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タンポポ|季節と特徴、種類、セイヨウタンポポとの違いと見分け方

タンポポについて、花や綿毛の季節、特徴、種類、セイヨウタンポポとニホンタンポポの違いと見分け方、白い花を咲かせる種類まで、詳しく紹介します。

目次

タンポポとは?基本情報

タンポポ

  • 学名:Taraxacum
  • 英名:dandelion
  • 科名、属名:キク科タンポポ属
  • 分類:多年草

タンポポは黄色い花を咲かせるキク科の多年草。春になると道端、空地、公園、お庭、アスファルトの割れ目まで、あらゆるところで見かけます。草丈は3㎝くらいから10㎝を超えるものまで、個体差があります。

タンポポの葉は地面に平たく、放射状に広がります。ギザギザとした切れ込みの入った葉の中心から花茎を伸ばし、花を咲かせます。葉は冬の間もグリーンを絶やさず、静かに春の到来を待っています。

タンポポとよく似た花との見分け方

タンポポが咲く頃になると、ジシバリやハルノノゲシなど、他の黄色い花も一斉に咲き始めます。似た花との見分け方は、花の数です。タンポポの花は1本の花茎に1つしか咲きません。1本の花茎から花がいくつも咲いていたらタンポポではないということがわかります。

 

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タンポポの季節|花や綿毛はいつ見られる?

タンポポ

タンポポの花咲く季節

タンポポの花の咲く季節は、3月~5月です。ただし、環境が良ければ春以外の季節にも花を咲かせるので、秋や冬でも日当たりの良い場所で黄色い花を見かけることがあります。

タンポポの綿毛の季節

たんぽぽの綿毛

タンポポの綿毛が見られるのは、3月~5月です。タンポポは、花が咲いてから綿毛になるまでにそれほど時間がかかりません。花が咲き終わると間もなく綿毛になるので、黄色いお日様のような花と白い綿毛が混在している景色を見ることができます。丸くふわふわとしたタンポポの綿毛のかわいらしさは筆舌に尽くしがたいものがあります。

▼タンポポの綿毛をドライフラワーにしてみませんか

 

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タンポポの特徴|花や綿毛、茎、葉

タンポポの花の特徴

タンポポの花

タンポポの花の一番の特徴は、明るさに反応して咲くところ。タンポポの花は朝になると咲いて、夕方には閉じてしまいます。お日様があまり出ない曇りや雨の日も花を咲かせません。

 

たんぽぽの花の特徴

タンポポの花は、小さな花がたくさん集まって1つの花を形成しています。花びらのように見えているものは、実は一つ一つの小さな花です。この小さな花にそれぞれ雄しべと雌しべが存在しています。これは、たくさんの種子を作ろうとする、種の存続のためのタンポポの知恵です。

タンポポの綿毛の特徴

たんぽぽの綿毛

タンポポの綿毛は、タンポポの種子です。花が終わるとつぼみむように閉じて、茎が下を向きます。数日経って種子が熟すと、もう1度茎が上を向いて開きます。種子の先端には羽毛のような綿毛がついています。タンポポの小さな花の数だけ種子ができるので、きれいな球体の綿毛が出来上がります。

タンポポの綿毛は、完熟して乾燥すると、風に吹かれて飛んでいきます。ふわふわとした綿毛の下にある茶色いものが種で、綿毛はパラシュートのような役割を果たしています。風でたくさんの種子を遠くまで飛ばしていく、タンポポの子孫を増やすための知恵です。

タンポポの綿毛は、雨の日には開きません。雨で綿毛が濡れてしまうと、飛ぶことができなくなるからです。効率よく種子を飛ばそうという、タンポポの賢さに感心させられます。

タンポポの葉の特徴

タンポポの葉

タンポポの葉は、ロゼットといわれる放射状に広がります。冬の間も地面の上で葉を広げて光合成をし、春に開花するための準備を行っています。葉の縁には、ノコギリのようなギザギザとした切れ込みが入っているのが特徴です。タンポポの英名の dandelion(ダンデライオン)やドイツ名の Löwenzahn(レーヴェンツァーン)は、このギザギザした葉をライオンの歯に見立てて名付けられたと言われています。

タンポポの茎の特徴

タンポポの茎はストローのように中が空洞になっています。なぜ空洞なのかについてははっきりとした答えはわかりません。タンポポの茎は花茎といって、花を咲かせるための茎です。花を咲かせ種子を作ったら役割を終えて枯れていきます。

タンポポの茎は、ストローのように中が空洞になっています。なぜ空洞なのかについてははっきりとした答えはわかりません。タンポポの茎は花茎といって、花を咲かせるための茎です。花を咲かせ種子を作ったら役割を終えて枯れていきます。

白い液体の正体は?

