただきました。

三林寛子さん

「タケノコ系のランは日本だけでなく、海外でも人気。クロウェシアやカタセタムなど、ブラジル原産のものを仕入れていますが、イベントなどに出す前に、すぐに買い手が決まってしまうほど。」(ベラビスタオーキッドジャパン・三林寛子さん。以下同)

そう語るのは、タケノコ系の故郷ブラジルのランを輸入している三林寛子さん。そんな三林さんに、オススメのタケノコ系のランお教えていただきました。

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オススメのタケノコ系5選

1.クロウェシア レベッカ・ノーザン‘ミッカビ’
Clowesia Rebecca Nothern’Mikkabi’

クロウェシア レベッカ・ノーザン‘ミッカビ’  「タケノコ系でもっともポピュラーなランといえばこれ。ピンクの花がたくさん咲き、比較的育てやすい品種です。」 同じ親から生まれた品種で、やや花色が濃い‘ピンクグレープフルーツ’もあります。

クロウェシア レベッカ・ノーザン‘ミッカビ’

「タケノコ系でもっともポピュラーなランといえばこれ。ピンクの花がたくさん咲き、比較的育てやすい品種です。」
同じ親から生まれた品種で、やや花色が濃い‘ピンクグレープフルーツ’もあります。

2.フレッドクラーケアラ・アフターダーク‘ブラックパール’
Fredclarkeara After Dark ‘SVO Black Pearl’

フレッドクラーケアラ・アフターダーク‘ブラックパール’  妖しい黒花を咲かせる人気品種。クロウェシア、カタセタム、モルモデスの三つの属のよいところを掛け合わせてつくられたもの。 「しっかり育てれば花数が増えやすく、花弁が肉厚なので花もちもいいですよ。」

写真@miyagi746

フレッドクラーケアラ・アフターダーク‘ブラックパール’

妖しい黒花を咲かせる人気品種。クロウェシア、カタセタム、モルモデスの三つの属のよいところを掛け合わせてつくられたもの。
「しっかり育てれば花数が増えやすく、花弁が肉厚なので花もちもいいですよ。」

3.カタセタム・スピッツィ
Catasetum spitzii

カタセタム・スピッツィ  クロウェシアに比べるとやや大きな株になるカタセタムの原種。 「同じ種類でも異なる花色のものがあります。カタセタムらしい、独特の形をした花が特徴です。」

カタセタム・スピッツィ

クロウェシアに比べるとやや大きな株になるカタセタムの原種。
「同じ種類でも異なる花色のものがあります。カタセタムらしい、独特の形をした花が特徴です。」

 

カタセタム・スピッツィ

カタセタム・スピッツィ

 

カタセタム・スピッツィ

カタセタム・スピッツィ

4.カタセタム・シュミディアナム
Catasetum schmidtianum

カタセタム・シュミディアナム  ブラジルのベラビスタオーキッド園主のアントニオ・シュミットが発見したカタセタムの原種。鮮やかな花色とドット柄がポイント。 「ちょっと前まではドット模様の花は人気がないといわれていましたが、最近は人気急上昇中。今、植物に関心が高い人に響く花なのかもしれませんね。」

カタセタム・シュミディアナム

ブラジルのベラビスタオーキッド園主のアントニオ・シュミットが発見したカタセタムの原種。鮮やかな花色とドット柄がポイント。
「ちょっと前まではドット模様の花は人気がないといわれていましたが、最近は人気急上昇中。今、植物に関心が高い人に響く花なのかもしれませんね。」

5.クロウェシア・ロゼア
Clowesia rosea

クロウェシア・ロゼア  レベッカ・ノーザンをつくるための交配に使われた原種。 「原種なのにこの華やかさというのがすごいですよね。ピンクが濃いものから、縁だけがピンクになるものなどバリエーションがあります。」

クロウェシア・ロゼア

レベッカ・ノーザンをつくるための交配に使われた原種。
「原種なのにこの華やかさというのがすごいですよね。ピンクが濃いものから、縁だけがピンクになるものなどバリエーションがあります。」

 

クロウェシア・ロゼア

クロウェシア・ロゼア

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どう育てる?タケノコ系の育て方のポイント

①置き場所、環境

「春から秋の生育期は、基本的に屋外で育てます。カタセタムやクロウェシアは、自生地ではヤシの木の幹に着生して育っていて、ときには高さ10m近い場所に着生していることもあります。なので、風通しと日当たりのよい場所で育てるのがオススメです。

ただし、最近の日本、特に都市部では気温が上がりすぎ、夜温も下がらないことがあります。春から秋はできるだけ日当たりのよい場所に置きますが、7〜8月の高温期は、葉焼けするようであれば午後から日が当たらない明るい場所に置くか、日よけをするといいと思いますよ。