タンポポを摘むと、白くベタベタした液体が出てきます。これは乳液と呼ばれるもので、ゴムの成分が含まれています。乳液を触ると指がベタベタしたり、服に付くと取れなくなったりするのはこの成分のためです。強い毒性はありませんが、肌の弱い人はかぶれる心配もあるので、触る際には注意をしてください。

タンポポの乳液は、葉や茎などタンポポの株全体に流れています。虫たちがタンポポを食べようとすると、乳液で口がくっついてしまい、食べられなくなります。乳液は、虫の食害から身を守る役割を果たしています。

タンポポの茎で遊ぼう

タンポポの茎がストローのようになっているからといって、ストローのように飲み物を吸い込んではいけません。ゴム質の乳液には苦みがあり、とても飲み物なんて飲めません。  タンポポの茎は水につけると反り返る特性があります。この特性を利用して、タンポポの茎で水車を作って遊んでみませんか。

タンポポの茎がストローのようになっているからといって、飲み物を吸い込むために使ってはいけません。茎から出る乳液には苦みがあり、とても飲み物なんて飲めません。子供の頃にタンポポの茎をストローにして遊ぼうとして、ひどい思いをしたことがあります。

タンポポの茎は、水につけると反り返る特性があります。この特性を利用して、水車を作って遊んでみませんか。タンポポの茎の両端にハサミで少しだけ切れ込みを入れて、水に30秒から1分間浸しておきましょう。茎の両端がくるんと反り返ります。茎の中に竹串などを差し込んで流れる水に浮かべると、くるくると回る水車になります。

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セイヨウタンポポとニホンタンポポの違いと見分け方

タンポポ

身近なところで見かけるタンポポは、大きく分けるとニホンタンポポとセイヨウタンポポの2種類があります。この2種類の違いは、セイヨウタンポポは外来種で、ニホンタンポポは在来種であるということ。最近ではセイヨウタンポポの方が優勢で、身近な場所でみかけるタンポポの多くはセイヨウタンポポです。在来種のニホンタンポポは数を減らしつつあります。

セイヨウタンポポとニホンタンポポの見分け方

花の基部にある総苞片を見れば、ニホンタンポポとセイヨウタンポポを見分けることができます。見分け方は、総苞片が反り返っていたらセイヨウタンポポ、閉じていたらニホンタンポポです。ただし、タンポポは交雑しやすく、ニホンタンポポとセイヨウタンポポの交雑種も増えている為、正確な品種を判別するのは難しいようです。

ニホンタンポポの特徴

ニホンタンポポ

ニホンタンポポの総苞片は、閉じるようにつぼまっています。また、冬の間は葉を地面に出して越冬し、春に花を咲かせた後、夏は地上部を枯らして夏越しするという点も大きな違いです。

セイヨウタンポポの特徴

セイヨウタンポポ

セイヨウタンポポの総苞片は、反り返っています。また、夏の間も葉を出して夏越しします。セイヨウタンポポは、単体で種子を作ることができる上に、ニホンタンポポよりも種子が軽く、遠くまで飛んでいきやすいという特徴もあります。

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タンポポの種類一覧|白い花のタンポポもある?

シロバナタンポポ

普段何気なく眺めているタンポポには、こんなに種類がありました。ニホンタンポポも5種類に分けられます。さらに白い花を咲かせるタンポポまであります。

セイヨウタンポポ

セイヨウタンポポは、花の下の総苞片が下に垂れるように反り返っているのが特徴の外来種。非常に丈夫で、いたるところで咲いています。もっとも頻繁に見かけるタンポポです。

カントウタンポポ

カントウタンポポは、関東地方を中心に分布するニホンタンポポです。トウカイタンポポとカンサイタンポポ、シナノタンポポの中間くらいのサイズです。

トウカイタンポポ

トウカイタンポポは、静岡を中心に分布しているニホンタンポポです。花径は4㎝ほどでガクが長いのが特徴です。

シナノタンポポ

シナノタンポポは、北関東から甲信越地方に分布するニホンタンポポです。花径は4~5㎝ほどでガクが広くたまご型をしています。

カンサイタンポポ

カンサイタンポポは、近畿から北九州を中心に分布しているニホンタンポポです。花径は3㎝ほどでガクが小さめです。

オキタンポポ

オキタンポポは、隠岐諸島に分布するニホンタンポポです。花径は3㎝ほどでガクが細長いのが特徴です。

シロバナタンポポ

シロバナタンポポ

白い花を咲かせるシロバナタンポポは、日本在来種のタンポポ。関西より南の地域に多く生育しています。地方によってはシロバナタンポポのほうが優勢で「タンポポの花と言えば白!」という地域もあるようです。最近では関東でもシロハナタンポポを見かけることが多くなってきました。

ピンクの花のタンポポ

園芸種でモモイロタンポポと呼ばれるものがあります。確かにタンポポによく似た葉と花ですが、正確には、モモイロタンポポはキク科フタマタンポポ属の一年草です。タンポポ属ではないので、タンポポの種類ではありません。

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タンポポは食べられる?

タンポポ

タンポポは、食べられる野草です。ただし、身近な場所で見かけるタンポポは、そのままでは灰汁やえぐみが強く、バリバリとサラダのように食べることはできません。タンポポの食べ方を紹介します。

タンポポコーヒー

タンポポコーヒーは、タンポポの根を原料としているコーヒーです。通常のコーヒーと違い、カフェインは入っていません。焙煎しているので香りも良く、カフェインを控えている時でも安心して楽しめます。

タンポポサラダ

ヨーロッパでは昔からタンポポの葉を食用にしていたそうで、今でも野菜として栽培されいます。フレンチレストランなどに行くと、タンポポの葉のサラダに出会えることがあります。

タンポポを生食するなら、食用に栽培されたものを購入するようにしましょう。道端のタンポポにドレッシングをかけても、苦みが強くおいしいものではありません。

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春を伝えてくれるような可愛らしいタンポポ。気がつくと咲いているような身近な花に、ちょっと注目してみませんか。日々のお散歩が楽しくなりますよ。

 

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