秋以降は最低気温が15℃を下回るようになったら、部屋の中に取り込みましょう。葉があるうちはなるべくよく日が当たる場所や、明るい場所に置いておきます。

クロウェシアやカタセタムは落葉性なので、冬になると葉が落ちますが、場合によっては葉があるうちに取り込む必要があることもあります。いずれも葉が広がって、室内ではちょっと邪魔になるかもしれませんが、自然に落ちるまで葉を残しておいた方が元気な状態を保ちやすくなります。

特に、葉がある状態で花芽が出てくるタイプは、葉を残すことが大事です。室内に明るい場所がない場合は、LEDライトなどで昼間の時間帯だけ光を当ててもよいでしょう。」

伸び始めた花芽  「時期は種類によって異なりますが、元気に育ってバルブがしっかり育っていれば、秋以降にバルブの付け根から花芽が出てきます。花芽は光の方向に伸びていくので、伸び始めたらあまり置き場所を変えない方が、咲いたときの花の向きが揃ってきれいですよ。  また、ある程度明るさがあった方が、花と花の間が間延びせずに、きれいに咲くものが多いです。  花が終わったら引き続き室内で管理しますが、春になって最低気温が15℃を超えるようになったら、外に出してあげましょう。  温かくなるとともに、一番新しいバルブから新芽が出て、次のバルブが生長します。鉢がいっぱいで次のバルブが生長する余地がないようなら、外に出すタイミングで余地をつくるように植え直したり、ちょっと大きめの鉢に植え替えるといいですよ。」

伸び始めた花芽

「時期は種類によって異なりますが、元気に育ってバルブがしっかり育っていれば、秋以降にバルブの付け根から花芽が出てきます。花芽は光の方向に伸びていくので、伸び始めたらあまり置き場所を変えない方が、咲いたときの花の向きが揃ってきれいですよ。

また、ある程度明るさがあった方が、花と花の間が間延びせずに、きれいに咲くものが多いです。

花が終わったら引き続き室内で管理しますが、春になって最低気温が15℃を超えるようになったら、外に出してあげましょう。

温かくなるとともに、一番新しいバルブから新芽が出て、次のバルブが生長します。鉢がいっぱいで次のバルブが生長する余地がないようなら、外に出すタイミングで余地をつくるように植え直したり、ちょっと大きめの鉢に植え替えるといいですよ。」

②水やり

「タケノコ系は水が大好き。春〜秋の生育期間は、植え込んである水ゴケが乾ききる前にたっぷりあげてください。同じランでもコチョウランは水ゴケがしっかり乾いてから水やりしますが、そこまで水をあげないでいると乾かしすぎです。

皆さんも、夏の夜に暑くて寝苦しい思いをしたことがあると思いますが、植物も同じ。夏に夜温が下がらないと、疲れてしまいます。夜温が28℃を下回らないときは、株全体に霧吹きやジョウロで水をかけて濡らしてあげるとよいでしょう。

最低温度が18℃を下回る頃から徐々に乾かし気味にし、植え込んだ水ゴケの表面がしっかり乾いてから水やりをし、水やりの間隔を長くしていきます。落葉したら水やりを止め、ときどき水ゴケの表面が湿る程度の霧吹きに切り替えます。

春になって屋外に出すようになったときも、水は霧吹きであげましょう。やがて新芽が出てきて7〜10cmになったら、たっぷりあげる水やりをスタートしましょう。」

③肥料

「生育期にはたっぷりの肥料が必要です。肥料は固形、液体、化成、有機のいずれでもかまいません。ランの栽培の適量であれば手に入りやすいものやすでにもっているものを使っても大丈夫です。

使いやすいのはN(チッ素分)、P(リン酸分)、K(カリ分)が同じ量含まれている肥料。N-P-K=10-10-10など、3つ同じ数字が並んでいる肥料がそれです。

肥料をあげる期間は、水をたっぷりあげる期間と同じです。つまり、春になって新芽が7〜10cmに伸びてから、秋になって葉が落ち始めるまでです。

この期間は株が元気に育つ時期。カタセタムやクロウェシアは肥料や水があればどんどん育ってバルブがしっかり太ります。バルブがしっかり太っているかどうかで、冬の花つきも変わってくるので、肥料を切らさないようにして下さいね。」

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土屋 悟

長野県松本市生まれ。早稲田大学第二文学部在学中より雑誌編集部でのアルバイトの延長でライター活動を始め、卒業後もフリーライターとして活動。 その後、編集プロダクションをいくつか経て、2009年より約9年間NHK出版「趣味の園芸」テキストの編集兼ライターに従事。 最近は湿度を好む植物、特に着生ランをいろいろ育ててます。 また、ガラスケースとLEDを使った屋内での植物栽培、窓がないトイレで育てるパルダリウム「トイレリウム」などもやってます。ときどき実家の庭の手入れもしており、庭仕事では剪定が好きです。【twitter】 @tutti0514 【Instagram】 @satorutsuchiya_

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